【感想】『七つの大罪』第280話 崩壊
週刊少年マガジン 2018年 40号[2018年9月5日発売] [雑誌]
第280話 崩壊
- 爆発雲は天蓋のような形に覆いかぶさり、演舞場の上に拡散していった。
- 「オス… ロー…」
愕然と呟くキング。 - ホークも口をぽかんと開けて目を潤ませていた。
- 「そんな…」「ボクたちを庇って…!!」
涙ぐむディアンヌの傷にエリザベスは休まず治癒術を施し続けている。 - 爆発雲の中、元の大きさに戻った犬の身体が丸まって落ちてくるのが見えた。
- 「
霊槍 !! 受け止めろ!!」
キングは叫んで右手を差し伸ばしたが。
「………!」
何も起こらないことに絶望する。魔力は封印されている。 - 犬の身体は、ディアンヌが合わせた両手のひらに とさ… と受け止められた。そっとキングの前に下ろされる。
- ホークは涙と鼻水を垂らし、エリザベスも術を行使し続けながら横目で見て悲しげに俯いた。
- 涙をいっぱいに溜めた目を逸らすディアンヌ。
- 「オスロー?」
キングは両膝をついて犬の身体を抱え起こした。
柔らかだった毛並みは血に汚れてゴワゴワと硬く、半開きの口から覗く牙の殆どが砕けてしまっている。その目が開くことはない。 - 少年の頬を ぼろぼろと涙が伝い落ちた。
「オイラは… こんなこと望んじゃいないのに……」
ギュウッと抱く腕に力を込める。
「どうして… キミまでが」 - 「大事な王様を…」「ぐずっ」「てめぇを護りたかったからに決まってんだろ」
泣きながらホークが言った。
◆ホークちゃん、容赦ないなあ。 - ピクッと震えるや、ディアンヌが泣き顔を上げて睨んだ。空一面を覆う雲が吸い込まれるように渦巻きながら
響 いている。 - それが一息に四散し、現れたのは手に光玉を浮かべたマエルの姿だった。
“慈愛の光玉”
放たれる。止める暇も与えられず。 - 「まず…」
ディアンヌが言いかけた、刹那。 - カッ
光玉が炸裂した。 - 光に照らされる。オスローを抱いたキングが、仰け反ったホークが、眠ったままのゴウセルが。
- そしてエリザベスはその瞬間も、治癒術の続行を放棄しなかった。
閃光の次に衝撃波が襲い来るまでの、僅か数瞬。
まさにその時、ディアンヌの太腿の傷は癒えきったのだ。 - 己の復調にハッと目を見開いたディアンヌが、強い目線を上げた。
- 直後、光玉の衝撃波は演舞場にぶつかる。
ドオッ
そして残らず「吸い込まれた」のだった。 - 「………?」
うずくまってブルブルと震えていたホークは、固く目を塞いでいた耳を開いた。
「あら? 今たしかに爆発が…」 - ゴゴゴゴと絶え間なく地鳴りは続いているものの、一発目のような衝撃や激痛、眠気はない。
- 「ギデオンがボクの声に応えてくれた」「沈黙の呪いが消えたおかげでね」
ディアンヌの声が響いた。その足元では、エリザベスが荒い息を吐いて額の汗を拭っている。 - ディアンヌは立ち上がり、
柄頭 を下に戦鎚 を地に突き立てていた。その全体に強い魔力の残滓が光の靄 となって まとわりついている。
「ボクの神器の特性は「避雷針」」「受けた攻撃魔力を大地にそっくり逃がすんだ!!」 - なんと、マエルの攻撃を戦鎚で受け止め、全て大地に流してしまったらしい。
- ブゴッと鼻息を吹いてホークは怒鳴った。
「バ… バーロー!! そんな便利な技 なんで今まで一度も使わなかったんだよ!?」
そんなことが出来るなら、今までの犠牲も減らせたはずなのに。 - 「大地に魔力を逃がすということは そこに住む生き物や大地そのものの命を傷つけてしまう」
顔を曇らせたエリザベスを、ホークは「へ?」と見やった。 - 「だから 本当はずっと使いたくなかったの」「でも 魔力で人工的に造られた この浮き島なら平気かもって…」
ディアンヌの顔も曇る。
「だけど今の一撃で島の核はボロボロ」
その足元の地面は絶え間なく震えていた。次々と走っていく亀裂にキングが顔を向ける。
