『七つの大罪』ぼちぼち感想

漫画『七つの大罪』(著:鈴木央)の感想と考察。だいたい的外れ。ネタバレ基本。

【感想】『七つの大罪 戒めの復活』第二十三話 英雄、立つ!

※この記事の画像は、特に記述のない限り、TVアニメ『七つの大罪 戒めの復活』( 鈴木央講談社/「七つの大罪 戒めの復活」製作委員会・MBS)より引用

 

2018年6月23日放送 

第二十三話 英雄、立つ!

 

原作から大量のエピソードをぎゅうぎゅうに収めた回でした。非常に濃密です。EDの時間までいっぱいに詰め込み、長いCパートまで付けちゃう努力ぶり。おかげで、この番組では珍しい特殊ED仕様に。最終回かと思った(笑)。

それでもカットされたエピソードは多かったです。一方でオリジナルのエピソード補完も ちょこちょこと。

 

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黄泉帰ったメリオダスに、過去の世界を見てきたと話すエリザベス。

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「信じられないかもしれないけど… 私 昔のあなたに会ってきたの…」「あなたは ずっと前から私を見守り続けてくれてたわ」「きっと… きっとそのせいなのね…」「あなたを見る度に懐かしさと優しさで胸がいっぱいになるのは……」

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メリオダスは肯定も否定もせずに無言で微笑みます。

…そりゃ、彼は知ってたんですもんね。エリザベスの感じている「懐かしさ」は、「16年前からの知り合いだった」からだけではないということを。

 

続いて、原作掲載当時 物議をかもしたセクハラ場面! 

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エリザベスの胸を揉み、腰を撫でまわして匂いを嗅ぎ、股間に顔を突っ込んで ごそごそ。「勘違いするなよ~? あくまで服装チェックでだな…」なんて うそぶきながら。

股間に顔をうずめたメリオダスは「やはり中は白ですな」と言ってますけど、前回のパンチラ見るに、白じゃなくて淡いピンクじゃったよ今穿いてるエリザベスのパンツは。実は よく見てないのかしら。つーか改めて考えてみると王女の割に地味シンプルなパンツ穿いてるかもですねエリザベスちゃん。)

昼日中に屋外で、何たる過激な行為。

なのに ちっとも恥ずかしがらないエリザベス。 むしろメリオダスの顔を自身の胸に抱き寄せて、うっとりと おねだりするのでした。

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「もっと触って」

これには、見た目は子供 中身はおっさんのメリオダスも赤面。

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まだまだ初心うぶな少女だと思ってたのに…!

(一応、エリザベス的には「死んで冷たくなっていたメリオダスが生きて暖かいのが嬉しくて、もっと触れてほしくなった」というコトらしいけど 笑)

 

これ以降、二人の関係は目に見えて変化します。

 

エリザベスの想いが「健気な少女の恋(不安~努力)」から「女の重い恋着(自信~妄執)」に変わり、メリオダスのセクハラにも殆ど動じなくなって、完全に「出来上がったカップル」の様相に。

 

 

そうこうしてるところに、復活したデリエリが殴りかかってきます。

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ホークママごと殴り倒して足止め!

 

アニメではカットされていたこと。

デリエリとモンスピートが「間違いなくメリオダスは死んだはずなのにどうして生きているのか?」と戸惑い話し合う場面。

そして、デリエリの「連撃星コンボスター」でパンチの威力を中上乗せすべく、モンスピートが数十体の下位魔神を呼び寄せ・デリエリが うち51体を殴り殺す場面。原作では52発目の連撃コンボパンチでホークママを殴り倒していました。 

 

後の原作で「魔神族の捕虜を大勢 殺した女神族は極悪、怒り悲しんだデリエリやモンスピートら魔神族は可哀想な被害者」と受け取れる展開が来たとき、攻撃の威力を上乗せしたいだけの理由で同胞を何十体も殺して平然としてるような連中が、どうして仲間想いの被害者扱いになるのかと釈然としない気分になったものでした。

思うに、魔神族社会において人権が認められているのは上位以上の魔神だけで、下位魔神は好きなだけ使役しても殺してもいい奴隷か家畜みたいな扱いなんでしょうか。

 

ホークママが倒れると、赤魔神形態のホークがデリエリに飛び掛かる。

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が、あっさり リオネス王都の方角へ蹴り飛ばされていく。

 

