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『七つの大罪』ぼちぼち感想

漫画『七つの大罪』(著:鈴木央)の感想と考察。だいたい的外れ。ネタバレ基本。

【元ネタ】キング、オスロー、ヘルブラム、ゲラード【3/4】

元ネタ

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金木犀キンモクセイのこと

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七つの大罪』の妖精族は、それぞれ、体から花や香草ハーブの いい香りがするという設定です。 

エレインはラベンダー、ヘルブラムは白薔薇、ゲラードはミント、グロキシニアはジンジャーリリー。

そして、キングは金木犀キンモクセイです。

 

金木犀は、中国原産のモクセイ科モクセイ属の常緑小高木。ヒイラギの仲間です。

 

「木犀」という名は、ザラザラの木肌を動物のサイの肌に見立てたものですが、現在の中国では この名は あまり使われず、一般に「グイ」または「桂花グイファ」と呼ばれています。

(厳密には、「桂」のうちオレンジ色の花の咲くものを「丹桂タングイ」、白い花は「銀桂イングイ」、薄黄色の花を「金桂チングイ」と呼びます。

日本では、オレンジ色の花は「金木犀キンモクセイ」、白は「銀木犀ギンモクセイ」、薄黄色は「薄黄木犀ウスギモクセイ」です。)

 

グイ」の字に、日本では「かつら」の読みが与えられています。

かつら」は、日本ではカツラ科カツラ属の落葉高木を指しますね。日本原産で、元は中国にありませんでした。今、その木は中国では「連香樹」と呼ばれています。

一説に「かつら」は「香出かづる」の意だと言われます。「かつら」の木の葉には芳香があり、秋に散って降り積もると、辺りにカラメルに似た ほの苦く甘い香りが漂うほど。しかし花は香りませんし、見た目も木犀とは全く違います。

 

「桂」の名を持つ香木が、日本と中国では違う木を指している。

どうして、こんな違いが生じたのでしょうか?

 

 

実は、「かつら」と反対に、「グイ(木犀)」は江戸時代初期まで日本に存在しない、または一般的ではない木でした。(金木犀が日本に移入されたのは1603~1660年辺りだと言われています。)それ以前の大多数の日本人にとっては、本の中にしか存在しない木だったのです。

 

そこで、昔の日本人が、中国の本を参考に日本の植物名に漢字を当てはめた際、「香りのいい木」という条件から取り違えた(または、あえて当てはめた)のではないか。そう言われています。 

最初の取り違えは『古事記』『日本書紀』で起こり、これを参照した後世の学者たちの多くが、「かつら」に「桂」の漢字を当てはめ、平安中期には定着した模様。

 

ただし、室町時代国語辞典『下学集』(1444年)に「木犀 桂也」とあるので、真相を理解していた(本物を見たことのある?)人も、昔からいたようですね。

薄黄木犀は江戸時代以前から日本にあったとする説もあります。

 

 

さておき。

金木犀が17世紀まで日本に殆ど存在していなかったなら、イギリス(ブリタニア)では どうだったんでしょうか?

結論から言います。

アーサー王の時代(5、6世紀頃)のイギリス含む西欧には、金木犀は存在していませんでした。

 

なにしろ、現在でも珍しいようなのです。

 

木犀がイギリスに初めて移入されたのは、日本から100年ほど遅れた1789年。(資料によっては1771年。)中国南部からの移植でしたが、寒冷な気候が合わなかったか、うまく育たず、花も咲かなかったそうです。

 

バンたちがキングの体臭を嗅いだとき、甘ったるい花の香りだとは言っても、誰も「金木犀の香りだ」とズバリ言いはしませんでした。

ブリタニアに存在しない木なので、知る者がいなかったから…かもしれませんね。

 

異界たる妖精界には生えているでしょうか? キノコだらけで温暖そうですし。

 

 

ちなみに、金木犀は英語では「オレンジ・オスマンタス Orange osmanthus」か「オスマンタス・フレグランス Osmanthus fragrans」です。単に「オスマンタス Osmanthus」と呼ぶこともあります。

オスマンタス Osmanthus 」は木犀の学名でもあり、ギリシア語の「osme 香り」と「anthos 花」に由来します。

 

また、俗には「フレグランス・オリーブ fragrant olive (いい香りのオリーブ)」とも呼ばれています。(他、fragrant orange-colored olive、tea olive、sweet oliveなど。)

英語圏ではオリーブと混同されてるんですね…。

オリーブはモクセイ科オリーブ属。花は白で、確かに、咲いた感じは木犀に少し似ています。けれど甘い香りはありません。

 

木犀は雌雄異株です。雄株と雌株、どちらも花は咲きますが、雌株にしか実は生りません。 

ところが、日本の金木犀(と銀木犀)は、ほぼ雄株です。

雄株の方が沢山 花を咲かせるし、挿し木で簡単に殖やせたので、雌株は移入されなかったらしい。

 

