『七つの大罪』ぼちぼち感想

漫画『七つの大罪』(著:鈴木央)の感想と考察。だいたい的外れ。ネタバレ基本。

【感想】『七つの大罪』第311話 まだ終わらない

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週刊少年マガジン 2019年 25号[2019年5月22日発売] [雑誌]

第311話 まだ終わらない

  • 「あああああぁあああああああ」
    崩れ落ちた瓦礫を前に立ち尽くし、ただ絶叫するメリオダス
  • バンはエレインを抱きしめ、惨劇が目に入らぬよう護っている。
  • メリオダス!!!」
    背後からマーリンが呼んだ。
    姉々ねえねえ なら無事だ!!!」「間一髪な…!」
  • マーリンが指を立てて掲げた右手の先、頭上10mほどの空中にエリザベスが浮かんでいる。
  • 「私…なら大丈夫…」
    額から出血していたものの、彼女は目を開けて自らそう言った。
    ◆少年漫画のヒロインの義務としてパンチラするエリザベスさん。相変わらずこの漫画のパンチラは色っぽくないけど…。
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    それはそうと、前回では黒タイツ穿いてたのに素足になっています。パンチラするため一瞬で脱ぎ捨てたのでしょうか。ブーツは履いたまま。イリュージョン。
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    それとも、これがマーリンによる「瞬間移動」効果!?
    落とさぬよう しっかり斜め掛けしていたバッグと穿いていたタイツだけを崩れ落ちた岩の下に取り残して、その他は瞬間的に引き寄せてエリザベスの命を救ったたのです。そう、「何があろうと何に護られようと必ず死ぬ」という条件の呪いを、瞬間移動という普通の術で簡単に打ち破って。
    …………ε=(・ω・`)はぁ。
    作者さんは自分の漫画の設定を忘れたんですか? しっかりしてください。
  • 未だ涙の浮かぶ目で見上げるバルトラ王、ベロニカ、エスカノール、半笑いになるグリアモールら。ホッと鼻息を吹くホーク。
  • メリオダスが駆け寄った。

  • 「…永劫の輪廻が復活している!!?」
  • 一息ついてから、マーリンは再び天空に呪いを…『追い合い食い合う霊魂あたま たちの円環』を「露顕カース ディスカバリー 」させた。
  • 「なんで~~? 呪いは団長が消滅させたはずじゃ……」
    戸惑う<大罪>たち。
  • 「…なんと凶々しい」「あ…あれがエリザベスに かけられていた呪いとは」
    初めて見る可視化された呪いの おぞましい姿に戦慄する人間たち。
  • 再び「魔神王」の姿になったメリオダスが、後背の節腕から混沌を渦巻かせた四角よつの の星を放つ。以前と同じように簡単に呪いは砕け散った。
  • 「…今度こそ消え失せろ」
    憎々しげに言い捨ててから、メリオダスはマーリンに顔を向ける。
    「マーリン 礼を言うぜ お前の瞬間移動じゅつ が間に合ってなけりゃ 今頃エリザベスは…」
  • 彼を見る わんぱく三人組は感嘆しきりだ。
    「み…見たか? メリオダスの あの姿と力!!」とギル。
    「すげ……」とハウザー。
    「あれが魔神王に比肩する力……」とグリアモール。
    ◆「魔神王に比肩する力」と、ここでグリに言わせている。
    今までメリオダスは「魔神王になる、なった」「魔神王の力に覚醒した」と散々 言ってきたので『魔神王』という地位・肩書を得たように見えていましたが、あくまで「魔神王と同等の強さの存在になった」ってコトですよと強いて言い直してきたのは、何か意味があるのかないのか。
  • その時、ピクッとメリオダスが震えた。
    「…どういうことだ…?」
    塵から肉が凝り太り、ジュク ジュク と『食い合う頭の環』が元の形に戻っていくではないか。
    「呪いが再生していく…」
  • 「おわわ~~~」
    ぞぞ~と肌を粟立てるホーク。
  • その傍でエスカノールも震えていたが、雪原の寒さのせいらしい。ハーと両手に白い息を吐きかけながら「あれ?」と疑問を口にした。
    「でも どうして王女様の呪いだけが復活してしまうのでしょう?」
    メリオダスに掛けられていた肉塊の形をした呪い…『永遠の命』は見当たらない。そう指摘したエスカノールは、よほど寒いのか、両腕で己を抱くようにして二の腕を ごしごし擦っている。
    ◆ここでエスカノールばかり やたら凍えていたのは気になりました。小柄で痩せてるから? 健康状態が悪くて血流が良くなく体温が下がりやすい?
    見てると、震えるまではしてないけど、ギル(一人だけ もこもこの冬コート着てる)、ハウザー、エリザベスも吐く息が白く表現されてますね。しかし他キャラにその描写は全くありません。
    人間キャラだけが低気温の影響を受けてて、他種族キャラは息が白くさえなってない感じ。ディアンヌやマーリンなんて、あんなに露出高い服装なのに、雪原で てんで平気ですもの。(グリアモ―ルは人間なのに露出高くて息も白くない?)

