『七つの大罪』ぼちぼち感想

漫画『七つの大罪』(著:鈴木央)の感想と考察。だいたい的外れ。ネタバレ基本。

【感想】『七つの大罪』第190話 魔宴

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週刊少年マガジン 2016年41号[2016年9月7日発売] [雑誌]

第190話 魔宴

  • メリオダスが撃ち返した「灰燼龍」に包まれるデリエリ、彼女を抱きしめ庇うモンスピート。
    その爆炎は、数km離れたリオネス王都からも はっきり視認できるほど大きかった。

  • 「…何が起こっている?」城内に轟く振動に、フラウドリンは顔を上げる。「モンスピートの放った魔力が一気に膨れ上がり モンスピートとデリエリの気配を消し去った…」
    怪訝そうに眉根を寄せた。
    「これは まるで全反撃フルカウンター …だが奴は死んだはず」
    ◆「気配を消し去った」と言ってはいますが、死んだとは限らないですよね。
    第一部のバィゼル喧嘩祭りの際、メリオダスディアンヌの気配が感じられないとキングが心配する場面がありましたが、二人とも、封印されたり谷底に落ちたりしていただけでした。
    物理的に隔てられたから…というよりは、「気を失うと気配も消える」のではないかと思っています。
  • 「てめえっ 降りてきやがれ!!!」
    フラウドリンの足の下、吹き抜けの階下から、怒鳴る声が聞こえた。
    <蒼天の六連星>の一人、アーデンだ。
    悲憤の涙を浮かべる若者の周囲で、他の団員も憎しみを滾らせて魔神を睨んでいる。
    「魔神族<十戒>絶対に許すまじ!!」と、ワイーヨ。
    「我ら<蒼天の六連星>この命にかえて貴様らを滅ぼす!!」とデスピアス。
    「デンゼル様を よくも…」歯を食いしばるデルドレーの目からも涙が溢れ、こぼれ落ちていった。
  • 「フン…雑魚どもが まだ生きていたか」
    腕を組んで、魔神は悠々と見下ろす。幾分かの哀れみを含めて。
    「…身をわきまえろ 私と戦うには 力量不足もいいところだ」
  • 「ならば 私も加勢させてもらおう」
    剣を片手に六連星自分たちの後ろに現れた男を見て、ドゲッドが目を剥いた。
    「てめぇは…!!」
  • 「その身体は我が友のもの」「…今日こそ返してもらうぞ」
    苦しげな表情で階上の魔神を見上げる男。ヘンドリクセンだ。
  • 「ヘンドリクセン…………」
    魔神も じっと見下ろした。
    「バカめ… せっかく生かしておいてやったものを」
  • 「誰が てめぇの手なんざ借りるか!!」
    男二人の間に流れる神妙な空気を破って、ドゲッドが喚く。
    「ドゲッド! 今は そんなこと言ってる場合じゃない」とデルドレーにたしなめられても、治まりはしなかった。
    「てめぇは あくまで俺のダチの仇だ!!」
    彼の親友は、王都決戦の際に魔神化ヘンドリクセンに殺されたのである。ムシが よすぎるではないか。人の親友を殺した男が、己の親友は救おうなどと。
  • ヘンドリクセンは落ち着いた様子で歩を進め、視線を向けず、胸を張ってドゲッドの前を通り過ぎた。
    「この戦いが済んだら 私のことは好きにしてくれて構わない」
    「…っ」
    言葉に詰まるドゲッド。
    ◆わんぱく三人組の前に王都決戦後初めて現れた際も同じでしたが、ヘンドリクセンは「謝罪」は口にしません。キングに「弁解するつもりはありません、ドレファスを救ったら報いは受けます」と言ってたけど、それが彼の美学プライド
    それとも、一ヶ月の間にしてたんでしょうか。ドゲッドが許さなかっただけで。
  • それらの様子を見て、ギルサンダーが周囲に呼びかけた。
    「ハウザー スレイダー 俺たちは陛下たちの護衛に徹しよう!!」
    応じるハウザー。
    「だな…」「戦えねえ俺たちじゃ 足を引っぱるだけだ 他にも城内には 大勢の侍従や侍女がいるはず」
    エスタロッサの戒禁により、ギルサンダーらやバンは戦闘行為を封じられている。しかし、盾となって彼らの脱出を助けることはできるはずだ。
  • 「マーガレット! …キミは この俺が命に代えて守る!!」
    「ギル」
    絶望的な状況の中で、強張りながらも互いに微笑みを向け合う恋人たちの様子を、無言で見るギルフロスト。
  • 「さあ ベロニカ様 私たちが引き付けている間に!!」
    冷や汗に濡れながらも脱出を促すギーラに、ベロニカは険しい顔で返す。
    「ギーラ!」「ジールは… あんたの弟は必ず守る だから あんたも必ず生き残るんだよ!」
    「ベロニカ様…」
  • その時、ベロニカの顔色が変わった。
    ギーラの背後に向けた目が、大きく見開かれていく。
    「な…」「あれ…は……」
  • 吹き抜けの階上の手すりに立つフラウドリン。その背後からゆっくりとせり上がってくる、奇妙で巨大なもの。
