【感想】『七つの大罪』第122話 魔神族の進攻
週刊少年マガジン 2015年20号 [2015年4月15日発売] [雑誌]
第122話 魔神族の進攻
- エジンバラで暇を持て余している<十戒>。
3000年前のブリタニアの地には魔力が豊潤に溢れており、五種族の争い(聖戦)は元々それを巡って始まったものだったのに今は枯渇している。おかげで、なかなか回復できないとぼやく
「前髪ぱっつん子」は、今までストール状にしてた闇を竜巻状に変えて、いかにも暇そうにダラッと浮かんでるし、ゼルドリスは左手を差し伸ばした「一人キメポーズ」みたいなのをしてます。(辺りの魔力を量ってるんだろーけど…。)シュールっつーか可愛い。
ちなみに、ガランはまだ帰ってきてないようです。 - そこに人間の男の二人組が現れる。彼らはエジンバラの溶け城を「良質なガラス質の石」の採掘場だと言い、自分達の縄張りだからショバ代を払えと怒鳴る
3000年前に魔力を巡って争いが起きたように、今も資源を独占しようとする者達の間で争いは起き続けているとゆー、解りやすい重複のシチュエーション。
あと、12年前にエスカノールが「ボン」した惨劇の場所が、今は資源扱いされてるのは面白いというか、人間って逞しいなと思いました。 - フラウドリン曰く、確かに大地の魔力は枯渇しているが、動物や植物に流れ込んで、3000年のあいだ世代交代を続けたそれらに脈々と受け継がれているから、そう悲観したものではないと
- それを聞いた「ケツから女」は、怒鳴り続けている人間の男たちの前へ一跳びし、表情を変えずに男の腹を指先でトンと突く。ゲボッと吐き出された男の魂を無造作に鷲掴んで一呑み
- 魂を失った男はまさに「魂が抜けた」様子でぼうっと佇んでいる
- 「ケツから女」曰く、少量の魔力を含んだ魂はなかなか味わい深いので、これを当面の食料にすれば、魔力回復と増えすぎた人間の駆除がいっぺんにできて一石二鳥。…と言いたいのだろうと翻訳してやりつつ、「ヒゲ男」も残っていたもう一人の人間の魂を「トン」で吐き出させて旨そうに頬張っている
魂をモグモグしている「ケツから女」と「ヒゲ男」が子供みたいで(口の端から魂のしっぽがはみ出しちゃってるよ)、シュールかつ可愛かったです。<十戒>は、やってることは凶悪なのに愛嬌がありますね。 - 「前髪ぱっつん子」は、それじゃ蜜蜂たちにたっぷり蜜を集めてきてもらいましょうかと笑い、まとっていた闇を輪にして上空に浮かべ召喚術を使う。輪の中にギラギラと無数の瞳が輝きだす
- 一方、陶器の町バイロン近くを馬で旅している わんぱく三人組(ギルサンダー、グリアモール、ハウザー)。
王都を出て二日目にして早くもベロニカを恋しがるグリアモールを、ハウザーが意地悪くからかい、二人は馬に乗りながら子供のように喧嘩し始める。ギルサンダーはガクッと項垂れ、この三人で旅に出てよかったのかと自問
喧嘩の場面、グリアモールとハウザーの馬が、それぞれすごい顔で怒ってて笑いました。背中で暴れられちゃ嫌だよね。しかし振り落とさないのだからいい馬だ。 - その時、道を塞ぐように放置され壊れた荷車と、ぼんやり佇んでいる行商人たちが。死んでいないが、目を開けたまま身じろぎもしない。まるで抜け殻のようだと怪しみつつ、バイロンに連れて行くことにする
