『七つの大罪』ぼちぼち感想

漫画『七つの大罪』(著:鈴木央)の感想と考察。だいたい的外れ。ネタバレ基本。

【感想】『七つの大罪』第161話 伝承の者共

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週刊少年マガジン 2016年12号[2016年2月17日発売] [雑誌]

第161話 伝承の者共

  • 壁の穴を潜り、悠々とゴールに到着したメリオダスたち。
    這いずってやっと潜れたディアンヌは「せまい~~」と顔をしかめ、ホークは「む? いい花の香りがするな…」と鼻を動かした。
  • ゴールにいた人々はそれぞれの顔で彼らを見やる。表情を動かさない者が大半の中で、マトローナと幼な顔の吟遊詩人だけは目を見開いた。
  • 「マトローナ!! やっほーー!!」穴から半身だけ出せた状態で、同行者を見つけたディアンヌがウインクしてみせる。
    「無事だったか…!!」
    安堵の言葉を落とした彼女を見上げて、「うお!?」と驚くハウザーと豚。
    ◆やっぱり、破壊した壁、元に戻らなくなってますよね。
  • ちびグリアモールを背負ったヘンドリクセンが歩み寄ってくる。
    「メ… メリオダス殿!」
    「よう! 待たせちまったかな」
    笑って人差し指を振ったメリオダスの隣で、求める者に気付いたバンが大声をあげていた。
    「エレイン…!」
    奥の、大岩の根元近くに愛しい彼女が浮かんでいる。
  • だが、彼女は振り向かなかった。
    隣には彼女よりやや高く その兄が浮いていたが、やはり微動だにしない。全身を緊張させた様子で、一点を…大岩の上を凝視している。
  • 「!?」バンも、そこから吹きつける気配に気付いて顔を険しくした。
  • ジェリコだけは常の様子で、浮かぶエレインのスカートを軽く引く。
    「エレイン! キング! バンもゴールだ!!」
    ハッとした様子でエレインが視線を向けた。
    「え… ええ よかった!」
    そう言いながらも表情は強張っている。冷や汗すらかいている様子だ。それは隣のキングも同様…いや、それ以上だった。
  • ジェリコは戸惑い、鼻白む。
    「…お前ら ここに着いてから変だぞ」「妙に落ちつかねぇ感じでよ」
    大岩の上に化け物がいるのは解っている。例のガランとかいう奴らと同等の、とんでもないモノが。が、その強大な気配に竦んでいるというのとは、どうも様子が違うように見えるのだ。
  • 一方、ギルサンダーとハウザーも大岩上の魔神たちに気付き、こちらは正しく、その魔力の強大さに竦んでいた。
    「あ… あれが…」「ま… 間近で見ると とんでもねぇ威圧感だぜ…」
  • 「引き返すなら今のうちだぞ」と、珍しく真顔でメリオダスが言った。「…あれが<十戒>だ」
    ◆引き返せないですよ、魔神を倒さないと迷宮から出られないじゃん。
  • 「様々な種族の諸君!! この極上の暇つぶし… いや 大喧嘩祭りに ようこそっス…!!」
    大岩の上で、タコ足状の触腕に身を包んだ子供が口を開いた。
    「まずは キミたちが戦…」
    「一つ確認したいことがある!!」
    「……」無粋に割り込まれて、楽しげだった顔がつまらなそうに曇る。
  • 構わずに、割り込んだ声の主…マラキア暗殺騎士団の中心、最も低身長の男は言葉を続けた。
    「お主たちが何者であるかに興味はないが」「願いを叶えるという文言が本物であることを証明し 納得させてはくれまいか」「さもなくば 嘘偽りと判断し 我らを茶番に巻き込んだ代償を払ってもらうぞ…?」
    恐れを知らぬ傲岸不遜な物言いだ。己の力に絶対的な自信があるのだろう。
  • が、魔神はそんな恫喝など歯牙にもかけない。