    話が逸れますが、この エリザベス見送りの場面、ギルやグリアモールはマーガレットやベロニカとはかなり距離を開けた位置にいます。
    バン&エレインやキング&ディアンヌが くっついていること、護衛のスレイダーがバルトラ王の傍にいることを考えると、ちょっと不思議な感じではありますが。
    護衛はスレイダーに任せて、三姉妹のお別れを邪魔しないように気遣って離れていたのかな?
  • メリオダスは答えた。
    「オレの永遠の命のろい最高神にかけられた だが エリザベスは――」
    ◆前に 自分で言ってたコトと違いますよメリオダスさん。自分の呪いは魔神王に受けた(第183話)、エリザベスの呪いは最高神のものだ(第248話)と、ハッキリ言ってたじゃん…。
    作者さんは自分の漫画の設定を忘れたんですか? しっかりしてください。
  • 「「「「!!」」」」
    ハッとするディアンヌ、キング、ゴウセル、マーリン。
  • 「つまり 魔神王は まだ くたばっちゃいねえってことか♬」
    バンが面白くなさそうに言った。
  • 「ああ…… らしいな」メリオダス
    ◆…?
    くたばっちゃいねえも何も、こないだ消した魔神王は戒禁の集合体(魔神王の分身)に過ぎず、魔神王本体は今も煉獄でピンピンしていることは、最初からメリオダスも知っていたはず。(第302話で「諦めてここから出ていくんだな 煉獄にいる本体かたわれ が寂しがってるぜ?」と戒禁魔神王に言ってる。)
    「半身であろうと魔神王が現世ブリタニア にいる=生きている=呪いが消えない」という意味なら、そもそも3000年の間、魔神王も<十戒>も現世ブリタニア に存在していませんでした(バン流に言うなら「くたばっていた」)が、エリザベスは しっかり呪われていました。話が矛盾します。
    「半身でも魔神王が現世ブリタニア にいる=そいつが一度解いた呪いを掛け直した」という意味なら、このタイミングで三日殺しの呪いが発動するのは辻褄が合いません。

    「魔神王や最高神と同等の力があれば呪いを解ける」という話だったのに、いつの間にか「呪いを消すためには魔神王を殺さなければならない」と話が すり替わっていませんか?
  • 「だとすると 他にも気になる点がある」
    とマーリンが言うと、
    「そうだよ!」ゴウセルが続けた。
    「倒した魔神王の半身――つまり戒禁は器がない限り力を行使できないはず…」「だからといって そこらの動物や人間を安易に器にすることは不可能なんだ」「魔神王の力に耐えきれず 大抵の器は砕けちゃう」
  • 「…たしかに マエルでさえ四つの戒禁を完全には受け入れきれなかった…」
    と深刻そうにキング。
  • 「じゃあ 団長以外の誰に取り憑いたら力が使えるの!?」
    地上に下ろされたエリザベスを大事そうに抱きしめたディアンヌは憤慨していた。
  • エリザベスは自ら額の傷を押さえ、シュウウと光の靄を発した そこは すぐさま癒されて傷は跡形もない。
    「……!」
    元通りの美しい顔でハッと息を呑み、メリオダスに言った。
    メリオダス …まさか!」
  • 「最悪だ……!!」
    十戒禁は誰を器にして魔神王になったのか。
    答えを察したメリオダスは、己の失態に ギリッ と歯噛みしたのである。

  • その頃、キャメロットから遠くないだろう鍾乳洞の奥深く。
  • 「…よくやった」「キューザックよ………!!」
  • 歓喜の涙を流す男に、ねぎら いの声がかけられた。
  • その男、キューザックの顔は血で汚れたまま洗われておらず、乱れた髪は哀れなザンバラのままだ。恍惚と愛しい者を見つめる双眸は、しかし、焦点が曖昧で狂気を孕んでさえ見える。
  • <原初の魔神>になって消滅したはずの彼が、どうして生きており何をしていたのか。それを語るために ここで時を遡ろう。二日前、キャメロットで魔神王メリオダスとの決戦が行われた、あの時と場所に。
  • 二日前。
    一面の瓦礫の中にディアンヌの創った金剛塔ダイアモンド・タワー が突き立つキャメロットで、キューザックは目覚めた。
  • 「ハッ!!」
    血まみれの顔で目を開ける。
    「俺は… 一体? …そうだ…」「ゲホッ」「魔神王様の罰を破り<原初の魔神もとのすがた >に戻っていたはずだ……」
  • 血にむせながら這いつくばっていた地面から半身を起こすと、すぐ傍にチャンドラーも立っていた。
    「お主も目を醒ましたか」「ゴフッ」
  • 「チャン…ドラー!」
  • 「マエルの… 一撃で死にかけたことで再び罰が発動し…」「チャンドラー と… お主キューザック に また分離したようじゃ」
    フー、フーと荒い息を吐くチャンドラーは、痛みを堪えているのか いっそう凶悪に顔を歪めている。
    ◆既に肉体崩壊しかかっていた<原初の魔神>が生き残れるとしたら「自ら分離することで肉体崩壊の罰を免れる(結果として、既に崩壊が進んでいた分、チャンドラー(半身)が犠牲になる?)」みたいな形じゃないかなと想像してはいたけれど…。
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    「死にかけたことで再び罰が発動し、分離した」という理屈は謎です。(^^;) なんで死にかけると分離の罰が発動するのよ?