- と、町の方から悲鳴が。駆けつけると、巨大な赤い魔神が呪文を唱えて、逃げる人々から次々と魂を奪っていた。(無数の魂が、掲げた右の掌の上で渦を巻いている)
- ギルサンダー、背後から斬りつけて「我が名はリオネスの聖騎士ギルサンダー!! 貴様の相手は俺達だ!!」と名乗り→間髪入れずハウザーの「ライジングトルネード」。魔神は左腕が千切れ飛ぶ→魔神は口から獄炎を吹こうとしたが、その瞬間にグリアモールが「
完全なる独房 」で炎を封印。内部で爆発して破裂し、魔神の顔面が吹っ飛ぶ→ギルサンダーの「雷帝の鉄槌」でとどめ
グリアモールの魔力「障壁 」は、防御オンリーではなく(結果的にですが)攻撃としても使えたんですね。しかも、なんか反則的に強い・便利じゃないですか? 使い勝手的にはメリオダスの「全反撃 」に近いかも。ビックリしました。 - 奪われていた魂が戻り、抜け殻になっていた町の人々が元に戻った。
王国の聖騎士様が助けてくれたと歓呼する人々。少々面映ゆそうなハウザー - しかしそこに灰色の魔神が出現! ギルサンダーは人々に出来る限り遠くへ逃げろと指示
灰色の魔神の出現の仕方が、ちょっと『進撃の巨人』っぽかった(笑)。 - ギルサンダーは灰色の魔神の魔力が怪物化したヘンドリクセンと同じだと気付いて戦慄するが、ハウザーとグリアモールは「なんだか知らんが ちゃっちゃと倒しちまおーぜ!!」と意に介さない
ハウザーは灰色ヘンドリと戦っていないし、グリアモールも最後の一瞬しか対決しなかったから、恐ろしさがピンと来てないみたいですね。 - 背後から声。
「そいつは灰色の魔神 赤い魔神と同列に考えると痛い目ではすまんぞ…?
倒す為には我ら4人 力を合わせねばならない…!!」 - 振り向いたわんぱく三人組は驚愕。
「生きていたのか…!! ヘンドリクセン!!」
怪物化してメリオダスに倒されたはずのヘンドリクセンが、元の人間の姿で威風堂々、剣を手に歩み寄ってきていた - 次回「償いの聖騎士長」
今回は、個人的に「ミニマム・ゲシュタルト崩壊」みたいなのが起きた回でした。今まで思ってたことが崩れて、えっそうなん? じゃあ考えを改めなくちゃ、という。
ゲシュタルト崩壊ひとつめ。赤い魔神が弱過ぎてビックリでした!
かつてのバンが一度殺され、不死になってやっと倒した、忌まわしき魔神です。妖精王の森も滅ぼしちゃったし、当然むっちゃ強いのだと思っていました。たとえキングが当時森にいたとしても、勝てたか怪しいんじゃないかとすら。
けれど実際は、<大罪>より闘級的には遥か下の人間が、三人がかりとは言え、超簡単に倒しちゃいましたよ。なにしろ、赤い魔神からの反撃は一発すら食らわず、一方的に、汗もかかずにたった四手でやっつけちゃった。
えええええーーー!? なんじゃこりゃ。雑魚じゃん。
グリアモールの闘級は1520、ハウザーは1910、ギルサンダーは1970です。となると、彼らの攻撃が超効いて、抵抗の一つも出来ず、赤子の手をひねるごとく倒された赤い魔神の闘級は、きっとそれ以下。
今回、ハウザーの「ライジングトルネード」一発で、容易く赤い魔神の腕が千切れ飛んだことに一番ビックリしました。
だって王都決戦でこの技を使った時は、ギーラの魔力も足して死ぬ気の全力だったのに、ヘルブラムやドレファスには効かず、せいぜいジェリコが気絶した程度だったでしょう。つまり、赤い魔神は新世代ジェリコより弱い(防御力が低い)ってこと?