なんとまあ。

日本の金木犀は雄株おとこのこだけで、結婚しないまま永く世代を重ねていたのですね。

 

  

 

さて。

ファンブック『解体シン書』によれば、キングの体臭が金木犀に定められた理由は、

作者が自然のキンモクセイの匂いを知った時、その香りに高貴さを感じたため採用。曰く「トイレの芳香剤とは別格の上品な香り」。 

とのこと。 

 

しかし、それだけではないかもしれません。

というのも この漫画、花が印象的に使われる場合、しばしば「花言葉」の意味を含ませているように見受けられるからです。

 

たとえば、キングがディアンヌの記憶を消すために使った、マーガレットらしき白い花。

マーガレットは女神ディアナ(ディアンヌ)に捧げられる結婚の象徴花で、「真実の愛」「秘めた愛」といった花言葉を持っています。

 

或いは、エリザベスが初めて右目を披露して「私は…… とても悲しい」と言いながら人々を癒した際、カラーイラストにて彼女の右目の横に、目と同じ色のマリーゴールドらしき花が描かれていました。

これは聖母マリアの象徴花で、「悲しみ」「命の輝き(健康)」といった花言葉を持っているのです。

 

また、前述した妖精キャラたちの体臭の花言葉を見ると、各キャラの境遇や性格に合わせてあるように感じられます。

 

エレインの体臭はラベンダー。

花言葉は「あなたを待っています、許し合う愛、献身的な愛、優美、清潔」

 

ヘルブラムの体臭は白薔薇

花言葉は「無邪気、心からの尊敬、約束を守る」

 

ゲラードの体臭はミント。

花言葉は「私たちもう一度やり直しましょう(愛の復活)、かけがえのない時間、貞淑、懸命さと美徳」

 

グロキシニアの体臭はジンジャーリリー。

花言葉は「あなたを信じます、あなたは慕われています、大きなお世話(余計な配慮)」

 

となると、金木犀にも、キングの境遇や性格を象徴する意味が含まれているのではないでしょうか。 

 

金木犀の花言葉は「真実の愛」を始めとして幾つかあり、中には「初恋」があります。

香りで記憶が蘇ることをプルースト現象と言いますが、金木犀の甘く印象的な香りが、遠く懐かしい初恋の記憶を蘇らせる……そんな意図の花言葉だろうと解釈されています。

 

実際、キングの体臭を嗅いだディアンヌが「懐かしいニオイ」と言い、やがて「この… ニオイ… …覚えてるよ……」と、彼との初恋の記憶を蘇らせた、というエピソードが描かれています。

 

キングとディアンヌのキーワードは「初恋」と「真実の愛」。その花言葉を持つことが、金木犀がキングの象徴花に選ばれた理由の一つかもしれません。

 

 

なお、金木犀の花言葉には、他に「謙虚、高潔、気高い人、高貴な人」というものもあります。これらは、キングの性格や立場をイメージさせるかも?

作者さんが「香りに高貴さを感じた」と述べているのは、こちらの花言葉を踏まえてのことかもしれません。

 

 

どうして金木犀の花言葉が「高貴な人」なのか。「花が短期間で散るところがいさぎよいから」という説が好まれているようです。 

でも、真相は 意外なところかもしれません。

 

中国語では、「桂」と「貴」の発音は同じ「グイ」です。

この語呂合わせで、中国では「桂花が咲くと決まって貴人が訪ねてくる」とされ、吉祥を招く縁起のいい木として、古来から他のおめでたい花々と共に吉祥紋にデザインされて尊ばれていたのでした。

(現在でも、台湾などの風水で「玄関の左側に桂花を植えると貴人を招く効果がある」と言われているようです。)

「高貴な人」という花言葉、ここに由来しているんじゃないでしょうか?

 

ついでに。

『晋書』に、郤詵げきしんという男が試験に受かって雍州の刺史しし(長官)を任じられたとき、皇帝に「お前は自分自身をどう評価しているか」と問われて

「桂林之一枝、崑山之片玉」

と答えた、という話が載っています。

「木犀の森で たった枝一本、宝石ゴロゴロの崑崙山で 宝石のほんの一カケラを手にした、そんな程度の男でしかありません(大した出世じゃないです)」と謙遜した、という意味です。

 

金木犀の花言葉「謙虚」は、「花が小さくて地味だからでは?」と解説されていることが多いですが、実は、この故事に ちなんでいるんじゃないでしょうか。

 

この故事から、桂花は「立身出世」を象徴する、おめでたい花と考えられるようにもなり、「桂花一枝」は優秀な人材の例えともなりました。

 

以上のように、中国では桂(木犀)は おめでたく貴いものとされたので、王様の冠を「桂冠」、美しい宮殿を「桂宮」、素晴らしい香りを「桂香」と呼びもしていました。

 