    「それでは 話のつづきっス まずはキミたちが戦う舞台を用意するっスね」
    「!!」無視された暗殺騎士団が血相を変えたが、構わずに隣の巨魔神に顔を向けてタコ足を振る。
    「よろしくっス ドロール君!」
  • (ド…)ディアンヌが、(ドロール!?)マトローナがぎょっとした。互いに目を見交わす。
  • 「ごまかすつもりか!?」
    暗殺騎士団の怒声を置いて、ドロールは四本の腕で高速に印を結び、「ハ!!!」と気を吐き「うおぉお!!」と込めた力を一気に解放した。
    『”巨神の手甲ギガント ガントレット”』
    ドッと、大岩の左右から巨大な柱のように大地がせり上がる。地震そのもののごとく一帯を揺らしたそれは、彼がバチッと両手を打ち合わせることで停止した。
    もうもうと漂う土煙が治まるにつれ、その全容が明らかになる。
    超巨大な両掌。バイゼルの大岩を左右から包み込む形のそれは巨魔神が小さく見えるほどの大きさで、月明かりに白く浮かび上がっている。
    十本の指は天に向かって伸ばされていた。平らにならされた そのいただきが、それぞれ円舞台リングになっているのだ。
  • 「すばらしい!!」タコ足に包まれた子供は讃え、岩の下の参加者たちに目を向けた。
    「ここがキミたちの戦いの舞台っス!」「とっとと始めたいんで 参加者は ここらで打ち切りにするっスね」「ということで まず迷宮をうろつくゴミ虫くんたちを」「一掃しちまうっス」
    うすら笑いを浮かべた子供の周囲を、取り巻いていたタコ足状の触腕が猛スピードで回りだす。解けた紐が全身を包み、竜巻に似せて回転しているように。そう、タコ足は身体の一部ではなく、その身を覆う道具アイテムだったのだ。極太だったそれは縒り合わせた糸がほぐれたように細くなり、かずら程度の太さとなって、そのぶん長くなったように見える。
  • 「一掃…?」不安の声を漏らしたエリザベスの前で、メリオダスが なお表情を険しくした。「まずい…!」
    ◆「まずい」と言うだけで妨害すらしないメリオダスさん。タコさんが何をするつもりか よく解っていただろうし、ここにいる中で唯一、10秒でガランをノックダウンできる速度と力があるのにね。
  • 一方。大岩の上を凝視し続けていたキングが、ようやく口を開く。
    「そんな… そんな…」血の気の引いた顔に冷や汗を浮かべて目を見開き、信じられないと言わんばかりに声を彷徨わせた。
    「あの化け物から感じる魔力は まぎれもなく妖精族のものだ…」「それも途方もなく強大な… これは…!!」
  • 「妖精…?」仲間のただならぬ様子を怪しんでいたジェリコが反応する。「そ… そういや ずっと強い花の匂いがする」
    妖精族と関わるようになって知ったことだが、彼らは一人ひとりが花に酷似した香りを持つ。キングは金木犀、エレインはラベンダー。そして今ここに漂っている、二人より遥かに強い芳香。この香りの花は…。
    「ジンジャー?」
    花弁が蝶の形をした、あの香り高い花の名を口にした、その時。
  • 『霊槍バスキアス第九形態 死荊デスソーン」』
    邪悪な笑みを浮かべた子供が、己を取り巻き回り続けていた緑の蔓を、全方位にビームのように鋭く、無数の本数にして伸ばしていた。
    ◆辺り一帯に強く漂っていたジンジャーリリーの香り。
    魔力が強ければ強いほど、それを隠さず露にすればしただけ、妖精族の体臭の花の香りは強くなるんでしょうか?
    思えばキングも、普段は近付いてクンクン嗅がないと感じない程度の香りらしいのに、王都決戦で花粒園パレン・ガーデンを使った時は、普段より強く一帯に香っていたようでした。
    これからキングがパワーアップしたら、激しい戦いのたびに花の香りが濃密に漂うことになるのかも?


