【感想】『七つの大罪』第121話 予測不能
週刊少年マガジン 2015年19号 [2015年4月8日発売] [雑誌]
第121話 予測不能
- マーリンの背後を取ったガラン。「お前さんのような小賢しい魔術師が1番嫌いなんじゃよ 儂は」と軽く左手(効き手じゃない方)を振るう。
スレイダーが割り込んで「威圧 」で止めようとしたが、逆に威圧し返されて立ち竦み、攻撃はそのまま彼の右脇にヒット。脇腹がへしゃげ、右腕は潰れもげてしまう
スレイダー曰く、ガランの威圧感は山のよう。リオネス国王が予言した「山の如き獣」とは巨獣アルビオンではなくガランのことだった? - マーリン、艶然と微笑んで取引を持ちかける。貴殿がその気になればいつでも我らを殺せるだろう、ここは一度引いてもらえまいか、<十戒>の目的を教えてもらえるなら、こちらの知る限りの情報を与えて協力しようと。しかし、頭の中はフル回転して、なんとか全滅を防ごうと焦っている
- マーリンの余裕の表情が崩れる。あれよと言う間に彼女は石になってしまった!
- 哄笑するガラン。
「儂は<十戒>… “真実”のガラン 儂の前で偽りを口にすれば何人であろうとその身は石と化す!! 魔神の王より与えられしこの戒禁 に抗う術はなし さぁ…粉々に砕け散れい!!」
マーリンに向けて再び左拳を振り上げるガラン。
今度はメリオダスが割り込んで斬りつけた(特にダメージは与えていないが、拳を止めることには成功) - メリオダスの額に魔神の紋章が浮かび、瞳は漆黒になっている。闘級が3370→4400にアップしたのを読みとって色めきたつホーク
- その隙にスレイダーが石化マーリンを抱えて退避し、キャメロットの聖騎士たちが「メリオダス殿に続けー!!」と攻撃に転じる
マーリンが危機に陥ったことで、やっと勇気が恐怖を上回ったようです。彼女はキャメロットの人々に慕われてるんですね。アーサー王も、彼女のために「逃げろ!」「やめろ!」「マーリン!」と、いちいち叫びっぱなしの泣きっぱなしでした - が。ガランはイラッとした様子で武器を振るい、無数の聖騎士たちを一瞬でカット肉にしてしまう。続いて串刺し。
メリオダスだけは剣でしのいでいたが、やがて両腕を斬り落とされて地に叩き転がされた - あまりの惨状に、
完璧なる立方体 の中から「もうこれ以上殺さないで!!」と悲鳴をあげるエリザベス - メリオダス地に転がって歯噛みし「こうなりゃ…やるしかねぇか マーリンの術がきいてる今なら…」と、「
完璧なる立方体 」で守られているエリザベスを見やる。額の紋章が蠢き溶けて右半身が闇に覆われ、それが斬り落とされていた両腕に伸びて引き寄せ、元通りにくっつく。立ち上がった彼の表情はうつろになっている。(ただし、剣を手放していない) - バイゼルで暴走した時と同じだと戦慄するホークとエリザベス。ガランは「その姿…」と呟く
- メリオダスの闘級10300にアップ。初めて、その蹴りでガランがよろめいた。続けて剣突すると、腕から噴き出した闇が凄まじい攻撃の嵐を見舞う。衝撃波だけで周囲の瓦礫が乱れ飛び、
完璧なる立方体 で守られたエリザベスやアーサーたちは平気だが、むき出しのディアンヌは瓦礫を避ける術もなく「団長」と苦鳴をあげて涙 - うつろなメリオダス、攻撃の手を止めてブツブツ呟き始める。両腕から噴き出そうとする闇を懸命に押し留めている様子。衝撃波が止んだおかげでディアンヌは人心地。メリオダスは歯を食いしばり「闇に呑まれるな、コントロールしろ」と途切れ途切れの苦しげに呟き続けている。「何を呟いておる」と不思議そうなガラン
- 次の瞬間、表情に意思が宿ったメリオダスの放った闇がガランの足元から立ち上がって包み込んだ。かなりの圧力が生じているらしく、闇で覆われた大地が穿たれ、抉れていく。
