【感想】『七つの大罪』第269話 煉獄ライフ
週刊少年マガジン 2018年 26号[2018年5月30日発売] [雑誌]
第269話 煉獄ライフ
- 怪物の口のようにパックリ横に裂けた、丘のような大岩。その岩の
庇 の下でメリオダスは目覚めた。 - 横たわったまま、ぼんやりと己の手を見つめる。
「?」
それが元の…ひとの手の形であることに思い至って、ピクと震えた。
「…………」
手を凝視しながら呆然と思考を巡らせる。 - 「…よう相棒♬」「気分はどーだ?」
気配に気づいたか、傍らに座っていたバンが肩越しに声を掛けた。彼がメリオダスをここまで運んだのだろう。 - 「なんで………」「こんな幻覚…」
メリオダスは頭をもたげ、床に手をついて上体を起こす。
「煉獄 に あいつが いるわけが…」 - 「カッカッ♬」
戸惑うメリオダスに、バンは明るく笑いかけた。
「俺は本物だぜ……」「団ちょ♬」 - メリオダスが立ち上がる。勢いのまま突進し、バンにしがみついた。
- 「ふ…ぐ」
ぽろぽろと零れ落ちていく。メリオダスの目から溢れた涙が。
「……っ」
「うわああああぁあぁあああ!!!」
バンの首に回した右手は、未だ耐えるように固く握りしめられたままだ。両手で当たり前にハグすることもできていない。
それでも、彼は絶叫して涙を流したのだ。道を失った幼子が、やっと迎えに出会えたように。 - エリザベス以外の誰かの前で、彼がこれほど「弱み」をあらわにしたのは初めてだったのかもしれなかった。
- 「………………オレは すっかり諦めてたんだ」
やがて、岩の庇の下から出た二人は、並んで風景を眺めていた。バンは片膝を立てて腰を下ろし、メリオダスはその隣に立っている。
◆ここの景色に見える影、妖精界にも生えてる巨大キノコっぽい。
それとも、「この木 何の木♪」的な、枝が傘状に広がった大木なんでしょうか。 - 「もう煉獄を出て
現世 に戻れやしねえんだろう」「エリザベスとも バン…お前とも」「二度と会うことはねえんだろうなって」 - メリオダスはバンにリラックスした笑顔を向ける。
「…だけど なんでお前が煉獄に?」「不死のバンさんも とうとう くたばったのか?」 - 「違ぇよバーカ♬ 団ちょを連れ戻しに来てやったんだよ!」
「まさか… じゃあ ひょっとして現世 戻る方法も知ってんのか!?」
目を丸くしてメリオダスが尋ねたが。 - 「あ」
「「あ」って」
口目を開けて固まった親友 の様子に目を細めた。
「バカだね~~ 戻る方法も知らねえまま無謀につっこんで来たのかよ?」
(白々とした表情で言いながら、どことなく華やいで嬉しそうだ。)
◆「バカだね~~」と言いつつ、メリオダスさんの嬉しそうなこと。
- 返す言葉もないバンは、何とも言いようのない様子で己の髪を掻きむしった。
◆これはマーリンのミスですよね。不死身でも魔神王の息子でもない父が行って帰ってきたのだから、戻る方法を、少なくともヒントは知っていたはず。なのに何も言わずにバンを送り込みました。
(正直、バンを見捨てたと思った。万が一バンが成功して生還したらラッキー、でも無理だろう本人がどうしてもと言うから送るけど、くらいの気持ちで送り込んだように見えた。本気でバンを生還させようと思ってたなら、帰還について何も話をしないなんてありえない。) - 「しゃあねえだろ お前一人
煉獄 に放っとけるかよ」
気恥ずかしさと悔しさを半ばさせた顔でバンがメリオダスを見れば、
「持つべきはバカダチだな」「にしし」
メリオダスは心底嬉しそうに笑った。 - 「へっ♬」
バンもキツネ顔で笑う。
◆「お前一人こんなとこに放っとけるかよ」という言い回し…。魔神王が奪ったのはメリオダスの感情(形も人格もないもの)に過ぎなかったはずなのに、すっかり、「もう一人のメリオダス…むしろ『本当の』メリオダス」が幽閉されていると、最初からバンが想定していたかのような語り口になっちゃってますね。 - 二人は崖から飛び降りた。
