『七つの大罪』ぼちぼち感想

漫画『七つの大罪』(著:鈴木央)の感想と考察。だいたい的外れ。ネタバレ基本。

【感想】『七つの大罪』第235話 新たなる脅威

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週刊少年マガジン 2017年42号[2017年9月20日発売] [雑誌]

第235話 新たなる脅威

  • 目を閉じたメリオダスを愛おしげに抱くエリザベス。その映像を見せつけられながら、ゼルドリスは父に憤りを訴えた。
    「ご冗談を…!!」「メリオダスを魔神族の王として迎え入れろと!?」
  • 「父上!!」「納得がいきません」「抗弁は許さん」
    有無を言わさぬいらえに言葉を呑むと、ギリ、と拳を握って耐える。
  • メリオダスは仲間である<七つの大罪>と共に お前の元へ向かっている」「最高神の娘エリザベスにかけられた我が呪いを解くためにな …ハ…ハ…ハ…ハ」
    「奴らは もはや魔神族にとっての脅威に他ならん」「奪還の際は<七つの大罪>を皆殺しにしろ… これ以上の脅威となる前に……な」
    「我は煉獄より のんびり見物させてもらう」
  • 「…は!」
    簡潔にだくすると、ゼルドリスは足早に城を出た。城下を見下ろす小広場から、心の声で呼びかける。
    『<十戒>総員に告ぐ!!!』『ただちに目の前の全事項より最優先に』『キャメロットへ集結せよ…!!』
  • その声は、ブリタニア全土に届いたはずだった。
    『…………どうした』『なぜ誰も応えない……?』
    誰からも応答がない。
  • 『ガランは確か<七つの大罪>に やられたと聞いたが…』
    ブリタニアの荒野の片隅で、老戦士は恐慌に駆ける石像と化したままだ。
  • 『メラスキュラ………!!』『グレイロード …応えろ!!』
    マーリンの研究所、山と積まれた研究素材に埋もれて、今やただの毒蛇となったメラスキュラはビンの中で呑気に身じろぎし、グレイロードは試験管の中で永遠の嵐に巻かれ続けている。
    ◆メラスキュラは餌をもらっているんでしょうか?
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    この場面、積まれた魔術素材の中に人形があるのが、妙に気になりました。口が開く仕様になってて、人形劇か腹話術の人形っぽいけど、何に使うんだろう?
  • 『フラウドリン ……まさか…』『やられたというのか!?』
    魔神族が封印されていた間も一人戦い続けた頼もしき魔神将軍は、ゼルドリスが次兄と共にリオネスから弾き飛ばされて すぐ、死者の世界に去っていた。
    その死を仲間たちが知りもしないなか、彼を悼む石塚を作ったのは、皮肉にも人間の青年。リオネスの若き聖騎士・グリアモールである。
    フラウドリンは人間ドレファスの肉体を奪い10年間苦しめたが、その息子グリアモールを10年育てたのも事実であり、最期にはその愛に殉じたのだった。
    石塚は、石を幾つか寄せ集めただけの簡素さではあったが、美しい野の花で飾られていた。その前にしゃがんで複雑な表情で見つめるグリアモールの背にはベロニカ王女が寄り添い、いたわるように肩に置かれた細い手を、青年は握りしめている。
    子供グリアモールが青年に戻った時、子供の姿だった時のことを忘れている様子だったので、愛に殉じたフラウドリンを悼む者が一人もいなくなってしまったんだなあと残念に思っていました。
    でも、ちゃんと思い出したんですね。もしくはベロニカが語って聞かせたか。
  • 『モンスピート …デリエリ!!!』『応えろ!!』
    必死さを帯び始めた声を聞く者は、リオネス郊外の粗末な平家の中にいた。