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さて。

皆さんは、「月には桂の木が生えている」という中国の伝承をご存知でしょうか。

一説に、不老不死を司る女神(仙女) 嫦娥の宮殿が月にあり、その庭に生えていると。これを「月桂」と呼びます。

 

日本でも早くから知られており、『万葉集』にも月の桂を詠ったものがあります。

けれど、前述したように日本では「桂」と「かつら」が取り違えられていたため、秋になると月の「かつら」が紅葉して月が美しくなる、と想像されていたようです。

 

中国では、月桂とは「桂花(木犀)」のことだ、という認識が一般的です。

秋になると月の「桂花」が咲くので、月は明々と輝くのだと想像されてきました。花が咲くにつれて月も満ちていき、満開になると満月になるのだと。

 

日本ではお月見と言えばススキとお団子ですけれど、中国の定番は桂花と桂花陳酒(金木犀の花を漬け込んだ白ワイン)なのだとか。

 

 

月の桂にまつわる伝承でメジャーなのが「呉剛伐桂」と呼ばれる物語群です。

『酉陽雑俎』(9世紀)に載っているものを紹介してみましょう。  

一書に曰く、月には高さ500丈(古代中国のスケールで、およそ1200m)の月桂が生えている。その根元に一人の男がおり、この木を伐り続けているが、木の傷は塞がってしまう。

その男の姓はウー、名はガンという。西河山西省の出身である。

仙人に術を学んでいたが、罪を犯し、木を伐るよう命じられたのだ。

 

彼がどんな罪を犯したのかは、ここでは語られていません。

山海経』や民間伝承には、以下のように説明したものがあります。 

●怠惰だったから(怠けて仙術を学ばず破門、3年後に故郷に帰ると、妻は伯陵という男と再婚して三人も子を産んでいたので、激怒して男を叩き殺した。伯陵は炎帝の子孫だったので、炎帝に罰された)

●強欲だったから(月桂を売って富や地位を得ようとしている)

●許されぬ愛のため(彼は天の門番で、月の女神 嫦娥と恋仲になり玉皇大帝に罰された。月桂の枝を全て刈るまで逢ってはならぬと言われている)

●優しすぎたから(彼は天の門番で、天女の母を慕って昇ってきた人間の子供を手助けして罰された)

 

 

キングの体臭が金木犀だと知ったとき、真っ先に、この「月桂(月の金木犀)」のイメージが浮かびました。

 

月桂は、異界たる月宮に生える高さ500丈もの神木です。傷つけられても即座に再生する不死の力を持っています。

一方、キングと結びつく神樹は、異界たる妖精界に生える天に達するほどの巨木で、莫大な再生力を持ち、その恩恵たる生命いのちの泉を飲めば不死となります。

なんだか似てませんか?

 

また、この桂が「月」に生えているという点からは、キングの愛するディアンヌの元ネタたる女神ディアナが「月」の女神である点を連想させられました。

 

そんなこんなで。

こじつけではありますが、「キングは金木犀の香り」という設定は、なかなかハマってるよなぁと思っているのです。

  

 

霊槍シャスティフォルのこと

シャスティフォルの元ネタについては、今まで幾つかのページに書いてきたので、ここではその繰り返しになります。

 

まずは名前の元ネタから。

シャスティフォル Chastiefol」という名は、14~15世紀頭頃のフランスの散文『鸚鵡オウムの騎士 Le Chevalier du Papegau』にて、アーサー王が持つ剣の名前です。

(この物語は一般に知られるアーサー王の物語とはパラレルです。戴冠を終えたアーサーがマーリンからもらった魔法の鸚鵡やその世話係の小人(妖精)らを供に冒険の旅に出、金髪の乙女を海の魔物から救って彼女と結婚する、王道ヒロイックファンタジー。)

 

古フランス語で「シャスティ Chastie」が折檻する・戒める・懲らしめる・鉄槌を下す、「フォル Fol」が愚者・狂人・おどけ者・道化ですから、シャスティフォルは「愚者を懲らしめる」という意味を持ちます。

 

ところで、15世紀頭頃のイタリアの散文『アスプラモンテ』に、イタリア語で同じ意味の「ガスティガ・フォッリ Gastiga-Folli」という剣が出てきます。

(「ガスティガ Gastiga」が懲らしめる、「フォッリ Folli」が愚者)

 

これは元々 バンとエレインの息子 ランスロットの剣で、湖の貴婦人(妖精の養母)から授かったのだとか。

しかし彼が不倫愛を捧げていたアーサー王妃グネヴィアが別の騎士に授けた剣が欲しくて交換し、以降は様々な持ち主の手に渡って子孫に伝えられ、剣の銘も持ち主ごとに変えられて、最終的に、シャルル大帝シャルルマーニュ十二勇士の一人 聖騎士オリヴィエの愛剣「オートクレール」になったんだそうな。

 

