【感想】『七つの大罪』第301話 みんなの想い
週刊少年マガジン 2019年 12号[2019年2月20日発売] [雑誌]
第301話 みんなの想い
- 「この魔神王を追い出すとな?」「貴様一人でどうやって?」
悠然とメリオダスの顔で微笑んだ魔神王を、バンはジロリと見下ろした。
肉体が大人になろうともメリオダスの身長はバンに及んでいない。2m10cmあるバンの背が高過ぎるだけではあったが。 - 「バン……」「来て…くれたん………だな…!」
小脇に抱えられたホークが、プゴ…と力無く鳴いて、血まみれの顔に涙と鼻水を溢れさせる。 - 「…無茶ばっかすんなよな♪」
向けた目で微笑んでから、バンは無造作に片手でホークを後ろ投げした。
「師匠のこと頼んだぜ♬」 - パムッと両腕で豚を抱き留めたのはゴウセルだ。
- キングは鋭く警告した。
「バン!! たとえキミが不死身でも一人では どうにもならない!!」 - 「あいにく もう不死身じゃねえ…」
- 振り向かぬ背から返った答えに、ピタ、とキングは口を
噤 む。一粒の冷や汗が額に浮かんだ。 - 「エレインを蘇らせた♬」「「
生命 の泉」を使い切ってな~~♬」 - 「…!!!!」
目を瞠 ったキングの顔を冷や汗が伝い落ちていく。 - ゴキッと、握り合わせた両手からバンは音を鳴らした。
「さ~~てと そんじゃあ追い出すか」
ボキ バキバキと しつこいほどに関節腔を鳴らして、威圧的に魔神王を見下ろす。 - 「…愚かなり人の子よ…」
魔神王は ずっと組んでいる両腕を開きすらしない。
「…これが神の力ぞ」
ただ、両目をぐっと見開いた。 - 「バン…」
焦った顔でキングは片手を差し伸ばす。義弟 の背に向かって。
(それじゃキミは)(もう二度と―――) - ドッ
- 手は届かなかった。直後に沸き起こった豪風、悠然と嗤う魔神王を中心に発した大気の渦に阻まれて。
- 瓦礫や土砂を巻き込んだ濁った豪風が、高密度で渦巻いたのだ。視界は奪われ、息は詰まり、そこに居た者は全身を打ち叩かれて撥ね飛ばされた。ディアンヌの巨体さえキングの隣から紙屑のように舞い上がって、メリオダスが入っていた繭は貼り付いていた壁もろとも崩壊して散り散りに飛ぶ。
そればかりではなかった。王城を囲む市街地も、都市の外側の荒野にまばらにあった木々も、全てが砕け、飛び、散り果てて消えていく。
◆メリオダスの繭は時間を止められてたんじゃなかったっけ?
時間が止まってるなら、どんな物理的な働きかけをしようと凍り付いたように固定されて何モノの干渉をも受けないと思っていたので、普通に壊れて消えたのは不思議に感じました。
神である魔神王はマーリンの時を止める禁呪も片手間に解除しちゃえます、ってコトなんでしょうか。
「時の棺 」とは、あの術を完成させるための死闘とは、何だったのか…。 - ゴゴゴ ゴゴゴゴゴゴ
- キャメロット王都のあった場所全体が、すっぽりと豪風に覆われていた。遠目には横たわったラグビーボールか蛇の卵のような形に見えただろう。
- 「エリザベス… エリザベス!!」
ぎゅっと両目を閉じてホークにしがみついていた少女は、呼ばれてハッと目を開けた。 - 顔を上げる。
「ディアンヌ…! みんな… 無事!?」 - 腹を見せて横たわるホークが無事だと言いたげに「プゴ」と鳴いた。傷はほぼ癒えている。彼に触れたエリザベスの手から流れ出ているキラキラしい光の
靄 の効果だろうか。この空間に満ちた女神族とは異なる癒しの力の おかげでもあるかもしれない。 - ここに喉や肌を焼く風はなかった。エリザベスは何事もなく地面に座っている。腕の中のホーク、両膝をついて こちらを覗き込んでいるディアンヌ、立って周囲を見ているゴウセル、エスカノールは ぐったりと横たわったマーリンを支えるように寄り添っている。
…マエルとリュドシエル、ヘンドリクセンの姿は見当たらない。 - 「マエルたちは無事みたい…」
彼らはリュドシエルの聖域 で身を護っているようだ。
愛らしい顔を血で汚したままのディアンヌが、大きな目に涙を浮かべた。
「でも… バンは まだ外に…!! どうしよう!!」 - 一同はキングの
花粒園 に護られていた。皆バラバラに吹き飛ばされたはずだが、キングが可能な限り集めて結界の中に入れたのか。