  • 「…応えなくていいのかい?」
    暖炉の前の椅子に腰かけたモンスピートが問う。
    「ならモンスピート アンタが応答すりゃいいだろ?」
    積み上げられた藁に寝転がったデリエリが返した。
    「私は いいのさ この暮らしも嫌いじゃない」
    「変人」「こんなアバラ屋で日がな一日過ごす暮らしがか?」
    「デリエリの無茶にハラハラさせられることもないしね」
  • 暖炉には暖かな火が燃えている。その上にはランプなど日用品や飾り皿が置かれ、作りつけの棚には細々と容器が並び、柱には麦わら帽子が引っ掛けてあった。ごく当たり前の人間族の農家だ。
    そこで過ごす魔神二人の服装も、すっかり人間風だった。
  • 「なあ」「メリオダスは なんで ……なんでアタシらを殺さなかったんだ?」「インデュラ化したアタシらには心臓が一つしか残っちゃいない… それを潰せば確実に殺せたっつーのによ」
    「……奴は三千年前も四大天使との戦いに傷つき倒れた我々の命を助けた… 女神エリザベスと共に…………」「その理由は彼らにしか――… いや」
    デリエリに応えたモンスピートは、一旦 言葉を止める。
    「本当は とっくに気付いているのかもしれないな…」「私も… お前も」
    ◆「四大天使との戦いに傷つき倒れた我々の命を、エリサベスと共に助けた」。あのエピソードは、作者さん的にはそういう意図だったんですか…。
    私には、我が身を犠牲にインデュラ化したモン&デリの覚悟を、エリザベスが頭から否定して「力」で ねじ伏せて自陣営に勝利をもたらしたように見えてました。モン&デリはインデュラ化して四大天使を圧倒し勝利する寸前で、傷つき倒れてたようには見えなかったから。
    インデュラ化を無効化した後に命を取らなかったことを言ってるのかな? あの後、捕虜にせず、無条件解放にでも したんでしょうか。

    プリキュア』くらい善悪が単純化された世界なら、エリザベスは何ら疑問なく正義でしょう。でもこの漫画、あえて「戦争に善悪はない、それぞれが正義であり悪である」という世界観にしている。

    ヒロインが聖なる力で怪物化した敵を浄化・救うのは漫画やアニメの黄金パターンで、色々と普通に読んで(観て)きました。なのに、エリザベスとインデュラのエピソードは、どうにも引っかかる。
    モン&デリがインデュラ化を覚悟して行って一切の後悔をしていなかったこと(救われることを望む描写なし)、なのにエリザベスが いきなり「救います」と宣したこと(相手の覚悟や立場を酌む描写なし)、その際に何故か全種族の平等を謳ったこと(イイハナシではあるけど、論旨がずれてる。それ今言うことかな?)。要素の繋ぎ方が、私の目には不足に見え、結果として歪に感じたからかと思います。(個人的意見です)

    インデュラ化した二人が「苦しい・救われたい」という意思を見せたり、或いは魔神族の仲間が「助けてやってくれ」「この事態は自分たちにとっても災厄だ、止めてくれ」と望む描写があったなら、エリザベスが「救います」とやっても違和感なかったけど。
    色んな漫画やアニメの このパターンでは大抵その描写があるのですが、この漫画では無かった。相手側の意思を確認しないままだから、エリザベスの「救います」が唐突で押しつけがましくて上から目線に見える。即ち、話の組み立てが雑ではないのか。と、素人考えで勝手に思っていました。

    それはそうと、デリエリ、過去修業編の辺りから「ケツから言って」の口癖を全く言わなくなっちゃいましたね。
  • そこで、誰かが扉を開けて家に入ってきた。細身で、肩までの髪を左右でおさげにした、二十歳前後の人間の女だ。
    スカートで大股を開いて寝転がっていたデリエリに「女の子が また そんな格好で寝そべって!」と苦笑気味に注意すると、手首に引っ掛けたワイン瓶やパンの入った小籠を示した。
    「食事と お酒の差し入れよ」
  • 「ああ… いつも悪いね」と、少々 戸惑い気味に返すモンスピート。
  • 「あんたたちが空からうちの屋根に落ちてきた時は てっきり御伽噺の女神様かと思ったけど」
    上機嫌に語る女に、積み藁から起き上がったデリエリが近付く。無言のまま女の手に下がる小籠の中身を漁り出したが、女は咎めるでなく笑って問いかけた。
    「昨日も農地を荒らす熊を退治してくれたんだってね?」
    「うまかった」
    「え?」
  • 小籠から取ったパンを頬張るデリエリ。改めて彼女を見た女が嬉しそうに言った。
    「あら… よく似合うわね デリエリ」
    常に全裸に闇をまとっただけだった彼女が、今はカッチリした上品なシルエットの服を着ている。前のボタンこそ、二つを除いて留められていないガサツさだったが。
    「それ 私のお古なのよ」
    優しい微笑みの前で、デリエリは無言でパンを噛み千切った。
    ◆姉を女神族に殺されたデリエリは、姉属性に弱い?