    黒い枝に大きなシャボン玉の実を鈴なりにした巨木…? いや、樹形に広がる黒い血管に繋がる無数の嚢胞のうほうか。
    海藻に産み付けられた魚卵をも連想させる、その透明な丸い胞の中に、一つに一人ずつ、人間が入っている。侍女、兵士、従僕…どれも見覚えのある顔ばかりだ。
    ぐったりと目を閉じた体は、内部に満たされた水にゆらゆらと揺れていた。その鼻や口のあたりから、時折 空気の泡が昇っていて、死んではいないらしいのが判る。だが、苦しげに眉根を寄せたまま目を開けはしない。
  • 透明な胞を鈴なりにした黒い枝は、無数の灰色の仮面に繋がっていた。<十戒>グレイロードである。
    「城内の人間は全て捕獲完了」「宿主の状態は良好………」
    無機な声音で、異形の魔神は報告した。
  • ジーーーーール!!」
    ギーラが血相を変える。胞の中で眠る幼いジーを見つけたからだ。侍女たちと共に城内の使用人用食堂に隠れていたはずなのに。
  • 「あれは…なんだ?」唖然とするハウザー。「卵?」
    バルトラ王やサイモンも言葉がない。
  • 胞の一つには、侍女たちの部屋の護衛を買って出ていたはずのジェリコも入っていた。赤ん坊のように身を丸めて意識を失っている。
    「ジェリ…コ…!」
    スレイダーに担がれているグスタフが顔を上げ、掠れた声で妹の名を呼んだ。
    「何をするつもりだ?」
    彼女の兄貴分を自負するバンも、怒りの顔で一歩前に出る。
  • 「諸君 静粛に」パン パン と両手を叩いて、フラウドリンが注目を集めた。
    「君たちは これから世にも珍しいグレイロードのショーの目撃者となるのだ…」
  • 「グレイロード………!」デスピアスは反芻する。「奴は たしか―――――…」
    以前、ゼルドンの研究棟で、フラウドリンから紹介を受けたことがある。彼の友人で、<十戒>であり、その戒禁は……。
  • 愉しげに嗤いながら、フラウドリンは改めて友人の紹介を始めた。
    彼女は雌雄の区別のない下位魔神から突然変異的に誕生した 上位魔神でな…」「女王型とも呼ばれる希少種なのだ」「その名の由来通り 彼女は魔力なき生物に卵を産みつけ己が子供を誕生させる」「女王を護る 忠実な兵士を… な」
  • 「……!!」
    ヘンドリクセンが身を震わせた。
    「そうだヘンディ」親しい友人のように愛称で呼んで、フラウドリンは指摘する。「お前が かつてやった新世代の実験と同じ理屈だ」
    「相違点を挙げれば」「彼女の卵は非常に優秀がゆえ 失敗がない」「さらに宿主の姿を残すことなく 純度の高い魔神を生み出すのだ」
  • 「早く助けねーと!!」
    言うや、アーデンが一息で二矢を放った。過たず胞のへた部分を分断し、二つの胞が床に落ちて水風船のように割れたが。
  • 「おっと すまんすまん 一つ言い忘れていたことがあった…」
    フラウドリンが わざとらしく とぼけた顔で言い足した。
    「卵の中身は 外気に触れ 一定の温度に達することで急速に成長するんだった」
  • その言葉通り。床で割れた胞の中身…若い侍女と中年の侍従の身体がボコボコと膨れ上がり、粘液を滴らせながら、異形となって立ち上がったではないか。
  • 「う… あ…」喉を震わせるデスピアス。「あ… 悪夢だ!!」
  • フラウドリンは口元を笑いの形に吊り上げた。
    未だ人間の大きさで服も身に着けているものの、姿はすっかり灰や赤の魔神に変化した、その二体を示しながら。
    「貴様らが外で何匹も葬った魔神の幼生の」「誕生だ」
  • ギルサンダーが、肩越しに英雄の一人を呼んだ。
    「バン殿!!」
    王都決戦時にも、魔神の力を移植された「新世代」たちが異形化したことがあった。その殆どを元の人間に戻してのけたのが、<七つの大罪>バンとキングのコンビだったのだ。
    ◆ほう、ギルサンダーってバンには「殿」を付けて呼ぶんですね。
    メリオダスとキングのことは呼び捨てでしたが。…気安さの差?
    他の<大罪>はどう呼ぶんでしょう。マーリン、エスカノールには「殿」を付けそう。ゴウセルは微妙。ディアンヌは呼び捨て?
  • 「ハッ てめぇに言われるまでもねぇ♪」
    ユラ…と体を揺らして進み出たバンが、異形と化したメイドたちめがけ、魔力を込めた手で何かを掴み取る動作をする。
    獲物狩りフォックス ハント
  • ところがだ。
    「…!?」
    開いた手にあるのは粘液だけ。空っぽだ。
    新世代からは、顔のある肉の球根を奪い取ることができた。それを潰しさえすれば、異形化した者を元に戻すことができたのだが。
  • フラウドリンが したりと嗤う。
    「<強欲の罪フォックス・シン>バン 貴様が奪い取ろうとしたのは球根だろうが」「産みつけたての卵は ゴマ粒程度の大きさでしかないんだよ」
    ◆ん? じゃあ、時間が経てば球根サイズになるの? そしたらバンの力で奪えるの? …いや、宿主の姿を残すことなく魔神化させると言ってたから、どちらにしても もう手遅れなのだろーか。