    そもそも<原初の魔神>は「罪に逆らい元の姿に戻った罰として」肉体が自己崩壊することになっていました。(第297話)
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    (1)肉体と精神を二つに引き裂かれて(新たな人格を植え付けられ?)、それぞれ王子を育てる任務を与えられた
    (2)以上の罰に逆らって 元の<原初の魔神>の姿に戻ったら、肉体が自己崩壊する
    この二つが魔神王の与えた罰だったはずです。

    それが、罰2である自己崩壊で死ぬ寸前に「罰1(分離)が自動的に発動し、そのため罰2(自己崩壊)が止まって助かった」って。意味不明ですよ。自動的に「罰1が繰り返される(再び分離する)」仕組みなら、「罰2(自己崩壊)」は最初から要らないじゃん。
    作者さんは自分の漫画の設定を忘れたんですか? しっかりしてください。
  • 「それより… 儂らが気を失っている に… 何が… 起きたのか?」「うっすらとではあるがメリオダス坊ちゃんが全戒禁を取り込んだところまでは覚えて……」
    そこでハッとして言葉を止め、チャンドラーは勢いよく振り返った。同様にキューザックも。
    「………あれは」
    土埃の中、地面スレスレに浮かんでいる十個の光の球がある。
    「戒禁!!?」「それも すべて消滅しかけておる!!!」
  • 戒めの紋様を浮かべた淡く光る球体が、魂のように尾を引いてフラフラと漂っていたのだ。
  • 「なぜ!!? 戒禁はすべて坊ちゃんに吸収されたのでは…」
    「……!」
    チャンドラーの隣で、キューザックは別のものに顔を向けていた。
    「!!!」「ゼ…」「ゼルドリス様………!?」
  • 血に汚れたゼルドリスが、哀れにも土の上に ぽつりと倒れている。
    仰向いた左肩から腹までの服が袈裟懸けにバッサリと切り裂かれていたが、身体の傷は既に ほぼ自己再生しているようだ。しかし意識は無い。それは即ち、
  • 「おお… なんという お姿に!!」
    力が抜けて ド… とキューザックは両膝をついた。
    ゼルドリスは敗北したのだ、<七つの大罪>やリュドシエルめらに。戒禁が散らばっているということは、メリオダスの魔神王化も失敗したのだろう。
  • チャンドラーが怒鳴った。
    「出来損ないなど放っておけい!!」「最優先すべきは戒禁の回収じゃ!!!」
    ◆ゼルドリスが出来損ない? 何故に?
    …敵に敗北したと判断したから そう言ったのでしょうか。魔神王式に「負けた=弱い=出来損ない」理論?
    (メタ的に見るならば、『キューザックを怒らせて、殺害の動機にするため』だけに作者さんが言わせた台詞なんでしょうけども。)
  • キューザックが、足元に落ちていた己の魔剣の柄を握りしめる。
  • 「そして戒禁をメリオダス坊ちゃんに今一度お与え」「す…」
    チャンドラーは全てを言えなかった。背後からキューザックの魔剣に縦真っ二つにされたからだ。
  • 「キュ… …ザ?」「なん… …れ?」
    開きにされて問うたチャンドラーに、キューザックは尚も容赦なく闇の刃を振り下ろした。
    「許せ!! 俺の半身チャンドラー よ!! 貴様に恨みはない!!」「だが!! 貴様が生きていては妨げになる!!」
    チャンドラーは微塵に斬られ、肉片となって辺りに飛び散ったのである。
    「この姿に戻ったことは きっと運命だったのだ…!!」「俺はキューザックとしての意志と使命を貫かせてもらおう!!」
  • これだけの騒ぎが起きていたが、<大罪>たちの誰も気付くことはなかった。金剛塔ダイアモンド・タワー の上から降りてくるバンと、彼が背負ったメリオダスを歓呼して迎えるのに夢中だったからだ。
    バンが「ドジっ子」ぶりを発揮して、塔から降りる最後の一歩で愛嬌たっぷりにコケてみせていたとき、キューザックは小脇にゼルドリスを抱え、もう片手には闇に包んだ十戒禁を ひとまとめに握って、堂々とキャメロットから駆け去っていったのである。
  • 「ゼルドリス様……!!!」「俺は あなたを絶対に死なせはしません……!!!」
    そう叫びながら。
    ◆でも やっぱり誰も気付かない(笑)。
  • その夜。
    キャメロットから遠くないだろう場所に見つけた鍾乳洞に、キューザックは腰を落ち着けていた。
    太い柱状の鍾乳石を一本、根元から水平に切り倒して切り株のように台座を作り、その上にゼルドリスを横たわらせる。更に、その上に十の戒禁を浮かべた。
  • 「あなたは幼少の頃 よく俺に問われた… なぜ そこまで自分に忠義を尽くすのかと」「…答えは簡単です」
    キューザックは語る。未だ目を覚まさないゼルドリスに向かって。
    「あなたは俺にとって息子も同然 俺の宝物… 俺のすべて」「…たとえ それが魔神王によって植えつけられた感情だとしても」
    ◆罰で王子たちの世話役を任されたのに、どうして師匠ズ二人とも盲愛的なほど王子たちに肩入れしてるんだろうと不思議に思っていましたが。「息子のように愛する感情を魔神王に植え付けられていた」んですね。納得しました。