  • 蔓は伸び広がっていく。迷宮全体の空を。
    今この時も、迷路のあちこちを数十人もの勇士たちが進んでいた。その瞳は勇気を湛え、声は仲間を励まし、足並みは力強い。
    上空に伸び広がった蔓に「な… なんだァ?」と彼らが戸惑った、次の瞬間。
    殺戮が始まった。
    意志あるごとく伸びる蔓は、人の頭や胸を的確に狙い、かつ、複数人をまとめて貫く。まるで路地裏に掛け渡した紐に干された洗濯物のように、無数の死体がぶらぶらと吊り下げられていく。
  • 「危ねぇ 危ねぇ」中には、素早く身をかわした男もいたが。
    「これは棘…!?」蔓がかすめた二の腕が裂けて血が流れ、植物の棘らしきものが刺さっているのに気付いた。なるほど、あの殺人蔓には固い棘が付いていたのだろう。なんにせよ小さな傷だ。大したことは…。
    「あ?」
    男が一瞬で顔色を失う。付いたばかりの切り傷が見る間に爛れ腐り、ゴボッと、口から、いや鼻や目や耳など穴という穴から血が溢れ出したのだ。
    この世にあるべからざる恐るべき猛毒。彼もたおれ、動く者はいなくなった。

  • 「迷宮中の命ちゅう命が」「一瞬で… 全て… 消えてもーたわ」
    静かな表情で呟く、幼な顔の吟遊詩人。
    ◆何でそんなことが判るのか? 只者じゃないようですね。すごい正体がありそう。
  • 「!!?」ぎょっとするアーサー、ハウザー。
    「ヘンディおじさん 怖いよ…」半泣きで訴える ちびグリアモールを、ヘンドリクセンは背中に庇っている。「後ろに隠れているんだ!!」
    ◆グリアモール、記憶と精神も子供時代に退行してるみたいですね。
    この漫画、ホントに「記憶喪失」多いな~(^_^;)。
  • 「たしかに……」「どんな願いも叶えるという話もあながち嘘ではないようだな」
    そう呟いたマラキア暗殺騎士団近くの岩陰から、こそこそと中年男の顔が覗いた。エスカノールだ。死荊デスソーンを伸ばす魔神を青い顔で見上げている。
    ◆たった今、奇跡的なタイミングで到着したのか。それとも、とうにゴールしていたのに隠れていたのか。
  • キングが舞い上がり、大岩上の魔神と対面する位置に静止した。
    死荊デスソーン光華サンフラワーで排除しきれぬ害悪を死滅させるため 神樹の遥か上層に生える恐怖の蔦……」「な… なによりバスキアスは神樹に選ばれし最初の者に授けられた伝説の霊槍!!」
    震える声で確かめようとする。
    ◆神樹は外敵から身を守るため自らに生える苔を守護獣ガーディアンの形にして立ち向かわせると第56話で語られた時から思ってましたが、妖精界って完全平和な桃源郷ってわけじゃなくて、神樹を枯らそうとする敵(害獣?)もいる世界なんですね。動物とか魔物とか、色々いるのかも。しかも「死荊デスソーン」って、只事じゃない凶悪さです。よっぽどタチ悪いのがいるのか。妖精王はそれの駆除も仕事なのかな。
    考えてみたら北欧神話でも、世界樹にはその葉を食べる鹿だの根を齧る竜だのがいて、放置すると樹が枯れるかもと語られてましたっけ。だから運命の女神たちが、自分たちの守る「生命の泉」の水を世界樹に掛けて、枯れないようにしてるんだと。
  • その背に負われた兜から、補佐役の亡霊ヘルブラムが警告した。
    『ハーレクイン!! 今度の相手は…』『やばすぎる!!!』
  • 流れる冷や汗を拭うのも忘れて、キングは小さな魔神を凝視する。
    「なぜ あなたが…… あなたは―――――」「三千年前の戦いで命を失ったのではなかったのですか!?」
  • その身を包んでいたタコ足状の道具――神器たる霊槍バスキアスが蔓状に解けたことにより、彼の全身が露になっていた。
    腰まで届く、花弁のようにあでやかな赤い髪。風に広がったそれが背に伸びる蝶に似た翅にかかっている。髪に隠れていた耳は長く尖り、手首には花飾り。蝶の翅模様のアラビアンパンツを履いて、裸の上半身の左胸には漆黒の紋様が浮かんでいる。
    「初代妖精王 グロキシニア!!」
    伝説に謳われてきた その名。憧れ尊敬してきたいにしえ妖精王の名を、ぶつけるようにキングは叫んだ。
  • 小さな魔神が、光のない漆黒の瞳でキングを見やる。
    「随分 古い呼び名っスね」
    その顔に、妖艶とも取れる笑みが薄く浮かんだ。そして無情に告げる。
    「…今のあたしは<十戒>」「<安息>のグロキシニア」
  • 次回「運命の共闘者は誰だ!?」

一挙二話掲載の一話目です。

 

 

タコ娘が初代妖精王グロキシニアだったこと自体は予想通りだったので置いとくとして。

…男だったんかい!!(今回最大の衝撃)

うーむ。タコ娘じゃなくて「タコ坊主」とでも表記しておくべきだったか(笑)。

 

いや。17巻おまけページのキャラ設定に付いてた説明が「タコ?の触手をまとうチビっ子」って、性別に触れない曖昧なものだったこともあって、男の可能性もありそうだなと危ぶんではいたんですよ、一応。

けど一人称が「あたし」だと明かされたんで、じゃあ女でいいんだなと安心してたんです。

くっ。男のくせに一人称が「あたし」とは。スレイダーのお仲間だったのか! もしくは東京下町育ちのお年寄りとか。その場合 口調がクラシック。

 

まあ、妖精王なんて人知を超えた存在なんですから、両性具有ってセンもあるのかもしれませんが。(植物は両性具有の方が多いですしね。)

しかし、それだと現妖精王キングさんの性別にまで疑念が湧いてきてしまうので、これ以上は考えないようにしときます…。

 

