『七つの大罪』ぼちぼち感想

漫画『七つの大罪』(著:鈴木央)の感想と考察。だいたい的外れ。ネタバレ基本。

【感想】『七つの大罪』第279話 勝利の鐘の音

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週刊少年マガジン 2018年 39号[2018年8月29日発売] [雑誌]

第279話 勝利の鐘の音

  • マエルを包囲した三つの大罪は、それぞれの術を行使した。
  • 真・霊槍シャスティフォル
    第六形態
    神樹の衣ユグドラ・クロス」!!!
    ほどけたクッションが背後からキングを包み込む。
    それは鋼より硬い神樹の鎧を形作った。
  • 両手の鎧は巨漢の拳のように大きく、手甲からは幅広の刃が突き出て、腕と変わらぬほどの長さで伸びている。
    両脚の鎧は太腿部分が椀状に過剰なほど張り出す一方で、足首から先が千切れたかのような寸足らずの形をとり、一見して ぎょっとさせられる。
    手足以外で覆われているのは首から胸部まで。肩と二の腕と胴は剥き出しで、頭部は元から服に付いていた布の頭巾フードで間に合わせてあった。
    子供に大人の服を着せたかのような、巨大人型機械の手足を子供にいだかのような、アンバランスなシルエットだ。
    胸鎧の中心には花を模した美麗な装飾が咲き、同じ花びらの模様が襟首・肘・足鎧の縁にも ぐるりと施されてある。そこが唯一、妖精王らしい自然との繋がりを感じさせられる部分かもしれない。
  • 「行くよ霊槍シャスティフォル!!」
    キングの冷徹な呼びかけに応じ、千切れたかのごとき両脚の先から魔力が噴射されて輝いた。どこかの物語の少年ロボットのように、猛スピードで宙を滑ってマエルに突進する。
    ◆妖精王が鉄腕アトムっぽい両脚ジェット噴射で飛んだぁあ!
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  • 一方、演舞場に降り立ったディアンヌは戦鎚を手に華麗に舞い始めていた。
    “ドロールの舞い”
  • そしてゴウセルは天空に静止し、光弓から光の矢を放つ。
    神器 双弓ハーリット
    特性「範囲拡大」
    幻影庭園カレイドスコープ
    空中のマエルを中心に、キング、ディアンヌを含めた広域が、ゴウセルが形作った楕円形のフィールド内に収まった。そして合わせ技が発動される。
  • 三位一体合技トリニティ アタック
    怒涛の乱撃ハイテンション ラッシュ
  • あたかも蜂や鳥の群れの猛襲のようだった。
    キングが数十人にも増え、それぞれ別の動きで飛び、刃で襲い、離れ、また襲うことを繰り返したのだ。
  • 「プガッ」
    轟く戦いの音に触発されたか、腹を上に眠っていたホークがビクッと震えて、勢いよく身を起こした。
    「プッゴォォォ~!? なんじゃこりゃ!!?」
  • 天空の有様を見て興奮の鼻息を吹く。
    「キングの大量の分身? ありゃゴウセルの技か?」「しかも ディアンヌの踊りに合わせてキングの闘級が ぐんぐん上がってくぜ!!」
  • 万華鏡の中のように増えては動くキングの動きは、マエルを幻惑しているようだ。
  • やはり目覚めていたオスローが、パタパタと尾を振って
    バフォッ!!!(頑張って王様!!!)」
    と歓声をあげた。
    オスロー可愛い。しっぽ可愛い。
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    「慈愛の光玉」に掛かって眠ったまま死ぬはずだったのに、どうしてホークとオスローは自力で目覚めることができたのでしょうか。
    描写はないけどゴウセルが二匹にも「感覚の目醒めセンス オープナー」を掛けてくれた? それとも、エリザベスが二匹を治癒してくれたので、痛み=眠気が消えて目が覚めた?
  • 今、キングとマエルの闘級差はどれほどなのだろう。刃はマエルの身体に通らず斬撃が打撃と変わらぬ有様ではあるが、蜂や鳥が小さな針や嘴で大きな敵を穿っていくように、反撃を受けることなく ちくちくとダメージを与え続けている。
  • 後頭部から腕にかけて連続打撃を食らったマエルは、勢いよく振り向いて打撃を放ったと思しきキングに対峙したが、本物は とうに移動しており、またも背後から殴打されて軽く吹っ飛ぶ。
  • 「いけるよ!! マエルは本物と幻の動きを追いきれていない!!」
    ディアンヌ快哉を叫んだ。
    この調子でいければ、蟻の群れが象を噛み殺すように、マエルを倒せるのかもしれない。
  • マエルは垂直に飛んでキングの群れから抜け出た。
    面布に縦並ぶ紋様の二番目、真実の紋様が フ… と消える。次の瞬間、彼の右手には高さ30cmほどの鐘が提げられていたのである。