ちょっと道草して、「聖騎士」の話をします。

アーサー王物語群は、5~6世紀辺りにイギリスに実在したかも? とされるアーサー王を中心とした騎士物語です。

その影響下にあるとされる、もう一つの有名な騎士物語群の存在は、日本では あまり認識されていないかもしれません。

それが8~9世紀フランス(フランク王国)に実在したシャルル大帝シャルルマーニュカール大帝)を囲む騎士たちの冒険を描く、シャルルマーニュ伝説群です。

 

前述の『アスプラモンテ』も、妖精王オベロンが活躍する『ユオン・ド・ボルドー』も、モルガン・ル・フェイが登場する聖騎士オルランド(ローラン)や聖騎士オジェ・ル・ダノワの物語も、これに属します。

 

本来はアーサー王物語群のキャラである モルガン・ル・フェイ らが結構大きな役で登場している。

当時の創作者たちが、お遊び的に過去の有名キャラを取り入れているだけでしょう。

とは言え、広義に見るなら、シャルルマーニュ伝説群はアーサー王物語群の一部、もしくは世界観・時間軸が接続した姉妹編だと捉えることも可能かもしれません。アーサー王の時代から大体300年後のフランスを舞台にした続編、という感じで。

  

シャルルマーニュ伝説では、高位の騎士…例えばシャルル大帝シャルルマーニュに仕える十二勇士は「パラディン Paladin」と称されました。

これはラテン語「パラティヌス palatinus」に由来し、本来は「皇帝近く仕える戦士、近衛騎士、高官」というような意味です。

しかし十二勇士に「高潔な騎士」のイメージがあったためか、日本語訳されると「聖騎士」とされました。

この言葉が色々なファンタジー漫画やゲームなどに取り入れられ、今や定着しています。

 

言わずもがなですが、『七つの大罪』の「聖騎士」という肩書も、これが元ネタなんでしょうね。

 

 

次に、機能の元ネタ。 

霊槍シャスティフォルは自動的に飛んで攻撃し、また手元に戻ってくる必中の大槍です。

 

この機能は、北欧の主神オーディンが持つ魔槍「グングニル Gungnir」によく似ています。投げれば必ず敵に当たり、一説に、自動的に手元に飛び戻ってくると。

 

シャスティフォルは妖精界の世界樹たる神樹から作られています。

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グングニルにも世界樹ユグドラシルの枝から作られた説があり、その点も似ていますね。

(歌劇『ニーベルングの指輪』に「大胆な神オーディンが訪れて、己の片目を代償に世界樹の根元に湧いた泉の水を飲んで叡智(魔力)を得た、そして強神たる己に相応しい槍の柄にするべく世界樹の一枝を伐り取った」と運命の三女神ノルニルが歌う場面があります。

彼女たちは世界樹が枯れぬよう泉を守護していたのですが、この一件が起因となって森が壊れ、木々の葉は落ち泉も枯れて、世界樹は失われたのでした。)

 

なお、グングニルを作った鍛冶師は「イーヴァルディの息子たち」だと言われています。彼らは小人ドゥエルガル(英語でドワーフ)です。妖精エルフ小人ドワーフは本来、さして区別のないものでした。つまり、グングニル妖精の作った槍なのです。

 

グングニル」とは古ノルド語で「どよむもの、とどろき動くもの」を意味します。戦場の騒音を意味すると解釈されることがありますが、それをも含めた「万象を動かす神の大きな力」を暗示したものかもしれません。(例えば日本神話のスサノオ神が天界に向かうと、世界がどよめき動いたとされています。)

『轟音をたてる=敵に当たる』ことだと見做して「貫く」意味だと解説されていることもあります。

 

 

放てば必ず当たる必中の槍や弓矢は、伝承の世界で散見できるものです。

たとえば、メリオダスとエリザベスの息子 トリスタンが森で隠れ暮らしていた時代に、必中の弓矢を持っていたと語られることもあります。

 

「森に潜み必中の弓矢を持つ猟師」には、古い時代の神……異界の主・冥界神のイメージが感じられます。

過たず命を奪う「死」の面。多くの獲物を狩り 豊かな食料を分け与える「生」の面。生と死の両極面を持つのが、冥界神の特徴の一つです。

 

『ユオン・ド・ボルドー』に登場する妖精王オベロンも、森(異界)に暮らし、どんな獲物も仕留められる必中の弓矢を持っていたと語られていましたっけ。

 

 

黒妖犬ブラックハウンドオスロ
 ⇒黒妖犬ブラックハウンド

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作者さん曰く、「オスロー」の名に意味や元ネタはなく、「可愛いから付けた」のだそう。

 

けれど、彼の種である「黒妖犬ブラックハウンド」の方は、明らかに伝承が元ネタですよね。名前そのまま、イギリスに伝わる妖精犬(犬の妖怪/犬の怪異)です。

 

