【感想】『七つの大罪』第312話 開戦
週刊少年マガジン 2019年 26号[2019年5月29日発売] [雑誌]
第312話 開戦
- リオネス王都の郭壁の外側に<豚の帽子>亭は停留している。再び不穏になった空模様の下、雪は一帯に厚く積もり、<豚の帽子>亭も こんもりと雪帽子を被っていた。
◆!?
たまたま そんな形に見えただけかもですが、<豚の帽子>亭の前に なんか動物…豚? の形の雪人形が ある? 可愛いですね。 - 「プ…プゴ~~!!! ま…
本当 かよ!? 魔神王が復活~!?」「な… 何かの間違いじゃねぇのか!?」
<豚の帽子>亭内のメリオダスとエリザベスの寝室。そこに集まった<大罪>たちの中で、今になってホークが驚いていた。
「あんニャローはバンとメリオダスが ぶっとばしたはずだろ!!?」 - 「相手が魔神王なら不思議じゃないよ」とゴウセル。
- 「そんで団ちょへの報復とばかりに」「王女さんにかけた
永劫の輪廻 を再発動させたってワケか…」
バンが言った。常にくっつけているエレインは、今はいない。
◆どうしたんでしょう? 接着されてるかのようにバンとニコイチで、エリザベスに対しても大親友の顔で接していたのに。(あんなことがあった直後に、シスコンのベロニカがエリザベスの傍に付いていないのも不思議ですが…。)
<豚の帽子>亭には いないっぽいので、王都内の自宅に戻ってるのかな? - 「…何より問題は 誰を依り代に復活したか…だ」
考え深げに言ってマーリンが尋ねた。
「メリオダス 心当たりはあるか…?」 - <大罪>たちとホークは一斉に視線を移す。エリザベスを寝かせたベッドの傍に立っているメリオダスへと。
- 「ん~~~ さてさてさーて…」「ちっとも見当つかねぇな…」
メリオダスは俯き加減に言って、片手で己の金髪頭を わしわしと掻き回した。 - 旅装も解かずにベッドに入れられて半身を起こしていたエリザベスは、彼の様子に仄かに意外そうな顔を見せたものの、口を挟むことなく沈黙している。
「……」
もの言いたげな色を目に浮かべながら。
◆ちなみに、落石から はみ出していた例のハート型のショルダーバッグは、しっかり回収されてベッドのサイドボードに置かれてあります。
こうして見ると、意外にデカいなあ。 - 一方、ブリタニア南部と思われる山村。
拳ほどもある雹 が降り注ぐなか、男二人が家の前の畑で大急ぎで作物を収穫していた。 - 「勘弁してくれよ~ 大雪の次は雹だなんて」
葱の葉を切って籠に詰めながら細身の中年男が声を張り上げている。
「さっさか作物を収穫しねぇと全部ダメになっちまうだ!!」
蕪を抜きながら太身の中年男も叫んだ。
◆こんな大きな雹が降ってるときに屋根のないところで作業するのは危ないですよ。(一応、帽子や頭巾は被ってるから大丈夫なのかな?) - 「お… おい あそこ」
「ん? おお?」
男たちは作業の手を止めた。斜面の下を見知らぬ若者が歩いていくのに気付いたからだ。太身の男が声を掛けた。
「おい兄 ちゃん こんな山奥で道にでも迷ったんけ!?」「それに その服… ボロボロじゃねぇの」 - 暗色の長い髪を垂らした若者は、袖丈の足りない服を着て、ズボンの裾はビリビリに裂けて脛が露出している。
- 「…………」
若者は足を止めた。 - 「もし怪我をしてんなら家で少し休んでけ!!」
太身の男は背後の丘の上に建つ こじんまりとした家を腕で示す。 - 若者…魔神王ゼルドリスは、己の袖の丈の足りなさに初めて気が付いたようだった。
「フーム… なるほど… たしかに王が このような惨めな姿では格好がつかんな………」 - 独りごちるや、たちまち服がドロッと溶けて沸き上がり、全身を包み直していく。一方で、パキキ、ビキ、と硬い音をたてながら手指や胴に硬い甲冑が生じていった。
- 「わ…わわ!! なんだ!!?」
「まっ」「魔法だ!!!」
男たちは抱き合って恐れおののく。 - 「こんなものか…」
足元の草木が闇の瘴気でジュオオ…と焼け崩れている。
やがて呟いた魔神王ゼルドリスの姿は、冑こそないものの、鎧にマントをまとって身分ある騎士のようだった。ただし胸鎧の中心には爬虫類を思わせる大きな目玉が一つ、開いて生きており、人ならぬ者の禍々しさを主張している。 - 「……」「魔力の流れもスムーズだな」