「まっ 時間はたっぷりあるんだ」とメリオダス。
「おお! じっくり考えるとしようぜ」とバン。
◆最強コンビが揃って、「時間はたっぷりある」「じっくり考えるとしよう」で、これから楽しい煉獄ライフ(冒険)が始まります、かぁ…。
危機連続・時間がないとギリギリしてる現世組と温度差あり過ぎ(^^;) - 奇岩の並ぶ地帯を、岩を軽々と跳躍しながら、二人で風のように進んでいく。
バンがメリオダスを捜して一人で旅していた頃は、背を丸め のろのろ彷徨っていたというのに、今や別の生き物のような軽やかさである。 - 「――その前に いい大人が二人 いつまでもフルチンってわけにもいかねーよな?」
「カッカッ♬ いい大人ね~~~~♬」
子供の見かけをした男の提案に、バンは皮肉げに顔を歪めて笑った。 - 「つーかよ 煉獄の環境じゃ服どころか鎧さえ溶けちまうっつの」
「よし ついてこいバン!」
メリオダスが長く跳躍して先導を始める。
「ん? おお」 - メリオダスの先導で至ったのは、岩石地帯の終端だ。
二人は小高い岩山に身を隠して、眼下の平地を観察している。 - 「煉獄には二種類の化け物が存在する」
平地で今しも対峙している…厳密には、呑気にうろつく一方を、もう一方が背後から狙っている…化け物二体を見ながら、メリオダスが口を開いた。
「一つ目は煉獄に堕ちた魂が凶暴化した いわば外来種」 - 化け物の一方、獲物を狙っているのは大ムカデモドキだ。子供のラクガキめいた歪んだ形で、炭か影絵のように真っ黒である。
◆この大ムカデモドキさんも、煉獄に堕ちた死者の成れの果てなんですね。
どういう人で、何で堕ちたんでしょう。
ちょっと気になるのは、大ムカデモドキは前回の背景にも描かれていたこと。
何気に出番が多い? - 「俺や団ちょが なってたやつ…だよな?」
「ああ」「こいつらには明確な実体がないからな 死ぬと塵になっちまう」
◆生きたまま煉獄に来たバンには明確な実体があるので、狐男モドキのまま死んでも塵にならなかったってこと?
つーか、煉獄に堕ちた魂は、更に『死ぬ』んですね。
そもそも、なんで煉獄に堕ちる魂がいるんだろう。どんな基準で堕ちてくるんだろう。この漫画では、煉獄は魂の浄罪のためにある場所ではないっぽいし…。
煉獄で魂が死んだらどうなるのか。魔神に喰われた魂のように完全な無になるのか。あるいは、煉獄の在来種として『生まれ変わる』のか。 - 大ムカデモドキが狙う化け物は、黒くもラクガキ風でもなかった。現世のどこにもいない、それでいて現世の様々な怪物や動物をツギハギにしたかのような。
無理に例えるなら、派手模様のアザラシを逞しい二本足で直立させて、長毛大型犬のように目元を前髪で隠したような、ユーモラスな生き物である。なお、大きさは象ほど。 - 「二つ目は煉獄で生まれ 実体を持つ在来種」
メリオダスが続けた。
「その体は煉獄に適応するために進化しているんだ」「ズバリ!! オレたちの狙いは こいつらの素材だ」 - その時、機会を狙っていた大ムカデ モドキが、フン フン と鼻を嗅ぎ鳴らしていた二足アザラシに襲いかかった。
- 「!!」
バンは息を呑む。
二足アザラシの姿が掻き消えたからだ。 - 「?」「?」
獲物を見失った大ムカデモドキは、長い体を揺らしてキョロキョロしている。だが、周囲に二足アザラシは見当たらない。 - メリオダスとバンは、ハッとして振り向いていた。
「一瞬で あの距離を…?」
大ムカデモドキのいる平地からメリオダスらが身を隠していた岩山を超えた、数100mは後方。そんな場所を、二足アザラシが二本の足で てすてすてすっ と駆けていくのに気付いたのだ。 - 「おもしれぇ♬」
追ってバンが跳躍する。 - 二足アザラシは、またもフンフンと鼻を嗅ぎ鳴らした。