    “真実の鐘”
  • 鐘には真実の紋様が浮かんでいた。マエルが揺らせば高らかに鳴り響く。
    カァン カァン カァン カァン カァン
  • 「?」
    踊る足を止めたディアンヌがきょとんと見上げた。
  • 「プゴ」「勝利の鐘の音?」とホーク。
  • 「この不吉な鐘の音は?」
    キングがいぶかしんだとき、ピキ、と何かが ひび割れるような音がした。
    直後。
  • パパパ パ パ   パァン
    無数のキングたちが風船のように破裂し、本物を残して全消滅したのである。
  • 天空に静止して「幻影庭園カレイドスコープ」を保ち続けていたゴウセルも、電気のような衝撃を受けて落下、演舞場に降り立った。
  • 「!! ゴウセルの幻術を破った!?」
    顔色を変えるディアンヌ
  • 「あの妙な鐘…… どこから あんな物を出したの!?」
    と、彼女の傍まで退がったキングが言った。
  • ゴウセルは答える。
    「…彼は戒禁を物として具現化させているんだよ 生半可な魔力じゃ太刀打ちできない」
    三人の力を合わせようが、幻術搦め手を使おうが、強大すぎる力の前には やはり歯が立たないのか。鼠は猫を噛むことが出来ないのだろうか。
  • マエルの手から鐘が消えると同時に面布に真実の紋様が戻った。間を置かず、その下の沈黙の紋様が スッ と消える。
  • 「戒禁が切り替わった…」「次の攻撃が来るわ!!」
    エリザベスの警告に、「え?」と戸惑うホーク。
  • 「も~~~ せっかくのチャンスだったのに!!」
    身構えながら愚痴をこぼしたディアンヌの背後、足元に水面のように波紋が広がったのをエリザベスは見た。
    彼女が何か言うよりも速く。
  • “沈黙の大鎌”
    沈黙の戒禁を刃に浮かべた大鎌が土中から跳ね上がり、ひとりでに回転しながら一息にディアンヌとキングを斬り裂いたのだった。
  • 「あぐっ」
    左腿の内側を半ばまで斬られてディアンヌが苦鳴をあげる。続いて背を斬られたキングが皮一枚で済んだのは、彼女が手にしていた戦鎚ギデオンに大鎌が たまたま当たって、僅かに軌跡が逸れたおかげだろう。
  • 「ぐ!!」「大丈夫ディアンヌ!?」
    顔を顰めたキングは肩越しにディアンヌを見上げた。
  • 「油断しちゃった…」
    同じように顔を顰めたディアンヌの太腿からは滝のように血が噴き出している。
    人間なら立てなくなるほどの大怪我だったが、さすがは巨人族、揺らぐこともなく防御術の印を切る。
    重金属ヘビメタ
  • ところが、何も起こらなかった。
    「……」「あ…… あり?」
    ディアンヌの肌は白く柔らかなままだ。
  • 「わっ」
    そこに再び大鎌が襲い来て、ディアンヌは慌てて戦鎚を支えに跳び避けた。
    「どうして!? 魔力が発動しないよ!!」
  • 一方、キングのまとっていた「神樹の衣ユグドラ・クロス」が ひとりでに砕け散る。
    「!!」
    次いでキングは ぐら、と空中で大きく傾いた。
    「なっ」
    浮遊が保てない。
    「何が………!?」
    フラフラと高度を下げて緩やかに膝をつく。
  • 「霊槍が… 呼びかけに応じない!?」
    彼は すぐに上着を脱いだ。この異常の原因が、先程つけられた大鎌の傷にあるのではと察しをつけたのだ。
    ◆キング、インナーシャツは着てないんですね。前の服では着てたけど。
  • 「どうなっている……!?」
    己の背中は見えない。だが、周囲の仲間たちには それが見えた。
    背中に浅く走った斬り傷、その近くに沈黙の紋様そっくりの痣のようなものが浮き出ているのを。
  • 「……これは沈黙の呪印」
    ゴウセルが言った。ディアンヌの太腿にも同じ痣が現れているのを確かめて。
    「二人共 魔力を封じられた!!」「エリザベス!! 急いで二人の傷を治して!!」
  • 「え… ええ!!」
    どうやら、大鎌の傷を治せば呪印も消えるらしい。
    エリザベスが慌ててディアンヌに駆け寄る。
    ◆ここで、エリザベスが先にディアンヌの治療に取り掛かった判断が、この後の流れに影響を与えたのかもしれないですね。
    キングの傷の方が明らかに浅かったので、彼を先に治療したなら、ディアンヌより時間がかからずに魔力が戻ったかも。その場合はどんな展開になったでしょうか。大同小異かな?
  • 上空から全てを見渡すマエルは、無慈悲にも「慈愛の光玉」を再び右手のひらの上に出した。
  • ピ…と電子音を響かせてゴウセルは顔を上げる。
    「まずい! 今の状況で喰らえば…」
    そして彼は跳んだ。
