【感想】『七つの大罪』第307話 エピローグ1
週刊少年マガジン 2019年 19号[2019年4月10日発売] [雑誌]
第307話 エピローグ1
- リオネス王都にも夜が訪れていた。
- 「聖戦が終結した」「たとえ それが 今 一時のものだとしてもな」
月明かりの射し込む窓辺に立ち、憂いを帯びた目でバルトラ王は語っている。
「度重なる厄災が民に与えた痛みは測り知れない…」「…家族や友を失うことは何にも代え難い痛みだ」 - 破壊された市街地では、住む家もない人々が焚火を囲み、或いは失ったものを想って涙し、一方では無邪気な子供たちの笑い声に癒されているのだ。
- 「陛下…」
サイモンと共に王の足元に跪 いたスレイダーが、痛ましげに呟く。 - 「だがな…」と、王は声を強めた。
「…生き延びた者には死を悼むだけでなく 前を向き 明日を生きる義務がある…」
(なあ 姉上… デンゼル…)
◆作中時間で一週間ほど前に魔神族との戦いで死んだデンゼルの名を挙げるのは納得ですが、どうしてここで「姉上」なんでしょう?
バルトラの姉・ナージャが亡くなったのは50年近く前、病死です。聖戦で失ったものへの痛みを語っていたハズなのに、それとは無関係の半世紀も前の悲しみを並べるのは腑に落ちませんでした。変なの。
身内の死なら全て痛みは同等だというなら、つい14年ほど前に魔物に襲われて亡くなった王妃キャロラインは? - スレイダーが声を高める。
「陛下! 我ら<暁闇の咆哮 >」「王国の復興に粉骨砕身 献身させていただきますわ…!!」
彼と並ぶサイモンも表情を引き締めていた。 - バルトラ王は頷く。そして振り向いて朗らかに言葉を接いだ。
「では その前に二人共 今夜は儂に付き合ってもらうとしよう」 - 「すみません 今夜は別の任務」「がっ」
断りかけたサイモンの頭をスレイダーが軽快に殴った。大きなタンコブが出来た頭を抱えて「おおおおお」と痛みに悶える部下をよそに、
「御意のままに………♡」
と忖度 したのである。
◆サイモンが言いかけた任務って何だったんでしょうね。
魔神が去って数時間程度の夜です。怪我の治療は治癒術士が(またはエリザベスやマエルが)ピカーッと光って全て一瞬で無かったことにしているのかもしれませんが、破壊された都市は、今回はまだマーリンが「一晩で元に戻しておいたぞ」ってのをしてない模様。寝場所も食料も足りず治安もよくはないでしょう。(火事場泥棒や略奪が起きてもおかしくない。)騎士も多く亡くなって人員も不足しているはず。「任務」は たっぷりあるでしょうが…。
(とゆーか、つい一週間ほど前に「一晩で都市を元に戻しておいたぞ」というのを経験したリオネスの民は、自力でお金と体力を使って復興する気力を削がれているんじゃないでしょうか。ただでさえ、三ヶ月ほどの間に三回も都市壊滅してます。あなたなら耐えられる? 補助金は出るのかなあ…。) - 一方。
明るい一室のベッドにギルサンダーが寝かされている。 - 「ん…」
眉根を寄せて目を開けると、額に乗せられていた濡れ布が パサ と枕に落ちた。 - 「よう ギル! お目覚めか」
すかさず声が掛かる。 - 「ハウザー?」
その男の名を呼べば、「よっ」と小さく片手のひらを立ててウインクした。
「グリアモール!!」
隣には笑って見下ろしている従兄弟の姿もある。 - 「こ… ここは? 俺は一体……」
「リオネス城の一室だ」「掃討部隊 が引き上げる途中 マーガレットを抱えて倒れてるお前を見つけたんだよ」
◆掃討部隊は、バンと別れてすぐに(まだ魔神王が倒されていない時刻から)引き上げてたんでしょうか? でないと騎馬で地上を移動する彼らが、この時間にリオネスに戻れて落ち着けているはずがない。(そもそも、この時間に戻れてること自体、馬が無限のスタミナと超スピードを有してないと無理。)
いや、キャメロットから がむしゃらに逃げたギルが倒れていたのを発見したというんだから、バンと別れた後もキャメロットへ超高速で進軍し続けて、夕刻にキャメロット近くに到達し、ギルを発見して拾って、魔神王を倒した<大罪>たちと合流して、マーリンの瞬間移動術で一瞬でリオネスに戻ったんでしょうか。
(そんな真似ができるなら、全部隊を最初から瞬間移動でキャメロットに突入させても よかったと思うけど。)
時間と距離のアレコレが、色々と腑に落ちない(苦笑)。 - 「そうだ…!! マーガレットは――――――…」
焦ってベッドに半身を起こしたギルサンダーに答えをやらず、ハウザーはニヤニヤと見下ろすばかりである。 - 「ここにいるわ」