少し意外そうに彼は言うと、右手をスッ…と斜面の上の民家にかざした。 - 「?」
抱き合ったまま不審がる男たち。 - 魔神王は、かざした手のひらを軽く握り込んだ。
- メキョ
- 同時に家は周囲の地面や木々と共に丸く削り取られ、一緒くたに丸い巨塊に圧縮されたのである。
- 「う… 家が…」太身の男が言った。
「や… 山が…」細身の男も言った。
ズンッと地響きを立てて、周囲の木々を折りつつ、巨塊が えぐり取られた穴に落ちたのを合図に、
「お助け~~~~!!!」
「ひゃあ~~~~!!!」
男たちは我先にと逃げて行ったのである。
◆ここで魔神王ゼルドリスが人間を一人も殺さなかったのは、この漫画のこれまでの基本的な描写法(敵キャラの強さや残虐性を示す指標にするために、モブキャラを塵以下の扱いでバンバン無残に殺す)を思うと、おや と思わされました。珍しいですね。でも、ホッともしました。
作者さんも、読者があんまり「モブを これほど殺しまくって省みないのは酷い」と言うものだから、今回は(ゼルドリスを愛される被害者にするためにも)殺さないでおこうと思ったのかな?(そのせいか今回はモブキャラ自身も、親切な言葉をかけてきて、とても善良に描かれていますね。) - 「正直 メリオダスに比べ 性能面は大分劣ると憂慮してはいたが なかなか悪くはない」「完全に
支配 下におけば 魔神王本来の力を再び取り戻せよう……!!」
魔神王は口角を吊り上げて、お馴染みの笑いを漏らした。
「ハ…」「ハ…」「ハ…」 - 笑う魔神王ゼルドリスの精神世界の奥底で、ゼルドリス本人の意識は未だ人事不省に陥っている。深い水底に沈んでいるように。
いずれ目覚める時は来るだろうが。
「いい子だからゼルドリス…」「お前は愚かな兄のように父を拒絶するでないぞ…?」
末息子の抵抗を予見するごとく、魔神王は言ったのだ。
◆自らフラグを立てる魔神王パパ。 - 「さて…… 呪いの再発動に気付かば <七つの大罪>は いずれ我が居場所を嗅ぎつけるはず」「だが器の完全な支配には しばし時間が要る…」
雹は止んだが、荒野 には幾条の雷が落ち続けている。奇妙な気象には構わずに魔神王は考え込んだ。
「とはいえ―― 下位魔神どもでは なんの足止めにもならん……」「いいや… <七つの大罪 >の前には もはや<十戒>すら力及ぶまい …… …厄介な存在だ」 - そこでハッと震えた。
「……この魔力反応は」「……なぜ地上に?」
口角が愉快そうに吊り上がる。
「誰が作ったものかは知らんが都合が良 い…!!」
◆魔界へ続く門の存在を感じて「なぜ地上に」と言う魔神王さん。
彼にとってブリタニアは「地上」なのか! つまり魔界は「地下」なんですね。物理的にブリタニアの地面の底にあるって意味じゃなくて、観念的に「下」ってことなんだろうけど。
反対に女神族の本拠地である天界は、文字通り「上」なんでしょうね。 - その頃、<豚の帽子>亭。
- メリオダスは己の頭を掻く動作をしながら相変わらずに とぼけ続けている。
「さすがに魔神王が誰を依り代にしたかは オレにもわからねぇ…」「それよかマーリン」
いささか強引に話を変えた。
「王都に戻る前に魔界の門を閉めてきたんだろうな?」 - 「心配は無用だ
直 に消滅する」
マーリンは答えた。
「そもそも人間が通れる程度しか開いてはおらん」「…仮に魔界から侵入しようにも白色魔神 が通るのが精一杯だ」
◆これ、本気で言ってるのマーリンさん(汗)。
人間が通れるだけってコトは、人型の魔神なら通り放題ってことです。人型の強力な魔神は今までも沢山登場してきました。それに、白色魔神は雑兵だからブリタニアに来ても平気だと決めつけていますけど、騎士ではない一般人には充分脅威では。
↑これが白色魔神です(第244話)
「もし王都に門を出して 万が一 王国の民が それをくぐったらどうなる?」と気遣って魔界の門を王都から離れた荒野に開けた(第310話)のに。そのような配慮のできる人が、どうして こんなカタテ落ちな言動をとるのでしょう?