    「力」という目に見えないものさえ奪う<強奪スナッチ>が、ゴマ粒程度だろうと「形あるもの」を奪えないのは不思議な気もしますが、制限はあるべきなんでしょうね。(バンに限らず、)キャラが全能すぎると、逆に物語の幅が狭まってくるので。
  • 「チイッ」舌打ちしてドゲッドが飛び出した。
    「どいてな英雄さん 俺がブチ殺す!!」
  • ハッとするデスピアス。
    「ダメだ…ドゲッド!!」
    十戒>グレイロード。奴の戒禁は、確か……!
  • 爆進拳ブースト ハンマー
    制止の言葉は間に合わず。次の瞬間にはもう、ドゲッドは『気』のハンマーを両手で振り下ろし、全身で魔神の幼生たちを突き抜けていた。
    身体に大穴を開けられ、呆気なく死ぬ幼生二体。
  • 「フン…」「悪く思うなよ…」
    そう言って振り向いたドゲッドの顔が。
  • 「ドゲ…」目を剥くワイーヨ。
    「キャッ…」デルドレーは悲鳴をあげた。
  • ドゲッドの顔が、一瞬で萎れた。まるで100歳を超えた老人のように。
    肌がたるんで染みが浮き、目は濁り、抜け落ちた歯がバラバラとこぼれ、頭髪も塵のように散っていく。
    本人に、何が起きたかの自覚はあったのだろうか。一言も発しないまま、枯れ枝のようにバサッと倒れた。
  • 「ど…どうなってるの!?」
    一瞬で100年を早回ししたかのよう。干乾びたミイラとなった仲間を前に、デルドレーは混乱するばかりだ。
  • グレイロードが無機質な声音で告げた。
    「我は<十戒>「不殺」なり」「我の前で「殺生」を行うものは 全てのときを奪われる」
  • 嗤うフラウドリン。
    「さあ 選択するがいい 孵化する化け物どもを殺して死ぬか―――」「孵化した化け物どもに殺されるか… くっくっ」
  • 「最悪だ……!!」と あえぐハウザー。
    サイモンは歯噛みしている。「打つ手がない…!!」
  • ギルサンダーは再び憎しみで燃え上がった。
    「くそ……」「メリオダスが生きていればお前らなぞ!!」
  • 「ギル…」
    ここにいない英雄に、最後の希望のように縋る恋人の背を、気遣わしげに見つめるマーガレット。
  • 「はっはっはっはっ」
    フラウドリンは、実に愉快そうに大笑いした。
    「奴が生きていたところで この状況はどうにもできまい」
  • 「ギル… 私なら平気」「あなたとなら死も怖くない…」
    ついに観念したマーガレットの、涙を浮かべた微笑みに。
    「マーガレット 俺も――――」
    涙を浮かべて応じながら、若者は悔しさを隠せていなかった。
    命に代えても守りたかったのに。こんなことを言わせたくなかったのに。その力が、自分には なかったのだから。
  • 「ダメ」
    無粋な声が割り入った。
    声だけでなく、身体も割り入って ドンッ とマーガレットを押しのける。
    ギルサンダーによく似た風貌の青年魔術師・ギルフロストだ。
    「ギルは絶対死なせないわ」
    今までとは異なる、まるで女のような口調で言うと、ギルサンダーの肩を右手で掴んだ。
  • 「何を…」戸惑うギルサンダー
    「あなた…」「まさか」顔色を変えたマーガレットの前で、青年魔術師の身体がポウッと煙に包まれた。
  • 煙の中から現れたのは、『ギルフロスト』とは似ても似つかぬ、女性らしい肢体の女魔術師。
    ギルサンダーとマーガレットを10年間 苦しめ続けた女。ビビアンではないか。
    「ビビアン やめ…」
    彼女に肩を掴まれたギルサンダーの姿が薄れて消えていく。
    「悪く思わないで?」