    …以下 妄想。
    現時点、魔神王は子を愛さないクズ親として描かれています。しかし、彼が自分の力を分割して他者に付与する行動を繰り返しているコト、<原初の魔神>(師匠ズ)も元々彼が創った存在であるコトを踏まえると、師匠ズに与えられた「息子を愛する感情」も、元は魔神王自身の感情だったりして…? 何らかの事情で愛情を切り捨てていたんだったりして…。などと妄想して、ちょっと萌えました(笑)。
    いや普通にクズ親なんでしょうけど…。でないとメリオダスが親殺しする正当性がありませんものね。
  • そのとき、ゼルドリスは意識を取り戻した。
    (…………)
    薄っすらと開いた目に映る、見覚えある人影。
    (キュー…ザック…?)
    そして、両腕を差し伸ばした人影の頭上に浮かぶ、十の光球は。
    (あれは――…)
  • キューザックが呼びかけた。
    「さあ戒禁よ!! ゼルドリス様に大いなる力を もたらしたまえ」
  • 「!!!?」
    ゼルドリスはぎょっとする。浮かぶ光球は戒禁であると気付いた。
    (ま…さか… 戒禁を俺に!?)(や…… やめろ……)
    だが回復しきっていない体では、動くのはおろか声を出すこともできない。
  • その間に、半ば狂気に囚われた顔でキューザックは戒禁吸収の呪文を唱えていたのである。
    「イシメヨマ… シガイエニワ・コタ…」「ゼルドリス・トレノ・カラ・チナ!!!」
    ◆「イシメヨマ シガイエニワ・コタ」→「戒めよ 我が意志に応え」
    「ゼルドリス・トレノ・カラ・チナ」→「ゼルドリスの力となれ」
  • ゼルドリスの脳裏に、メリオダスの肉体を乗っ取った魔神王の言葉が浮かんだ。
  • 『戒禁は我が力の欠片 その全部を取り込み魔神王になるということは即ち――――』『我が新しき依り代になることに他ならぬ』
  • (いや…だ)
    浮かんでいた十の戒禁が、ゼルドリス目掛け雪崩落ちてくる。
    (やめてくれ…!!!)
    ◆「やめろ~ジョッカー! ぶっとばすぞぉ~」(仮面ノリダー)の方を、本家の一文字隼人(仮面ライダー二号)の改造場面より先に思い浮かべてしまった。
    台座の上に寝かされて身動き取れないまま意に染まぬパワーアップ施術されるゼルくん、昭和の特撮番組の、悪の組織に改造されるヒーローみたいね(笑)。
  • そして時間は流れ、夜が明ける。
  • 鍾乳洞の奥に作られた巨大な繭の前にキューザックは立っていた。繭は内側から破られ、中から現れた男が台座に腰かけている。
  • 「おお…!! ゼルドリス様!! なんという魔力…!! なんと立派な お姿に!! このキューザック 歓喜の涙を禁じえません」
    狂気じみた笑みを浮かべるキューザックの両目からは涙が溢れ出て、血と埃で汚れたままの頬を濡らしていた。
    「やはり あなたこそ真の魔神王にふさわしい …すぐにも父君など及ばぬほどの王となられることでしょう!!」
    ◆取ってつけたように「すぐにも父君など及ばぬ王になる」発言。チャンドラーの台詞「出来損ないなど放っておけい!!」と同じく、『魔神王を怒らせて、殺害の動機にする』ために配置された展開誘導用の台詞に見えます。

    ただ、この「すぐに父を超える」発言って、第290話で 思わせぶりにゼルに言った「あなたはじき に このわたし を超える存在となる」発言にも似てて、何か意図があるんかな? とも思わせられます。
    つまり「あの思わせぶりな発言は、ゼルドリスを我が子同然に思うキューザックの「お前はすぐにわたし を超えるだろう」的な親バカ発言に過ぎなかったんですよ~」という作者さんからのメッセージ…? もしそうなら、しょんぼり結論なコトこの上なし(苦笑)。
  • ここで最初の場面に繋がる。
  • 「…よくやった」「キューザックよ………!!」
    歓喜の涙を流す男に、ねぎら いの言葉がかけられた。
  • 直後、キューザックの全身は大部分を ぞるっ と削り取られて、残りは大小の肉塊となって呆気なく散らばり落ちたのである。
  • 「だが不愉快だ …もう消えて かまわぬぞ…」「お前は十分に役目を果たした」
    ◆愛するゼルドリスを最優先したい、それだけの理由でチャンドラーをゴミみたいに殺したキューザックが、同じようにゴミみたいに殺された。因果応報ですね。
    愛は何物より尊いか? 愛のためなら何事も許されるか?
    キューザックの愛は当のゼルドリスをも不幸にした。誰も幸福にしなかった。
  • 「ハ…」「ハ…」「ハ…」
    台座に腰かけた『ゼルドリス』は笑う。
  • 年恰好は青年になり、逆立てられていた髪は垂れて背の半ばまで伸びている。メリオダス が魔神王化した時と同じように。
    だが兄とは違い、節腕のような異形要素はなく、魔神の紋様も額にある。服も新しくならずに元のまま。袖は七分丈になり、靴と一体化していたズボンは伸びた背に耐えられず裾で破れて、脛が露わになっている お粗末さだ。
  • それでも『魔神王ゼルドリス』は口角を吊り上げて嗤っていた。
    「…我は まだ生きておるぞ メリオダス!!!」
  • 次回「開戦」