元ネタの前に、まずは『七つの大罪』における「黒妖犬ブラックハウンド」の設定を見てみましょう。

 

キング曰く

「妖精界と人間界の狭間に住む妖精の一種で オイラの古い友達さ」

「彼らは 呑み込んだものを 別の場所に転送する 不思議な力を持ってるんだ」

「豚肉が大好きなんだ」

ホーク曰く

「狙った相手には絶対背を向けず 仕留めるか 自分てめえの命尽きるまで追いつづける…!!! とんでもなく狂暴な怪物だ!!」

「う… 噂は本当だったのか…!! 黒妖犬ブラックハウンドは 相手に警戒心を抱くほどに 体がバカでかくなるって………!!」

ジェンナ曰く

「これは珍しい 絶滅したと思っとったが」

 

第17話にて、オスローは<豚の帽子>亭に因縁をつけた聖騎士見習いたちを襲っています。喰い殺したように見せかけて、(口の中を通して)余所に転送しただけでした。これはキングの指示だったようです。

しかし小説『セブンデイズ』を参照するに、キングの不在時代、妖精王の森をエレインと共に守護していた黒妖犬ブラックハウンドたちは、侵入した人間を本当に喰い殺していたらしい。

キングやエレインが森を守るため多くの人間を殺していたように、オスローも、実は 人喰いの経験が豊富なのかもしれません。

 

とは言え、基本的にオスローは温厚。

キングに特に懐いていますが、エレインの召喚や指示にも従いますし、初対面のマトローナにしっぽを振るくらい人懐っこい。マトローナの子供たちとも転げ回って遊んでいました。

 

現在はホークの弟分(残飯処理騎士団 団員)でもあるようです。

豚肉が大好きなオスローにとって、元々ホークは「おいしそう」な存在でした。それがドルイドの聖地での修行で、ホークの食い意地と「変身トランスポーク」を見て評価を改め、今は団長として 尊敬しています。

(21巻のおたよりコーナーコメントを見るに、未だに「ちょっとだけ」美味しそうだと思っているようですが。)

 

ただし、21巻描き下ろし番外編見るに、ホークへの尊敬の念は、結構 怪しくなりつつある…?

今となっては、虚勢ばかりで デタラメなホークに呆れながらも、見捨てきれず、振り回されつつ世話を焼く関係になっている模様。

 

キングが落ち込んでいる時も寄り添って慰めますし、オスローは面倒見がよくて優しい性格なんですね。

  

 

 

さて。

オスローの元ネタとして第一に挙げるべきは、スコットランド高地の「妖精犬クー・シー Cu Sith」です。(ゲール語で「クー」が犬、「シー」が妖精・妖怪の意味。)

 

オオカミに似た外観(立ち耳)で、暗緑色でモフモフの毛並み、尾はくるりと丸まっている。二歳の雄牛ほど大きい。

一本の線上を、人間と同じくらい広い歩幅で、音もなく滑るように歩く。

狩りをするときは むやみに吠えず、たまに三度だけ唸るのですが、その恐ろしい声は遠い海上の船に聞こえるほど。

妖精の丘(妖精界)に暮らすような高位ハイ・クラスの妖精たちの飼い犬で、番犬やペットとして可愛がられている。けれど、はぐれて一匹でうろついているのに人間が遭遇すれば危険。

一説に、高地の岩の裂け目(あの世に通じる闇)が彼らの棲み処で、高地や荒野をうろついていることがある。

その吠え声は死の予兆で、聞こえれば近い将来 死人が出ると言われることもある。

 

オスローの立ち耳や暗緑色の毛並みといった容姿や、妖精王の友(ペット・番犬)という立ち位置は、妖精犬クー・シーの特徴にそっくりですよね。

 

  

妖精犬クー・シー以外にも、イギリスには「黒妖犬」と和訳されることのある黒犬の怪異が伝えられています。それが黒妖犬ブラックハウンドオスローの、第二の元ネタでしょう。

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伝承上のそれは、必ずしも「黒い猟犬ブラックハウンド Black Hound」とは呼ばれず、単に「黒い犬ブラックドッグ Black Dogs」と呼称されることが多いようです。

あるいは「幽霊犬ファントムドッグ Phantom Dogs」「幽霊黒犬ファントムブラックドッグ Phantom Black Dogs」とも。 

なにしろ、地域や時代、民族によっても異なる名で呼ばれるのです。

 

ノーフォークやサフォークでは「黒い魔ブラックシャック Black Shuck」「魔犬シャッキードッグ Shucky Dog」など魔物の名で呼ばれ、ヨークシャーの「バーゲスト Barguest」やリンカシャーの「毛むくじゃらのジャックヘアリー・ジャック Hairy Jack」といった妖精(怪異)も、時に、モフモフの黒犬の姿で現れるとされます。

 