ここ、「ホークは母親が傷つけられたことに怒ってデリエリに飛び掛かった」ことが判りにくかったです。彼の顔に浮かぶ「💢」マークが見え辛かったから。はみ出るくらい大きく描くとか透過光にするとか、見え易いよう強調してもよかったんじゃないでしょうか。

 

ついでに。デリエリの「連撃星コンボスター」使用がカットされていたため、ホークやホークママの並外れた頑丈さに気付きにくくなっていたかも。

デリエリの「連撃星コンボスター」を50発以上耐えたのはメリオダスで二人目だと、バイゼルでモンスピートは言っていました。メリオダスと女神族タルミエルは54コンポ耐え(タルミエルは耐えたどころか平然としていた)。

対してホークママは52コンボで気絶(しかし無傷)、ホークは53コンボを受けて吹っ飛ばされましたが無傷でした。

第一期のバイゼルで、ギーラに焼き豚にされても元気なホークにキングが「キミって案外タフだね…」と言ったものですが、ホークママやホークの耐久度は、実はメリオダスに準じるくらい高いのですね。

 

 

さて。

魔神王の息子でありながら魔神族を、<十戒>の統率者でありながら部下たちを、捨てたうえに殺した誤解の余地なく裏切り者のメリオダス

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「裏切り者のクソ野郎が!」とデリエリは怒り任せに殴りかかってきます。

 

バイゼルでリンチされた際は されるがままだったのに、今やデリエリの猛攻を軽~くあしらっちゃうメリオダス。ヒョイヒョイ避けては お尻で押して転ばせたり、完全に遊びの様相。そうしながら飄々と独り言ちます。

「『オレはできることなら お前らを殺したくねぇ』」

「…以前のオレなら そう言ってたな」 

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ニヤリと悪い顔で嗤ってデリエリを蹴り上げ、彼女めがけてモンスピートの攻撃を「全反撃フルカウンター」。意地の悪い攻撃法をあえて選択。

デリエリと、彼女を庇ったモンスピートは、メリオダスが反射したモンスピートの獄炎で諸共に消し飛んでしまうのでした。 

 

ここ、原作から ちょこちょこ改変が入っています。

メリオダスが「全反撃フルカウンター」を使う際の台詞「死んじまえ!」がカット。

首や腕が飛んだり血が飛び散ったりは遠慮なしに描いてきたアニメですが、主人公が「死んじまえ!」と悪人面で言うのはアウトだったのでしょうか。

また、ここは原作では大きく描かれた決めゴマで、「額の紋様が変化し、目が魔神の漆黒になった」メリオダスの顔がはっきり描かれていました。しかしアニメでは特に盛り上げる演出もなくサラッと流してあり、顔も口元しか描かず、額の紋様や目の色はあえて描写を避けています。

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ついでに言うとエリザベスの表情も違う。

原作ではマイナスの意味で少しショックを受けたかに見えますが、アニメでは「あれっと驚いた」だけ…特にマイナス感情を持たなかったように見えます。

 

今回は原作の七話分を一本にまとめています。そしてラストシーンは「フラウドリンの前に現れた、殺しを愉しむメリオダス」でした。

そのインパクトを強めるために、ここの「死んじまえ!」な場面は その布石に留め、あえて印象を弱くしメリオダスの目や紋様も隠した、という意図だったのかも? 

また、エリザベスの表情を変えたのは、次回分のエピソードでエリザベスがメリオダスに「私は何があっても誰を敵に回しても あなたの味方」と言う……彼女は(二人が一緒にいるためなら)彼の言動の一切を否定しないことを鑑みて、ここでも、メリオダスが殺しを愉しむ言動を見せようとも否定のニュアンスは抑えるよう改変した、のかも?

 

 

その頃のリオネス王城。追いつめられた人間たちの前に現れた、ドレファスを器にした魔神フラウドリン。

そこに颯爽と現れるヘンドリクセン。あなた今までどこにいたの…。

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今思えば、十年間ヘンドリクセンに接していた「親友のドレファス」は、半分はフラウドリンだったんですよね。

グリアモールに父の情を抱いていたように、ヘンディに対しても友情を感じていたのでしょうか、フラウドリンは。(あと、弟子だったハウザーへは?)