「次の攻撃を受け流せば間違いなく」 - マエルに容赦はなかった。すぐに次の光玉を放ったのだから。
- 他に方法はなかった。ディアンヌは再び戦鎚を突き立て、炸裂し降り注いだ魔力を吸収・流したのである。
- ドッ
- 天空演舞場が全崩壊した。
- バラバラに投げ出される。エリザベスが、ホークが、眠るゴウセルが。
キングの手からオスローが離れ、見る間に瓦礫に紛れて消えていった。
ディアンヌはキングに手を伸ばしたが、届かない。 - 落ちていく。何もかもが。
瓦礫は雲にぶつかり、まるで海のように白く波立たせた。 - 成す術もなく落ちるばかりのディアンヌ。その身体がピタッと静止した。
「エ…エリザベス!!?」
目を開けたディアンヌは驚く。巨人の右人さし指一本を両手で抱えて、エリザベスが四枚の純白の翼を開いて宙に支えていたのだから。
「がん…ばって ディアンヌ!!」
腕力ではなく浮遊魔力で支えているのだろうが、重そうに顔を歪めている。
◆王都決戦で王城が崩壊したとき、巨人サイズ ディアンヌの服の端を掴んで落下を阻止したキングも、重そうに歯を食いしばっていましたっけ。 - ディアンヌは訴えた。
「ボクのことよりもキングを助けて!! 魔力を封じられたままじゃ飛べない!!」 - 「キングのことなら俺に任せろい!!」
「!」
頼もしい声にエリザベスは振り向く。
「ホークちゃん!!」
「うおりゃ~~~~~!!!」
スカイマンタに変身 したホークが、眠るゴウセルを背に乗せて瓦礫の間を飛んで行った。
◆劇場版『天空の囚われ人』では この空飛ぶエイ形態のホークを「デビルマンタ」と呼んでました。でも原作本編では「スカイマンタ」ですよね? 亜種が色々いるのかしら。 - 「ホークお願い…」
不安げに見送るディアンヌ。
彼女を支えるエリザベスは、一方を見て「!」と驚いた。
落ちていく瓦礫の中にデリエリの遺体を見たのだ。
「デリエリ………」
遺体とは言え落ちるに任せるのは忍びないが、どうしようもない。 - ホークはキングを見つけられずにいた。
「プガ~~~!! 雲ん中じゃ ろくに前が見えねぇ!!」「キング~~~!! 返事しろ~~!!!」
雲の中は濃霧に包まれているのと変わらない。落下する瓦礫を掻い潜って呼びかけるが返事はない。 - キングは独り、瓦礫と共に落下し続けていた。
- (妖精王が空から落ちて死ぬなんて)(まったく笑えない話じゃないか)
投げやりな気分で目を閉じる。
(団長… ごめん…)(エリザベス様を護れなかった…) - 『お前は立派な王様だよ』
暗い瞼の裏に、200年前のメリオダスの笑顔が浮かんだ。 - (違うよ…)(オイラは本当に ふがいない王様さ)
- 『バフォフォ(王様 死なないで)』
『ディアンヌのこと ちゃんと幸せにしてやれよ チミ』
それぞれの別れ際の旧友たちの姿が浮かぶ。 - (オスロー… ヘルブラム…)(何度もキミたちに護られながら キミたちを護れなかったオイラを… 許してくれ)
- 『生え始めで
私 と同等に霊槍の力を引き出せるんス』『…これでもキミを買ってるんスよ? ハーレクイン』
チャンドラーから庇ってくれた初代妖精王の別れ際の姿が浮かぶ。 - (買いかぶりすぎです グロキシニア様)(オイラは… あなたのような妖精王にはなれなかった)
- そして浮かんだ。
『ボクはキングが今までもこれからも…ずっと好きだよ』『…キングは今もボクを好きでいてくれる…?』
妖精王の森で想いを通じ合わせた時の、頬染めて微笑んだディアンヌの姿が。 - カッ、とキングは目を見開いた。
- (違うだろキング!!!)(ディアンヌに約束したはずだ)
歯を食いしばる。
(今度こそ)(護り抜くって) - あまりにも多くのものが手を すり抜けてきた。護りたかったものを護れず、反対に護られて生かされ、期待には応えられずにいた。
失ったものは もう取り戻せない。ヘルブラムもオスローも、グロキシニアも戻らない。
だが。
ディアンヌは まだ、生きているのだ。 - (男を見せろ)(ハーレクイン!!)