透き通った壁の向こうには渦巻く濁った大気が見えた。瓦礫は壁に激突し続け、打ち付ける豪風に耐える結界は歪み たわんで、ピシ、みし…みし…と、雨だれのように耳障りな音が聞こえ続けている。 - 「ハア… ハア…」
伸ばした右手に力を込めて結界を維持しているキングの顔色は酷かった。
「ハッ… ハッ…」
浅くなっていく息で肩を大きく揺らし、びっしょりと冷や汗に濡れている。身体からは シュウウと霧のようなものが吹き出し、大きな青い羽は幻光のように明滅して揺らぎ始めている。 - 彼の魔力は限界に達していた。
だが、ここで力尽きるわけにはいかないのだ。この荒れ狂う大気の中に仲間たちを無防備に放り出してしまえば、恐らく誰も助かるまい。…そう、不死身でもない限りは。 - ピシ…と新たに結界に走ったヒビ割れの音を聞きながら、キングは絞り出すように護り損ねた仲間の名を呼んだ。
「バン…!」 - 「か…彼なら無事ですよね?」
「……」
声を震わせるエスカノールから、ゴウセルは決まり悪げに目を逸らしている。
「…外は毒気を帯びた凄まじい高密度のエネルギーの嵐だ… …おそらく どんな生物も耐えられない」
「そんな…」 - その嵐の中。
「ほう… 耐えるか」
何事もなく微笑む魔神王の面前に、バンもまた、変わらずに嗤って立ち続けていたのだった。
「煉獄と比べりゃ可愛いもんだ♬」
◆魔神王言うところの「神の力」は、煉獄の自然 以下の威力でしかありませんでしたとさ。
バンさんたら、毒の大気に耐えているだけでなく、この豪風の中で風圧に身を屈めることすらなく、飛んでくる砂塵や瓦礫から目すら庇うこともなく、平然と立っています。なんだこれ。
(ちなみに、魔神王が嵐を起こした際の画面をよーく見るに、キングは空中で身を屈めて耐えていますが、彼(とバン)以外の<大罪>は吹っ飛んでいる模様。また、その画ではハッキリしてませんが、後に結界 を張った様子から察するにリュドシエルと、多分マエルも耐えたんでしょうね。)
この分なら、ゼルドリス全力の「凶星雲 」だろうと、バンには そよ風くらいにしか感じられないんでしょうね。正午前の一分間のみの「天上天下唯我独尊 」エスカノールと同等か、もしかしたら それ以上の強さを常時発揮できるとゆ―…。彼にこそ観客たちで「反則だー!」と言ってあげるべきかも? - 間を置かず、魔神王の後背に浮かぶ節腕が十爪を伸ばしてバンに襲い掛かる。
- ザカカカカカッ
- 「!!」
串刺しになったはずの姿が無いことに目を丸くする魔神王。すると、背後からバンの右ストレートが叩き込まれた。 - バカッ
- 側頭部に直撃したかに見えた拳は、しかし、魔神王の左掌に受け止められている。
- 掌にビリビリと痺れを感じている魔神王の表情の変化に、バンは気付いただろうか。
繭から現れて以来、彼は両腕を組んだまま決して開くことが無かった。攻撃は全て後背の節腕を用い、悠然と笑んでいたものを。
バンは、ついに魔神王自身の腕を開かせ、怒りの表情 を作らせたのである。 - そして風が止んだ。
ドザアアァアアアアッ
巻き上げられていた瓦礫が土砂降りのように振って、花粒園 と聖域 を打ち叩いた。 - 「ハァ… ハァ… なぜ……急に嵐が止んだ?」
未だ聖域 を解除せずにリュドシエルは訝 る。 - 「兄さん… あれを!!」
マエルがハッとして示した方を見て、リュドシエルも「!!」と息を呑んだ。 - バンが魔神王と徒手空拳で戦っていたのだ。
組んでいた両腕を垂らした魔神王が嵐のように振るう節腕の攻撃を、バンが周囲を円状に移動しながら舞うように避け続けている。 - 「バカな……!!」「たった一人で魔神王と渡り合っているというのか…!?」
女神族や魔神族にも、そんなことが出来る者がいるとは思えない。3000年前のメリオダスやエリザベスでも難しかっただろう。
魔神王と対等に戦えるとしたら、ただ お一人。最高神だけだと思っていたのに。 - 「キング!!」
一方、<大罪>たちを包んでいた花粒園 が溶けるように消え、気を失って落下したキングをディアンヌが慌てて両掌に受け止めていた。 - バンが魔神王の後頭部で両手を結んで引き寄せる。頭を固定して腹に複数回の膝蹴りをした。すかさず魔神王が振り回した節腕を身軽に避け、籠の目を突くように、近づけさせまいとする高速の節腕の隙間を縫って、魔神王の顔・胸・腹に目にも止まらぬ打撃を叩き込んでやる。
- が、直後に節腕がバンの腹に突き込まれ、背中を下から薙いだ。
「カハッ ハアッ…」
