【感想】番外編 真昼の決闘
週刊少年マガジン 2018年 34号[2018年7月25日発売] [雑誌]
番外編 真昼の決闘
本編が急遽? 休載となり、代わりに掲載された二本の番外編のうちの一本です。
連載200回記念として2017年2月に行われた打ち合わせ会(作者と読者10人の食事会)にて、読者のリクエストから作られた七本の番外編の、第四弾。
<七つの大罪>+ホークの、コミカルで楽しい お話でした🌸
これぞ番外編! という感じ。
------------------------------
物語は、市場で買い物をしているバンから始まります。
「ジャガイモにリーキ… 卵… チーズ… と 必要なもんはこのくらいか♬」
あれ、<豚の帽子>亭の買い出し係はキングのはずなのに。
ゲームブック2でキングは買い出しどころか何もしない怠け者扱いされてたけど、最近は そうなってるんだろうか…。
…いや。いやいやいや。
買い物袋こそ<豚の帽子>亭ロゴ入りだけど、店用にしては買ってるものが少ない。営業時間外と思われる真昼だし。
もしかしたら、バンの自宅用って可能性もある?
エレインのための食事用の買い物なのかも!
生と死の狭間にある(?)彼女が少しでも元気になるように、おいしくて栄養のあるものを作ろうとしてるのかもしれない。買ってるの野菜中心だし。
この材料なら、冷たくしてないヴィシソワーズっぽいスープ作ってチーズ削って入れたらおいしいかも。
…と考えたところで、ヴィシソワーズって あったかいまま飲んでもいいのかなと不安になって調べてみたら、そもそもイギリスには、ジャガイモとリーキ(リーク葱 / ポロ葱)で作る温かいスープ(リーク&ポテトスープ)というのがあるんですね。そっかー。牛乳入れてクリームスープにするのと入れずにシンプルに作るのとがあって、味噌汁的な家庭の味だとか。
それはそうと、普通に「ジャガイモ」を買ってる(苦笑)。
やっぱり この漫画世界では、アーサー王の時代のイギリスでもジャガイモがあるのね。
南米からジャガイモを移入した誰かと、その栽培を広めて定着させた誰かが、これより古い時代にいたことになる。前者は、よっぽどの魔術師? それとも造船技術が現実より進んでるのかなあ。
さておき。
市場に「大変大変大変だよ~~!!」と息せき切ってディアンヌが駆け込んできて、「二人」が裏山で決闘すると言います。
バン
「何… 団ちょがエスカノールと!?」「なんで そんなことになった!!?」
顔色を変えてバンは裏山へ急行。
しかし、対峙していたのはエスカノールとホーク。
顔面スライディングしてズッコケるバンなのでした。
バンさん、ズッコケ方が激しすぎじゃよ…。(^^;) 血だるまやん。
不死身だと受け身を取らない癖が付いちゃうのかしら。
しかし、ディアンヌは何の目的でバンを呼びに来たんでしょう?
決闘を止めさせるでなし。
楽しい見世物だからバンにも立ち会わせたかったんだろーか。
この決闘はエスカノールから吹っ掛けたもので、マーリン作の
えええ…。
バンも「お子様かよ!!」と突っ込んでたけど、40歳にもなって豚(精神年齢は小学生?)と張り合うなよ~(;^ω^) エスカさん。
決闘方法は、公平を期すために
「メリオダスの作った謎飯の早食い」
だそうな。…それはホークばっかり有利なのでは…。
ここで表示された、調理中のメリオダスの様子。
……オイ。オイオイオイ。
よく見たら、料理の中に入ってちゃイケナイものが入ってるじゃんか~(汗)!!
ゴキブリと毛虫ぃいいいいい!!!
アカン…それアカン…。見た目がグロいとか味が悪いとかはともかく、虫が入ってるのは流石に容認でき~~ん!
素知らぬ顔で虫入り料理を出したメリオダスの合図で、早食い勝負開始。
実況はノリノリのゴウセル。
あまりの不味さにエスカノールの手が止まるが、マーリンの愛を得るため、驚異のがっつきで追い上げて勝利するのでした。
ゴウセルが実況で
「無敵の男も団長の残飯の前に屈するのか――――!?」
「料理な」
と訂正してたんですが、勝負が終わった時のコールでは自ら
「残飯早食い勝負の勝者は… エスカノール!!!」
と言ってました(笑)。
自分でも残飯だと思ってたんじゃないですか~。虫入りだしな。
ところで、勝者エスカノール。
どう見ても、食べたものを呑み込んでない(苦笑)。口に含んで誤魔化してますね。
後で秘かに吐き出すつもりだったんでしょうか。虫入りだしな。
そんなエスカにマーリンが与えた「
それは「
…「メリオダスの料理は体に毒だ、すぐに排出させてやらねばな」と考えたマーリンの「愛」だったんでしょうか♡
------------------------------
今回の賞品だったマーリンの
ホークに与えられた
------------------------------
この番外編の時間軸を考えてみる。
最初は何の疑いもなく、番外編『妹よ』や『パンツを求めて』と同じ時間軸設定かなと思ってたんですが。
ちょっと引っかかったことが。
ゴウセルの言動が、どうも記憶を取り戻す前の「心無い人形」時代っぽくないですか?