  • 「プゴッ!?」
    驚くホークとオスロー、キング。
    ゴウセル………!?」
    ディアンヌも唖然とした。
    「何をする気なの!?」
    エリザベスは治癒術に専念している。
  • 四肢を絡め、全力でマエルに しがみついてゴウセルは言った。
    「マエル… 許してほしい 本当に… 本当にキミを救いたかったんだ……」「けど俺は… 仲間を護るためにキミを討つ…!!」
  • 脳裏に過ぎるのは、今朝方、修理中にマーリンにした願い事リクエスだ。
    彼女の声を思い出す。
    『もしもの時のための最終手段?』『つまり お前に自爆装置をつけろ…と?』『それが お前の望み――か』
  • エスカノールの「太陽サンシャイン」から抽出した魔力をベースに破壊の四大元素を加え マーリンの「無限インフィニティ」で極限までに高めた爆破機能は――」「俺を中心に10マイルの空間の あらゆる物質を消滅させる…!!」
    ◆「破壊はかい四大元素よんだいげんそ」と読み仮名が振ってあったけど「破壊の四大元素デストロイ・フォー・エレメンツ」じゃないんでしょうか?
    なお、10マイルは16km強。
  • あえて威力を語ると、眼下のオスローに呼びかけた。
    「頼む!」「キミの力で みんなを避難させ…」
  • 煙のようなものがゴウセルの鼻先を掠めた。そして薫香が。
    「!?」
    ズンッ と全身に重みが掛かった。マエルから手を離したゴウセルは落下、背中から演舞場に激突したのである。
  • 「この…… 香煙は…」
    仰向けに横たわって動けないゴウセルを、濃密な燻煙が包み込んでいく。
    「体にかかる負荷が一気に上昇した」
    重力を変えられたのだろうか? …いや、これは…。
  • 「それは あなたが背負うべき重み」
    聞き覚えのある声が答えた。
  • 「そんな………」
    ゆっくりと目を動かして、ゴウセルは呆然と呟く。
    「まさか………」
    いつの間にか、横たわるゴウセルの上に ひとが のしかかっていた。小柄な手でゴウセルの腕を掴み、起き上がれないように抑え込んでいる。
    それでいて彼女の表情は優しく、まなざしは どこまでも慈しみに溢れているのだ。
  • 「ありえない……………」
    50年近くも前に失ったはずだった。ゴウセルの腕の中で鼓動を止め、二度と目覚めることのなかったひと。ナージャ・リオネス。
  • 「戒禁が見せている幻だ……」「もしくは俺の心が望む夢なのか?」
    記憶と何一つ変わらない。人間が この年月で姿を変えずにいられるはずはないのに。そう解っていても。
    「それとも本物の…」「キミなの………?」
    弱さは涙となって、ゴウセルの残った左目から溢れ出た。
  • 濃密な燻煙は、マエルが具現化させた丈長の香炉から発したもの。
    “純潔の香”
    香炉には純潔の紋様が浮かび上がっている。
  • ナージャ…………」「ずっと………会いたかった」
    ゴウセル… 急にどうしたんだ!?」
    起き上がろうとしないゴウセルにキングが駆け寄った。ゴウセルは茫洋と虚空を見つめて涙を流し続けている。
  • 彼の目に映る亡き恋人ナージャの姿は他の誰にも見えていなかった。
    皮肉にも、多くを幻術で惑わし続けてきたゴウセルが、幻術によって打ち負かされたのである。
    ◆王都決戦時、ドレファスに悪夢語りナイトメア・テラーを掛けて「人間って脆い」と白々と見下ろしていたゴウセルを思うと 色々感慨深いです。
    心(感情)豊かになるということは、強くなるということであり、弱く(脆く)なるということでもある。
  • 「エリザベスお願い… 急いで!!」
    ゴウセルの異常に焦ってディアンヌが促した。エリザベスは真剣な顔で治癒術に集中している。
  • 「バフォッ」
    マエルを警戒し続けていたオスローが吠え、ホークが ビクッ と耳を立てた。
    マエルが、またも慈愛の光玉を 手のひら上に作り出している。
  • 「ダメ…」ディアンヌが呟いた。
  • 鼻水を垂らすしかできないホーク。術に集中し続けているエリザベス。
  • 「間に合わない…!!」
    キングは焦りと絶望に顔を染めた。魔力が封じられた今、手も足も出せないのだ。
  • 「バフバフォ!!!(王様はボクが護る!!!)
    力強くオスローが吠えた。
  • ぎょっと振り向いたキングの目の前で、黒妖犬ブラックハウンドは高く跳んだ。空中で巨大化していく。駆け寄って手を伸ばしたキングを置き去りにして。
    それはゴウセルのように光玉の発動前に妨害するには、僅かに遅かった。
    放たれた光玉は、口を開けたオスローの目前で炸裂したのである。