- 彼女だけではない。この背には護るべき多くの大切なものがある。一つでも その重みがある限り。
- (王たる威厳と存在を)(今こそ示せ!!!)
- キングの背に刻まれていた沈黙の呪印が、内側から発した光に ひび割れて砕け散った。
- 雲の中、エリザベスはディアンヌを支えて浮き続けていた。
- 周囲には未だ多くの瓦礫がある。天空宮の浮遊魔力の残滓か、全ての落下には時間がかかるようだ。
- 「エリザベス… 高度が どんどん落ちてる… もう ボクのことはいいから逃げて!!」
「そんなこと…言っちゃダメ!!!」
「でも… でも このままじゃ」 - その時、ディアンヌはゾワッと総毛立って鋭く叫んだ。
「エリザベス!!」
エリザベスの背後にマエルが現れていたのだ。広げられた両腕が迫るが、親友の手を放棄しないエリザベスは動けない。 - マエルの手がエリザベスを掴もうとしたとき。
- バチッ
「!?」
驚く少女たち。 - マエルの姿が消えた。いや、小石のように跳ね飛ばされのだ。白と黒の翼を広げて急制動をかけた姿は遥か彼方にまで遠ざかっている。
- 代わるように、少女たちの前に人影が現れていた。
「二人共 もう大丈夫…」「あとはオイラが決着 をつける」 - ディアンヌは呆然とする。
「キ………ング…なの…?」
戸惑いながら、そのひとの背に確かめた。
彼女の知る彼は、人間なら12~14歳ほどの、小柄で幼げな外見だったのに。
「そ… その姿は…!」
エリザベスも驚いている。 - かつて
初代妖精王 は告げた。
『妖精王ハーレクイン』『羽が完全な進化を遂げた時 おそらく―――――――』 - 初代王に劣らぬ大きさに伸び切った羽は背後の景色が見えるほど透き通り、深く水をたたえた湖のような
碧 色に輝いている。
羽ばかりではない。背も、手足も伸びていた。ふくらはぎ丈だったズボンは今や膝丈である。 - 『キミは歴代最強の妖精王になれる!!!』
- 17、8歳ほどの男に成長したキングが、護るべきものを背に冷徹な顔で立っていた。
- 次回「妖精王vs.死の天使」
今回、表立って活躍していたのはディアンヌやキングでしたが、影ながらエリザベスも大活躍でしたね。
慈愛の光玉 迫る中、諦めずに最後まで治癒術を行い続けた不屈っぷりは見事だったし、巨人のディアンヌを支えて飛び続けたのも頑張ってた。
そして、ついにキングが完全パワーアップしました!
思えば、第二部の開始時から ずーーっと引っ張られてきた案件でした。
キングに羽が無いと指摘されたのが二部冒頭。生えれば真の力がと示唆されたものの、そこからここまで、実にリアルで三年半が経過しています。
いやー、長かった!
合間にチビ羽が生える一段階目のパワーアップは挟んだものの、その時点で二年半経過していて、待ち過ぎて、正直、半分諦めかけていました…(苦笑)。
しかも、この時のパワーアップは焼け石に水程度にしかならなかったし。
それから一年ほど。もうキングは戦闘では活躍できないまま終わるんじゃないかと再び諦めつつあったところに、この完全パワーアップ。そこに至るまでのドラマも、今までの苦難の積み重ねがあってこその内容で、嬉しい、やった! と盛り上がっ………
か、髪型ぁああああ!!!(汗)
なんですか この もっさり・もっこりした前髪は!
初見のとき、驚いて三度見くらいしましたよ。
エレインに羽が生えたとき成長して髪も伸びたので(第229話)、キングも伸びるだろうなとは想像していました。
元の髪型から そのまま全体に伸びて妖精王らしい長髪になるかな。いやいや、あえて元の寝ぐせ付き
まさかまさか、整髪料でガッチリ固めた色気づいた髪型にセットして出てこようとは!