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ここでまた原作エピソードがカットされています。

<蒼天の六連星>ドゲッドが、割り込んできたヘンドリクセンを拒絶する。

「誰が てめぇの手なんざ借りるか!!」「てめぇは あくまで俺のダチの仇だ!!」

そりゃそうだ。ヘンドリクセンが王都をメチャクチャに破壊して大勢の聖騎士たちを殺してから、作中で まだ二ヶ月弱くらいしか経ってませんからね。しかもヘンディ、正気に戻ってもリオネスに戻って頭を下げるようなことはしてません。いつの間にか戻ってて当たり前のように戦いに交ざってる。態度は未だ偉そう。

ここで垣間見えるヘンドリクセンの「己の罪」への向き合い方(ドルイドの里でキングに見せたのと ほぼ同じ)には、個人的に ものすごーく思うところがあるのですが、だからこそアニメではカットしててくれて よかったかな、と思います(笑)。

 

ともあれ、フラウドリンの相手はヘンドリクセンに任せて、王族や城の使用人たちを逃がそうとするハウザーやギルサンダーたち。

なにしろエスタロッサの「慈愛」の戒禁のせいで戦えませんから。

 

けれども、フラウドリンの背後に現れたグレイロードを見て、逃げようとした足は止まります。

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城の使用人らが卵のような胞に囚われ、魔神の卵を産みつけられていたのでした。

アニメで見てもキモッ!!

 

グレイロードは魔力なき生物に卵を産み付けて己が子供を誕生させる女王型の稀少魔神だと語るフラウドリン。(あれ? ジェリコに魔力は…?)雌雄の区別はないそうですけど、原作では ここでグレイロードを「彼女」と呼んでいます。

だからグレイロードの声は女性だろうと思っていたので、男性声優さんで驚いたものでしたが…。

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この場面、アニメでは「彼女」と呼ばない形に台詞が改変されてた(笑)。

 

ヘンドリクセンが人間を魔神化させた時と違って、バンの「強奪スナッチ」でもグレイロードの卵は取り除けない。

しかも助けだそうと卵胞を割ると、外気に触れたグレイロードの卵は急成長して、宿主にされた人間を すぐに下位魔神に変えてしまう。

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幼生…。下位魔神にも子供時代ってあるんですねぇ…。

とゆーか、フラウドリンやデリエリが下位魔神たちをパンチング人形のように気楽に使い殺していたけど、下位魔神は別種族を人工的な手段で魔神に変貌させて増やせる、いくらでも殺していい家畜以下の存在なんでしょうか。

後の原作で語られた、別種族に転生させるために魔神族を殺していたマエルやリュドシエルの行為と、どっちが残酷なのかなあ。

 

もはや魔神化した彼らは救えない。

素早く頭を切りかえたドゲッドが飛び出して、魔神化したばかりの二人を殺す。

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ところが、途端にドゲッドは老化、しわしわのミイラになって死んでしまったのでした。

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止められなかったと悔やんでいるデスピアス。

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原作では髪の毛だけでなく歯がバラッと抜け落ちる様子も描かれていてエグかったですけど、アニメではマイルドでした。

 

グレイロードが語る。これは彼女の「不殺」の戒禁の呪いだと。

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魔神の研究を行っていたデンゼルはこれに気付いていました。だからゼルドンの研究棟でグレイロードと対峙した際、戦わずに引いた。

彼の側近デスピアスも察していて、今回ドゲッドを止めようとしたけれど間に合わず。

…前もって仲間に情報を伝達していれば避けられた悲劇なのに…。ほう・れん・そう大事!

 

フラウドリンは嗤います。

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魔神化した人間を殺せば戒禁の呪いで死ぬ。しかし殺さねば魔神化人間に殺されると。

自身も魔神族なのに、下位とはいえ同胞である魔神幼生体を「化け物ども」と連呼するフラウドリンさんは、10年の人間界暮らしで、何気に感覚が人間族ナイズされてるのかもしれない。

 

絶望的な状況の中、マーガレット王女とギルサンダーは死を覚悟します。

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二人の世界。

そこに割り込んできて、マーガレットを突き飛ばしギルの肩を掴むギルフロスト。

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ここのギルフロストの台詞、ギルサンダー役の声優さん(男性)が担当してるのだと思いますが、女性的な なよっとした発音が見事でした(笑)。