エリザベスは死にませんでした。(^^;)

彼女にかけられた呪いは、『記憶を失くして人間に転生、必ずメリオダスと出逢って恋に落ち、彼の前で人生を終える』もの。『万が一 前世の記憶が全て戻ったら、寿命を待たずに三日後に死ぬ』という追記事項付きでした。

 

そして、記憶が戻ってしまった場合の三日後の死は

何があろうと何に護られようと」「―――必ず三日で死ぬ」

と決定されていたのです。(第224話) 

何をしたところで回避できない。だからこそ「呪い」なのだと理解していました。

 

彼女が呪われてから3000年。メリオダスが看取った106回の死のうち何回が「記憶が戻っての三日後の死」だったのかは判りませんが(記憶が戻るのは、エリザベス曰く「万が一」の事態だそうですから、普通に天寿を全うしただけの人生の方が多かったのではないかと)、彼とマーリンが本当に何の対策も講じなかったなんて有り得ませんよね?

完璧なる立方体パーフェクト・キューブ 」に入れてみたり、時間止めてみたり、妖精族の「生命いのち の泉」を試してみようとしたり(そして二代目妖精王ダリアと対立してみたり)、思いつく限りのことは全て試して試して試して、やれることは やり尽くしたんですよね?

それでダメだったから、今の、「自分たち二人の呪いを解くことしか考えず、周囲を軽んじて利用して、多くの犠牲を出した」悪しき状況にまで陥ったんですよね?

 

しかし、今回 マーリンが簡単にエリザベスを救ってしまったので、メリオダスとマーリンは、今まで「三日殺しの呪いからエリザベスを護る」試みをしたことが 殆ど無かったのでは? と疑わしさが増しました。

 

 

 

正直、「マーリンが咄嗟の瞬間移動術でエリザベスを『三日目の死」から護った」のには、呆れるしかありませんでした。

そんなことでいいんだ? エリザベスを三日目の死から救うって、そんな簡単なことだったんだ!!?

 

呪いが「何があろうと何に護られようと、必ず三日で死ぬ」ものなら、瞬間移動で落石から助けた直後に心筋梗塞で死亡、くらいのことが起きて おかしくないのに、なーんにも起きません。

未だ呪いは健在のようですが、この調子なら、せいぜい可視化された呪いの見た目が気持ち悪いくらいの弊害しかないのでしょう。作者さんが再三のビックリ展開をやりたくならない限り。

 

そもそも、「魔神王化したメリオダスは一日もブリタニアに留まれない」という設定(限定条件)も 、現時点、 ほぼ無効化しています。メリオダスは、雪雹雷程度の天災を無視すれば好きなだけブリタニアに居座れるようです。ブリタニアを出て どこに行くかも自分で好きに選べるようだし。アホらしい。

 

ちゃぶ台返しです。

多くの犠牲や苦難の後で「メリオダスが ちょいと本気出して真の魔力を発揮すれば魔神王と同等になれる」と言い出した件と並ぶ、今まで積み上げてきたエピソード、読者の感情的な盛り上がりを…「メリオダスとエリザベスって こんなに可哀想なんだよ! だから、裏切りも暴走も他の人を殺して自分たちの愛を最優先させるのも仕方ないよね!」と振りかざしてきた免罪符を、自ら台無しにしてしまう転覆。それに伴う「可哀想な恋人たちを救う物語」の崩壊。

だって、「恋人の三日目の死を回避できなかったから、疲れ果てた可哀想なメリオダスは呪いを解くために多くの犠牲を出す暴挙に出た」って前提でここまで話を進めてきたのに。呪いなんて、第三者が物理的にヒョイと助けられるものでしかなかったんじゃないですか、アホらしい

 

とゆーか。

級数十万台のキャラが三人もいて、彼らはピクとも反応できず、闘級4000台のマーリンが颯爽と救っちゃうんですね(苦笑)。

作者さん、ホントにマーリン大好きだなあ。

……と思ってたら、次回で「エリザベスを呪いから護れるのは、魔神王と同等の力を持つメリオダスだけ」と言い出したので、また唖然としました。

いやいやいやいや、エリザベスを呪いから護ったのはマーリンだったでしょ? メリオダスは反応もできてなかったじゃないですか。どこが「護れるのはメリオダスだけ」なのよ!?