  • その頃、ブリタニアの大地では、妖精族と巨人族の連合軍が、人間の掃討部隊との合流を目指して、魔神軍と戦いつつ進軍していた。
    それぞれの部隊を率いるのはゲラードとマトローナである。
  • 一戦闘を終えたとき、ゲラードは何かを感じて不思議そうに周囲を見回した。
  • (どんな姿になろうと…)(必ず お前の大切なものを俺が代わりに護る)
  • 「ロウ…?」
  • 遠い昔、ほんの数時間だけの関わりだった人間の、最期に遺した心の声。
    それを今、どうして思い出したのだろう。

  • 炸裂した光玉の力がオスローに激突する。破壊の力を全て受け止めたが巨犬の影が、閃光と爆風の中に呑まれていった。
  • 次回「崩壊」

オスローぉおおお!!(涙)

ほんの数ページ前までウキウキ尻尾を振ってキングを応援してたのに。まさか こんなことになろうとは。

 

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マエルの羽

 

 

前回(第278話)、繭から出てきたマエルは六枚羽でした。

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女神族の羽は、魔力が大きいほど大きく枚数も多くなります。

本来のマエルは四枚羽でした。戒禁を取り込んだことで魔力が増大し六枚羽になったのだと思っていました。

 

ところがどっこい。

今回、冒頭から理由なく四枚羽に戻ってるじゃないですか(汗)。

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これ作画ミスだと思うのですが、そのまま定着してしまって、この後の回でもずーっと四枚羽のままになっちゃってます(汗)。

単行本で修正されるでしょうか。

 

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幻影庭園カレイドスコープのこと

 

 

ゴウセルが神器解放「範囲拡大」して放った新技「幻影庭園カレイドスコープ」。

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これって、どんな効果の技なんでしょう?

 

まず「幻影庭園カレイドスコープ」。

名前からして、何かを万華鏡カレイドスコープのように沢山増やす幻を見せて惑乱させる術でしょう。キングが無数に増えた幻覚は、この術の効果だと思われます。

そして、それに「範囲拡大」という特性が付いている。

何の範囲を拡大させているのでしょうか?

 

 

ゴウセルの幻術は主観的です。

誰もに見える幻を出す(現実に映像などを映し出す)のではなく、被術者だけが脳内で幻覚を見ている。術に掛かっていない第三者には何も見えません。

二、三人に同じ(?)幻を見せることもできますが、その場合も一人ずつ別々に術を掛けていて、やはり第三者には何も見えないわけです。

 

ところが今回の戦いでは「万華鏡のような無数のキングの幻」を、マエルだけでなく、キングやディアンヌ、観戦者のエリザベス、果ては遅れて眠りから覚めたホークやオスローまでもが同時に見ています。

幻覚を、その場の全員が共有しているのです。

 

以上から、「範囲拡大」には『幻術の範囲を拡大し複数人に共有させる』効果があるのではないか、と推測しました。

 

 

しかし別の疑問もあります。

今回、ディアンヌがドロールの舞を踊ると、彼女ではなく離れて戦っているキングの闘級が どんどん上がるという現象が起きていました。

今まで語られたドロールの舞とは、踊った本人の闘級を上げるだけだったのに…。

 

元々、やろうと思えば そうできたのか?