↓次回(第281話)からコマ引用を先取りして髪型を確認してみましょう。
うーーーん…。
カッコ悪いとは言いません。少なくとも「イケメン」の意図で描かれてあるんだなとは感じます。
でも…でもなあ。
この髪型、絶妙に古臭いんですよ~。(ノД`)・゜・。
今の『マガジン』のメイン読者層からすれば お父さん世代の、不良とかバンドマンとかの「イキがってる若者」の髪型っぽくないですか?
海外の読者が「キングがロックスターになっちゃった」「キングはポンパドールを得た」と笑い、日本の読者は「昭和のヤンキー漫画みたい」「宝塚っぽい」と嘆いていたけど。
それらに納得しつつ、私は80~90年代少女漫画の「不良系ヒーロー」みたいな髪型だなぁ、とも思いました。(^^;)
恐らく作者さんは このままの髪型で押し通すでしょうし、読者は諦めて慣れるしかないのだとは思いますが。(;^ω^)
可能ならば、せめて前髪のボリュームを少し落としてほしいなあ。
そして、いかにも「整髪料で固めてます」というカッチリ具合も、少し崩して、もうちょいナチュラルな感じにならないでしょうか。それくらいの微調整なら……無理かなあ…。ううむ。
てゆーか。
このキングに違和感やダサさを感じるのは、髪が ばっちりセットされた状態なのに、服はズボンだけの半裸状態だって点も少なからず要因である気がします。
髪をセットして現れるなら服の方もカッコイイ新衣装をがっちり着込んで現れてほしかったし、服を半裸状態のままにするなら、髪もセットされてない伸びっぱの長髪とかにして、後で整える形式にして欲しかったかも。
成長キングの衣装、どんなものになるんでしょうね。
…詰襟系やロック系の服を着せちゃって、「やっぱりヤンキーだ」と読者の笑いものになる未来が脳裏を過ぎりましたが、どーかそんなことにはなりませんように…。ちゃんと大人の妖精王らしい威厳やナチュラルさを感じさせる衣装でありますように…。(大きなお世話で すみません)
…はっ。まさかグロキシニアばりに、ずーっと半裸のままになるんじゃ…!
だったらますます、この髪型は合わないよー。
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ディアンヌの神器解放
ディアンヌが戦鎚ギデオンを神器解放、特性「避雷針」が披露されました。
カッコよくて解り易い。それにナニコレ魔力攻撃には ほぼ無敵ってことじゃん! 闘級20万以上のマエルの必殺の攻撃すら受け流してしまえるんだから。
一発目の慈愛の光玉や王都決戦の時に使っていれば戦局は全く変わっていたでしょう。
まさにホークの言う通り、「そんな便利な技 なんで今まで一度も使わなかったんだよ!?」です。
その答えは「大地に魔力を逃がすと そこに住む生き物や大地そのものの命を傷つける」から、だそうで…。
うー…ん? 巨人族は大地を盛り上げたり動かしたりする大技を使いますが、土中の生き物はそれだけでも傷ついてると思うけど。(^^;)
なんにせよ、今後も基本的に この力は使われないってことなんですね…。まさに宝の持ち腐れ?
ところで、第二部冒頭でメリオダスが初めて神器解放して特性披露した後、「ディアンヌの神器は どんな力があんだ?」とホークが尋ねて、ディアンヌがニコニコと説明しているらしき場面がありました。(第119話)
なのでてっきり、ホークは彼女の神器の特性内容を知っていたかと思ってたんですけど、知らなかったんですね。 (それとも、聞いてたけど忘れた? ホークちゃんなら聞いて忘れることもあり得そう。)
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成長と生殖
かつて作者さんがサイン会か何かで「キングはずっと今の少年姿のまま成長しない」と仰られたことがあるそうです。
設定上、妖精族は植物から生まれ、生まれた時点で一定の外見年齢に達しており(赤ん坊の姿で生まれることはない)、基本、その姿のまま成長も老いもしない。
そのキングが成長しました。
とは言え、中学生が高校生になったくらいの変化です。大人の男になったとも見えますし、まだ「少年」の範囲内だとも思える。絶妙ですね。
ズボン丈の変化からして、最低でも20cmくらいは身長伸びてそうです。
元のキングは160cmでしたから、おっさんキングと同じ180cmくらいになった?