「メリオダスの奴… あのスゲェ魔力をコントロールしてやがる!!」と驚嘆するホーク。ガランも、信じられないといった様子で唸るように「お…お前さん この闇の力!! まさか…」
「まさかここまで腑抜けとるとはな」 - ガランの投擲した武器がメリオダスの胸を貫いた。メリオダスの右半身を覆っていた闇が消え失せ、意識はあるが転がったまま声も出せない
- ガラン、ゆっくりと歩み寄って
「興が醒めたわい…時とは残酷なものよのう…」「裏切りの戦士メリオダス そして我等に立ち向かう愚か者共よ… あの世で己の無力さを戒めるがよい!!」
武器を振り下ろしてメリオダスの頭蓋を断ち割り、ディアンヌを袈裟がけに斬り捨て、マーリンを庇って覆いかぶさっていたスレイダーを背中から貫き、はずみで砕けて転がった石化マーリンの頭部を踏み砕いた
老戦士のガランが子供のナリのメリオダスに、「時とは残酷なもの」と老い衰えたかつての英雄へ向けたみたいな台詞を言ったのが面白かったです。
あと、メリオダスは「裏切りの戦士」か。元々魔神族側にいたってことですかね - 続けてエリザベスと豚とアーサーにも斬りつけたが、力が反射して驚く
「ほお~ これは魔界の秘術完璧なる立方体 さすがの儂にも容易には破壊できんわい… お主らもよほどの強運よのう〜 このガランを前に生きて立っておった者はそうはおらんのだから」
この術はビビアンが開発したものじゃなかったんかい! しかも、3000年以上前からある伝統的なものとは。そもそも「魔界」って何なんでしょう。まさか魔神族の世界じゃないでしょうし。すごく気になる
※追記。ファンブックをよく読んだら「魔神族が住む世界」と書いてありました(苦笑) - ガランは跳んで立ち去った。寝ざめの運動にはなったと満足げ。そのうなじにはゴウセルの光の矢が刺さっている
- エリザベス&豚とアーサー以外は死に絶えたかに見える瓦礫の中に、ゴウセルが現れる。先程まで小さな人形に戻っていたはずの彼は、魔力を取り戻して人間の姿になっている。そして狂ったように哄笑するのだった
ゴウセルたん全裸です…。その姿でエリザベスちゃんの前に大の字立ちしてゲラゲラ大笑い。どうにも絵面がヤバい。
それはともかく、ミニサイズの人形に戻っても人間の姿になっても、眼鏡だけは存在し続ける。服は脱げてしまうのに。眼鏡は彼の一部なんですね(即ち、彼の視力が悪いのは、製作者の意図なんだなぁ。どんな思惑かは判りませんが) - 次回「魔神族の進攻」
サブタイトル通り、まさに「予測不能」でした。全滅&ゴウセルの幻覚エンドかい! しかもラストが全裸! 予測できな過ぎる(笑)!
ガランが「興が醒めた」と言ったとこだけ、ビミョーに巷の予想が当たってたことになるのかな?
そしてゴウセル笑い過ぎ。恐ぇーよ。
先週まで、人形のゴウセルはスレイダーの左腕の装備のとこにちょこんと入れられてました。今週分では最初のページから、そこがちょうど見切れてたり文字で隠れてたり小さ過ぎたりで、いつからいなくなってたのかハッキリ確認できないようになってます。(スレイダーが殺される場面、左腕にいないのは確認できます。)
けど、流石に最初から全部幻覚だったら茶番すぎますし、
ラストシーンの全裸ゴウセル、土煙で隠された股間がうっすら描かれてますが、男性器があるように見えないのが、下世話な意味でも(笑)、真面目な意味でも気になりました。人形だから? だとすれば、実はギーラは肉体的には汚されてない? 愛を求めるゴウセルは、実は肉体の愛を結べない存在なのかな?
第107話からずっと引っ張ってきたリオネス国王の予言、これで成就したんでしょーか。
新たな兆しは南方にて
⇒キャメロットで聖戦の予兆
山の如き獣が目醒め
⇒魔神ガラン。巨獣アルビオンも含む?