……あるいは、これも「範囲拡大」の効果のうちだったのでしょうか。

『範囲内の味方同士で、精神(魔力)的な術の効果を共有できる』とか。

だから幻を共有できたし、本来は個人だけのパワーアッブを仲間に移譲もできた?

 

 

…と、色々考えてみましたが。

実際はどんな効果の技なのでしょうね。

 

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おっさんキングを探せ

 

 

霊槍シャスティフォルの未だ明らかになっていなかったうちの一つ、第六形態「神樹の衣ユグドラ・クロス」が披露されました。

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う…うー…ーん?

カッコいい……のか、な? んむむ…?

 

カッコ悪いとは言わないけど…。すみません、カッコイイとは思えない…かも?

うー~…んんん…(困惑)???

胸の花模様がヘルブラムと お揃いなのは、絆とか妖精族の文化とかを感じさせられる気がして素敵だなと思いました。

 

グロキシニアの「神樹の鎧ユグドラ・アーマー」を初めて見た当時は、ゴテゴテしてて「服に着られた子供」感があって イマイチかなあと思いはしましたけども(出てすぐ、活躍の場なく破壊されたせいでもある)、それでも「妖精王らしい」ケレン味のある鎧でした。

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キングのクロスは全く妖精王っぽくないですね。ロボットっぽい…それもレトロフューチャーっぽい。

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両脚からジェット噴射して飛ぶさまは鉄腕アトムのようでしたが、狙ったんでしょうか?

 

個人的には、両足首から先が千切れたみたいなデザインには不安を誘われます…(苦笑)。

あと、ヘッドパーツが無くて元々の服の頭巾フードで間に合わせてるのは残念だったかも。防空頭巾? おかげでシルエットが ずんぐりして、赤ずきんちゃんか ダルマみたいになってるよーな。

 

(ダルマみたいなシルエットを見てて、何かに似てるなァーーと悶々として、ハッと気づきました。ロシアの民芸品の「マトローナちゃんマトリョーシカ」に似てる! 頭巾フード(スカーフ)被ってて・ずんぐりシルエットで・胸に民芸系の花の模様があって・同じ姿が たーーくさん。ははは。グッズ作ったら面白いかも。)

 

 

でも、武力では からきしで遠距離戦 専門のキングが、強化鎧をまとうことで白兵戦が可能になるというコンセプトは、とっても素敵でした。こういうの期待してた!

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足はジェット噴射特化でしたが、どうせなら蹴りも見たかったなあ。で、白兵戦と遠距離 魔術攻撃を織り交ぜて、空と大地一杯を使ってダイナミックに戦うのも見たかったです。

 

とゆーか。

考えてみたら、霊槍シャスティフォルの形態は、ノーマル版と真版、完全版で全部デザインが違うんでした。となると神樹の衣ユグドラ・クロスにも別バージョンがあるってコトになる。

もっとパワードスーツ的にメカメカしくなるのか? それとも今度こそ妖精王らしく正統ファンタジックで威厳ある方向か? いっそ武道家っぽく腕や足のパーツだけとか?

それらがお披露目されることは恐らくないでしょうけども。

どんなデザインで、どんなカッコイイ戦闘ができるかと、色々妄想しちゃいますね。

 

 

 

さて。

万華鏡のように分身したキングがマエルを翻弄する場面。

何気に「おっさんキングを探せ」状態になってましたね(笑)。

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どこにいたか判りましたか?