- バンが太い腕を振るって一撃をお見舞い…したと思った時には、二足アザラシはもう、バンの遥か後方をてすてすと駆けているではないか。
- 愕然とするバン。全く動きが見えなかったのだから。
- 駆ける二足アザラシは岩山の方へ戻っていった。
「団ちょの方に行ったぞ!!」
「ん? おう」
身体を向けて身構えるメリオダス。 - 二足アザラシは、狙いをつけたかのように真っ直ぐメリオダスへ向かっていく。
- メリオダスは不敵に笑った。
「どうやら こいつにはわかってるようだな」「野生の勘ってやつか」 - そう言い終えた直後。
メリオダスの体が軽々と宙に舞っていた。二足アザラシの太い尾に殴り飛ばされて。 - 「!!」
バンは、またも唖然とした。
「団ちょ… いつものバカ力はどうした!?」 - 戸惑って駆け寄れば、ぎこちなく半身を起こして、「にししっ やっぱダメか…」と、メリオダスは うわべで笑う。
「あくまで オレはメリオダスの感情… 魂みてえなもんだ」「煉獄から脱出しようにも…… 必ずお前の足手まといになっちまうな…」
端的に言えば、感情メリオダスは弱い、らしい。二足アザラシはそれを見抜いて、弱者から襲ったということなのだろう。
◆感情メリオダスは弱い? じゃあ、首長竜モドキだった時に数十年も不眠不休でバンと対等以上に戦ってたのは何だったのよ。
……いや。「弱い」感情メリオダスと対等程度にしか、この時点のバンも強くないってことなのか。
疑似的な魂に過ぎない感情メリオダスが闘級5万とかあるのはおかしいから(なにせ、本体すら闘級3000程度だった時代がある)、彼と同等くらいだった、この時点のバンは、まだ闘級5000~1万くらい? - 常にバンの上に立っていた男としては、忸怩たる思いがあるのだろうか。俯いて珍しく卑屈なことを言ったメリオダスに、驚いた顔をしたバンは、スッと静かな表情になった。
「だったら 俺がおぶってやるよ♬」
そう言って、少し離れた場所で呑気にしている二足アザラシに右手を伸ばす。
“獲物狩り ” - だが、引き寄せの魔力は効かず、やはり一瞬でその姿は掻き消えていた。
「!!」
バンの背後、10mほどの位置に移動している。 - 悔しげに歯噛みするや、猿のように跳躍して飛び掛かるバン。
「バン!!」とメリオダスが叫んだ。 - こうして、二人の二足アザラシ狩りが始まった。
闇雲に飛び掛かり続けるバンを、涼しげに かわし続ける二足アザラシ。 - 『
魔神王 の呪いで オレは死ぬたびに本体から引き剥がされ 煉獄に囚われてきた』 - バンの身体は焼け焦げると同時に凍りつき、肺腑の爛れで荒い息を吐いてうずくまることもしばしばだ。
- 『目的は一体 なんだ?』
- そんなバンに、メリオダスは高所から指示を飛ばす。二足アザラシの移動先を教えるが、あまりに素早いため、バンは捕まえることが出来ない。
- 『
魔神王 の望みはメリオダスを自分の後継者にすること』『そのためには余計な感情 は邪魔だからな』
『なるほどな……♬』
◆ここで、「メリオダスを自分の後継者にすること」と言ってて「オレを後継者にすること」とは言わないのは目を引きました。感情に過ぎない自分は本当のメリオダスではないと区別しているだけ? - 疲れ果てると、二人は気を失うように並んで眠った。
- 『バン… お前こそ よく生身で煉獄に耐えてこられたな?』
『ああ♬ 何度諦めそうになったか わかんねーよ♬』 - 起きれば、また二足アザラシとの追いかけっこを始める。
- 『はじめの百年 骨まで燃えては復活し 血まで凍っては復活し 猛毒で腐っては復活し…』『その繰り返しだったな♬』
◆え、そんな状態だったの? つまり、煉獄は火傷どころか人間を骨まで燃やすレベルの灼熱世界で、いるだけで腐り死ぬほどの猛毒世界なの?(汗)そんな世界を、今やバンは殆ど平然とうろついていると?