    それはそうと。屋根に落ちてきたモン&デリを「女神様だと思った」と言う彼女は、魔神族の侵攻を知らないんでしょうか? デリエリなんて、片腕が異形で、あからさまに人間じゃないのに。極端に無知で善良で お人好しの女性ってことなのかなあ。
    メリオダスに吹っ飛ばされたモン&デリが落ちてきたということは、リオネス王都からそう離れていないはずで、それほど田舎じゃないはずですが、あたかも情報が隔絶されているかのような、のどかな暮らしっぷりで不思議な感じ。

  • キャメロットでは、ゼルドリスが独り呟いていた。
    「……………なぜ 誰も応えない」「まさか全員… <七つの大罪>に やられたというのか…?」
  • 『やあ… ゼルドリス』
    その時、一つだけ声が返った。
  • 『グロキシニア? 何をしている …一人か!?』
    『ドロールくんも一緒っスよ』
    悪い想像を一蹴する呑気な声に、思わず苛立ってしまう。
    『なぜ さっさと応答しない!!?』
  • 『うーん …正直 応答するか迷ったんスけど』
    それでも ゆったりと返したグロキシニアは、巨人族の里・メガドーザにいた。
  • 『…もう あなたの命令には従わない』
    言葉を継いだのは、傍らに立つドロールである。
    『今更と思うでしょうが ようやく我々は自分たちの選択の誤りに気付いたのです』
    周囲には、ゲラード、そしてマトローナを含む巨人族たちが集い、成り行きを見守っていた。
    ◆ゲラードもメガドーザに来てるとは。今、妖精王の森を守ってるのは誰なんでしょうか。
  • 『<十戒みんな>には よろしく伝えてほしいっス』『…今度会う時は お互いに敵同士だと…』
    グロキシニアが再び語る。
  • 落ち着いた決別の言葉を、ゼルドリスは独り佇んで聞いた。
    『…所詮は巨人と妖精』『魔神族われらとは相容れぬというわけだ』
    感情を抑えた声で呟く。
  • 気まずげなドロールの顔に、一筋の冷や汗が流れた。
    かつてゼルドリスは、同族の中で異端だったドロールを仲間に誘った。魔神族の中でなら孤独にならないと。
    実際、<十戒>の誰もが、異種族であったドロールやグロキシニアを受け入れていたのだ。長年の仲間であったかのように。
  • 「……」
    さしものグロキシニアも、緊張の面持ちでゼルドリスの反応を待っていた。
    十戒>を抜ける決断をしたとはいえ、自分たちは未だ戒禁を授けられたままだ。即ち、魔神王に呪われ、支配下にあるということになる。その代理であるゼルドリスがどう出るのか…。
  • すると、フ…と負荷が消える感覚がした。左胸に浮かんでいた魔神の紋様が消え、漆黒と化していた瞳が元の琥珀色に戻る。
    ゼルドリスの声は聞こえなくなっていた。
    ◆何のぺナルティもなく解放してあげたゼルくんの優しさに涙した。(3000年の苦難を共にした仲間に絶縁宣言されて、ショックだったでしょうに。)
  • 「戒禁の呪力と紋様が消えた… これで<十戒>じゃなくなったわけっスね!」
  • 「グロキシニア!!」
    己の身を確かめるグロキシニアに、焦った様子で呼びかけるドロール。背を向けると、どんっと巨大な尻を突き出した。
    「私の尻にある紋様が消えたかどうか確認してください!!」
  • 「嫌っスよ…」
    ズボンを脱がなかっただけマシなのだろうが。
    「ドロールくんも目が戻ってるから大丈夫っス… うん」
    元の赤紫色に戻った旧友の瞳を確認しつつ、若干引き気味に言ったグロキシニアなのだった。
    ◆小さくて見づらいですが、この場面のグロキシニア、汗を飛ばしてる(笑)。

    グロキシニアとドロールの元々の瞳の色は、単行本25巻の表紙イラストを参照しました。グロキシニアは小さくて確認しづらいですが黄色っぽいので、琥珀色・蜂蜜色・はしばみ色…即ち、キングやエレインと同系色なのかなと。