出自や細かな性格が異なるので、それぞれ別物と見てもいいかもしれませんが、要は「仔牛やロバほども大きな、黒くて目がギラギラ光って幽霊的な猛犬が、不吉を伴って現れる」というイメージが、イギリス全土に浸透しているのです。(基本、「垂れ耳」で長めの毛足だと想像されています。)

 

彼らは主に夜間、この世とあの世の境に出現します。十字路・絞首台の建っていた道路・墓場や教会の敷地・垣根や橋のある場所・荒野・森など。

妖精犬クー・シーと同じく、「姿や声を見聞きしたら、病気になる・その場で死ぬ・近隣に死人が出る」などと恐れられます。 

例外的に、エセックスに伝わる黒犬「魔物シャック Shuck」や、サマセットの「闇の犬ガートドッグ Gurt Dog」は、道に迷った旅人や子供を助けると言われますが、基本は不吉なのです。

 

これら黒犬の怪異は1970年代まで目撃談があり、日本のカッパやツチノコのような、「もしかしたら本当にいるかもしれない」と信じられていた存在だったようです。

 

以下、有名どころの黒妖犬のエピソードを、幾つか並べてみましょう。

 

マン島・ビール城の黒犬

マン島の歴史と描写』(ジョージ・ウォルドロン/1731)より。

マン語では「黒犬モーザ・ドゥーグ Mauthe Doog」などと呼ぶ。

 

ビール城では、たびたび黒犬の霊が目撃された。特に現れるのは守衛室で、夜になり暖炉に火を入れるや現れて、側に横たわるのだという。

それは日暮れと共に、城と守衛隊長の部屋を結ぶ通路の辺りから現れ、夜明けには再び そこから消え去る。その通路は教会の土地を通り抜けていた。

兵士たちは怪異に慣れてしまっていたが、それでも畏怖は忘れず、夜間に例の通路を通る際は必ず二人組で行動していたし、幽霊犬の前で冒涜的な行動をすることもなかった。

ところが ある晩、泥酔した兵士が「幽霊犬など怖いもんか」と、一人で通路へ向かったのだ。不気味な物音が響いたが、誰も見に行く勇気を持てなかった。

やがて兵士は帰ってきたものの、恐怖で顔も四肢も醜く歪んでおり、何が起きたか語れぬまま3日後に悶死したという。

 

イングランドブライスバーグ教会の雷獣

1577年8月4日、イングランド東部・サフォークのブライスバーグ教会に雷が落ち、屋根の掃除をしていた男と少年の二人が死んだ。

その「黒い悪魔犬ブラックシャック Black Shuck」(一説に、額に一本角が生えていた)は尖塔の屋根を爆発的に突き破って教会内部に躍り込み、集まっていた人々の間を駆け抜けて、三人の男に重い火傷を負わせた。

犬はどこかへ駆け去り、教会のドアには犬(悪魔)の爪痕が残されていたという。

 

イングランド・ニューゲートの黒い犬

13世紀に飢饉が起きた時、ロンドンの二ュ―ゲート監獄の囚人たちは満足な食事を与えられず、密かに囚人間で殺害と食人を行っていた。

魔法を使ったという罪で収監された裕福な学者は、判決を待つ間も与えられず、数日で餌食となった。

その夜から、監獄内に炎のように爛々と目を燃やし口から血を滴らせた黒犬が現れ、人を襲うようになった。囚人たちは例の学者が復讐のため犬に姿を変えて地獄から戻ってきたと考え、中には、姿を見ただけでショック死した者もいたという。

囚人の中には看守を殺して脱獄・逃走した者もいたが、黒犬はどこに逃げても現れた。

 

監獄は1902年に解体されたが、今も、その跡地を彷徨う黒犬が目撃されると言われている。

 

アイブレット橋の黒犬

ノースヨークシャーのアイブレット橋は、16世紀に作られた石橋。ここに黒犬の亡霊が現れた。最後の目撃情報は約100年前である。

伝えられるところによれば、その犬には首がない夜に吠え声が聞こえたり、橋から川に飛び込む姿が見られたりする。それは死が近いことを報せる予兆で、見た者は みな、1年以内に死んだという。

 

この他、似ているけれど異質な話に「教会グリム」の伝承があります。

(「グリム Grim」は叫び声をあげて不吉を警告する系の守護霊的存在を指す。語源的には、あの世から来て彷徨う霊…北欧の主神オーディンの別名に由来し「頭巾や仮面で顔を隠した者」の意とされる。)

 

古く、イギリスや北欧には、新しい墓地に埋葬される最初の者は、そこに留まって守護霊になるという信仰がありました。

しかし後に入ってきたキリスト教の教義に照らせば「天国に行けず悪魔になる」ことになってしまう。

折り合いをつけるべく、動物を最初に埋葬する慣習が生まれたようで、イギリスでは黒犬が用いられました。墓地の北側に黒犬を生きたまま埋めたと。それは守護霊となって教会を守ったそうです。人柱ならぬ犬柱ですね。