立ち去るとき閉めればいいだけなのに無意味に放置したうえ(閉めるのメンドクセとワザと閉めなかった怠慢? それともウッカリ忘れ?)、言い訳を並べ立てて正当化しようとするなんて。
すこぶるカッコ悪いよマーリンさん。
「一度開けたら閉まるまで時間がかかる」とか、罪のない理屈は色々つけられただろうに、どうしてこんな流れにしたんでしょうか作者さん…。 - 彼女の言葉通り、天地を貫く柱のように太かった黒い門は細くなり、今しも閉じようと……したものが、ベリッと引き剥がされた。
- 「「!!!」」
ビクッと震えて目を見開くマーリン、そしてゴウセル。 - 「二人共 どうしました?」
恩寵を失い ただの人間になったエスカノールは、不思議そうに二人の顔を見比べた。 - まさにその時、彼方の地では魔神王ゼルドリスが両腕を突き出して印を組み、魔力を渦巻かせながら呪文を唱えていたのである。
「魔界を彷徨いし禍々しき獣……」「破壊衝動と死の権化…」「魔界の主 たる我が命に応え…」 - 更に引き剥がされ、押し広げられていく門。
- 「ねえ キング これってまずいよ…」
ディアンヌがオロオロして訴えた。 - 「へ?」と声を震わせるホーク。
- 「この禍々しい気配… どこかで――」
キングも動揺を滲ませている。 - 「へ?」
何も異変を感じられないホークは不安に惑うばかりだ。 - 「まさか閉じかけた門を力づくで こじ開けるつもりか!!」
マーリンが言うと同時にゴウセルが警告した。
「…この世界 に出てくるよ!!」 - 笑う魔神王ゼルドリスが、揃えて突き出していた両腕を ガバと開いた。門を押し開けるように。
「出でよ…」「インデュラ!!」 - ドン
- そして、引き裂かれた布のように中空に開いた魔界の門から、巨大な昆虫の節脚のようなものが出現。踏み出した一歩で、エリザベスを潰しかけた例の岩山と崩れ落ちた瓦礫を、粉微塵に踏み砕いたのである。
- 「間違いない… この強大な魔力はインデュラ…!!」「魔神族ですら畏れ忌み嫌う伝説の魔獣だ」
窓から その方角を望んでマーリンが言った。ここからは何も見えはしないが。 - キングがエスカノールとホークに顔を向けた。
「豚くんとエスカノールは この件をバルトラ国王と聖騎士長に なるべく急いで伝えてほしい!!」
神妙に頷く一人と一匹。 - バンが檄を飛ばした。
「キング!!! ディアンヌ!!! ゴウセル!!! マーリン!!! 俺ら五人で迎え討つ!!!」「魔神王が動いてねえ今のうちに まず その化け物を ぶっ潰す!!!」
◆バンが<大罪>の仲間に檄を飛ばすのは珍しいです。現時点でメリオダスを除くとトップの強さだからなんでしょうね。
それはそうと「魔神王が動いてねえ今のうち」という発言からするに、インデュラを召喚したのが魔神王だとは気付いてないのか。 - 「ま…待て!!」
メリオダスが顔色を変えて制止の声をあげたが。
◆どうしてここで、メリオダスは焦った様子で止めようとした(自分も行こうとした?)んでしょうか。何もかも今更です。少なくとも今のバンは魔神王と対等に殴り合える強さなんですから。
…実は、インデュラと戦う仲間を心配したのではなく、魔神王との戦いの方に付いてきてほしかったから焦ったとか? …いやいや、魔神王の器について嘘を言ってる状態で それはあり得ないですね。 - 「団長は残ってエリザベスを護り抜いてあげなきゃダメ!!」
「…!!」
子供っぽく頬を膨らませたディアンヌに叱られて、ぐっと言葉を呑んで動きを止めた。 - 俯いた親友に、バンが後ろから語りかける。
「呪いが復活した今 護ってやれんのは魔神王と同じ力を持った おまえだけだ」「安心しろって♬」
◆え、「呪いが復活した今 護ってやれんのは魔神王と同じ力を持った」メリオダスだけ!? そんなバカな!! 前回呪いからエリザベスを救ったのはマーリンだったじゃないですか。メリオダスは反応すら できていませんでした。 - 心苦しさか悔しさか。
「ああ… 頼んだ」「…でも気をつけろよ!?」
顔を強張らせながらメリオダスは受け入れたのだった。
◆ここら辺りのメリオダスの反応は…。
↑この苦虫を噛みつぶしたような、不本意そうな表情は、どういう意味だったのでしょうか。
<大罪>たちが負けそうで心配?
一緒に行けないのが不甲斐なくて悔しい?
不安だから皆に行かないで欲しかった?
台詞回し的に よく似た場面が過去修行編(第210話)にありましたけども、メリオダスの表情が違いすぎです。
↑この「お前らを信頼してるぜ、エリザベスらは任しとけ」と言わんばかりの余裕ある表情。
それが、今回のメリオダスは どういう心の機微で苦虫くんだったのか。 - バン、そしてゴウセルとキングとディアンヌは満足げに微笑む。
- 「では出発するぞ!!」
顔を引き締めたマーリンがピンッと指先を弾くと、五人は瞬間移動で消え失せた。 - 「プゴッ」と驚くホーク。
- 間を置かず彼とエスカノールも<豚の帽子>亭を出て、雪道を郭壁の門へ走っていった。キングに任された任務を果たさねばならない。
「俺たちも急ぐぜエスカノール!!」
「はい!!」 - 残されて二人きりになると、エリザベスは おもむろに尋ねた。
「どうして みんなに黙っていたの…?」「魔神王が新しい器に選んだのはゼルドリスだってこと…………」
気遣わしげに恋人の後ろ頭を見つめる。 - 「これはオレと
弟 … …魔神王 の問題だ これ以上 あいつらを巻き込みたくねぇ…」
ぎゅっとメリオダスは拳を握った。
「でも バンの言う通り お前を放って行くこともできねぇ…!!