…それは…バンの精神力も超凄いけど、彼を不死身にしている神樹の力(生命の泉)も凄いのでは。
だって彼の不死身体質は先天的な能力ではない。彼が死ぬ度 蘇らせているのは神樹の力で、彼が次第に煉獄の環境に適応したのだとしたら、そう調整したのも神樹の力なのだと思うからです。
つーか。「人間」であるなら、何回 再生しようが、骨まで燃やすほどの灼熱世界に「適応する」はずがない。再生する度に、バンの肉体を構成する物質自体が変わっていったのでもない限り。
バンの「不死身」は、不死身になった時点の肉体に回帰する恒常性・保持ではなく、必要に応じて何か違うモノに物質自体が作り変えられさえする再生・進化促進だったんですね。
そして、改めて思いました。服も鎧も溶ける・バンは何度も燃えて凍って腐ったという煉獄を、不死身でもないのに一年放浪して、服も杖も装備したまま帰還したマーリンのお父さんは、超すごい人だったのだと…! - 奇妙なことに、どれだけ時間が経っても二足アザラシは逃げなかった。むしろ、へたり込んだバンの傍に戻って周囲をウロウロしている。懐いたのか、揶揄っているのか。
- 『それでも二百年経ったころには だいぶ慣れたか』『もっとも… 未だ火傷に凍傷 吐血は日常茶飯事だがな』
- へたり込んでいたバンは立ち上がる。
- 『――そんで もう二百年経つころには眠れるようになったぜ♫』
- 立ち上がったバンが目を閉じて静止したので、二足アザラシは窺うように鼻先を近づけた。
――と。バンの姿が掻き消えたではないか。 - ドンッ
- メリオダスが見守るなか、激しい打撃音と地響きが起こった。
- 「ブハッ」「ハアッ」
バンは興奮して荒い息を吐く。そして両拳を握って叫んだ。
「獲 ったーーーーー!!!」
二足アザラシが地面に半ば埋もれ、舌と鼻血を出して死んでいる。
◆「とったどーーーー!!」 - 象ほどもある二足アザラシの背に立って叫ぶバンを、メリオダスは満足げに見つめていた。
- 二足アザラシは肉と皮を剥がれ、綺麗に骨になった。
肉は骨付き肉にして食料に。(こんな世界に住む派手な模様の生き物が猛毒を持たないはずはなかろうが。)
メリオダスは骨を大剣に加工するべく石で叩き、バンは服を作るために皮をなめしていく。そのための道具も自作している。
本来何もない この場所で、二人の作業は神の助けでもあるかのように順調で緻密であった。 - 「なあ バン…」
骨を石で叩きながらメリオダスは言った。
「なんだよ団ちょ」
「お前は すごいよ」
「急に なんだよ…」
バンはメリオダスに目を向ける。すると、メリオダスも作業の手を止めて笑顔を向けた。
「サンキュな」 - バンは無言で、歯を剥いた笑みを返した。
- 作業は続く。
「マーリンが団ちょは魔神王に捕まってるとか言ってたからよ てっきり どっかに閉じこめられてると思ってたんだ」
「ああ 最初は魔神王に監禁されていた オレが煉獄の脱出口を探し出して本体に戻ろうとしていたからな…」「でも結局見つけられず 脱出を諦め絶望し化け物になったオレに安堵し 放り出した」 - 骨を石で叩いて作った剣は完成し、バンが それを使って、なめした革を型紙もなく切っていく。
「放り出したところで さまよううちに偶然 脱出口を見つけて逃げちまう可能性は考えなかったか~?」 - 「…………たしかに」「!!」
メリオダスはハッとした。
「外に放り出せば脱出される恐れはない…?」「つまり煉獄からの脱出口は魔神王の手元にある… そういうことか?」
顎に手を当てて考える。 - 「試してみる価値はあるんじゃねーか?」と、バン。
- 革を切ってしまうと、バンは鼻歌を歌いながら二足アザラシの毛を糸にしてザクザクと縫い合わせた。メリオダスにも教え、彼の分の革を彼自身に縫わせる。
- どれほどの時間がかかったか。
少なくとも一日二日ではなかっただろう。 - 男たちは二足アザラシの革で作ったシャツとズボン(職人の手に拠るような完璧な出来栄えだ)、しっかり靴底まである革靴までもを身に着け、更にメリオダスは二足アザラシの骨の大剣を背負っている。
- 「さてさてさーて…」「脱出
任務 開始と行きますか!!」
「おう♬」
もはや哀れな裸族の様相ではない。街を闊歩するゴロツキと傭兵のように、二人は肩で風を切って煉獄の野を歩いていった。 - 次回「未知との遭遇」
彼は心を開いたか
バンと再会したメリオダスが、彼にしがみついて子供のように泣きじゃくったのは嬉しかったです。
メリオダスはいつも超然・飄々としていて、なかなか本当の心情を見せない。
それは彼のカッコよさ・ミステリアスな魅力ではあるけど、短所でもあると、第二部になってからは感じていました。明かすべき彼自身の情報・心情を頑なに明かさないので。
仲間の協力を求める言動をとりながら、現実はスタンドプレイ・独断専行ばかり。ケンカしても向き合わず、飄々として心を開かない。
暖簾に腕押し・糠に釘的な、閉じた印象が強くありました。
ですから今回の大泣きは、「メリオダスの感情」が強く感じられて、ホッとしました。
…ホッとしてたんですけども。
よくよく絵を見たら、バンへのしがみつき方が気になったり(苦笑)。
だって、両手でハグするのではなく、片腕だけをバンの首に軽く引っ掛けて、そのうえ、その手を開かずに拳にして握りしめていたからです。
なんつーか。「必要最低限しか バンに触れません! セクハラしてません!」って感じのしがみつき方(笑汗)。
ギュッと握りしめてバンに触れないようにしている拳からは、「心を開いていない」ニュアンスがビンビン伝わってきます。
なんで、こんな不自然な しがみつき方なんだ??