人間サイズのディアンヌはエリザベス(162cm)より5cmくらい背が高い感じだったので、今なら10~15cmほどキングが高い、カップルの理想の身長差に?
可愛い少年キングが好きでしたから、残念だし寂しい気持ちもあります。
でも個人的には納得できることでした。髪型は別にして(苦笑)。(最も恐れていたのは耳が尖ることだったので、それが起こらなくて本当によかった。笑)
それと、後戻りのできない形にメインキャラクターが変化したことは、いよいよ この物語の終幕が近づいてきたんだなと感じさせられて、そちらの意味でも寂しいような、シンとした気持ちになりました。8月発売の雑誌インタビューで、後一年ほどで連載は終わると作者さんが述べられたばかりです。
さて。
今回の読者の質問コーナーは、次のようなものでした。
Q.妖精族はどうやって誕生するのでしょうか?
A.花や木など自然の中から生まれます。キングやエレインは神樹から生まれました。
この設定自体は、少し前に担当編集さんのツイッターで明かされていたものです。
その設定を改めて誌面で、それも「キングが成長した回」を選んで載せている。
そこに、何かを伝えようとしている意図を感じないでしょうか。
エレインに羽が生えて成長した時(第229話)、キングもそうなるんだろうなと思い、当時の感想に以下のように書きました。
>エレインは羽が生えたことで髪が伸び、背も少し伸びた?感じに見えました。
>となると、キングの羽が完全に生えたら、彼も髪や背が伸びたりするのかも…?
>ちょっぴり大人っぽくなるかもしれないキング。楽しみですね。
>次世代編では親世代として顔見せすることになるんでしょうし、素の姿のままでも、少し大人っぽくなっててくれたら嬉しいです。
次世代編で親世代として登場するなら、キングやエレインが幼げな子供の姿のままでは具合が悪い。私はそう思いましたし、作者さんもそう思って、次世代編を見越した下準備としてエレインを成長させたのかもしれない。
その流れで周りを見てみます。
- 永遠の少年のはずだったキングが「大人に成長した」回に、「妖精族は花や木から生まれる」という設定を並べて載せている。
- 初代妖精王グロキシニアや その妹ゲラードは羽が生えても子供の外見のままだったのに、キングとエレインは外見が成長した。
- エレインはバンとの間にランスロットを産むと確定しており、キングとディアンヌの間にも子供が産まれることは、過去のQ&Aで暗示されていた。
ふむふむ。なるほど。
本来、妖精族は植物から生まれ、他種族のような生殖活動を行いません。結婚したところで子供を産んだり産ませたりはできないのでしょう。
そして、生まれたとき子供の姿なら そのまま、青年の姿なら そのままで、外見の変化をしない。
ところが、キングとエレインは成長しました。これは妖精族としては異例のことです。
現時点では推測ですが。
二人は成長することによって、他種族的な生殖活動が行えるように変化したのではないでしょうか。つまり、エレインはバンと、キングはディアンヌとの間に子供が作れるようになったのでは。
長らく羽が生えなかったことといい、揃って異種族に恋したことといい、この兄妹は特例的な妖精だったのかもしれません。
神樹には人間のような自我や意思はありませんが、生き延びるための超自然的意思のようなものは備えている気がします。妖精王の森の終焉を感知して、種子を運ばせるためにバンを森の奥に呼び寄せたように。
神樹は魔神族の復活と聖戦を超自然的に感知し、それに対応できる特異な妖精としてキングとエレインを生み出したのかも…? 今までにない強さは勿論、万が一 森が滅んでも他種族と交配して種を残せる可能性を与えて。
…なんて、考えすぎですか。(^^;)
次世代に関しての妄想。
キングとディアンヌの間に子供が産まれて、かつ、次世代編で活躍するキャラになるなら、可愛い女の子がいいですね。
伝承上の妖精王は、九人姉妹の娘たち(湖の貴婦人とか)を持つと語られてることが多いことですし。
キングの初期設定みたいに、普段はフニフニの小妖精姿でマスコットして、時々人間サイズになるのもいいな。加えて、怒ると巨人化して暴れちゃうとか。
ランスロットとは従兄妹関係になるんですよね。仲がいいか悪いのか…。
メリオダスとエリザベスは、どうやらハッピーエンド確定のようなので、安心して成り行きを見守るばかりです。
以前は、ハッピーエンドになるなら二人でブリタニアで移動酒場をして暮らすエンドかな、メリオダスが人間の寿命になって。と漠然と考えていたのですが。
最近の展開を見ていたら、二人でブリタニアを去るエンドもアリかなと思えてきました。
天界と魔界を統合した新世界を作って、そこに女神族と魔神族の生き残りが一緒に移住して、メリオダスとエリザベスが王になって治める。
それが一番収まりがいいんじゃないでしょうか。エリザベスが女神族に戻って。(保存されていた遺体に魂が戻ればOK?)