それら打撃の強さに、思わずバンは片膝をつく。 - 「貴様一人で 我をどうにかできると本気で思ったか?」
口元を血で汚しながらも、魔神王はバンを見下ろして勝ち誇ったのだが。
不意に大きな動悸に震えると、
「ぐ…」「ごあ…」
腹を押さえるように体を折って、グラッと よろめいたのだった。 - 立ち上がるバン。
「…へっ バーカ♪」「一人じゃねえよ♬」 - 「し…信じられない バンさんの攻撃が効いてますよ!!」
エスカノールが感極まった涙を浮かべた。 - 「ああ… でも それだけ…じゃ…ない」
思慮深げな様子でキングが言った。魔力を使い果たした彼は少年姿に戻っている。服装さえも。 - ディアンヌの手から降ろされた彼の肩を支えるゴウセルは微笑んでいた。彼もまた、その気配を感じ取っていたからだ。
- パチッと、横たわっていたホークが目を開く。
- 「この感じは……!」
やはり顔を輝かせてディアンヌは目に涙を浮かべた。
「間違いないわ… 魔神王の中から感じる この気配は―――――…」
エリザベスの目にも喜びの涙が溢れる。 - 魔神王メリオダスの瞳に映る、老魔神王の姿。
今、メリオダスの精神世界において父と子の精神体が争っていた。 - 「戻ってきたか 我が息子よ…」「だが思い通りにはさせぬ…」
老魔神王は告げる。少年姿の息子に向かって。
「我は魔神王!!! 死と恐怖をもたらすことが」「我が使命にして役目なり!!!」
◆「戻ってきたか我が息子よ…」って、メリオダスの感情が たった今帰って来たかのように魔神王が言ってます。
バンの煉獄から現世への帰還は、作中時間で最短でも1時間弱は前のことのはず。メリオダスはバンより ほんの数分遅れで帰還しました。煉獄の1年は現世の1分という設定に従うなら、バンとメリオダスの帰還時間にズレは ほぼ無いはずで、メリオダスの感情も1時間くらい前に帰ってきてないと変だと思うのにな…。
あと、老魔神王の姿でも やっぱり魔神王の一人称が「我」になってますね。煉獄にいた一人称「儂」の魔神王とは別人格なんでしょうか。でもワイルドのこと知ってるし、次回分での言動を見ても、記憶は煉獄の魔神王と共有してるんですよねえ…。 - 振り下ろされた老魔神王の大剣は、しかし、空を切って地面だけを叩いた。避けて跳んだメリオダスは父の頭に肘打ちを叩き込む。魔神王は受け身も取れず、勢いよく背中から倒れた。
- バッと前髪をなびかせて、少年は父に顔を向ける。
「それが」「お前の罪だぜ!!!!!」
強く言い放った。 - 次回「みんながキミを待っている」
バンさん、超無双する
2017年発行のキャラガイド『<ペア
バンは強くしたいです。彼は男性目線で見ると強くなってほしいキャラだと思いますし、僕も一皮むけてほしいと考えていますから、その構想を練っています。
というわけで、他<大罪>キャラたちに一通り見せ場やパワーアップのターンを回した後、満を持して「煉獄超進化」バンさんの実力お披露目でございます。
つまり、彼のパワーアップは待ち望まれていたことであり、予定されていたことである。
…なのに、どうしたことでしょうか。
釈然としない気持ちが消せません。
今までのバンさんの戦闘時の役回りや立ち回りとは かけ離れた超無双ぶりに戸惑う…という部分もありはしますが、それは「慣れないもの」に対する一過性の感覚に過ぎない。
問題は、今までの展開と設定で提示されてきた強さと矛盾するように感じられてしまう点でした。
バンは煉獄で1千60年ほど過ごし、灼熱・極寒・猛毒に耐える超生物に進化し、<十戒>を遥かに超えた闘級にパワーアップしました。
それは間違いない。
しかし、そんな彼でも煉獄脱出の時点で魔神王と対等とは言い難かった。魔神王に握られたら振りほどけず、ワイルドやメリオダスに庇われる結果になっていましたもの。
そして現世帰還後にバンは「不死身」の力を失った。
つまり、煉獄にいた頃よりパワーダウンしているはずです。その後パワーアップしたイベントは存在していません。
なのに今、魔神王と同等・同格の存在として楽々易々と戦っているのです。
え? は? なんで?? と、混乱しました。
キャメロット決戦に突入して以来、こんなんばっかです。
闘級でリュドシエルに負けていた師匠ズが、何故か「純粋に強いから」という理由でリュドシエルの攻撃に かすり傷一つすら負わない。