    マーガレットに薄く笑うと、ギルサンダーごと女魔術師の姿は消え失せた。転移魔法を使ったのである。
  • 「ギル!!」
    取り残されたマーガレットの悲鳴が響いた。
    「ギルーー!!」
  • 高みの見物のフラウドリンが笑う。
    「これは驚いた! 謎の魔術師の正体は国を追放された元王国魔術師とは」「ハッハッ 賢い判断だな」
  • 「あいつ… ずっとギルをストーキングしてたのか!?」愕然とするハウザー。
    「ただでさえ戦力が足りていないのに…」憤るギーラ。
  • 「そうしてる間にも どんどん卵が孵化していくぞ~?」
    ニヤニヤ笑うフラウドリンの傍らの枝から三つの卵が外れて、ボチャッと床に落ちた。侍女と、ジール、ジェリコだ。
  • スレイダーに背負われたグスタフが、震える手を伸ばして魔力を放った。
    “フリージング フィールド”
    見る間に凍りつく三つの卵。と言っても、外側だけのようだが。
  • 「卵が凍りついていく…!!」とギーラ。
    「これで孵化できない!」意図を悟ってサイモンが言った。
    卵が割れず、温度が上がりさえしなければ、孵化は抑止されるはずだ。
  • 「グスタフ 無茶をするな!!」
    スレイダーだけは背負った男の身を案じた。彼がどんな状態か、肌に染みて解っているからだ。
    大量の血を失い、青い顔で荒い息を吐き続ける男は、それでも笑みを作って、魔力を発し続けることをやめようとしない。
    「妹を… 二度も…苦しませる…わけには…」「いか…な……い!!」
  • だが。卵は徐々に溶け始めた。
  • 「どうした? もう限界のようだな」
    冷たく揶揄するフラウドリン。
  • 「グスタフ……!!」
    異変に気付いたスレイダーが声をかけたが、彼は ぐったり俯せたまま動かなかった。
  • その直後。
    バキィン、と巨大な氷の結晶が生じた。
  • 「!!?」
    剣山のように四方に伸びた巨大な氷の柱。その一つがフラウドリンの立っていた手すりを直撃し、彼は慌てて跳び逃れた。
    「くっ!!」「なんだ… この強大な魔力は!?」
  • 「…ただの氷の魔力だ」応えは、空中に浮かぶ女魔術師から返った。「――ただし 私が消すまで永遠に溶けることはない」
    その掌中に浮かぶのは、無数のルーンが刻まれた金属球。神器・明星アルダン。
    卵の全てが、彼女が作った巨大な氷の結晶の中に封じられている。
  • 「みんな 遅くなって すまなかった」
    笑み含みに そう謝罪した彼女を、白い息を吐く聖騎士たちは唖然と見上げるばかりだ。
    「う…そ… あの人は…え?」目も口も大きく開けて うわごとのように呟くハウザー。
    「これは夢なのか?」スレイダーも彼女から目を離せないでいる。
    ◆ん? 彼女の登場は、そこまで驚くほど予想外のことだったんですか?
  • フラウドリンすら、聖騎士たちと同じ表情になっていた。
    「なぜだ」「貴様はガランの戒禁によって石と化したはず…」
  • 「少々 実験に夢中になってしまってな…」「だが おかげで満足のいく結果を得ることができた」
    ニヤリと、赤い唇を弧の形に吊り上げる。首筋には<暴食ボア>の紋様シンボル
    「さあ<十戒> ここからは」「そなたらが私の実験台モルモットだ……!!」
    七つの大罪><暴食の罪ボア・シン>マーリンが、嗤いを浮かべて魔神たちを見下ろした。
    ◆やったマーリン来た! …というより「逃げて、<十戒>超逃げて!」という気分になるのは何故なのでしょう。マーリンのキメ台詞が悪役っぽいうえ、凄く悪そうな顔で笑ってるからでしょうか(笑)。