  • キャメロットで、ゼルドリスは俯いている。
    「…………エスタロッサは未だ昏睡状態」「つまり<十戒>は これで ほぼ全滅………………」
    父は、忠実に仕えてきた自分より、裏切り者のメリオダスを評価した。
    頼れる仲間はいない。
    今、ゼルドリスは独りきりだ。
    「……っ」
    言葉を呑んで、耐えるように ぐっと拳を握りしめる。
  • 「…いいだろう 俺一人で十分!!」
    顔を上げてゼルドリスは笑った。その全身から爆発的に噴き上がり、電光のように弾ける闇の魔力。
    「誰が魔神の王に ふさわしいか教えてくれる!!!」
    普段は左額に浮かぶ魔神の紋様が燃え上がるように形を変え、眉間で大きく渦を巻いている。
    ◆強がりにしか見えない。(^_^;)
  • 「俺には見えますよ 王の座に君臨する あなたの姿が…」「どうか 我らの力もお役立てください」
    虚勢めいた叫びに、真摯に応えた者がいた。
  • 「お前たちは……!」
    ハッと振り向くゼルドリス。噴き上がっていた魔力が  シュウ… と鎮まり、額の紋様も元に戻る。
    ◆やだ、恥かしい、見られてた…?
  • 踵と杖の音を鳴らして、二人の男が歩み寄ってくる。
  • 「キューザック!!」
    一人は、細身長身の壮年に見える剣士だ。
    二刀流なのか両腰に剣を挿し、左の目元に魔神の紋様、右肩に痣のように闇が貼りついている。左分けした前髪は右目に掛かり、背中までの髪を首の後ろで一つに結んでいる。
    特徴的なのは鼻髭で、二つの束が長く細く胸まで垂れさがった様は、まるでドジョウかナマズのヒゲのようだ。
  • 「チャンドラー!!!」
    もう一人は老いた魔導士。
    真っ白な髪と顎髭は獅子の たてがみのように豊かで、右目の周りに魔神の紋様が浮かび、左手に木の大杖を持っている。
    レースの大きな立て襟のある、いかにも宮廷風の豪華な服は、彼の立場の高さを示しているようだ。
  • 「お久しぶりです ゼルドリス王子」
    間近まで歩み寄ると、剣士キューザックは スッと跪礼きれいをとった。魔導士チャンドラーは、その後ろに立ったままである。
  • 「お前たち… 脱出できたのか!」
    チャンドラーの不遜さは気にした様子もなく、両腕を組んで、鷹揚に語りかけるゼルドリス。頭を下げたままキューザックは続けた。
    「上位魔神であるほど強く捕らえ放さぬ女神の封印ゆえに苦労しましたが」「封印の効力を大分 弱体化していただいたおかげで どうにか」
    ◆上位魔神であるほど出られない? え、じゃあ いの一番に<十戒>が封印から外に出たのは一体…?
  • つまらなさそうに溜息をつくチャンドラーを無視して、更に続ける。
    「失礼ながら 魔神王様との会話を途中から立ち聞きしておりました」「<十戒>をも倒すほどの手練れ――<七つの大罪>と 巨人と妖精の王を始末する役目… ぜひ この俺に…!!」
  • おもてを上げろ」「立て」
    ゼルドリスは命じ、立ったキューザックを見上げて言った。
    「よく戻ってきてくれた」「お前たちがいれば九人分の穴は十分に補えよう」
  • 一瞬目を丸くした剣士は、顔に出たのは僅かにではあるが、胸震わせた様子で頬を緩ませる。
    「もったいなき お言葉…!」
  • ニヤリと笑い返したゼルドリスは、余裕を取り戻したようだ。
  • チャンドラーが、わざとらしく声を張り上げた。
    「ホッ! 元師弟の涙の再会か」「フン!! 羨ましいこっちゃ!!」
    チェッ チェッ と拗ねた子供のように舌打ちさえしたが、やはり誰も気にした様子はない。この老人のこうした態度に慣れているということか、よほど親しい間柄ということか。
  • 「そう腐るな… 今は魔神軍のため老兵われらが尽力する時」
    ブスッと むくれた旧友を横目で見下ろして、キューザックが笑った。
    「俺はゼルドリス様 貴様はメリオダス――」「それぞれの師としてな」
    ◆何気に、メリオダスには「様」を付けないキューザックであった。裏切り者ですもんね。
  • 次回「絶望ランデブー」

ゼルドリスが可哀想に思えてきた回でした。

 

色々我慢や無理もして孝行してるのに、お父さんは好き勝手してるメリオダスの方を高評価してるし。仲間たちはいなくなって ぼっちになるし。

自分が魔神王になるという野心を ぶち上げてはいたけど、強がりにしか見えんかった。(;^ω^)

 

でも、メリオダスを魔神王にするという話、なんか裏がありそうな気もするんですよね。

 

 

 

ところで、長らく消息不明だったエスタロッサさんが昏睡状態だったことが判明。

…バンやハウザーらが かかっていたはずの「慈愛」の戒禁の効果が消えてるっぽいのは、そのせいだったんでしょうか?

 

昏睡が死亡と誤判定されて戒禁が解けた?

エスタロッサが昏睡してる間、一時的に戒禁が解けてるだけ?