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ギルサンダーの正体はビビアンでしたよっと。

ここでギルサンダーが「ビビアン!?」と心底驚いた声で叫んでますが、原作にはこの台詞はありません。

何故なら、原作のギルは一ヶ月前のバイゼル大喧嘩祭りの時点でギルフロストの正体に気付いていたからです。(「呪いの婚約カース エンゲージ」の指輪を見て。)

しかしアニメのギルは ここで初めて気づいた模様。ニブい。(そして、正体がビビアンだと気付いてなかったのに、あんなに邪険な態度取ってたんですかいアニメのギルさんは、と苦笑もしたり。)

※追記。あれ? 字幕よく見たら「ビビアン!?」と叫んでるのはハウザーだったのか(^^;)

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ギルは転移魔法で留学…もとい、誘拐されてしまいましたとさ。 

 

 

ジェリコジールの入った卵胞も次々と床に落ちて割れ、孵化が始まろうとする。

すると瀕死のグスタフ(ジェリコの兄)が力を振り絞って卵胞を凍らせます。

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この辺り、原作から かなり変えられていました。

原作連載当時、ここでグスタフが死んだとは、読者の誰も思っていなかったのではないでしょうか。殆どが「気絶しただけ」と楽観視していたのではと。

そのくらい あっさりした描かれ方でしたし、フラウドリンも

「どうした? もう限界のようだな」

と軽く言っていて、「命を懸けても その程度だった」なんて言わなかった。

また、死ぬ前にグスタフが「お前ならきっとなれる 立派な聖騎士に」とジェリコに呼びかけるのはアニメオリジナルの台詞で、恐らく番外編『キミに伝えたいのは』を踏まえた補完なのでしょう。次回、番外編の内容を取り込んでアニメ化していたし。

補完してもらえて嬉しかったです。

 

 

グスタフが死亡し、凍った卵胞はアッという間に融け始める。一度凍ったなら温めでもしない限り こんなに速く融けないのではと思ってしまいますが、魔力で凍らせたものは、魔力の消失で すぐさま融けちゃうんでしょうか?

絶望の再来……と思ったら!

突然、全ての卵胞が巨大な氷柱の中に封じ込められます。

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作中時間で丸一ヶ月(?)姿を晦ませていたマーリンさんが登場~。

彼女を見たフラウドリンもハウザーも驚愕。

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真偽は判りませんが、実験に夢中になっていたせいで遅れたと、飲み会に遅れたくらいの気楽さで告げました。

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ここから超チート マーリンによる、バカバカしいレベルの大無双に。

これほど強いのなら、あと1分早く…いや、20分早く来てくれてたら、グスタフは民衆に刺されることも無理することもなく死なずに済んだのかもしれない…?

キングは戦いに遅れて犠牲が出ると この世の終わりのように責任を感じてましたが、マーリンは気にする様子がありません。

同じ<大罪>の仲間とは言え、信念や戦いへのスタンスは それぞれ全く異なるのだと判りますね。

 

マーリンを「危険な人間」と判断したグレイロードは、彼女めがけて蟲の群れを吐き出す。グレイロードの前で蟲を殺させて「不殺」の戒禁を発動させる腹積もりです。 

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ちなみに原作には、この攻撃の前に、グレイロードが五感を遮断する術を発して、ハウザーがマーリンを庇うエピソードがあります。でも完全カットですね。

庇って五感を失ったハウザーに、自分で術の効果を体験したかったのに余計な真似をとマーリンが言い放って周囲がドン引きするギャグエピソードでした。

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バンの制止をムシして、マーリンはムシの群れを殺す。

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ところが、死ぬどころか な~んにも変化がない。

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マーリン曰く、時間のかかる実験をして世界の全てを知るには、限られた命では足りない。だから己の刻を止めたのだと。そのため時間を奪う系の呪いでは死なないのだそう。

それを聞いたグレイロードは、時間を止める魔術には莫大な魔力が必要だし、維持し続けるのは不可能だと指摘する。

 

するとマーリンは、生まれ持った己の魔力を誇るのでした。

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つまり、魔力切れすることは無いし、永遠かつ複数同時に術を発動させ続けるのも容易いと。

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ハイ、

(反則だ)

が来ました。

これ以降、マーリンがチート無双する度に「反則だー!」と周囲が言うのが お決まりになります。そう言っときさえすれば、彼女は何をしても許されるのです。

 

余談ですが、後の原作(これを書いてる時点での最新の展開)にてマーリンが戒禁の吸収を防ぐべく時を止める禁呪を使っていますが、呪文を完成させるまでに えらく時間のかかる術でした。

つーか、己の刻を止めているのに、彼女は普通に動いて喋って食事もしてますよね。そんな都合のいい刻の止め方ってアリなの?