………オレは… どうすればいい…!?」
◆これは自分たち家族の問題だとメリオダスは言います。間違ってないけど、彼らは魔神族の王家なのですから、魔神族の問題でもある気がする。魔神王を倒したとして、その後 一族や魔界をどうする? - エリザベスは きょとんと目を見開くと。
「ダメよ… 行かなくちゃ!!」 - 「お… おい 行くってどこへ?」
振り向いて問うたメリオダスが見たのは、ベッドのサイドボードに立てかけられていた細長い布袋を手に取るエリザベスの姿だ。
「もちろん魔神王の居場所よ」
「な…」 - エリザベスは両手に布袋を抱えて、行儀悪く足で掛布を跳ね上げ、元気よくベッドから立ち上がる。
◆雪道を歩いたブーツを履いたままベッドに寝てたのか…。
ブーツを よく拭けば問題ないのかもしれないけど、ベッドの上に ちょっと寝転がるくらいならまだしも、掛布も掛けて がっつり寝てる状態でブーツを履いたままなのは、日本人的には うぐっ!? となりますね。(^^;)
ロシア・北欧・カナダなんかでも玄関で靴を脱ぐのが一般的で、理由は雪道で靴が汚れるからだそうです。 - メリオダスに渡した布袋から現れたのは、彼の神器・魔剣ロストヴェインだった。
「神器…!?」
「ずっと預かっていたの…!」
◆メリオダスが最後に神器を使ったのは、廃都コランドで殲滅状態 化した時でしたっけ。戦いが終わって気絶したメリオダスを<豚の帽子>亭に運んだ時は、誰も神器を(目に見える形では)持っていませんでしたが、ちゃんと回収されていて、「エリザベスが預かる」形になっていたんですね。 - 「だから お前を放っては――」
困惑して言い募ろうとしたメリオダスに、エリザベスは にっこりと笑いかけた。
「私を一人にはしておけない」「けど ゼルドリスを三度も見捨てるわけにはいかない」
屈託なく、朗らかな調子で。
「だったら」「私がメリオダスと一緒に行けばいい」
「あなたにとって大切なものなら 私にとっても大切なものなの」
◆「あなたにとって大切なものなら私にとっても~」という発言は、美しくて素敵な言葉です。けれど、彼女のこれまでの言動(自身がメリオダスの魔神族裏切りの要因であるという前提、魔界を捨てる際に笑顔で手を引いたこと、過去でも現代でもメリオダスが かつての同胞や兄弟と戦う立場になったことに疑問や苦しみを抱く描写は なかったこと)を思い返すと、苦言を呈したくなることは沢山あります。 - 「エリザベス……………」
一度俯けた顔をメリオダスは上げた。
「もう一度オレと…」「一緒に戦ってくれるか…?」 - 頬を染めて微笑み、頷くエリザベス。
- こうして二人は<豚の帽子>亭を後にした。仲間たちには偽ったまま。
エリザベスに先導されるように雪原を駆け、共に翼を広げて舞い上がる。 - 「三千年前… オレが魔界から出ていく覚悟を決めた時も そうだったな」
メリオダスは語った。 - 3000年前、処刑されそうになったエリザベスを救うために、当時の<十戒>だったアラナクとゼノを殺した。
もはや ここには留まれない。そう解っていても眼下の魔界を見下ろして足を止めたメリオダスに、エリザベスは手を差し伸ばして言ったのだ。
『私は何があっても誰を敵に回しても あなたの味方だから』『…あなたの傍に ずっといるから…!!』
挑戦的に眉を上げた、何にも屈しない闘志を輝かせた不敵な笑顔で。 - 「お前は いつだってオレの手を放さず傍にいてくれた」「背中を押し勇気をくれた」「…オレに光をくれた」
「お前のそういう所 全部に オレは惹かれたんだ!!」 - 飛びながら微笑んで恋人を見つめるメリオダス。
見つめ返すエリザベスも頬を染めて微笑った。 - 愛に満たされた二人は手と手を結び合う。
「必ずゼルを救い出そう」
そして、今度はメリオダスがエリザベスの手を引いて、迷いなく、勢いを増して飛んでいった。 - 次回「宿命の兄弟」
ラストページの後引き文は
「二人だから、迷いはない! 二人だから、憂いもない!」
でした。
エリザベスは(別れ話でない限り)メリオダスを全肯定してくれる。
迷ったり弱ったりしたら、強くリードしてくれる。
だからメリオダスは迷わずに進める、どんなことでも やれる。
…と、言わんとしているんだろうなとは解りますが。
個人的な感想を言えば、「メリオダス、本当にそれでいいの?」と思いました。
3000年前、エリザベスのために当時の<十戒>アラナクとゼノを殺してしまい、いよいよ進退窮まったメリオダス。その時エリザベスが、第196話でも言ってた殺し文句
「私は何があっても誰を敵に回しても あなたの味方だから」
を言って手を引いた。だからメリオダスは魔神族を裏切る最後の一歩を踏み出せた。
このエピソードは衝撃的でした。
作者さんは「エリザベスは最高の嫁」という意図で描いたのだと思いますが、私には恐ろしい女のように感じられました。
何故って、笑っていたからです。メリオダスが同胞を殺し、故郷を捨てざるを得なくなった、その状況下で。
この不敵な表情は、第310話で「メリオダスと一緒に魔界へ行く」と宣言した時のものと系統が同じ。意図して揃えてあると理解しました。
恐らく作者さんは、これらの表情に「何事にも屈さず立ち向かう意志の強さ」を込めていて、それこそがエリザべス最大の
弱ってるときリードしてくれる女の子って素敵だよね、と。
けれど私は、この状況で不敵に微笑むのは そぐわないと感じてしまいます。
アラナクとゼノは、彼女にとってはメリオダスとの恋を阻む邪悪な障害でしかなかったでしょう。けれどメリオダスにとっては同胞であり仲間だったはずです。魔界は穢れた蛮地でしょうが、メリオダスにとっては故郷です。
彼女がメリオダスを愛しているのなら、彼の辛さを想像して胸が痛まないのでしょうか。恋愛の果てに彼から仲間や故郷を失わせたことを辛く思わないのでしょうか。
「そうせざるを得ない状況だった」のであろうと、心は簡単に割り切れないものではないでしょうか。
けれど、そんな素振りは(今まで描かれてきた範囲では)見せず、惨劇が起きようとも、「後悔せず、振り向かず、前だけを見て二人で歩いていく」と不敵に笑って恋人の手を引く女は、私には、心のどこかが欠けているようで空恐ろしく感じられたのです。
一方で、彼女は魔神族と女神族の和平を掲げ、それを二人の交際の大義としていました。
なのに「仲間や故郷を失っても私がいるから」と笑うのは、種族の融和という「社会の幸せ」ではなく、排他的な「二人の幸せ」こそを是としているように見えます。
これでは、この先「二種族を和平させたい、メリオダスが魔神族を裏切ったのも そのためです」と説いたところで説得力はなく、誰も耳を傾けるはずがありません。
しかし作中では、エリザベスは高らかに平和を説き、皆に尊敬され愛されている、という評価なのです。捩じれを感じます。
(まさか、優しいエリザベスが、この状況で本心から笑うはずがない。落ち込むメリオダスを気遣って作り笑いしていたんじゃないか。そう考えてもみましたが、第310話の不敵な笑みと重ねた描写になっている以上、直截に「困難な状況で不敵に微笑むのがエリザベスの魅力」というだけの意図なんだなと結論しました。)
------------------------------
魔神王のファッションセンス
魔神王ゼルドリスがお色直しして新しい衣装をまといました~!