…推測ですけども。
作者さんの中に、日本人男子らしい「ハグに慣れない」価値観があるから、こうなったのかしらん?
作者さんは「ハグは気恥ずかしいものだ」、特に「男同士が強く抱き合うなんて、みっともない。同性愛と思われたくない」と どこかで思っていて、だから「必要最低限しか身体に触れず、遠慮してる」「なのに感情爆発の号泣」という へんてこなハグにしたんですかね?
でも『七つの大罪』の舞台はイギリスですし、このメリオダスは(理性からも引き剥がされた?)感情だけの存在だし、見かけは子供だし、普通に胴に両腕を回して手のひらを開いて強くハグして良かったんじゃないかしら。
と思った。
余計なお世話ですね。
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超ベテラン☆仕立て屋バン?
煉獄で倒した獣の革と骨から服と武器を作った。
それはいいんです。
でも、作った服が あまりに『出来過ぎて』いて、正直、釈然としない違和感がありました。
巨人族のような、革を簡易に縫い合わせた服と靴とかなら、違和感なかったんですよ。
なのに、襟も袖もあり、ズボンには前開きまで(!)完璧に作ってある。
果ては。
↓は次回のコマですが、靴底のある革靴まで作ってるんじゃん!
いくらなんでも完璧に作り過ぎでしょう、道具もろくに無い状況で。
妖精キングや魔術士マーリンが一夜で完璧な服を作るのは、部分的に魔法を使ってるんだろうなと思えたので違和感がなかった。
でも、不死身ではあるけど創造系の魔法は使えないはずの人間バンが それをやってしまうのは、流石に「??(汗」です。
(革を切ったり、縫い方を指示していたのはバンなので、彼 主導で作ったと読み取りました。)
…まあ。
バンが「繕い物ができる、上手い」というレベルまでなら納得できるんですよ。彼は貧しくて独り身だったから、服が破れたら自分で縫ってたのかなと思えるので。
しかし。煉獄でサバイバルしながらプロの仕立て人並みに服と靴を作りましたってレベルになっちゃうと。
型紙もなく完璧に作ってて、これは、よっぽど何度も、服を一からデザインして作った経験があるってコトになっちゃうのですが。
うーん。
バンさんは料理の腕が一流、縫い物も、職人レベルのスキル持ち、ですか。
少し前までは「服の仕立て」はキングの(唯一の?)特技でした。(商業二次のゲームやコレクションカードでも、キングは「ファッションデザイナー」スキル持ちとして扱われてた)
それが、新聖戦のキングとディアンヌの決戦服をマーリンが作って「オイラにはこんなすごい服は作れない」とキングが言っちゃったり。
こうして、バンも 服の仕立ては超完璧に出来ますと語られちゃったり。
『キングの特技』ではなくなっちゃいましたね。<大罪>の殆どができるコトで、キングは、その中では特に優れていないことになった。なんか淋しいです。
ただ、この『バンは服の仕立てが得意』という設定は、今回 新たに付与された後付けなんだろうなとは思いました。
だって、元々このスキル持ちとして設定されていたなら、第一部の頃、いちいち他人の服を盗んで着たり、その服が破れて新しいものが入手できなかったとき(メリオダスが新しい服を買ってやらなかった)、不満顔で裸エプロン姿で うろついたりはしなかっただろうと思うからです。
自分でその辺の獣を狩って、