そんなことが出来るなら、エリザベスの呪いもエスカノールの変身もエレインの不調も、時間の進行で起きる不具合は全て解決できそうなものなのに、そこでは「反則」できないらしい。

 

 

反則なマーリンに、フラウドリンとグレイロードは更に突っ込みを入れました。

ガランの「真実」の戒禁でマーリンの肉体は石化していたはず。戒禁は魔神王が授けた呪詛で、どんな魔術士が どれほど時間を掛けようと解除できるはずがない。なのに どうして解除されているのかと。

するとマーリンは言いました。

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己の正体を「忘れていた」ので戒禁に掛かったが、そもそも自分には戒禁への耐性がある、よって思い出したら解けたのだと。

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戒禁を解く方法を忘れていたとかならまだしも、元々耐性があったのに、それを忘れていたから掛かったなんて、言い訳にしても無茶過ぎないでしょうか。

連載漫画は途中で設定を変えたり追加したりするのは普通のことで、変えた話を後から強引に繋ぐなんてことも珍しくないのでしょうが、流石に これは強引すぎる。

個人的には、この物語におけるワーストエピソードの一つです。

 

マーリンの正体は「ベリアルインの娘」。(ベリアルインはマーリンの故郷の名で、人名ではありません。)

原作では既に それがどういうものなのかが明かされています。しかし それを踏まえて見直してみても、どうして「忘れていたら戒禁に掛かる」のか全く納得できないという…(苦笑)。

また、彼女が「ベリアルインの娘」だと知ったフラウドリンとグレイロードは驚愕し、取り乱して逃げ出すほど恐れ慄きましたが、これも設定が明かされた今 見直すと、何で そこまで怯えたのか解らんです(;^ω^)。

 

過剰に怯えたグレイロードはバラバラに分散して四方八方に逃げ出す。

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余裕で捕まえるマーリン。

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起こした大風に人間たちを半ば巻き込んでもお構いなし。

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ポケモンゲットだぜ!

新しい実験台を確保して ご満悦のマーリンなのでした。

 

ただし、この時の大風でリオネス王城は崩壊。それだけでなく、後のマーリンの自己申告によれば、王都の建物の半分を破壊してしまったんだそうな。

 

原作では、手に入れたグレイロードを早速いじくりまわしたいと すぐまた研究室に引きこもろうとしてたり、そんなマーリンに「そんなことよりも氷の中のジールを救出してください!!」と訴えるギーラをベロニカが『危険人物に関わるな』とばかりに慌てて止めてたりと、マーリンはヤバ過ぎるマッドサイエンティストなのだと強調されていましたが、アニメでは まるっとカット。研究室に引きこもろうとしないし、ギーラの「ジールを助けてください」の訴えに即応じる普通っぷりでした。

 

 

一息ついたハウザーは、いつの間にかフラウドリンがいないことに気付いてバンと共に追う。

原作では「フラウドリンが隙を見て その場から逃げ出し、追おうとしたハウザーらは足止めされる」流れでしたが、省略されました。

 

逃走するフラウドリンを先回りして待ち受けていたのはヘンドリクセン。

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まずは腐蝕魔法「腐蝕の塔アシッドタワー」、それにより隙を生ませて「浄化パージ」を使うも、

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効かない。

ピンチのヘンドリクセンを救ったのは、死んだはずの先代聖騎士長ザラトラスでした。

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更に、デリエリに蹴飛ばされて王都の建物の壁にめり込んでいた赤魔神ホークが、激しい戦いの振動で転がり落ちてきて、その くさ~い毒息で戦況を動かします。

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豚の臭い息で目潰しされたフラウドリンを羽交い絞めして、ザラトラスは己の全生命力を込めた「浄化パージ」を実行。