    たまたまなのかもですが、この冷気の中、聖騎士たちやフラウドリンは白い息を吐いている描写があるのに、マーリンには ありません。
    まさか呼吸をしてないとかじゃないですよね?
    それとも、自分の周囲には冷気が来ない高等魔法ってコトなのかな。
  • 次回「満たされぬ女」

ヘンドリクセンが活躍するかと思ったら、一撃の活躍もしないうちにマーリンに話のメインを取られたでござる。

 

 

今回一番カッコよかったのは、グスタフ兄さんだと思いました。

知恵と特殊能力で最大限 何とかしようとした(そして実際、状況突破の指針となった)ところとか。気を失う限界まで頑張ったところとか。

生きのびてほしいです、兄妹共に。

 

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ギルフロストがビビアンだった件

 

…ええ~。

 

ギルフロスト初登場時にビビアンと同じ魔法を使ってたから、その時点でビビアンだと示されてた、と仰る向きもあるかもしれませんが。

雑誌掲載時は、ギルフロストの魔法は「凍結棺と書いて『アイスコフィン』と読ませる」もので、ビビアンの「凍結棺と書いて『フリーズ・コフィン』と読ませる」ものとは違ってました。(単行本で同じに修正されたけど。)

 

また、第175話で、ギルフロストの正体の伏線らしきものとして、思わせぶりに指輪が提示されましたが。

その当時、過去回を読み返して、ビビアンが指輪をつけている場面があるか調べたし、小説版もチェックしました。

しかし(見落としがあるのかもしれませんが、自分が見た限りでは)そのような場面はありませんでした。

 

また、ギルフロストは左手で水晶玉を持ち、左手で胸倉を掴む手を外したりしていて、左利きらしく描写されていました。

そしてファンブックには、ビビアンは右利きだと書いてありました。

  

そんな感じで。

色々チェックして、ギルフロスト=ビビアンではないな、と判断してたのにぃぃ~。

(結局、左手ばかり使ってたのは、左手の指輪を見せるため、という意味しかなかったってことなんかな?)