…うーむ。マーリンは神々の祝福を受けているから呪いに対抗してエリザベスを護れる特権があるとか? いやいや、だったら3000年の間に どうしてエリザベスを救わなかったのさ、という話になる。

 

つくづく、話が破綻しています。

前後の辻褄を考えないビックリ展開、行き当たりばったりで前後の言動と繋がらない「さすがメリオダス」「さすがエリザベス」「さすがマーリン」を安易に繰り返した果ての、メインストーリーの崩壊。

も~(設定や論理的には)めちゃくちゃです、この漫画。

 

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呪いの設定は矛盾だらけ

 

 

今回のメリオダスの発言に、『七つの大罪』の読者層全体が、今までになくザワついていました。

メリオダス
「オレの永遠の命のろい最高神にかけられた だが エリザベスは――」

バン
「つまり 魔神王は まだ くたばっちゃいねえってことか♬」

メリオダスの呪いは最高神が、エリザベスの呪いは魔神王がかけた…?

あれ? でも…

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第183話でメリオダス自身が、第196話ではマーリンが、メリオダスの呪いは魔神王が掛けたものだと断言しています。

 

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ついでに。

週刊少年マガジン』掲載時の柱の人物紹介欄にも、魔神王がメリオダスに呪いを掛けたと、ずっと書いてあるんスよ(笑)。

 

また、

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第248話ではメリオダス自身が、第251話ではリュドシエルが、エリザヘスの呪いは最高神が掛けたものだと、やはり断言しているのです。

 

メリオダスさんや、前に自分で言ってたことと違いますよ?

マーリンやリュドシエルも同じことを言ってますから、メリオダスの勘違いとも思われません。

そもそも、メリオダスの呪いは『死んで煉獄あの世へ行くと、待ち受けていた魔神王によって感情を奪われ、蘇生させられる』というもの。魔神王の力が不可欠の呪いを最高神が掛けるなんて、明らかにおかしいですよね。メリオダスの呪いは魔神王が掛けたと見るのが自然です。

となると、残るエリザベスの呪いは最高神の担当と見るのが順当でしょう。

 

…でも実は、以前の感想でも指摘しましたけど、第235話にて通信でゼルドリスに語りかけてきた魔神王は、エリザベスの呪いは自分が掛けたと言ってまして、矛盾があるのです。

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第302話の精神世界の戒禁魔神王も「我が呪い」を解いてからエリザベスを殺したと語ってメリオダスを絶望させています。

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第302話の感想では、この矛盾に

説A 二つの呪いは魔神王と最高神が共同で掛けた

説B 魔神王と最高神は、実は同一存在

という可能性が…?? と冗談半分で提示してみましたけども。

 

今回、メリオダスの呪いの方は「最高神に掛けられたものだから」解けたまま再生していない、と語られました。つまり、メリオダスの呪いとエリザベスの呪いは最高神と魔神王が別々に掛けたもので、二柱は別個の存在だと定義されている。

よって、上記の二つの説は成り立ちません。

(同じ呪いの一部を魔神王が、残りは最高神が掛けたという説も、魔神王の発言内容から見て、成り立ちません。)

 

 

…というわけで。

言い訳や誤魔化しのしようがなく、設定が矛盾…破綻しています。

 

 

この破綻は世界中の読者の多くに引っかかりを覚えさせたようです。

今回ばかりは、この漫画の設定の穴プロットホールを普段から 長文で議論し合っているような考察系コミュニティばかりでなく、いつもは「キャラ可愛い」「戦闘カッコイイ」くらいの無邪気な一行感想で埋まっているような健全なコミュティの幾つかにさえも「おかしい、前言ってたことと違う、間違っている」という書き込みが見られたのが印象的でした。

作者さん、流石に読者を舐めすぎですよ。

 

 

 

ところで、

エリザベスの呪いが再生した=魔神王は死んでいない

という理屈だと、再生しないメリオダスの呪いを掛けた最高神は「死んでいる」のか? と思っちゃいますね。

一応、第251話でリュドシエルが 

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 「聖戦に貢献すれば最高神ははぎみあなたの呪いを解いてくださるかも」

とエリザベスに言っていますから、死んでいないはずです。

一方で、第296話でリュドシエルは

最高神様おられぬ今 魔神王の力へ抗う手段はないのだからな」

とも言っています。

最高神はいない…でも死んではいない。

となれば、最高神は健在ではあるが、天界には不在で、かつ、現世ブリタニアの戦いに介入できない状態にある…恐らく、魔神王の本体が「魔神族のあの世れんごく」に封じられているように、どこかに半封印されているか休眠状態にあるのではないか…と今のところは推察しています。

最高神は どこで何をしているのでしょうね?