はたまた、実はエスタロッサは一度死んでた?(メリオダスと同じように、死んでも蘇るとか。)

 

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後付けで訂正と言い訳を繰り返すと、信頼は失われていく

 

 

第189話にて、メリオダスに「灰燼龍」を「全反撃フルカウンター」されて消し飛んだかに見えていたモンスピートとデリエリが生きていました。

それ自体は多くの読者が予想していたことでしょうが(二人は敵として、まだ大して活躍していませんでしたから)、よもや、「メリオダスが優しい心から、あえて殺さずに助けてあげた」扱いになろうとは、夢にも思っていませんでした。

流石に、ニガワライです。

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作者さんの本当のお考えは知る由もありませんが、上記のエピソードが描かれた当時は、まだ「三千年前にメリ&エリが、モン&デリを『救った』」設定が無かったんじゃないかなと思っています。

だって、最初からその設定だったなら、デリエリがエリザベスを見るなり恨みがあるとばかりに殺そうとしたのは、おかしいでしょう?

メリオダスが「優しい心で」殺さなかったなら、葛藤なりする描写をチラリとでも入れるものでしょうし。むしろ真逆に、以前の自分なら殺さなかっただろうと言わせてからの凶悪ニヤリで「死んじまえ!」だったじゃないですか。

 

 

 

バイゼル大喧嘩祭りの際、愚かだったり不謹慎だったりな行動をとってたメリオダスが「全ては作戦だった」と言い出した時も、作者さんの真意は判りませんが個人の感想として、後付けで「メリオダスは間違ってない」と言い訳を始めたなと感じました。

 

過去に遡って変にキャラを正当化しようとするのは、却ってよくないんじゃないかなあと思うのです。モン&デリを「死んじまえ!」した時は本気で殺すつもりだったということでいいじゃないですか、感情を喰われてたんだから。

どうして、何が何でも常にメリオダスは間違ってないってことにしようとするのか?

次に二人に遭った時に感情を取り戻して助けたりするという形の方が、自分としてはスッキリできたなあと思いました。

 

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ゼルドリスの優しさ

 

 

ドロールとグロキシニアに<十戒>脱退を表明されたゼルドリス。

抑えた声で「…所詮は巨人と妖精 魔神族われらとは相容れぬというわけだ」と言っただけで戒禁を解いて解放してやったのを見て、とても驚きました。

 

てっきり、反社会的組織の構成員が指を詰められるみたいに、何か酷い目に遭わしてくるものとばかり。

たとえば、新世代聖騎士たちにヘンドリクセンがやったみたいに、与えてある魔神の力を暴走させて呪ったり操ったり怪物にしたりとか。

しかし、そんなことは全くなかったぜ。

 

考えてみたら、<十戒>たちは元々ドロールやグロキシニアとは敵として戦ってたのに、わだかまりなく仲間として信頼して受け入れてたんですよね。

……もしかして<十戒>って、かなりのホワイト組織だったのでは?

 

 

十戒>に入るには、魔神王から戒禁を授けられねばならないという。

今回、ドロールたちに授けられた戒禁を、ゼルドリスが一存で解除していました。

単に、彼が魔神王代理だから、代行できるだけ?

いや。そもそも この二人をスカウトして(魔神王代理の権限で)戒禁を授けたのがゼルドリスだったのかな、だから父王にお伺いを立てることもなく一存で解除できたのかなと思いました。

 

(そして、この有様を見ていて、ゼルくんがエリザベスの呪いを解く展開もマジに有り得るのかなあと思いもしました。)

 

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どじょう髭

 

新キャラが二人登場しました。

 

剣士キューザックは見た目がアラフォーくらいなので、見るからに老人のチャンドラーと同輩のような口ぶりで「老兵われら」と言っててビックリしました。

妖精族並みのアンチエイジングすげぇ。何歳なんでしょうか。

 

そして、何より目を引いたのは、キューザックの髭。

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少しもフワフワしたり うねったりしない、超サラサラのストレート!

おかげで、鼻血か何かの液体が流れ落ちてるように見えて、なんかモゾモゾする(苦笑)。

キューザックさん、顔はイケメンなのにね。

 

顎髭を長く伸ばしたら、やっぱり超サラサラのストレートなんでしょうか。

 

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ずっとメリオダスのオマケ的な扱いだった<大罪>が、ついに魔神王に名指しで「脅威」扱いされました。

七つの大罪>が…ってゆーか、エスカノールの戦いっぷりをホークの目を通して観てビビったのかな(苦笑)。エスカノールがダウンしてるうちに倒しちゃえ、みたいな?

 

魔神族にとっての 新たなる脅威 <七つの大罪>の前に、<大罪>にとっての 新たなる脅威、師匠ズが立ち塞がる!

<大罪>の、まだ<十戒>に単独勝利したことのないメンバーには、ホントに活躍してほしいんですが。どうなるか……。 

 

 

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