 

はい、悔しいです。

…や、それだけでなく。 

あたかも、推理小説のラストで探偵が、それまで読者に一度も示されてなかった情報を根拠に「犯人は●●だ」と結論したみたいな。

なんとも言えない釈然としない感がある。

 

皆さんは納得できましたか?

 

正体は既存キャラだった。なのに、正体の伏線として提示された指輪が、存在そのものが初出だとは。

はー(脱力)。

これから後付けで、あの指輪の由来が語られるんでしょうか。

ギルとビビアンの、未だ語られざる思い出の指輪? 左手の薬指にはめてますし、まさか婚約指輪!?

いやいや、実は「マーリンの魔法具・変身の指輪」とか?

 

あと、なんで男に変身して大喧嘩祭りに参加しようとしてたのとかも、明かされるんでしょうか(苦笑)。

優勝してギルのハートを手に入れたかった?

それにしたって、男に変身する必要あるのか?

 

好きな男に似た姿に変身するって、どういう心理なんでしょう。

彼女、実は「男性になりたい」願望でもあるんですか? ギルサンダーへの想いは恋ではなく、同化願望? 

 

 

ギルサンダーってば、正体がビビアンと悟りながら、誰にも言わずに一ヵ月傍に置いて、キツい態度とりつつ戦闘では頼ってたんですね。

実は、ギルってビビアンのこと、そんなに嫌ってないんじゃ…?

少なくとも仕事のパートナーとしては認めてそう。

純愛を捧げる恋愛のパートナー・マーガレットと、愛憎絡み合う仕事のパートナー・ビビアン?

ドロ沼の三角関係が永続することになるのでしょうか(苦笑)。

あーあ。

 

 

ところで。

少し前に、作者さんへの質問コーナーで、妖精族は異性には変身できない、と語られていました。

(これがあったから「この漫画に性別を変える変身はないんだな」と思ってたってのもある。)

でも、人間の魔術師は異性に変身できるんですね。

キングが、自分が妖精族であるとディアンヌに証明すべく挙げた条件が「空を飛べる」「変身できる」でしたけど、どっちも人間の魔術師もできて、むしろ人間の方が優れてたとは…。

なんとなく しょんぼりです。

 

つーか。

人間の魔術師は異性に変身できるのに、妖精族はできないのは、なんで??(確か「しない」のではなく「できない」と説明されてましたよね?)

なにが劣ってるのでしょう。

 

 

ビビアンは、現在放送中のスペシャルTVアニメ『聖戦の予兆しるし』の最終回辺りに登場しそうですから(キービジュアルに描かれてるので)、もしかしたらその辺で、なんらか関連・補完するようなエピソードが語られたりするのかもしれないですね。

 

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グレイロードがメスだった件。

 

グロキシニアが男だったとき並みのビックリでした。

 

ええー。

だったら、グレイロードじゃなくてグレイレディって名前にすればよかったのに~(笑)。

 

15巻での説明によれば、グレイロードは、灰色魔神の「一例だけ存在し」た突然変異種。

そして下位魔神には性別がない。変異種の彼女だけに性別があり、魔力なき生物に卵を産みつけて下位魔神を誕生させることができると。

 

…となると、赤や灰や青の魔神は、魔神の眷属ではあっても「種」ではなく、異種族を変異させて「作り出す存在」なんですかね。基本、一世代の。

エスタロッサが、触れた異種族を魔神に変異させる能力を持っていますが、グレイロードが誕生させる以外では、あんな風に作り出しているんでしょうか。

 

 

ところで。

グレイロードが卵を産みつけるのは「魔力なき生物」だそう。

でも、例えばジェリコには魔力が40ありますよね。

他の人間たちも、微量ながら魂に魔力があるはずです。<十戒>は魔力回復目的で一般人の魂を貪り食っていたんですから。

 

まあ、「魔力なき=魔力が微量しかない」って意味なんでしょうけど。

 

わざわざ「魔力なき生物に」卵を産む設定にしたのは、何か意味があるんでしょうか?

魔力の高い聖騎士たちは、だから卵を産みつけられずに済んだ、ってだけの意味?