はあ…。こりゃ、当時妖精王の森にキングがいたら(神器が無くても、魔力を使うなり他の武器を使うなりするはずですから)楽勝だったでしょうね。
なんなのでしょう、このモヤモヤ感…。
王都決戦からせめて数ヶ月なり経って修行を重ねていたり、あるいはキングのようにボロボロになって限界突破するエピソードでもあったならまだしも、作中時間では王都決戦から一週間も経ってないですよね? 修行もしてないですよね? なのに故なくハウザー達が超パワーアップしてるように思えます。
バトル漫画でキャラが強くなるのは当然ではありますが。正直、今まで大して強いと思っていなかったキャラが、強いと思っていたキャラを理由なく簡単に倒しちゃうのは。
結果的に、かつて赤い魔神に苦戦し、不死身にならなければ勝てなかったバンが、弱く感じられるようになっちゃったじゃないですか。うむむー。
当時のバンは今のわんぱく三人組と同じくらいの歳で、魔力のこもった武器も持っていました。でも、今と同じ「闘級3000以上」ではなかったってことなんですね。まだまだ未熟で弱かったってことなのかな。
次回ではヘンドリクセンを加えた四人で、またも手際よく灰色の魔神を倒しちゃうんでしょうか。ヘンドリさんは魔神研究の権威らしいですし、人間に戻ってもわんぱく三人組より強いのは間違いないですし。(闘級2000~3000くらいあるはず)
あまり長々と<大罪>以外の戦闘は読みたくないので早く進めてほしい半面、簡単に倒してしまったらモヤモヤします。
もしも灰色の魔神が灰ヘンドリと同程度の闘級(5500前後)で、即ち巨獣アルビオンとも同程度だとしたら。それをたった四人の人間で楽々倒せてしまったら。
ボロボロになりつつ数十人の聖騎士の力を合わせて灰ヘンドリを倒したメリオダスや、限界突破でやっとアルビオンを倒したキングらの、かつてあれだけ盛り上がったエピソードがショボく感じられることになりそうで…。うーん。
まあ、杞憂かな。納得できる倒し方になるんだろうなと思います。
二つ目のミニマム・ゲシュタルト崩壊は、魔神族が人間の魂を食らうことでした。
妖精族が伝承上の妖精よりもう少し生物的に設定されていたので、魔神族や女神族もそうなんだろうと思い込んでまして。なんだかビックリしました。
あっ、伝承の「悪魔」ほぼそのままに考えてよかったのか。ふむふむ。
願いを叶える引き換えに魂を奪うなんてこともするのでしょうか?
ちなみに、キリスト教的には妖精には魂がないことになってるんですけど。この漫画ではエレインやヘルブラムの魂が出てきてますから、あるんですよね。ゴウセルはどうなのかな。魔神族は人間以外の種族の魂も食べるのでしょうか。なんとなく人間より含有魔力が多そうな気がしますけど。
今回赤い魔神がやってたみたいに呪文で魂を抜き出されたら、多くのキャラが抵抗できずにやられちゃう気がします。どうなるんでしょうね。
さて。
ヘンドリクセンが、先々週辺りの回では半裸で谷道をふらふら歩いてたのに、今回、おニューの立派な服をきっちり着込んで、剣まで持って、実に堂々たる態度で出てきたので「ひぇえ!?」と思いました。
てっきり、あの半裸でボロボロの状態でギルサンダー達の前にまろび出て来て、土下座でもして涙ながらに「私は許されないだろう、けれどドレファスを救いたいんだ」みたいな懇願でもするんだと思ってたのに。思いっきり上からの態度でしたね。
つーか。
作中時間的には、ヘンドリクセンが半裸で谷を歩いてた時から一日しか経っていませんよね? どうなっているんだろう。
なんだか、時間軸がよく解らなくなってきました。
3月20日 | 第60~100話
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3月21日 (王都決戦の 翌日) |
第101~102話
※エリザベスが昏睡していたこの日。12巻限定版日めくりカレンダーは「春眠暁を覚えず。」になってます。偶然だろうけど面白い。 |
3月22日 (王都決戦の 2日後) |
第103話
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3月23日 (王都決戦の 3日後) |
第103~109話
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3月24日 (王都決戦の 4日後) |
第110~121話
※<大罪>大敗北の日。12巻限定版日めくりカレンダーは「バ…バカな!!」と驚くゴルギウスとジェリコです。 |
3月25日 (王都決戦の 5日後) |
第122話~
※魔神族が人間の魂を食べ始めたこの日、12巻限定版日めくりカレンダーは、間違ってメリオダスをぱっくんしちゃってるディアンヌの絵になってます。 |
表にしてみると、一日でこんなに色んな事が起きてたんですね。
失踪王キングさんは、まだ無断外泊二日目なのか。数ヶ月いなかった気がしてました(笑)。