 

答え

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遊び心が楽しかったです。読み返して二度おいしい。 

 

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ゴウセルの自爆装置のこと

 

 

第253話にてゴウセルがマーリンに頼んでいた「<十戒ゴウセルが聖戦を終わらせた――という話と関係がある」「お願い」が、もしもの時のための自爆装置だったと判明。

 

…うーん。

正直、つまらないオチでした。もっと凄い何かかと期待してた。

 

また、これだとゴウセルが「マエルを救いたい」「自分だけが死ねば片が付く」と殊勝なことを言いつつ、本当は最初から「マエルを殺して自分も死ぬ」計画を立ててたコトになるので、ちょっと微妙な気分に…。

 

 

ゴウセルくん、だっこオバケになる。

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だいしゅきホー……なんでもありません。

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a.告白

b.ジャーマンスープレックス

 

何気に体格差がありますね。改めて、マエル(エスタロッサ)って大男なんだなあ。

 

 

 

ゴウセルに仕掛けられたという自爆装置が、馬鹿馬鹿しいほどの高性能でした。

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エスカノールの「太陽サンシャイン」から抽出した魔力をベースに破壊の四大元素を加え マーリンの「無限インフィニティ」で極限までに高めた爆破機能は――」

「俺を中心に10マイルの空間の あらゆる物質を消滅させる…!!」

はァ!?

 まず、効果範囲がゴウセルを中心にした10マイル(16km強)四方というのが馬鹿馬鹿しい。全く関係のない者を巻き込むこと必至じゃないですか。マエルと心中したいだけなら不必要な広さです。

次に、範囲内の「あらゆる物質を消滅させる」って。なんだそれ物騒過ぎるでしょ。怖い。悪魔の爆弾か。

 

ドラゴンボール』に、人造人間16号が敵に抱き着いて決死の自爆を試みたが、何も起こらず失敗して敵に破壊されたエピソードがあります。彼を修理した科学者が体内の爆弾に気付いて秘かに取り外していたためです。

 

ゴウセルは「純潔の香」のせいで失敗しました。けれど実際は、最初から彼の体内に自爆装置なんて仕掛けられてなかったんじゃないか? と思いました。

だって、自爆装置の効果と範囲が凄すぎて、あまりにも非実用的だから。

今回はたまたまオスローがいたので使用に踏み切りましたけど、元々の予定なら掃討部隊の聖騎士たちと共に行動していたんですから、自爆すればみんな道連れです。とてもじゃないけど こんな装置は使えません。

…ちょっと前ゴウセルはマエルに自分を破壊させようとしてたけど、それで万が一自爆装置が誤作動してたら どうする気だったんだろう。

 

私がマーリンなら、「自爆装置を付けて」と頼まれても、そんなの仕掛けないです。

そしてゴウセルに思いとどまらせるために、マーリンはあえて「めっちゃ効果範囲が広くてヤバイ(だから使うな)」と教え込んだんじゃないかなあ。

 

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戒禁の別解釈

 

 

マエルが具現化させた戒禁のもたらす効果が、<十戒>の呪いだった頃とは別解釈になっていて面白かったです。

 

慈愛
十戒>… 憎悪を抱くと攻撃行動を封じられる
慈愛の光玉…痛みを快楽に変え眠ったまま死に至らせる

 

真実
十戒>…嘘を吐くと石化する
真実の鐘…幻術を暴く

 

沈黙
十戒>…心に秘めた想いを告げることが出来ない
沈黙の大鎌…魔力封印

 

 

しかし、純潔だけは なんだかよく判りませんでした。

十戒>の呪いとしての「純潔」も どんな効果だったか不明なままでしたが。

純潔の香の効果って、結局何なの?

恋人の幻を見せる? 後悔を増幅させて目覚めさせなくする? それが「純潔」という言葉と どう繋がるのかがピンとこないです。

……純潔を失うことを「罪」とみなし、初体験の相手の幻によって闇に囚われる? それじゃギャグだなあ。(^^;) もしそうならキングやディアンヌには この香は全く効果を成さないってことですね。 (つーか、この場にいるメンバーでは、純潔の香に引っかかる者はゴウセルだけだったのか?) 

 

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そんな美談だったっけ?

 

 

オスローが身を挺して慈愛の光玉を防ぎ、虫の報せでゲラードがロウの名を呟く場面。

柱に担当編集さんによる解説が書かれていました。

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大罪豆知識

三千年前、ゲラードを庇い死んでしまったロウは現代では黒妖犬ブラックハウンドオスローへと生まれ変わっている。

 …「ゲラードを庇い死んでしまった」……?