闘級6万なうえ戒禁を失ってパワーダウンしているはずのゼルドリスが、闘級20万以上のリュドシエルやキングと対等、むしろ凌駕しそうに強く描写されている。
そして、
「反則だ~」と言われ続けてきたマーリンが一目見て絶望した<原初の魔神>を →
一撃で軽~く のしちゃったマエルを →
対等に、むしろ余裕綽々で戦うバンさん。
対等過ぎて、もはや普通の殴り合いになっちゃってるっていうね(^^;)。
神との戦いのはずが、見た目、路地裏のケンカのごとし(笑)。
魔神王はラスボス格のキャラで、生命すら創造する神で、煉獄脱出時点でバンは彼に敵わない状態で、その後パワーダウンしかしてない、のに、今や対等の強さで…。
ううううう~~~ん…(困惑)。
いや、フォローはされているのですよね。
精神世界で同時にメリオダスが攻撃して魔神王を弱らせてるから、バンの攻撃が通じるのだと。
でも、それを言うなら煉獄ではワイルドを加えた三人がかりで魔神王と戦ってましたケド、対等の戦いなんて全く出来ていませんでしたよ、煉獄脱出間際でも。
(脱出間際にバンを庇った途端、極端に弱かったはずの感情メリオダスが当たり前のように魔神王と対等に戦ったという、例によっての謎展開はありましたが…。
そーいや その後で、メリオダスが本気出しさえすれば魔神王の腕も分解しちゃえますヨ、という、これまでの戦いを卓袱台返す設定が出てきたりもしましたっけ。今、感情メリオダスは その力を使ってるんでしょうか? その力をメリオダスの肉体を奪った魔神王は使えないんでしょうか?)
なんで今になって、二人一緒に攻撃してるから強いんだ、と言い出したのか。
二人(メリオダス&バン)だと強いけど、三人(+ワイルド)じゃダメなのか?
うむむ…。
魔神王メリオダスの闘級が、そもそも、煉獄にいた魔神王本体より低いと考えるしかないですかね。
魔神王メリオダス本人は、登場時に、若い肉体(メリオダスの力)を手に入れたと、煉獄の老魔神王よりパワーアップしたみたいに感じられる言動をとってましたけども。実は本体より弱かった、と。
…って。
でも、そんな「弱っちい」魔神王メリオダスに、バンとメリオダス以外の<大罪>たちやリュド&マエル兄弟は、手も足も出ないわけで…。
(それでいて、魔神王メリオダスの攻撃を受けようとも、ディアンヌもヘンドリクセンも ひょろエスカノールも、死ぬどころか致命傷を負うこともないのである。戒禁マエルと戦ってた時の方が よほどダメージ描写と絶望感が凄かったような…。)
うう。
闘級20万超えの戒禁マエルに戦慄してた頃が懐かしいです。もー何が何やら。
強さが ご都合でコロコロ変わり過ぎてて、話から振り落とされそう。
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瞳の中の世界
魔神王メリオダスの瞳の中に映る、老魔神王の姿。
メリオダスの精神世界に老魔神王がいますよ、と示す描写なのですけども。ちょっと、第232話でホークの瞳の中に老魔神王が映っていた画に似てますね。
こちらは「ホークの瞳が煉獄に繋がっていて、そこから老魔神王がメリオダスを見ている」という意味だったんですけども。
…もしかしたら「ホーク(ホークママ?)の精神世界=煉獄」なんて可能性もあるのかしらん? 精神世界であると同時に異世界なんです、とか。
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さっぱり判らない
今回、老魔神王のサイズ感が さっぱり掴めませんでした。
これまで魔神王って超巨大に描かれていましたよね。片手にマッチ棒みたいにバンやメリオダスを握り込めるくらいで、ディアンヌより、ドロールより、ずっとずっと大きかったです。
それが今回、メリオダスとのサイズ比が、明らかに以前とは違っていました。
魔神王が小さい! それもコマごとに大きさが違って見えます。
↓のコマだと、ディアンヌより小さく、まあ「
↑のコマでは、なんかメリオダスと同スケールに見えちゃうんですけども(汗)。
とゆーか、煉獄であれだけ歯の立たなかった老魔神王を肘鉄一発で派手にひっくり返されちゃうと、カッコいい以前に「なんで?」と戸惑ってしまいます。
精神世界の この老魔神王は、あくまで3000年以上前に本体から切り離された「戒禁(魔神王の力)」の集合体で、本体より弱いからサイズも小さいし簡単に倒せるってコト?