この黒犬の霊を、黒妖犬の一種に数える見方もあるのでした。

 

 

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「黒妖犬」は幽霊犬が単独で現れる怪異です。一方で、幽霊犬が群れ成して現れる怪異もあり、「悪魔の猟犬群 Devil's Dandy Dogs」や「ガブリエルの猟犬群 Gabriel Hounds」などと呼ばれます。

 

群れで現れる黒妖犬は、単独時とは異なる性質を持っています。

まず、「空を飛ぶ」。

夜空を吠えながら群れ飛んでいくとか、荒野を駆ける足が宙に浮いているなどと言われます。

 

次に、「あの世の王に率いられ、猟を行っている」。

何を狩っているかって? 人間の魂です。

彼らは「罪を犯したため救われない」人間の魂を追い立てる猟犬なのです。

 

夜道で彼らに遭遇したら、狩りに巻き込まれて魂を取られぬよう、神に祈らねばなりません。

夜間、家の上を彼らが吠えたてながら飛んだなら、その家から死人が出ると恐れられていました。

  

エピソードを一つ 。 

コーンウォールの悪魔の猟犬群

風の強い夜、貧しい牧夫が荒野を横切って帰路についていると、遠くから猟犬たちの吠え声が聞こえてきた。

こんな時間にマトモな猟師がうろついているはずはない。

牧夫は必死に走ったが、恐ろしい吠え声と猟師の角笛は近づいてくる。肩越しに振り向けば、ギラギラ目を輝かせ角を生やした黒い猟犬たちと、馬を駆る恐ろしいモノが迫ってくるのが見えた。馬は黒く、その目と口からは炎が漏れ輝いている。

 

逃げても無駄だと悟り、牧夫はひざまずいて必死に神に祈った。

その間に猟犬たちが追いついた。

すると黒馬の猟師が甲高く角笛を吹き鳴らし、コーンウォールの言葉で言った。

少年は祈っているぞボウ・シュロウブ

犬たちは唸りながらも尻尾を足の間に入れて後退した。

猟師は馬を宥めて再び角笛を吹き鳴らし、一群は向きを変えて駆け去った。もっと罪深き魂を探しに行ったのだろう。

牧夫は神に感謝しながら家に帰ったという。

 

 

悪魔の猟犬群は、イングランド南西部(コーンウォール、サマセット、デヴォン辺り)では「ウィシュトの猟犬群ウィシュト・ハウンド Wisht Hounds」「イェースの猟犬群イェース・ハウンド Yeth Hounds」「エールの猟犬群エール・ハウンド Yell Hounds」などと呼ばれます。

 

「ウィシュト Wisht」とは「幽霊的な」という意味の古英語で、オーディンの別名「ウィスク」に由来するとされます。

「イェース Yeth」の方は「荒野ヒース Heath」に関連するのではという説があります。

 

これらイングランド南西部の黒犬たちは、狩りの角笛を吹き鳴らしたり・狩りの棍棒を持っていたり・馬を駆っている、黒っぽい主人に率いられ、人がいないはずの夜の荒野ヒース湿地ムーアを横切って岩の彼方へ駆け去るのです。

一説に、この犬たちには頭がありません。しかし、頭はあって「火と煙を吐く」と言われることもあります。

 

彼らは洗礼前に死んだ子供の魂を狩っています。

キリスト教カトリック)では、俗に、死産などで洗礼を受けずに死ぬと天国へ行けず煉獄を彷徨う哀れな存在になるとされていました。日本で言う「水子霊」に近いでしょうか。

あるいは、猟犬たち自身が その子らの魂で、親に復讐するため犬の姿で あの世から舞い戻ったのだと言われることもあります。

 

この怪異は日曜の夜に起きやすく、これを見るか声を聞いた者は、その場ですぐ、或いは1年以内に死ぬとされます。

ただし、遭遇したら その場に伏せて手足を組んで神に祈れば、難を逃れるそうです。

 

 

悪魔の猟犬群は、イングランド北部(ヨークシャー辺り)では「ガァブル・ラチェット Gabble Ratchets」「ガァブル・ラケット Gabble Rackets」などと呼ばれます。

「ラチェット/ラケット Ratchet/Racket」は猟犬を意味し、「ガァブル Gabble」は天使ガブリエルのこと…ではなく、ガチョウなどの水鳥がガーガー鳴く意味です。

 

大きな人面犬の群れが、ガーガーギャアギャア鳴きかわしながら夜空を飛び、罪人の魂を追っていると想像されていました。

不吉ゆえに、その声が聞こえると人々はこぞって屋内に隠れたと。

 

この怪異、現代では合理的な解説がなされています。

即ち、雁などの渡り鳥が夜間に群れ飛びながらガーガー鳴いていたのが正体だと。

日本の妖怪・ヌエの正体を、夜に鳴く鳥 トラツグミと解す説と似ていますね。

 

