【感想】番外編 妹よ
週刊少年マガジン 2018年 34号[2018年7月25日発売] [雑誌]
番外編 妹よ
本編が急遽? 休載となり、代わりに掲載された二本の番外編のうちの一本です。
連載200回記念として2017年2月に行われた打ち合わせ会(作者と読者10人の食事会)にて、読者のリクエストから作られた七本の番外編の、第三弾でもあります。
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元リクエストは「キングとエレインの兄妹話+ジェリコの兄への愚痴」だったらしい?
完成品は「エレインとジェリコの妹トーク」で、グスタフは死んでいようと亡霊として出演したのに、キングは出番なしでした。残念(苦笑)。
平和なリオネス王都。聖騎士見習いとしての市街見回りの仕事の途中、バンとエレインの新居を尋ねたジェリコ。
二人が仲良く友達付き合いしてて嬉しい。
エレインがどんどん植物を育てているので、室内は植物園みたいな有様に。
何かを思い出すなと思ったら、『風の谷のナウシカ』の、ナウシカの腐海植物研究室だった(笑)。
エレインは植物大好きなんですね…。
周囲に沢山植物がないと落ち着かないのでしょうか。
流石は森に棲む妖精族。
と、思ったところで「ん?」と思いました。
旧<豚の帽子>亭で、キングはバンと同じ部屋で暮らしてましたが、植物なんて まったく育ててなかったです。
キングは植物に興味がない…?
いやいや。むしろ
…うーん。
旧<豚の帽子>亭で暮らしてた頃、あれで、実はキングは遠慮してたのかな?
あくまで「メリオダスの店に一時的に間借りしている」気持ちで、本当の自分の住処だとは思っていなかったとか。
考えてみたら、彼の私物は部屋の隅っこに設置したハンモックだけ。あとは、作り付けのポールハンガーに上着を掛けていたくらいで、散らかすこともなく、すごく小ぢんまりと暮らしてましたっけ。
一時的に間借りしただけの場所を自分好みに飾る(植物を育てる)なんて すべきじゃない、と思ってたのかも。
兄が失踪していた700年間、兄の代わりに森の見回りもしていたとエレインが語ったので、少し驚きました。
小説『セブンデイズ』に、エレインは
兄の代わりに見回りしてた?
侵入者があれば「森」が教えてくれるし、配備された
エレインは泉を守る最後の関門で、そこを離れて見回りする必要はないと思うし、むしろ見回りで大樹から遠く離れてたら、万が一
うーん…。
まあ、見回りと言いつつ、大樹の周囲の、すぐ泉に戻れる程度の距離を、気晴らしも兼ねて うろうろ散歩してた、ってことかなあ。
なお、兄の代わりに見回りをしていたエレインの回想イメージ。
エレインが仏頂面してる(苦笑)。
可愛いお顔が台無しよ~~。
私に仕事を押し付けた最悪な兄貴め、と怒りながら見回りしてたんでしょうか。
エレインの着てる服が、なんだか独特なデザインだな…と思ってたら、ジェリコのお古だそうです。
『ペア罪 バン&エレイン』の質問回答コーナーにも「エレインがリオネスで着ている服はジェリコのお下がり」だと書かれてましたっけ。
以前の番外編や本編で着ていたシンプルなワンピースも、元はジェリコの服なんですね。それはとても似合ってましたが、ごめんなさい、今回の服は正直、変だと思ってしまった(苦笑)。袖とスカートの柄が干渉してて うるさくない?
キングが仕立て直してくれたのか…。
彼の「裁縫が得意」という設定が まだ生きていたと判って安堵。
とはいえ。
『ペア罪』に「兄さんに(裁縫が)できるんなら私にもできると思うけど?」と書かれてたし、多分エレインは自分で仕立て直せるんだろうけど、キングに させてあげたって感じなのかしら…。それとも、私にもできると思ってたら意外と難しかった?
700年も失踪してた最悪な兄貴と、ガンと落としてから、仕立て直してくれたとチョット上げる。
とりあえず、嫌われてはないようで何よりです。
話題はジェリコの亡き兄・グスタフへ。
女は女らしく家庭的であれ、という封建的な意識の強かったグスタフと、兄のような騎士になりたかったジェリコ。
ジェリコには可愛いものが好きで結婚願望の強い面もあるので、兄の希望は完全に的外れていたわけでもないのだけど、深刻に衝突して すれ違っていた二人。
解り合えないまま、兄はジェリコを庇って死んでしまったのですが…。
エレインは言います。
「兄って色々と不器用なものなのね」「不器用だけど妹のことを誰よりも心配してくれる」
エレインのキング評の結論は、それなのかな?
キングは手先(仕事)は器用だけど、妹あしらい(家族とのコミュニケーション)は不器用ってこと?
なんだか、「父親」に入れ替えても問題ない評価(笑)。
グスタフ&ジェリコも、どうも両親が既にいないっぽいし、グスタフが父親代わりでもあったのかなあ。
エレインがそう言ったのは、グスタフが死して尚ジェリコを見守っているのが「視えて」いたから。
生と死の狭間にあるエレインには亡霊が見える…ヘルブラム以外も、全ての亡霊が視えてたのか。
しかし、兄が幽霊になって傍にいると知ったジェリコは、青ざめて涙目になって逃げてしまうのでした。
ジェリコは「身内でも幽霊は怖い」派だったんですね(笑)。
怪談とか苦手そう。
ジェリコ参加の肝試しとか見たくなりました。
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この番外編、時間軸は『パンツを求めて』と同時期っぽいですね。
- エレインが平和なリオネス王都に家を構えて暮らしている
- エレインに羽が生えていない
- エレインが生と死の狭間にある
- グスタフが死亡し、ジェリコに
氷牙 の魔力が発現している - キングがリオネス王都にいる
以上から、<大罪>再結集~キャメロットへ向け出発 の合間、即ち第219話~222話の期間にしか当てはめられません。
ただし、第218話でゴウセル暴走の件が治まった当夜(第220話)に再結集を祝う宴会があり、翌日にはキャメロットへ向け出発しているので、『パンツを求めて』共々、本編時間軸にこの番外編を組み込むのは、実際には困難です。
まあ、ゴウセルの件が終わった午後から夕方(第219話)か、翌日の朝からキャメロットへ出発するまでの間(第221-224話)に、無理に ねじ込めなくもないですが…。
そんな短期間にキングが服の仕立て直しをしているのは不自然ではあります。この辺の隙間の時間帯、彼は酔っぱらってたし。
ですから、「この時期を想定した、本編には当てはまらないパラレルな時間枠」と見るのが妥当かなと思っています。
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そういえば、エレイン メインのエピソードで、バンが話題にすら出なかったのって初めてかも…?