 

 

 

呪いに関しては、他にも矛盾、または疑問を感じる点があります。

 

メリオダスの呪い 永遠の生への疑問

メリオダスの呪いは「魔神王が煉獄にいる」ことが前提の仕組みになっています。

しかし呪いを掛けられた前聖戦末期の時点で、魔神王は封印されておらず、煉獄にはいなかったはずです。

単行本24巻 描きおろし番外編『祭壇の王』にて、メリオダスは以下のように述べています。

メリオダス

「お前ら女神族は ほとんど大戦で魔神王と<十戒>の封印に力を使い果たして体を失ったんじゃねえの?」

「オレの知ってる女神族れんちゅうも角笛やら剣やら遺物に宿ってるようだし」

つまり、前聖戦で<十戒>ら魔神族が常闇の棺に封印されたのと時 同じくして、魔神王も女神族によって煉獄に封印されたと。

メリオダスとエリザベスが呪われた(魔神王と最高神に殺された)のは、常闇の棺による封印が行われるより前だったはずです。

(神々に倒されたメリオダスが意識を失っていた間に聖戦は終わっていたと、第224話で説明されているので。

ちなみに、<十戒>たちは魔神王が煉獄にいることを承知してましたから、彼らが封印されたのは魔神王より後だったはず。)

…なのに、魔神王が煉獄にいること前提で呪われてるとゆー…。

前提が歪んでいます。おかしいですよね?

 

 

 ■エリザベスの呪い永劫の輪廻への疑問

「魔神王が生きていたから呪いが再生した」のでエリザベスは落石に遭ったという。しかし呪いが一度は解除されていたなら、「記憶を完全に取り戻してから三日」の期限はリセットされないのでしょうか? どうして『呪いが解除されず継続していた場合のタイミング』で呪いが発動したのでしょう。

 

そもそも魔神王ゼルドリスはいつ誕生したのか。

キューザックが洞窟にゼルを運んで戒禁注入したのは、キャメロット決戦があった日の夜のはずです。

ゼルが繭から出てきたのは、その翌朝…? いや、雲が影で描写されているので夕方のようにも見えます。そしてキューザックが殺された頃には、雲の感じからして昼になっていたように見えます。

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一方で、魔神王ゼルドリスがキューザックを殺したのと、エリザベスが落石に遭ったのは、同時刻に並行して起きた出来事として描かれているようにも見えますから、そうならば、ゼルドリスは一日半の間 繭に入っていたことになります。

 

いずれにせよ、魔神王ゼルドリスが誕生して直ぐにエリザベスの呪いを「再発動」したならば、どうカウントしようとも、落石が起きた日時が「三日目」には なり得ません。

 

そうなると、「再発動した呪いは、以前に解除された呪いの「三日の期限」を引き継ぐ」か、「再発動した呪いは、もはや三日の期限に関係なくエリザベスを殺す設定に変更されている」か、どちらかというコトになります。

…あくまで「再発動」と表現され、可視化された呪いの形も変化しておらず、新たな呪いを掛けられたとは言われていませんから、前者の「以前に解かれた呪いの「三日の期限」を引き継ぐ」方、ですかね?

なんで一度解いたのに、期限の設定は引き継がれるんだろう。

なんか、ご都合が強いというか いい加減な感じがして、納得しがたいなあ…(;´Д`)。

 

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魔神王ゼルドリス

 

 

魔神王になったゼルくん。

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魔神王メリオダスのデザインは、過去に描かれてきた「メリオダスの本性らしき影」にシルエットが似せられていました。

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「ゼルドリスの本性らしき影」も第256話に登場してましたけど、シルエットは全く似せられてないですね(苦笑)。

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魔神王ゼルドリス、次回で お色直して新しい服を着ていましたけど、やっぱり「本性らしき影」とは似ても似つかないシルエットでした。

戦闘が始まったら更に変身して、「本性の影」に似た、トサカっぽいシルエットになるのかしら。

 

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エリザベスが死なず、師匠ズが生きてて・また死んで、ゼルドリスが魔神王の器にされて。盛り沢山な回で、「展開の全部のせ」キャンペーン継続中なんだろうか、と思いました。

 

師匠ズは生きてたと思ったらゴミみたいな死に方で慌ただしく退場して、悪役キャラとは言え悲しくなりました。あまりに露骨な「不要キャラ処分セール」に見えたからです。

それに、チャンドラーもキューザックも、殺される前に不自然な感じで「相手を怒らせる台詞」を言う…チャンドラーは出来損ないと、キューザックは すぐ父を超えると言った…のが、いかにも「殺されるための台詞運び」で、少々雑に感じられたのも残念でした。

また、折角キューザックが再登場したのに、あれだけ思わせぶりに描かれた「ヤボ用」の件(第248、254話)は、結局 明かされないまま…。何だったんでしょうね、あれは。展開の変更をしたため語るに語れなくなったとかなのかな? これが最も残念でした。

 

師匠ズの扱われ方が あまりに雑に感じられたので、もしや、作者さんは本来はキャメロット決戦で<原初の魔神>もゼルドリスも死んで終了してたつもりだったのに、読者があまりに「あれで死んでるはずがない」と騒ぐものだから、急遽 展開を変更したんじゃないか、と疑う気持ちにもなりました。それで、やはり評判の悪かった「魔神王との決戦」のやり直しをするつもりとか?

 

 

ともあれ、キューザックの死の明瞭化を契機に、そろそろアーサーの復活展開も来るでしょうか?