…けど、もしその設定ならば、なんで煉獄の本体と記憶が共有されてるのか。
さっぱり判らないなあ…。
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夢は おしまい?
キングが子供に戻ってしまいました。
危惧していた通り、エレインと全く同じ戻り方で。
子供キングが好きな読者の方々は大喜びだったろうなと思いますが、私はガッカリしました…。
子供キング大好きだけど、もう大人キングに慣れてたし、何より、大人姿になったことを彼の「成長」と捉えてましたから。
あーあ。
魔力を使い果たしたら子供に戻る。
つまり、あの大人姿は、おっさん姿と同じ、魔法による変身に過ぎなかったんですね。見せかけの、偽の、嘘の姿だったんだ。
妖精王に相応しい大きな羽も、所詮は偽の羽だったんだ。
今後、魔力が戻ったらまた大人姿になることもあるのかもしれませんが、おっさんキングに変身するのと何ら変わらんと。見得張りのエセ成長だと。
つーか、結局元に戻すんなら最初から大人姿にしなけりゃよかったのに~。
違和感あったけど気合い入れて受け容れたらコレだよ。誘導に従って勇気を出して高いところに登ったら梯子を外された気分。
うう…。
いや…いやいや。
キングは ちゃんと大人の肉体に成長したんだけど、魔力が低下したんで省エネモードとして一時的に子供姿に縮んだんだ、と逆に考えてみようかしら勝手に。大人姿の方が本体で、これからは魔力切れの度に子供キングも楽しめるのです。目を塞いで そう思い込んだら心安らかに……。
いえ…。
うん、もう諦めます。(^^;)
でもまあ、数日前に人気投票ハガキをキングで出してたのを ちょっと後悔した程度にはショックだったわ…。
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光と闇の宿命?
老魔神王さん、言いました。
「我は魔神王!!! 死と恐怖をもたらすことが」「我が使命にして役目なり!!!」
使命で役目って…(汗)。なんか ちっちゃいコト言い出したぞ。
ひと昔前のゲーム系の漫画や小説で よく見た「光は善、闇は悪、闇は光に倒される、或いは争い続けるのが予め決められた世界の
(今は、それの亜種の「勇者と魔王は戦うのが
もしそっち系なら、世界の意思として光と闇の争いは義務付けられていて、女神族と魔神族が終わりなく争い続けていたのは そのせいで、魔神王と最高神は 自分の役目に沿って聖戦を終わらせずにいたのです、ってカンジになるんでしょうか。
メリオダスはその秘密に気づいてるから「それがお前の罪だぜ!」と魔神王パパに言ったのじゃよ的な?
ソレ系なら、魔神王や最高神の更に上位存在が二人を創って戦いを運命づけていたとか、もしくは最高神こそが魔神王を創造した全ての根源でしたとかも あるあるですね。
そうなったとしたら、光と闇のバランスに介入するという「
いずれにせよ、「魔神族と女神族、みんな悪くない!」ってオチにしたいのなら、運命とか世界の必然とかシステムとか、なんかよく分かんない概念的な悪を引っ張り出して、それにヘイトを集めて責任を負わせてしまうのが、最も手軽で定番ではあります。読者も、心痛まず倒せる敵がいた方がスッキリはできますしね。
でも、なんか違うことなのかもですね、老魔神王さんの この台詞。