よかったよかった。初登場時のビリビリに裾の破けた つんつるてん服(落ち武者みたいで哀れ感漂う…)のままなのかと恐れていましたヨ(^^;)。
この新衣装は、読者には たいへん好評のようです。悪い感想を見たことがありません。(魔神王メリオダスの時は、好評と不評が真っ二つでした。)
鎧とマントの感じ、元の老魔神王の衣装と似ていますね。
それで思ったのですが。
これが魔神王本来のファッションセンスなら、魔神王メリオダスの、あの ちょっと不思議な全身白タイツは何だったんだ!?
…考えてみたら、精神世界から戒禁を追い出した後も、メリオダスが魔神王化すると やっぱり全身白タイツのままでした。
つまり、全身白タイツは老魔神王のセンスではなく、メリオダス生来のセンスだった…!?
一人だけ世界観の違うファッション\(^o^)/
もちろん、だからこそのラスボス感ですけども。
…魔神王ゼルドリスも今後 二段変身して、全身タイツになったり、節腕や尻尾やトサカが生えたりとかするんでしょーか。
------------------------------
やられたら仕返しする、当たり前だろ?
魔神王は言いました。
「さて…… 呪いの再発動に気付かば <七つの大罪>は いずれ我が居場所を嗅ぎつけるはず」「だが器の完全な支配には しばし時間が要る…」
よって<七つの大罪>を足止めして時間稼ぎするためにインデュラを召喚、と。
…この一連の魔神王の言動を見て、呆れた人は手を挙げてー!
だって、完全体になるまで<大罪>に気付いてほしくなかったのなら、すぐさま呪いを再発動させるのは おかしいじゃないですか。完全体になってから再発動すれば問題なかったのに。
なので最初読んだときは、バンは「報復のため再発動させた」と言ったケド、実際は魔神王が意識的に再発動させたのではなく、彼が復活すると同時に自動的に再発動する仕様なんだろうなと思っていました。
だって理屈に合わないでしょう? 自分で敵に合図を送るような行動をしておいて、今来られちゃ困ると時間稼ぎを始めるなんて。
でも結局バンが言う通り、魔神王は「報復のために」目覚めるや否や何を差し置いても真っ先に、エリザベスの呪いを再起動したってコトなんでしょうか。
このアホらしいほどの行き当たりばったり加減、
ドルイドの聖地に封印されていた己の力を取り戻すや否や、エジンバラに殴り込んでガランに報復しゼルドリスに宣戦布告して「ほんの挨拶」と うそぶいた件です(第135-136話)。
あそこでエジンバラに殴り込むのは悪手でしかなかった。メリオダスは「分散させる作戦だ」とドヤァしてましたけど、繰り返します、考えの足りない愚挙でしかなかったです(断言)。
あの時、作中では「メリオダスは完全に怒りを
恐らく作者さん的には「大穴を開けずに超パワーで戦った=怒りを
けれど私の感覚では、力を得るや速攻でガランを殴り返しに…「
むしろ真逆です。目先の感情に振り回されて行き当たりばったりに行動している(そして短絡な宣戦布告でブリタニア全土を危機に陥れた)、まったく己のコントロールが出来ていない状態だと。
ですから、「完全に
今 改めて考えるに、作者さん的には「(強くあるべき主人公が)やられたら やり返す」のは、読者に主人公の強さ(カッコよさ)を示すための当たり前のことで、「怒りの
ところで この漫画には「戦争を止めるには復讐の連鎖を止めねばならない、よって身内が危害を加えられようとも許すべきである」と語っていた時期もありました。(キン&ディアの過去修行編の辺り)
本来、魔神族と女神族の戦争を止めるという立派な目標を掲げていたのはメリオダスとエリザベスであり、二人の協力者がマーリンだったはずです。
ところが、聖戦に無関係なうえ元々「他種族の戦争に興味はない」というスタンスだったキングばかりが(作者さんに)「憎まず怒らず許すこと」を厳しく求められ、メリオダスやマーリンの方は、怒りや憎しみの感情のまま 好きなだけ
なんかズルいよネ~。
魔神王戦の やり直しが、思ってたより がっつり行われるっぽいですが、メリオダスとエリザベスは、最終的に親を「憎まず怒らず許す」んでしょうか?