私の覚えてる話と違う(汗)。

私の覚えてる限り、ロウはグロキシニアを騙して取り入って彼の留守中に<光の聖痕スティグマ>を皆殺しして最後に残ったゲラードが たまたま死んだ恋人に似てたもんだから愛に狂って自分の仲間を殺害、流石に後悔してグロキシニアの怒りの一撃を甘んじて受けて死亡、だった気が。

でも製作サイド的には、あれは「ゲラードを庇って死亡」という美談だったのですか……。超要約・意訳? うーん…。

 

正直、ロウ=オスローの設定は、どうにも無理があるよナァと思ってます。

ロウが<光の聖痕スティグマ>を皆殺しにしてゲラードにも大怪我を負わせたことを後悔したとして、遺言が「生まれ変わったら…必ずお前(ゲラード)を護る…」までは理解できなくもないけど(ゲラードは死んだ恋人に似てただけの他人なのに、何で生まれ変わってまで? と困惑はする)、「お前の大切なものを俺が代わりに護る」というのは何故そうなるの、と思っちゃう。

 

今回のエピソードも、ゲラードとロウの絆の物語と見れば感動が増しても、オスローとキングの絆の物語として見た場合、ゲラードのためにキングを庇って死んだと強調されたことになるので、ちょっと不可思議になる感じもします。

 

…いや。

ロウの残滓は「ゲラードのためにキングを護った」んであっても、 生まれ変わったオスローの人格は別人だから、オスローは「キングのために身を挺した」んですよね。そう思いたい。

 

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そういえば、セブンイレブン限定のオリジナルストーリーブックの感想を書こうと思って、ずっと忘れたままになってた。

 

  • エリザベスが怪我をした状況は、(メリオダスが怒りのあまりリオネスを滅ぼしかけたというのだから)もっとドラマチックで残酷なものを想像していたので、言ってしまえば「自分で柱に頭を打ち付けた」形だったのには少し拍子抜けしました。
  • 「また…エリザベスを俺から奪うつもりか…」「エリザベスが…一体…何をしたんだ…!!」「何度オレたちを苦しめれば…気が済むんだ!!」と怒って闇暴走しかけたメリオダスが怖かったです。
    この時点のメリオダスは、この事件が魔神フラウドリンの仕業とは知らないし、エリザベスの怪我も呪いとは関係ない。なのに3000年分の恨みつらみを口にして我を忘れていて、本編のメリオダスとは一線を画した闇を感じました。
    彼の辛い3000年を思えば解らなくもないけれど、もしも これでリオネスが消滅していたら無関係の人たちは浮かばれなかったでしょう(;^ω^)。彼を止めたマーリンさんGJ。
  • エリザベス曰く「お父様とエリーしか知らない秘密の抜け道があるの」
    え? 養女でまだ六歳のエリザベスが機密を教えられているのに、実子のベロニカや総領娘のマーガレットは知らないの(汗)?
    …いやいや、姉たちも知っているけど、エリザベスが幼過ぎて言い忘れただけですよね、きっと。
  • <大罪>たちは いかにして聖騎士たちの包囲網を突破して王都から脱出したのか。答え。マーリンによって全員バラバラにブリタニア各地へ転送されました。
    他メンバーはまだしも、キングがどうしてディアンヌと離れたんだろう、よほど苛烈な脱出劇で やむなくはぐれたのかなと思ってたので、なるほど強制的に離されていたのかと納得しました。また、メリオダスが暴走しかけたのをマーリン以外の<大罪>が一切知らなかった説明もつきましたね。
    ただ、これでアニメ版とは辻褄が合わなくなったかも。アニメ第一期第一話は、10年前の荒れ果てたリオネス王都…古城から<大罪>たちが脱出する際、聖騎士たちと激しく戦った跡…という場面から始まりましたから。
  • エリザベスがメリオダスのことだけでなくザラトラスのことも忘れたと語られてましたけど、生き返ったザラトラスと再会した時、普通に覚えてたじゃん?
    メリオダスのことは名前も存在も忘れたけど、ザラトラスに関しては「遺体を見た」ことだけ忘れた、ということかなあ?

単行本34巻の限定版には番外編をアニメ化したDVDが付くそうです。このエピソードのアニメ化なのでしょうか。

 

 

ついでに。単行本33巻の読者のイラストコーナーに、

「バンがもし戻ってこなかったら オイラ…きっとエレインにボコボコにされる…」

というキングのコメントがあって不思議に思いました(笑)。

バンの煉獄行きはキングのせいじゃない。なのにバンが煉獄から戻らなかったらエレインはキングをボコボコにするの?

まさかエレインが悪いことは全て兄のせいにして暴力を振るう妹のはずはないので、キングが勝手に、護るべき身内に悪いことがあれば自分の責任だと考えている、ってことなのかなあ? 

 

 

 

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