消滅させることは叶いませんでしたが、かろうじて、ドレファスの身体からフラウドリンを追い出すことに成功したのでした。

 

ここからのフラウドリン戦、いまいち「動き」がおかしかったです。どうもカクカクしていたり、合間の絵が足りなくて何が起きたか判り難く感じたり。

 

ザラトラスが「浄化パージ」 でフラウドリンを追い出した場面。

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ゆっくり後ろに倒れていくザラトラスとドレファス。(地面に倒れたようには見えない。)続いてフラウドリンのアップ。カメラが少し引きますが、彼とザラトラスらが それぞれ どんな位置にいるかは示されません。

 

アニメだけを見て

「巨大なフラウドリンが、背中を押されて思わず前に飛び出たような感じで、ドレファスの身体から押し出された」

と理解できた視聴者はいないでしょう。

アニメでこそ「ドレファスの身体からフラウドリンが飛び出る」様子を動きや多めのカット割りで解りやすく見せてほしかったのに…。

動かない一枚絵の原作漫画の方が よほど解り易かったとゆー。

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アップばかり見せられて何が起きたのか判り難かったです。漫画で言うなら「顔だけ漫画」とか「バストアップ多用」って奴?

作画カロリーを落とす必要があったのかもしれませんが、残念だったし、もどかしかったです。それと、どうせならフラウドリンが喋るとき胸の口を動かしてほしかったかも。難しかったのかな。

 

すぐにドレファスの身体に戻ろうとするフラウドリンをヘンドリクセンは止めようとしますが、力では敵いません。

「ドレ美ちゃんをこれ以上弄ばないでっ。代わりにアタシの身体を好きにしていいから!(意訳)」と自己犠牲しようとするも「お前のような貧乳に興味はない(意訳)」と相手にされない。

↓ドレ美ちゃんのイメージ(公式)

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そこでヘンドリクセンは指摘しました。既にフラウドリンは力を取り戻しているしメリオダスへの復讐も果たしている。人間の身体を隠れ蓑にする必要がない以上、ドレファスの身体に執着する理由は他にあるんじゃないかと。

 

そこにタイミングよく現れる、幼いグリアモール。

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『運命』は、この瞬間のために彼を幼い姿に変えていたのだァ~っ!(笑)

ジャ~ン♬ とドラマチックに流れ出す音楽(『One Love』)。

 

愛息子の父を呼ぶ声を聞いて、気絶していたドレファスの手がピクッと震える。

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同じく、10年間育てた息子に醜い正体を見られてしまったフラウドリンは愕然と振り返って凍り付く。

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直後、その胸をドレファスの技で貫かれます。

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馴れ馴れしく息子の名を呼ぶな・グリアモールは私だけの息子だと ご立腹のドレファスさん。

 

ここからドレファス無双です。

闘級で見れば、フラウドリンは3万1000。ドレファスは3000。十倍も差があって、本来なら かすり傷一つ付けられないはず。(闘級2万6000のガランに、闘級3000~4000台の<大罪>たちは全く歯が立たず完全敗北したのですから。)数値的には あり得ない。

しかし「息子に見られている」ことでドレファスは力を増し、

反対に「息子に見られてしまった」ことでフラウドリンは萎えてしまったのでしょう。

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なんと、一撃でフラウドリンを沈黙させました!

(ここのドレファスの走る動きが、どうも ぎこちなかったのは残念でした。)

 

 

フラウドリンを倒し、グリアモールと、ヘンドリクセンと、それぞれ抱擁して再会を喜ぶドレファス。

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しかし生命力を使い果たしたザラトラスとは別れが迫っていました。

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流れ出すエンディングテーマ、表示されるスタッフロール。 悲しくて感動的な別れ……。

 

自分が弱かったから魔神に付け込まれたんだ、いや自分が悪いんだと互いに不毛な懺悔をし合うドレファスとヘンドリクセンを頭突きで黙らせると、ザラトラスは最期の言葉を遺すのでした。

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ザラトラスは光となって昇天し、エンディングテーマが終了する。

ところが、んん? ドラマは終わらず、不穏な感じで まだまだ続くではありませんか。長めのCパート開始です。

 

 

実は、死ぬどころかリカバリ可能な程度のダメージしか受けていなかったフラウドリン。

ザラトラスの昇天が完了するまで結構長いこと沈黙してたのは、彼の気遣いだったのでしょうか。話の内容しっかり聞いてたみたいだし。

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リオネス城をしのぐほど巨大化したフラウドリンに、もはやドレファスもヘンドリクセンも対抗のしようがありません。

 

フラウドリンは巨大な手を無造作に振り下ろす。

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すると、ヘンドリクセンがドレ&グリ父子を突き飛ばして逃がし、我が身を犠牲に…!