で、アーサーに仕える約束をしてけど果たせなかったから代わりにと、息子のトリスタンをキャメロットに修行にやるんですよ。そこで次世代編開始とか。
僅かになった巨人族は妖精界に迎え入れられるのがいいんじゃないかと。
四種族が去って、ブリタニアは人間族の支配する大地になる。
「強大な力を持ちすぎると、ブリタニアが崩壊するので短時間しか留まれない。異世界に去るしかない」という設定があるわけで。メリオダスが最終回までに強大な力を得て、その力を保持したままになるのなら、どうしたってブリタニアには残れない。
同じように、超パワーアップしたキングも、ブリタニアを去って妖精界に戻るのが妥当になるんだろうと思うのです。
…そうしておけば、次世代編でブリタニアが危機になっても親世代の英雄たちが現れない理由づけになる。で、本当にヤバいとき、短時間だけ助っ人に現れるとゆーお楽しみができる。
そんな感じになるといいなあ。
好き勝手なこと言ってすみません。
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第二部のキングは、達成感を得られない状態が続いていました。
妖精王の森でアルビオンと戦った際は、妖精たちが彼を庇って目の前で次々ミンチにされてしまう。
エレイン復活を感知して駆けつけるも、何もかも終わった後で役立たずに終わる。
大喧嘩祭りでディアンヌを護って奮戦するも、反対に彼女に護られて戦闘終了。
<十戒>に嬲り殺されるメリオダスを前に、力が足りな過ぎて何の手助けもできない。
グロキシニアとドロールに鉱樹オルドーラに囚われた際は、早々に敗北して床に転がり、痛めつけられるディアンヌを泣いて見ているばかり。諦めて「さっさと殺せ」なんて言っちゃう。
廃都コランドではディアンヌを護るどころか一撃で戦闘不能にされ、庇ってくれたヘルブラムが魂の消滅をするのを、これまた転がって泣いて見ているばかりでした。
護ると言いながら何も護れない日々。
これが作中時間で三ヶ月、リアル時間では二年ほど続いた。
そしてチャンドラー戦です。
チームプレイで、ついに強敵を倒し仲間たちを護った!
…と一瞬だけ思わせといて、すぐさま逆転。やはり役立たず。今度はグロキシニアたちに護られる結末…。
あの時は、読んでいて とても悲しかったです。
第240話感想には、以下のように書きました。
>今回は、キングにとって非常に残酷な話でした。
>「やっと皆を護りきれた、少しはいい王様になれたのかな」と達成感を味わわせておいて、すぐに「やっぱり護れなかった、自分はダメな王様だ」と引き戻す。
>どんだけキング(と読者)の精神を抉るのでしょうか(苦笑)。
(中略)
>願わくば、最終回までに、「皆を護れた」という完全無欠な達成感がキング(と読者)に与えられますように。(;^ω^)
そんな感じだったので。
前回(第279話)ラストページの後引き文
護れなかった。また護られてしまった。
重なる犠牲は、王に異変をもたらす…。
を読んだときは、おおおおっと思いました。
勝手ながら、酌んでもらえたような気がしたのでした(苦笑)。
作り手さん側もキングの停滞は意識していて、その鬱屈を晴らすことを、お待たせの大盛り上がりドコロと意図してくださったってコトですよね? 先走って「王に異変」とネタバレしちゃうくらい。
それが嬉しかったし、単純にワクワクしました。
そして今回ラストの後引き文。
もう、何も失わせはしない。
王たる威厳をその背に示し、
キング 、覚醒!!!!
チカラ入ってるカンジで、これも嬉しかったです。
もはや諦めかけてたキングの完全パワーアップ。期待していた報われの時。三年越しのスッキリ! でした。