そんなこんなで。
「ほんの挨拶」時のメリオダスの行動と、今回の魔神王の行動は、「
なんだかんだ言って、似た者 親子ってコトですかね(笑)。
------------------------------
今更インデュラ?
魔神王がインデュラを召喚! 険しい顔で討伐に向かう<七つの大罪>たち。そんな彼らを、メリオダスは思わず止めようとしたり「気をつけろよ」と案じたりで、恐るべき脅威が出現した…と言わんばかりの演出でしたが。
今更インデュラ?(´~`;)
だって、過去編や劇場版で倒した敵だし、既に魔神王戦を経ているわけで、流石に魔獣ごときが魔神王より強いはずはないし。魔神王と対等に殴り合ってたバンなら殴打三発くらいで倒せないと、逆に おかしいのでは。
リオネス王都決戦で新世代聖騎士が一斉に魔神化した時(キングとバンだけで アッという間に殲滅した)くらいの危機しか感じられません…。
魔神王自身も最初から「<大罪>の足止め」目的で召喚してましたから、インデュラで<大罪>を倒せると思ってるようには見えないです。
…の、割りに、メリオダスが出陣する<大罪>たちを いやに案じてて、それも不思議でした。
それはそうと。
エピローグ以降、「<大罪>の楽しい食材集め」「エリザベスからバルトラ王へ誕生日プレゼント」と、劇場版『天空の囚われ人』と共通したエピソードが散らばっていて気になっていましたが。「インデュラ出現」まで重ねてこようとは。
意図して 劇場版内容を取り込んでいる?
だったら これからも、劇場版の要素を更に なぞって
「女神族が集団で登場」
「仮死の英雄から刺さっていた剣が抜けて復活」
「ホークママ=混沌の母だと明かされる(緑色の殻が剥げ落ちて純白の真の姿を現す)」
みたいなことが起きるのかしら? 楽しみですね。
------------------------------
成長しない男
メリオダスは、魔神王の器が誰か見当もつかないと<大罪>に嘘をつき、彼らに黙ってエリザベスと二人、魔神王ゼルドリスとの決戦に赴きました。
「これはオレと
弟 … …魔神王 の問題だ
これ以上 あいつらを巻き込みたくねぇ…」
これは優しさなんでしょうか?
私は、今更 何言ってんだ!? と呆れた気分になりました。
元々、巻き込むつもりで<大罪>を集めたのに。ここまで深く大きく巻き込んだ後なのに。そう、とっくに巻き込まれ済みなんですよ、みんな。
それをここまできて「巻き込みたくない」と言うのは、逆に、土壇場で突き放したも同然です。
ホントに、今更 何言ってんの? 嘘つかれて消えられる方が、よっぽど仲間たちは悲しいと思いますよ。
何年も前から感想に書いてきた通り、メリオダスの仲間たちへの接し方は、子供かペットに対するものみたいです。
メリオダスさん、<大罪>のみんなは あなたが庇わなきゃならない子供でも、好きな時だけ構えばいいペットでも、働かせた後 御苦労さまと解放してあげる牛馬でもないのです。大人です。
嘘をついて隠すなんてこと、今更しないで、みんなに ちゃんと話せばいいのに。
ゼルドリスと魔神王の問題は自分の家族の問題だと言うなら、それを皆にちゃんと話して説得すればいいだけです。
それが大人のやり方だし、そんなこともできない人が、素晴らしいリーダーだと持ち上げられてるなんて、笑われちゃいますよ。
第310話で、<大罪>たちに向かって しみじみと
「お前らが いてくれたから 今のオレが在るんだ」「…………ありがとう」
と言ってたのは何だったんでしょうか?
みんなを仲間として心から認め、感謝した…という風に見せておいて、実際は、黙って独断専行を繰り返して みんなを引きずり回していた頃と、特に変わってなかったってコトじゃないですか。
メリオダスは「永遠の生」の呪いで3000年間、少年のまま成長しなかったという。
今、その呪いは解けて、身体は成長しているのでしょう。でも心の成長はどうなのか…?
