『七つの大罪』ぼちぼち感想

漫画『七つの大罪』(著:鈴木央)の感想と考察。だいたい的外れ。ネタバレ基本。

【感想】『七つの大罪 戒めの復活』第九話 愛する者との約束

※この記事の画像は、特に記述のない限り、TVアニメ『七つの大罪 戒めの復活』( 鈴木央講談社/「七つの大罪 戒めの復活」製作委員会・MBS)より引用

 

2018年3月10日放送 

第九話 愛する者との約束

 

今回は作画が綺麗でした。特に女性キャラは美しかった。

今までで最もエピソードの順番を原作から組み換えてあり、密度が濃かったです。

 

そして、続けて流し見してた『シンカリオン』が、今週はすごく面白かったです(笑)。新登場のロボットがカッコエェー! おもちゃが売れそうだと素直に思った。

 

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面白かったり気になったりした場面を、ごちゃごちゃと。

 

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女神族より伝えられたという、ドルイド族の秘術「刻還りの術」。

後にキングとディアンヌが この術をかけられた時は、この術で行く過去は幻ではなく本物だと語られたのですが、それは後付けで、この頃の設定では「仮想過去」だったんだろーなあと思う。(でないと、いろいろ無理があるし。)

 

 

16年前までメリオダスの相棒だった、オウムのワンドル。

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ワンドルは何者だったのか、いつメリオダスと出会ったのか、どんな経緯でホークが生まれたのか、まだまだ謎がありますね。

ワンドルは死んだのに、どうしてホークは黒化しても生き返ったのかとか。

 

 

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恋人からのセクハラに至極 真っ当な反応を返すリズさん。

こうして先代の反応を見るに、王女エリザベスは なんで全く抵抗しない子に育ったんだろうか…。(環境のせいだというなら、勝気な次姉のベロニカ王女はともかく、長姉のマーガレット王女も 抵抗できない女 なんでしょうか。ちょっと見たi……げふん)

 

 

過去の試練におけるメリオダス独白モノローグは、原作の最新エピソードまで読んでいると、とても胸に響くものがありました。

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幸福な家庭。

ワンドルは、ペットというより、まだ子供のない若夫婦の子供代わりみたいな立ち位置ですね。

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子供を寝かしつけたら夫婦の時間…。

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幸せの崩壊と喪失。 

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イヤボーン発動、ダナフォール完全消滅!

隠れて僅かに生き残っていたかもしれない国民の方々のご冥福をお祈りします。

 

改めて考えてみるに、メリオダスが『エリザベス』の死で我を失って周囲を破壊・滅亡させたのって、きっと16年前だけじゃないんでしょうね。それ以前も何度か繰り返していたんじゃないでしょうか。

16年前に魔神フラウドリンの封印を解いたのはダナフォールの人間だったらしいですが、何の意図で魔神族復活を目論んだのか、どんな経緯で龍や巨人族のゴーレムが暴れ、ワンドルは死んだのか、気になります。

 

 

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「暴走を防ぐために感情を殺す」という理論は、後の「感情が薄れたために暴走した」展開とは真逆です。

結局、感情があっても無くても、メリオダスはエリザベスのために暴走せずにはいられない、そんな業に囚われている、と。

 

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切ない。

(そして、後のエリザベスの様子を思えば、恐ろしい。彼女は「永遠」を望み続けるのだ。彼女はメリオダスを独占せずにいられない業に囚われている。)

 

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原作掲載当時は、メリオダスがリズにばかり執着しているように感じて不満でした。

同じ『エリザベス』について語っているとは解っていましたが、それでも、王女エリザベスを最優先してほしかったからです。魂が同じでも前世と今生は違う人間だと考えていたので。

(簡単に言えば、私はリズと王女エリザベスを 転生体であろうと別キャラと考えていて、王女の方が好きだったのでした。綾波レイを二人目と三人目で区別してるみたいな感じ。)

 

でも今はもう、この物語では転生しても同一の存在であり、表面的な性格は違っても どの『エリザベス』も「同じ」という設定なんだな、本人の認識がそうなんだな、と呑み込めたので、引っかかりなく「切ないね」と思えるようになりました。

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ここで語られている「繰り返されるリズの死に慣れることはない、忘れられない、繰り返したくない」というメリオダスの独白は、まんま『全てのエリザベス』へ向けられた想いだったんだなあ。

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この試練を終えた後、(少なくとも原作では)メリオダス大迷走暴走が始まります。

 

原作掲載当時は、この試練でメリオダスの感情コントロールは完璧になったと、少なくともザネリとジェンナは評価して、大成果が上がったように語られていましたが。

今、振り返ってみますと。

結局、この試練のせいで、メリオダスの精神が あまり良くない方向に不安定になっちゃっていたのかも。彼の暴走を防ぐどころか、逆効果だったんじゃないでしょうか。

 

もう繰り返したくないと思い詰めて、自分の心に「エリザベスのために」と大義と決意を掲げ、取り戻した力を振るって、自身が傷つくことも厭わず一途に活動し続けた。

けれど視点を変えれば、意図的に世界を巻き込んだ それは、独りよがりで傲慢で、視野狭窄な行動でもあった…と私には感じられるのです。

 

 

 

作中時間で ほんの一週間くらい前にリオネス王都を壊滅させ、人体実験・圧政・侵略によって、10年に渡り多くを殺し苦しめてきたヘンドリクセン。聖騎士たちと<大罪>の連携で辛くも倒したはずたった彼が、ひょっこり生きて現れた。

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当然、キングは殺気立つ。

けれども、ドルイドおさ・ジェンナは(詳細の説明をはぶいて)笑って宥めるのでした

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ここを起点に続く一連の流れは、原作掲載当時、盛大にモヤッたエピソードです(苦笑)。

ジェンナは「怨む理由はわかっておる」の一言で超簡単に片づけたけれど、本当に解っているのか?