 

あ、あと耳が尖ってたのにもビックリしました。

これも、タコさんがグロキシニアではと予想してから気になってたんですが、耳が尖ってたらあの髪形でも耳の先が見えるだろう、だから丸耳だなと思ってました。尖ってたのねー。(^_^;)

こうなると、キング&エレイン兄妹の丸耳は、やっぱ特殊なことなのかなあ。

 

 

魔神は顔に紋様があるのとないのがいるなと思ってたら、グロキシニアさんは胸に紋様があったんですね。

今回のラストページ、この紋様が大アップで描かれてますが、なんと、ちょうどそこに後引き文が被さってて、紋様がどんななのか見えない…(^_^;)

 

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グロキシニアさんは、常にタコ足にくるまっていました。殆ど動かず、大抵のことは手も使わずにタコ足で済ませてたくらいです。

てっきり身体の一部だと思っていたら「霊槍バスキアス」の形態の一つだったんですね。

多分、キングの霊槍のクッション形態と同じ位置づけ?

 

そうしてみると。

キングがしょっちゅう神器クッションにくっついてダラダラしてたのは、彼が怠惰ってだけじゃなくて、元々「妖精王とはそういうもの」だったってことなのかも。

戦わないときは霊槍のリラックス形態にくっついて、ダラダラ休んでるのが妖精王の習性、とかゆー。

そのようにダラダラしつつ、霊槍を介して神樹から魔力を充電してるんですよとか。スマホタブレットのマグネット充電みたいに。

 

 

もう一つ目を引いたのは「バスキアスは神樹に選ばれし最初の者に授けられた伝説の霊槍」と語られてた点です。

 

「授ける」という言葉は、通例、上位者が下位者に物品を下げ渡すことを指します。

妖精族において最上位者は妖精王

初代妖精王ともなれば、彼より上位の存在はいないはずです。

そんな彼に霊槍を「授けた」のは誰なのでしょうか?

 

……「神樹」そのもの、ではないでしょうか。

 

妖精王は神樹に選ばれる。そして、妖精王の専用武器・霊槍は、それと同時に神樹から生じる、のかも。

 

『魔法使いプリキュア』って女児アニメで、「魔法使いが生まれると、魔法界にある杖の木に魔法の杖が生え出て実り、熟して落ちてきて、まだ赤ん坊のうちに その魔法使いに授けられる」と語られてたんですが。

まさにそういう感じなのでは!?

授かった後で霊槍に多少の装飾を施したり、所有する妖精王の好みで形が変わったりすることもありそうですが、基本は神樹が授けてるんじゃないでしょうか。

 

歴代妖精王は神樹から作った自分用の武器を各々持っていたというのは、深い意味がある設定だったのかもしれない。

妖精王の誕生(任命)と共に霊槍も生まれるならば、霊槍は妖精王の分身みたいなものなのかも。

 

……とゆー妄想や、初代妖精王すら自分の霊槍に常に包まって肌身離さず生活してた点を併せ考えると、ヘルブラム救出より前、最低でも700年以上は霊槍なしで暮らしてたハーレクインさんは、妖精王として すごく風変わり……とゆーか、不完全な状態だったのかもな、と思いました。自分の一部が無いみたいな感じで。

 

 

 

とまあ、こんな風に考えているので、私は、霊槍バスキアスがシャスティフォルより性能がいいとか、キングが武器をシャスティフォルからバスキアスに持ち替えてパワーアップするとかいう風には、今のところは思わない派です。

各霊槍は各妖精王の一部みたいなもので、次代の妖精王であろうと、別の誰にも上手くは使えないんじゃないかなーと。思いたい。

 

実際は判んないですけどね。まさに『プリキュア』並みに新アイテムに持ち替えちゃうかも。

 

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グロキシニアの体臭の花、ジンジャーリリーのこと。

ジンジャーリリーは日本では「ジンジャー」と略されることがあるそうで、この漫画ではその名を採っているようです。でもジンジャーと言うと、つい「しょうが」を連想しちゃうんで、略さず「ジンジャーリリー」にするか、いっそ「マリポーサ」と呼んだ方がスッキリするなぁと、個人的には思っています。

 

マリポーサはスペイン語での この花の名前で「蝶」という意味です。蝶の翅を持つ妖精王っぽい?

この花は(スペイン語が公用語の)キューバの国花です。キューバ独立戦争や革命時には、民族の誇りと団結の願いを込めて、女性運動家たちがこの花を胸に飾ったという話もあるそうです。 

 

※ジンジャーリリー(マリポーサ)の花言葉は、第152話感想で書いています。宜しければどうぞ。

 

 

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