いつまで経っても、独断専行しがちで自己完結ぎみの独善者。
…いや。エリザベスには話して二人で出かけた分、今回はマシなのでしょうけども。
第309話、ブリタニアから消えることをエリザベスに伝えないのかと問われて
「伝えようとしたさ …でも 伝えた後の あいつの顔を想像したら……」「やっぱ無理だったわ!」
とメリオダスが言った時も、とてもビックリしたものでした。
この人、今更 何言ってんの? と思ったから。
それは とても大事なことなんだから、嘘ついて隠してないで、ちゃんと向き合って話すべきことでしょうと。
3000年も生きてきて、長い苦難を経た後だというのに、今更 ? なんて子供っぽいんだ、と。
この時 感じた印象と、今回の「みんなを巻き込みたくねぇ」と嘘をついたメリオダスへの印象は似ています。
優しさを装ってるけど、ズレてるんですよね。
その件は、メリオダスが言わずともエリザベスが察していて「一緒に魔界へ行く」と先回りして言ってくれたから、なんとな~く問題なかった感じに流れましたけども。
というわけで、今回の<大罪>たちを騙して魔神王と戦いに行った件も、多分
<大罪>たちはメリオダスの嘘に気付いていた、ゼルドリスが器になったと察していたが、メリオダスを気遣って騙されたふりをしていた
ってことになって、「メリオダスが黙ってようと嘘をつこうと、周囲が彼の心中を察して怒らず都合よく動いてくれるから問題ありません」って感じに流れそーな気がします。
つーか真面目な話、エリザベスだって魔神王の新たな器がゼルドリスだと確信的に気付いてたのに、<大罪>が気付かないはずないですよね。
器の条件、戦場から消えたゼルのこと。みんなが共通して知ってる判断材料が揃っていますから。豚じゃない限り気付くわ。
みんな、どんな気持ちで、この期に及んで シラをきり続けるメリオダスを眺めていたんだろう。
それとも作者さん、「<大罪>たちは本気で気付いてなかった」展開で、こいつら そんなにアホだったのと、読者をギャッと言わせるつもりなんでしょうか。(^^;)
------------------------------
第271話のメリオダスの発言。
「オレは かつて 次期 魔神王候補と呼ばれ<十戒>を統率していた」
(中略)
「女神族との諍いをくだらねえと思いつつも魔神族のリーダーとして戦いに明け暮れていたんだ」
(中略)
「そんな時さ エリザベスと出会ったのは」「―――オレの世界は一変した」
(中略)
「オレはエリザベスと共に不毛な争いを終わらせることを誓い 魔神族を裏切った」「それが聖戦のキッカケになるとも知らずにな…」
第176話のエスタロッサの発言。
「お前は突如 俺たちを裏切ると魔界を滅茶苦茶に破壊し 姿を消した」「居合わせた<十戒>二人を惨殺してな」
(中略)
「…それまで保たれていた魔神族と女神族の均衡は見事に崩れ――――」「
好機 と見るや 女神族は魔神族を一気に潰さんと他種族をけしかけた…」「…三千年前の戦争は お前が始めたんだよ」
第275話のゴウセルの発言。
「聖戦の発端は魔神族と女神族の
力の均衡 の崩壊…」「原因はメリオダスが魔神族を裏切り女神族側についたことだった……」
以上から、以下のように読み取れます。
- メリオダスがエリザベスと出逢う以前から、女神族と魔神族の諍いは続いていたが、それは「バランスが保たれた」不毛戦だった
- 「魔神族のリーダー」だったメリオダスが、エリザベスの導きで魔神族を裏切ったことで「バランスが崩れ」、諍いは激化。これ以降の争いを「聖戦」と呼んだ
聖戦とは、魔神族と女神族の戦い全般を指すものではないようです。
メリオダスとエリザベスが知り合う以前から戦いは続いていましたが、それは聖戦とは呼ばれていませんでした。
聖戦とは、3000年前のメリオダス裏切りをキッカケに起きた、魔神族VS.<
ところで、エスタロッサは「メリオダスの裏切り以降に、女神族が他種族をけしかけた」と、それまで他種族が争いに関わっていなかったかのような言い方をしていますが。
聖剣エクスカリバーの設定(第255話)を参照するに、それ以前から女神族とは無関係に、人間族も魔神族と戦い続けていたようです。
エクスカリバーを最初に手にした人間は魔神族と戦う英雄王で、以降「幾千年もの間」多くの英雄の血と魂で力を蓄えた。
ゼルドリスの年齢は、常闇の棺に封印された時点で252歳。彼が現在と変わらない姿の時にメリオダスは魔神族を裏切った。
よって、人間族は聖戦が始まるより数千年前から魔神族と戦っていたということになります。
魔神族は他種族の魂を食べる。特に、最も弱い人間族をエサとして重宝していたようなので、人間族にとって魔神族は太古から宿敵だったでしょう。
魔神の対抗者である女神族は、人間族を魔神族から救うことがあったのかもしれません。リュドシエルの亡き親友のように。
その結果、人間族は女神族を信愛し、今でも祭壇や墓地には女神像を置いて信仰しているのではないでしょうか。
上で述べたように、聖戦が「メリオダスの裏切りによって起きた」と作中で理解されている(メリオダス自身も そう認識している)ことは作中で幾度も語られており、つまり公式設定なのです。一部読者の妄言や悪意ではないデスよ。
今回、メリオダスの魔界出奔をエリザベスが導いたことが明かされましたので、「メリオダスの裏切りと、そうするよう彼を導いたエリザベスによって聖戦が始まった」と解釈することが可能になったと思います。
第182話、「<十戒>を討って呪いを解く」ためにメリオダスは<七つの大罪>を結団したのだと明かされました。
どうして<十戒>を討つと呪いが解けるのかが説明されたのは第224、247話です。<十戒>に授けられた魔神王の力(ゼルの魔力、もしくは戒禁)を奪い取り吸収して魔神王と同等の力を持てば、呪いを解くことができるのだと。
即ち、彼は最初から<十戒>を復活させるつもりだった。でないと力を奪えませんから。刃折れの剣を大事に持っていたのは、魔神族復活を阻止してブリタニアを護るためではなく、魔神族を復活させたうえで殺して力を奪うためだったと解釈せざるを得ません。
第9-10話にて、奪われかけた刃折れの剣を握って
「この剣は 死んでも離すわけにはいかねぇ」「それが オレに出来る唯一の償いなんだ!!!」
とキメ台詞を言ったのは とてもカッコよかったものですが。
今振り返ると、あれは「魔神族復活を阻止してブリタニアの平和を護るのが、滅んだダナフォールとリズへの償いだ」という意味ではなく、「復活させた魔神族から力を奪って呪いを解くのが、呪われているエリザベスへの償いだ」という意味だったんでしょうね。
復活した<十戒>は魔力回復のため人間の魂を集めたり、メリオダスを狙ってキャメロット急襲したりしました。
そのように魔神族が先に侵攻を始めたのだからメリオダスに戦争責任はない。そう思いますか?