記憶と心を取り戻したゴウセルなら、もっと表情豊かだし、エスカノールを「あいつ」呼ばわりはしないよーな気がしなくもない。ビミョーですけど(笑)。
本編の時間の流れならば、王都防衛戦後にキングとディアンヌが合流した直後に、ゴウセルは記憶を取り戻しています。
更に言えば、バンが「リーキ(リーク葱 / ポロ葱)」を市場で買っていたのも気になりました。リーキは冬野菜です。素直に考えれば、この番外編の時季は冬ということになるでしょう。
しかし本編の時間の流れを王国誕生祭を起点に数えていくと、王都防衛戦は5月。
<大罪>全員集合したのは、時間を長めに見ても6月初旬ごろで、冬ではありません。
キングがヘルブラムの兜を背負っていることから、キャメロット~コランドへ出発する前なのは確定。
…考えるだに、いろいろ辻褄が合わないです。
以上から、この番外編は、本編のどの時間にも当てはめられない、「ヘルブラムも消滅しておらず・みんな楽しく平和にリオネスで暮らしている」謎のハッピー時間枠なのだ、と結論します(笑)。
もしかしたら劇場版『天空の囚われ人』と同一のパラレル時間枠かもしれません。
(『天空の囚われ人』は、11月初旬で、リオネス王都が超平和で、<大罪>は全員集合していて、キングがヘルブラムの兜を背負ったままで、ゴウセルは記憶のないままで、エリザベスに呪いが発動していない、謎のパラレル時間枠らしいので。)
------------------------------
そーいや、今回の番外編の冒頭の、担当編集者さんの付けた煽り文。
七つの大罪 七つの掟 その五。
「団員同士のわだかまりは喧嘩で決着をつける」…。
ホークは<七つの大罪>の団員じゃないっすよ(笑)。
(野暮なツッコミ?)
------------------------------
ページ埋めのためか、二本の番外編に続けて、劇場版『天空の囚われ人』の入場者特典冊子用の漫画の冒頭8Pが続けて掲載されていました。太っ腹!
その中で、ヘンドリクセンが灰色ヘンドリクセンのコスプレをして、ホークと戦闘ごっこをして遊んでいる場面がありまして。
所詮は漫画だろ堅いこと言うな野暮天がと怒られそうですけども、流石に ちょっと、これは…。
ヘンドリクセンは、アホですか?
きっとホークに ごっこ遊びをねだられたんでしょうし、ヘンドリクセンに悪気はないんでしょう。
しかし、灰色ヘンドリクセンが王都を破壊して聖騎士たちを殺してから、作中時間で一年も経ってないはずです。
せめて他の人が来ない場所ならまだしも、一般の主婦たちが この遊びを目撃してヒソヒソ話している描写がありましたので、一般人の普通に通る街なかでやったようです。
たとえば、催眠術か何かで操られた男が十年間 殺人を繰り返して、発覚すると繁華街に車で突っ込んで、大勢の人を刃物で刺し殺して回ったとする。
催眠術で操られていたんだから彼に責任能力はないと、裁判では無罪になり、街に戻って元の暮らしを始めた。
その男が、事件から一年も経たない時期に、知人の子供にせがまれたからと、自分が大勢を車や刃物で殺した場所で、当時のコスプレをして、殺人者ごっこをして遊んでいたとしたら。
私なら、その男の人格を疑いますし、軽蔑します。
まともな人間ではないと思う。
作者さんは多分、これを「楽しくてコミカルなエピソード」のつもりで描いておられるんですよね。
作者さんはヘンドリクセンは悪くないと思っているし、死んだモブキャラを重視していない。だから、大勢が殺された事件を当事者が茶化して遊ぶエピソードにも、問題があるとは お感じにならないのでしょう。
でもなあ。
これはどうなの~~…? と思っちゃう読者もいるので、皆が楽しく読めるように、こういうエピソードは避けてほしかったかな、と思いました。
特に問題は感じずに「ヘンドリクセン可愛い~、面白い~」と思う読者の方が多いのかもしれませんが。私は少数派なのでしょうか。
担当編集さんたちは何も感じませんでしたか?
うーん。
うるさくてごめんなさい。