…例えば、アーサーに治癒術を かけられなかったのはキューザックに操られた彼が剣から手を離さず剣が心臓に刺さったままでは術が掛けられなかったからなので。キューザックの死で術の影響が消えてアーサーが剣から手を離せば治癒術かけられるってことで、マーリンがアーサーの心臓が完全に破壊される寸前に彼の状態を凍結していたってことにでもすれば、今から剣を抜いて治癒術を…

とか妄想して読み返してみたら、マーリンの部屋に浮かべられてるアーサーの遺体は胸に刺さった剣から両手を放していました。彼の復活にキューザックの生死は関係なさそうですね(苦笑)。

 

なんにせよ、アーサーが生き返ったら、

メリオダス殿、あなたはキャメロット(消滅してるけど)から魔神を駆逐してくれた恩人です! あなたが魔神族に寝返ったと罵って ごめんなさい、エリザベス王女への愛のためにしたことだからメリオダス殿は悪くありません!」

と謝罪して、エリザベスへの愛のためにすることは全て正しいと肯定し・メリオダスは優しくて恩人な憧れの英雄だと讃える、例の儀式が一通り行われるんだろうなあ…。

そしたらメリオダスはフッと笑って「ありがとな」って言うんだわ。

 

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魔神王ゼルドリスを初めて見た時は、てっきり、次回か次々回には 真の敵に あっさり倒されて退場する、読者を一瞬ドッキリさせるだけの噛ませキャラかと思ってました。『ドラゴンボール』の再来したフリーザとパパみたいな。

 

だって、「メリオダスより遥かに弱いゼルドリス」に「消えかけた戒禁」を足したところで、強敵になり得るはずがない。なったら、逆に「下駄の履かせ過ぎだ、おかしい」と読者に思わせること必至です。

 

また、「ゲルダがゼルに呼びかけて愛の力で魔神王の支配から抜け出し…」という王道展開もダメです。

何故なら、「魔神王メリオダスにエリザベスが必死に呼びかけたが声は届かなかった」という展開を過去に(第302話)やってしまっているから。

なので、もし「ゲルダの愛の呼びかけでゼルが魔神王を跳ね除け」てしまうと、メリ&エリの愛よりゼル&ゲルの愛の方が強い、ということになってしまう。このメリ&エリ至上主義の漫画で、そんなことが許されるでしょうか?

 

だからといって、ゼルがゲルダと共に死ぬとか、ゼルの前でゲルダが殺されるような展開は見たくありませんから、多分、なんかエリザベスがピカーと光ってメリオダスが殴る蹴るして まだまだ「本当に真の魔力」を隠してたぜ! と土壇場で言って救うんじゃないでしょうか。そんで、メリオダスは素敵な兄貴、弟を救ったんで魔神族への裏切りはチャラです! となる。

 

死にかけたゼルにメリの魔神王の力を譲って、魔界は魔神王に覚醒したゼルが平和に治めてくれることになったよ、メリ&エリは自由になったよ めでたしめでたし、というのも有りそうではありますね(笑)。

はたまた、ホークママで色んな異世界を渡り歩くことで「強大すぎてブリタニアに留まれない」問題をクリアして、メリ&エリ二人で異世界移動酒場<豚の帽子>亭を経営する、いつかあなたの町にも行くかもね☆なメルヘンオチでもいいかもしんないです、いっそ。 

 

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それにしても、最高神は まだ登場しないのでしょうか?

それとも魔神王ゼル戦のクライマックスで突如現れて戦局をひっくり返す的な出番を待っているのでしょうか。

 

ともあれ、最高神が登場するのなら、魔神王のと同じことはやってほしくないですね。

つまり、最高神を とことんクズ親として描いて「親だけど殺してもいい」と定義し、人格も能力も徹底的に卑小な存在に貶めてから、メリ&エリ側が正義を振りかざしてボコ殴りで終わらせる、というパターンは。

神を矮小化して倒しても色んな意味でスケールダウンしちゃって面白くありませんでしたし、メリ&エリが してきたことを、私は必ずしも正当だとは感じられないので(完全なる間違いとも思いませんが、決して胸を張れる正義ではないと思います)、彼らが一方的に「善・正」の旗を掲げて終わるのはスッキリできない感もあります。

親から子への代替わりと巣立ち、神の時代から人の世への歴史の遷移を感じさせてくれる形になったら嬉しいんだけどなあ。

 

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今回の扉絵の煽り文が

物語はいよいよクライマックスへ! アニメ新シリーズ『七つの大罪 神々の逆鱗』2019年秋に放送決定!

となってて、「クライマックス」の文言が復活していたのでゾッとしました。

えええ…。まさか、また最終回が近いと煽り立ててビックリ展開でスカす、アレを繰り返す気なんですか? 

それとも、秋から放送のアニメの内容がクライマックスだって言ってるだけですよ、と笑われるのでしょーか。

 嫌な感じだなあ。

 

エビローグから ここまでの一連の展開は、確かに読者をビックリさせましたが、物語への信頼は確実に失わせたと思います。

 

 

 

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