三人の英雄が立ち向かい
⇒英雄=七つの大罪と解釈し、メリオダス、マーリン、ディアンヌのこと?
闇が大地に大穴を穿つ
⇒メリオダスがガランの周囲に闇で大穴を開けた
メリオダスの闇穴、『エジンバラの吸血鬼』のラストで開けてたのと同じですね。
ところが、開いた穴の規模がまるで違います。
『エジンバラ』で開けた穴は見るからに大きくて、その縁に立つメリオダスが豆粒に見えるほどでした。本編113話でこの穴を見つけた魔神族たち曰く、深さは3万フィート(およそ9km)だそうで。凄い大きさです。
けれど今回開けた穴は、ガランの周囲だけの狭いもので、深さも大して抉れてないように見えました。
ガランが「腑抜けになった」とガッカリしてましたが、ホントに、12年前と比べて威力がガタ落ちしてます。
…これやっぱ「10年前にマーリンから奪われたもの」と関係するのかな。つまり、マーリンが奪ったのはメリオダスの闇の力の大半だった、と。それが無ければ<十戒>には対抗できないから第112話で取り返しに行ったけど、闇に呑まれて暴走する率が高まるから(もしくは、全身が闇に染まって醜い怪物になるから)、マーリンに「本当に返してもいいのだな?」「あくまで団長殿のためを思っての進言だ」と言われ、不愉快そうに「いちいち痛ぇところを突く奴だな 人の足元を見やがって…」と言い返してた…のかな?
でも、気になります。だって、少なくとも12年前にエジンバラでこの力を使った時は暴走してた様子がありません。
うーん。12~10年前の期間にメリオダスに何か起こって闇の力に呑まれやすくなったので、マーリンがそれを奪い取って抑止しようとした?
だとしても、何故あのタイミング(聖騎士長殺害の濡れ衣を着せられて、聖騎士たちに囲まれてピンチの状況)で奪ったのかってのは説明つかないんですよね。
今回、「ガランの前で嘘をついた者は石になる」って能力が出てきて面白かったです。それが魔神王に与えられたものってのも曰くありげ。
「七つの大罪」がキリスト教系の概念だということもあって、初めて「十戒」の名を聞いた時はモーゼの十戒辺りを思い出したものでした。けど、十戒って仏教にもある概念だったんですね。
魔神族<十戒>の元ネタには、仏教系のも混ぜられたりしてるかも。今回、ガランが「この
- 唯一神以外は崇めてはならない
- 偶像を作ってはならない
- 神の名をみだりに唱えてはならない
- 安息日以外に休んではならない
- 親不孝をしてはならない
- むやみに殺してはならない
- 倫理に背いた性行為をしてはならない
- 盗んではならない
- 嘘をついてはならない
- 他人に嫉妬してはならない
仏教の十戒
- むやみに殺してはならない
- 盗んではならない
- 倫理に背いた性行為をしてはならない
- 嘘をついてはならない
- 酒を飲んではならない
- 虚飾に耽ってはならない(おしゃれ禁止)
- 歌舞音曲に耽ってはならない(オタク禁止)
- 豪華なベッドで寝てはならない(惰眠禁止)
- 暴食してはならない
- 財産を溜めこんではならない
仏教の十善戒(仏教における「十悪」を戒めたもの)
- むやみに殺してはならない
- 盗んではならない
- 倫理に背いた性行為をしてはならない
- 嘘をついてはならない
- 中身のない話をしてはならない
- 乱暴な言葉を使ってはならない
- 人を仲違いさせるような事を言ってはならない
- 強欲になってはならない
- 憤怒してはならない
- 輪廻や因果応報(「正しい考え」)を否定してはならない
「人を仲違いさせる」「嫉妬させる」能力持ちの<十戒>はいそうな気がします。フラウドリンとか、既にそんな感じがしますよね。
ガランさん、仲間のタコ娘(仮)には優しかったので、結構いい人なのかなと思っていましたが、攻撃していない・戦う力のないアーサーやエリサベス達まで残さず殺していこうとしたり、殺す理由が「魔神族に立ち向かう愚か者」だったり(自分から殺しに来ておいて…)、実は息をするように殺戮・破壊をする人だったんですね。