メリオダスは わざわざエジンバラに殴り込み、勝手に<七つの大罪>の名を使ってゼルドリスに宣戦布告しました。
どうしてそんなことをしたのか?
<十戒>を挑発し分散させて倒すためだと彼は言いました。
そう、<十戒>を討って戒禁を奪って呪いを解くためです。
ブリタニアの平和のためではありませんでした。だからこそ、笑ってブリタニアの民を
もちろん、聖戦や そこに繋がる争いの責任の全てがメリオダスとエリザベスにあるなんて、そんなバカな話はありません。
とは言え、二人が争いを激化の方向へ導いた…特に新聖戦では、自身の恋愛を戦争の動機とし周囲を意図して巻き込んだ…ことは動かしようのない事実でしょう。
私は、二人に振り向いてほしい。自分のケツが汚れていることに気付いてほしいです。
彼が「自分のケツは汚れてる」と言うや否や、仲間たちが「あなたのケツは汚れてない、綺麗だ、ケツを拭く必要なんてない」と寄ってたかって拭かせなかったのも。
彼女が自身のケツに汚れがあることを ろくに認識すらしておらず、「振り向かない、後悔しない、前だけを向いて歩いていくわ」と汚れたまま進んでいってしまうのも。
残念だし もどかしいです。なんで拭かないの? と思います。
作者さんの お気持ちは、第252話のバルトラ王の台詞のままなのかもしれません。
「ただ愛する者のために生きようとする お前たちに…」「なぜ 運命は―― こうまで無慈悲な仕打ちをするのか」
メリオダスとエリザベスは愛し合っているだけ。悪いのは邪魔する周囲。可哀想でしょう、と。
現在、物語はゼルドリス救出の流れにありますが。
このぶんだと「メリオダスは『最初からずっと』弟想いの完璧な兄貴だった」扱いになって(<十戒>を討つと嬉しげに笑ってた件や、エジンバラで宣戦布告した件は、無かった扱いになりそう)、メリオダスが助けに行くと、ゼルドリスの方から
「魔界を出た兄者は正しい、間違っていたのは俺の方だ」
とメリオダスに謝罪するのかもしれませんね。
そしたらメリオダスは「ありがとな」と笑うんだわ。
------------------------------
第2回キャラクター人気投票 結果発表
11号(2019年2月13日発売)で募集された、第2回キャラクター人気投票の結果が発表されていました。
今回も第1回の時と同じくハガキとWEBでの募集でしたが、ランキングの発表はハガキ順位のみ・WEBとの合計順位は欄外で…と、募集時に小さく但し書きされてありました。
ところが、ハガキとWEBの合計順位、欄外でも発表されてませんでしたよ!? …ですよね? 見落としてたら済みません。私 両方投票してたからガッカリです。
ファンブック3が出るとしたら、後日それに掲載されるとかかな?
追記+++++
三話後の回(第315話)の欄外でWEBのみの順位が発表されていました。(上位10位まで、ハガキとの総合順位は無し。)
ハガキ投票と ほぼ同じ顔ぶれながら、ハガキでは8位だったディアンヌが落ちて、代わりに11位だったマーリンが上位10にランクインしていますね。
追記終わり+++++
そしてまた、何故なんでしょうか、票数が一切掲載されていません。
第1回の時は、ハガキとWEBそれぞれの票数を発表していたのに。(雑誌掲載時)
前に やったペア人気投票の際も、やはり票数が伏せられていたので、なんかモヤモヤしてたんですよね…。
だって隠されると、後ろめたいことでもあるのか? みたいに つい勘ぐっちゃうじゃないですか。(^^;)
恥ずかしくて隠したくなるほど投票数が少なかったのかなとか、無いでしょうけど、順位操作があるんじゃないかとか。
そんなくだらない邪推はさて置き。
第1回時のハガキ票数を見ると、1位から6位までは票数に あまり差が無くてダンゴ状態だったのが判ります。
第1回キャラクター人気投票
(2014年募集。順位はハガキのみ。カッコ内はWEBのみの票数。赤字はハガキとWEBを足した票数で ベスト10入りしているキャラ)
|
|
順位だけでなく こういう票差も見て、推しキャラの人気具合がどの程度のものか一喜一憂するのも楽しみなんですから、票数は公開して欲しかったです。残念でござった。