世界的に、鳥と霊のイメージは重ねられています。日本でも、英雄ヤマトタケルは死後に白鳥となって飛び去りました。

よって、あの世から渡ってくる「騒々しい」幽霊犬は、夜に遠くへ渡っていく「騒々しい」鳥と同一視し易かったのかもしれません。 

 

 

さて。

ウェールズでは、悪魔の猟犬群は「あの世の猟犬クーン・アンヌン Cwn Annwn」「母の猟犬クーン・ママイ Cwn Mamau」と呼ばれます。

その姿は基本的に見えませんが(駆け抜ける彼らは風として感知される)、「悪魔」もしくは「灰色の猟師」に率いられた、赤耳の白い猟犬の群れと想像されます。(ケルトでは赤は「死」、白は「霊」のイメージカラーです。)

この猟犬たちは、「アンヌン」へ連れていかねばならぬ魂を吠え声で呼び集めます。連れていくべき魂が いない日は、洗礼前の赤ん坊や懺悔しない罪人の魂を連れ去るのです。

 

「アンヌン Annwn」はウェールズに伝えられる異界で、桃源郷・常若の国・冥界・地獄、そして妖精界と言い換えられる「あの世」です。しばしばアヴァロンと同一視されます。 

ケルト古伝承集『マビノギオン』の『ダヴェドの大公プイス』に、アンヌンの王(冥王/妖精王)アラウンが、猟犬たちを伴って現れる場面があります。

彼は灰色の衣をまとって馬に乗り、猟犬たちを率いて、彷徨う魂を追っているのでした。

 

 

七つの大罪』で、妖精王であるキングがオスローを伴って現れたとき、この辺のイメージが浮かんで、とても相応しく思えてワクワクしたのを覚えています(笑)。

惜しむらくは、現時点でオスローが飛べないということですね。

キングと一緒に空を駆けてくれたら、それこそ伝承の「妖精王(冥王/あの世の猟師)と猟犬」そのままのイメージになるのに。

いつか、飛べるようになるといいのになあ。

 

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さておき。 

「冥王(妖精王/あの世の猟師)に率いられた猟犬群」は、西欧に広く伝わる「荒猟ワイルド・ハント Wild hunt」伝承群の一端でもあります。

 

  • (ディアンヌの元ネタである)女神ディアナ(アルテミス)が、小女神(女妖精ニンフ)たちを引き連れて疾駆し、夜の狩りを行うこと。
  • 北欧の魔槍 持つ神オーディンが、黒犬や古代の英霊や妖精や怪物や成仏できない死霊や戦女神ワルキューレや、ありとあらゆる霊的存在を引き連れて、冬の夜に猛風となって疾駆すること。
  • ドイツのベルヒタやホルダなどの女神(魔女)が、魔物を引き連れて練り歩き、宴会すると言われていること。
  • 古代イングランドのヘルラ王が、妖精王(小人の王)の結婚式に出席し三日滞在して帰ると200年経過しており、そのまま馬から降りると浦島太郎よろしく塵となって死ぬため、土産に持たされた小さな猟犬が馬から飛び降りる日まで、従者たちと共に彷徨い続けているとされること。
  • 死後にアヴァロンの王(冥王)になったアーサー王が、冬の風の強い夜に猟犬を率いてサマセットの古道を疾駆するとされること。
    あるいはハロウィンの夜に、自分が葬られている妖精丘の周囲を、騎士たちと共に馬に乗って一巡り疾駆すると言われていること。
  • 日曜に教会で礼拝せず狩りに興じた君主が、神罰により、猟犬と共に永遠に狩りをし続けているとされること。(類話が欧州各国にあり、名前と細かな設定は それぞれで異なる。)
  • ハロウィン・夏至・五月祭などの、この世と あの世が近づく夜に、妖精王と妖精女王が従者たちを引き連れて華やかな「妖精の騎馬行列フェアリー・ライド Fairy ride」で行進するとされていること。
    (これは死者の行列でもあり、妖精界の住人になっていた死者を連れ出すことができれば、人間として生き返らせることができるとも言われている。)

これら全て「荒猟ワイルド・ハント」です。

 

主に冬の夜、霊的存在の集団が暴風のごとく暴れ回る、狩りをする、行進するというもの。

日本の『宇治拾遺物語』や『今昔物語』などにある「百鬼夜行」と、難を逃れる方法に至るまで、よく似ています。

 

荒猟ワイルド・ハント」は、伝承上の「妖精王ハーレクイン」を語るために欠かせない要素なので、ちょっと心に留めておいてください。

そちらの項(最終項)でも、また触れたいと思います。 

  

 

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【4ページ】の内容は「ヘルブラムのこと」「ゲラードの名前のこと」「妖精王ハーレクイン(もう一つのキングの元ネタ)」です。

 

 

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