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ここ、原作から改変されています。

原作では

息子を抱いたドレファスは「自力で跳んで回避」。

ヘンドリクセンは「恐怖で硬直して逃げられなかった」。

 

ヘンディをヒーローに、ドレファスをでくの坊に、わざわざ反対に変更したのはどうしてなんでしょうか。

想像するに、ドレファスが息子だけを連れて退避するのではヘンディを見捨てたみたいで冷たく見える! だったらヘンディを自己犠牲のヒーローに変えた方が丸く収まる! …とアニメスタッフさんが思ったとか?

 

ただ、この改変だとフラウドリンが明確な意思を以て「グリアモールを」殺そうとしたことになってしまうので(原作だと、彼が潰そうと狙ったのは あくまでヘンドリクセンだったと解釈可能な余地がある)、次回描かれるフラウドリンの最期と心情的に繋がりにくくなってしまったかもしれません。

 


いずれにせよ、原作でもアニメでも、フラウドリンに叩き潰されたかに見えたヘンドリクセンは、マーリンの転移魔法によって救われていました。

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そこにハウザー、バン、ベロニカ王女も駆けつける。

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あら?

原作だと、マーリンは空に浮かぶ「完璧なる立方体パーフェクト・キューブ」内に 城にいた人間全員を収納して現れてましたが、アニメでは「完璧なる立方体パーフェクト・キューブ」無しで人数も必要最小ですね。

原作通りに描いたら、作画カロリーが凄いことになるからでしょうか。

 

突然、フラウドリンが何者かに攻撃され始める。

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襲撃者はメリオダス

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復活した死者を見た人々は驚きます。

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マーリンとバンだけは「やっぱりね」という顔。

 

ゾウに這いのぼる蟻か、鬼に挑む一寸法師か。サイズ差など ものともせずにフラウドリンを翻弄し、一方的な攻撃を加えていくメリオダス

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ちょっと動きが もっさりした部分があったのは残念。

 

ハウザーは「互角の勝負だ」と感嘆しますが、マーリンは怪訝顔。

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少し考えてから(そういうことか)と一人で得心しています。

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フラウドリンも、今の自分とメリオダスの実力は互角だと感じた模様。

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ガチンコ勝負だと勢い込みますが…。

そこに もう一人メリオダスが現れる。

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今まで戦っていたのは魔剣ロストヴェインの特性で作られた実像分身、いわゆる劣化コピーだったんじゃそうな…。

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本物のメリオダスの強さはフラウドリンの倍。

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メリオダスが魔神の顔でニヤリ嗤いしたところで今回は終了。次回 最終回です。

 

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『教えて! ホーク先生』は、一足先に今回が「卒業式編(最終回)」。

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次回で『戒めの復活』も終わりですから、予告コントは今回で最後ですもんね。

 

卒業式。何故か一教員のはずのホークが壇上で式辞かなんか述べてる。

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ちゃんと前回の予告コントネタに合わせてギルサンダーがいない(笑)。

 

ところで、前回ネタの「ギルサンダーの留学」って、本当は今回の「ビビアンにギルが誘拐される」エピソードに ちなんだギャグだったんじゃないでしょうか?

前回に前倒しした結果、面白さが消えてしまったのかも。

 

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OPのこと。

映像の終わり部分のみ、絵が変更されていました。

 

横たえられているメリオダスの遺体。

太陽が移動していって光が顔に射すと、生き返って目を開ける。

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感涙のエリザベス。

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メリオダスに飛びつく。ホークの喜びようもすごいです。

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ホークの耳ぶるんぶるん。

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ハッピーな笑顔。

ラストシーンはメリオダスも一緒に。

エリザベスの方からグイッと彼の手を掴みに行っている点にご注目ください。

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恋人つなぎで めでたしめでたし。

 

 

 

 

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