もし魔力の高い生物に卵を産みつけたら、どうなるんでしょうね。

 

 

 

下位魔神が異種族を変異させて「作り出せる」存在だったということは、20年前に妖精王の森を焼いた赤き魔神も、森の結界を破って侵入した・元々森の中に封印されていた以外に、森の生き物が何者かに変異させられた、ってセンもでてきたのかな?

 

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グレイロードの戒禁<不殺>のこと

 

「全ての刻を奪われる」とは、どういうことなのでしょう。

その人物の「生きている時間」を奪われるということ?

では、若くして死ぬ運命の者なら、若い姿のまま死ぬ?

そうではなく、肉体を老衰させるだけ?

 

色々謎ですよね。

不死者であるバンやメリオダスはどうなるのか?

キングは若いまま死ぬのか? 老衰するのか?

 

また、発動範囲はどこまでなんでしょうね。

グレイロードの前での あらゆる殺生に発動してしまうと、<十戒>や下位魔神たちはマトモに戦えなくなる。

だから、「グレイロードが仲間だと認識している者」には発動しないんじゃないかと思うのですけども。

 

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フラウドリンとドレファスの話

 

 

今回の作者さんへの質問コーナーは、「ドレファスが両利きなのは、フラウドリンが混じっているから(フラウドリンは右利き)」という話でした。

つまり、ドレファスは本来は左利きなんですね…。

 

とゆーわけで。

王都決戦時のドレファスが、場面場面で どちらの手で剣を使っているかで、その時ドレファスだったのか・フラウドリンだったか(どちらの意識が強く表に出ていたか)を、チェックしてみることにしました。

 

決戦前・ヘンドリクセンとの喧嘩の場面

左手→ドレファス

 

VS.ディアンヌ

左手→ドレファス

 

VS.ゴウセル

左手→ドレファス

 

VS.キング(不意打ち)

右手→フラウドリン

 

王の前で謝罪する場面

左手→ドレファス

 

グリアモールと共に魔神化ヘンドリクセンに立ち向かう場面
(滑ってエリザベスを攻撃)

右手→フラウドリン

 

 

いかがでしょうか。

利き手だけで判断するなら、王都決戦時、ディアンヌゴウセルを倒したのは紛れもなくドレファスですが、息子と共にヘンドリクセンと戦いながら「しまったーー!!」とエリザベスを傷つけた時は、頭から終わりまでフラウドリンです。

 

そして意外なことに、キングに不意打ち失敗して大槍を突き付けられ(この強さ… この威圧感… これが妖精族の王たる所以か…!!)と戦慄してた場面もフラウドリンなんですよ。

 

これ、何か意味があるのかな?

たまたまの作画の都合なんでしょうか。

 

 

 

 

ちなみに、第二部に入ってフラウドリンとして活動し始めてからは、右で剣を使うことが多いのですが、ゼルドンの研究棟では左もよく使っています。(この時は右肩をドルイドの浄めた剣で刺されていたので、左手で剣を使ったという見方もできる。) 

塔を去る時にデルドレーを刺したのは右、塔を破壊したのは左でした。

 

ドレファスとフラウドリンの混ざり具合って、どんなものなんでしょうね。

元通りに分離できるんでしょうか?

右を使ったり左を使ったりしている様子を見ていると、なんかもう分かちがたく混ざってるんじゃないかという気もしてきて、少し怖いです。

 

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マーリンさんが登場しました。石化から完全回復して。

 「実験に夢中になってしまった、いい結果を得られた」と言ってるのが、ちょっと不穏です。

 

どうか、ガランの戒禁に引っかかったのは、身を以て戒禁を解く実験をするためのお芝居でした、なんて言い出しませんように。

うっかり戒禁に掛かってしまったけど、それを利用して、身を以て戒禁を解く実験してました、とかならいいんだけど…。

 

マーリンさんは、やっぱ「元々強かったんですが何か?」とゆーチートな強さで一方的に<十戒>をボコるのかなあ。

マーリンの「暴食(貪欲)」は、フラウドリンの「無欲」と最も相性が悪い気もするんですが、何も起こらないのでしょうか。

 

 

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