操られてしたことでも、取り返しのつかぬ現実なのです。「なかったこと」にはなりません。身内として庇う前に、それを認めてから出発せねば何も始められない。と私は思うのですが…。

自身の一族が これだけの事件を起こしても、申し訳なさそうな顔色ひとつ見せない他人事な態度。そのくせ、長の立場から「私に免じ」て赦せと笑う。

 

ドルイドは「世間ズレ(誤用)」しているそうですが、聖域に閉じこもって暮らすジェンナは浮世離れして常識に疎いうえ、他人の心の痛みが あまり解らないひとなんだな、正体が「人間ではない」せいでもあるのかな、と今は解釈しています。

 

 

 

 

 

さて。

エピソードの順番が大幅に繰り上げられ、原作ではドルイドの里での修行後に起きる、死者復活とバンの過去にまつわるエピソードが、修行と並行して描かれ始めました。

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えええ。メラスキュラがメリオダスの挑発に関係なく、勝手にブリタニア侵攻を開始している。

もしかして、アニメ版では「ほんの挨拶」しないのかな?

 

 

前回、ドルイドの聖地にメリオダスたちが到着した時間帯が、原作では昼だったのが「夕方」に変更されていて、あれ? と思っていたのですが。

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なるほど、バンの過去編と並行して描くためだったのか~。(バンの過去編は「夜」のエピソードなので。)

 

 

バンの故郷、盗賊都市レイブンズの酒場のオカ……オネェさん。

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原作モブの彼女が、しっかりアニメでも再現されていて嬉しかったです。

(この人、なんか気になって印象的だったから 笑)

 

 

バンに片想いする、可愛いジェリコ

彼にお財布扱いされて、あらゆる支払いをさせられていますが、一緒の部屋に泊まれるのが嬉しくてたまりません。

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朝アニメを楽しむキッズに「どうしてベッドを壊すの?」と尋ねられると困るネタ。

なお、この二人は実年齢的には、ちょうど父娘の年齢差。

ジェリコ18歳、バン43歳)

 

ゴキブリに怯えつつ、ベッドに入ってバンを誘うジェリコちゃん。

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髪下ろしたジェリコがメチャ可愛い。

ただ、誰もが指摘することですが、この長さじゃ足りなくて、普段してるポニーテールにはできないハズ。(^^;) 髪下ろすと髪が短くなるミステリー。

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かわいい♡

 

ここでバンが「案外お嬢なのな」と笑ったのは、ジェリコの誘い方がつたなかったから…ではない、と解釈しています。

何故かというと、バンは公式設定上、童貞だから。そういう機微には疎いし、エレイン以外に興味もないのだと思う。

彼は「ベッドで寝ないと風邪をひく」という言い分を「お嬢」だと笑ったのではないでしょうか。この女は口が悪いけど、ベッドで寝ないのが普通の底辺暮らしがあることを知らないんだなと。

実際、ジェリコは立派な騎士の家系のお嬢様です。

 

 

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寿命の尽きかけた狐男ウェアフォックスの老人(65歳)を保護し、怨みと懺悔の混じった彼の過去話を聞く。

「わからんだろうな… 他人の物を盗むことでしか生きられぬ者の気持ちなど……」

バンは自身の過去を重ねて思い出し始める。

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幼いバンが盗んだ食料。

原作では何なのかイマイチ判りませんでしたが、アニメだと完全にジャガイモですね。

この後、ジバゴに同じものをもらって生で貪り食べてたので、水にさらさず生で食べるとお腹壊すんじゃ…と心配になりました(笑)。 

 

このお話、アーサー王の時代のイギリスという設定ではあるけど、あくまでファンタジーなので、建築物・鎧・服飾など中世~近代仕様になってるものが殆ど。

だから気にすることではないのですが、アーサー王の時代にジャガイモか…。と、今更、チラッと思ったりしました(笑)。

七つの大罪 聖戦の予兆』でも、フライドポテトっぽいものが出てたり、角砂糖があったり、露店にパイナップルやバナナが山盛りに売られていたり、ホイップクリームやチョコレートや果物を挟んだ日本式のクレープをキングたちが食べていたりでしたっけ。そのうちカレーやラーメンとか出そう。

技術の先取りはともかく、海外由来の食材がある。この世界では、アーサー王の時代で既に、ブリタニアが世界各国と交易してるってことなのね。ギルサンダーの好物が「紅茶」のケーキだったりしますし。転移魔法を使ったりしてそうです。

 

 

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アバディンの牢獄へ 入れられたバンは、ジバゴと名乗る男と出会う。

彼の着ている服が、後にバンがエレインと出逢った時に着ていたものと同じだという点に注目しつつ、今回は終了。

 

 

それはそうと。ジバゴの声は諏訪部順一さんだったのかー!

声優さんって凄い。 

 

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今週の「教えて! ホーク先生」

 

 

今回の生徒は……!!? ワンドル!?

予想外過ぎて、すごいビックリした…。

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あー…。

この設定補完をここで…。親切ですね。

だったら、ホークに「16歳だ」と言わせた方が、より親切だったかも? 蛇足か。

キッズたち、解ったんかな?

 

 

 

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