求める姿は すぐ近くにあった。ハウザーとはベッドを挟んで反対側に、水の入った小さな桶を抱えたマーガレットが微笑んで立っていたのだ。 - 「助かったのよ 私たち…」「ヘンドリクセンには後で二人で お礼を言わないとね…」
「ヘンドリクセンも生きているのか!?」
「ええ」 - 「あの人も毎度 悪運が強いよな」
愉快そうに言ったグリアモールと顔を見合わせたハウザーは「くくくっ」と笑う。 - 「あんたこそ いつだって私に心配かけてばっかじゃないのさ!!」
呆れたように鼻を鳴らしたのは、足を高く組んで椅子に座り、紅茶を口に運ぶベロニカだ。 - 「お… お言葉ですが 俺の方こそベロニカ様が剣術訓練を始めたのが心配でなりません!!」
そう口答えしたグリアモールの頬は真っ赤になっている。心配していると言われたのが嬉しかったのだろうが。 - げんなり顔になったのはハウザーである。
「面倒くせえな~ お前ら さっさとくっついちまえば?」 - ブーッと紅茶を噴いてベロニカは赤面し、やはり赤い顔で「ハウザーーーー!!」とグリアモールが怒鳴った。
- 構わずに笑いながら、ハウザーはギルサンダーらの方へ顔を向ける。
「お前らも そう思…」 - そこに見たのは、周囲などそっちのけで二人だけの世界を作っている恋人たちの姿。
「ギル…」
彼の額に濡らした布を優しく当てるマーガレット。
「マーガレット……………!」
その瞳から目を逸らさずに、キュッ…と彼女の手を握る手に力を込めるギルサンダー。 - ハウザーの
表情 が「無」になった。 - 「イチャつくんなら二人でいる時にしやがれ!! もう さっさと行くぞ!!」
涙目で怒鳴った友に
「え? 行くって どこに?」
とキョトンと返すギルサンダーである。 - その頃、灯りの無い市街地を中年男二人が歩いていた。
- 「まったく呆れた奴だ よく<四大天使>長を騙しおおせたな」
今宵のドレファスは、ちょっと洒落た服装をしている。 - 「い… いや 別に騙したつもりはないんだけど… 一応 本心でもあったし……」
少し背中を丸めたヘンドリクセンは、きまり悪げに片頬に手を当てていた。 - 「天然め」とドレファス。
- 「…すまないドレファス」
ヘンドリクセンは薄笑いしながら横目で友人を窺った。
「お前にだけは話しておくべきだったよな…」 - むっつりと目を伏せて黙っている年上の親友に、おもねるように話し続ける。
「でもさ…」「正直に話したら止めただろ?」 - 「当たり前だ」
ゴンッと音が鳴るほど強く、ドレファスはヘンドリクセンの頭をゲンコツで叩いた。 - 「ヘンドリクセン」
タンコブを作って「くうう…」と涙を浮かべた男に呼びかける。
「何?」
「お前の気持ちは友の俺が一番 理解している…」「だが 無理に生き急ぐな」 - 「ドレファス……………」
ヘンドリクセンは目を丸くした。 - ドレファスは少し遠い目で虚空を見つめている。
「嫁 にも兄貴 にも先立たれて」「グリアモールも もう一人前だ じきに所帯を持つだろうし」「…俺の中に棲みついていたフラウドリンも もういない…」 - 「ドレファス あいつは!!」
「わかってるさ… だが どうしても俺には憎みきれなくてな…」
微笑んで、ドレファスは年下の親友に目を向けた。
「…とにかく もう愚痴を聞かせる相手はお前しかいないんだ」 - 「うわぁ… いやなご指名だな!」
おどけた口調で言ったヘンドリクセンの背を、バンバンとドレファスは叩く。
「さあ今夜の酒の肴 は愚痴のフルコースだぞ ヘンディ少年!!」
「もう中年だって…」
男たちは明るい様子で道を進んでいった。
◆ドレファスとヘンディの厚い友情。
新聖戦出陣の際、ドレファスに逆らってリュドシエルに付いて行ったヘンディ。一種の自立なのかなと思っていましたが、結局、年上ドレファスに幼い子供のように扱われるという友情の形は変わらず。この関係性が好きな読者はホッと安心したことでしょう。
にしても、ドレファスはすっかり魔神族寄りですね。話ぶりからリュドシエルを嫌っていることが伝わってきますし(騙したことを肯定している)、フラウドリンを憎めないとも言っている。魔神族の侵攻で多くの犠牲を出した直後にも拘らずです。
リュドシエルがギルとマーガレットに酷いことをしたから?
でも、そもそもドレファスがヘンディの安全を最優先して自ら体をフラウドリンに明け渡した結果、ギル&マガも10年間苦しめられたという側面があり、リュドシエルがマーガレットと契約しなければ、確実に、ギルは未だ天空宮に囚われたままだったという側面もある。
リュドとヘンディは新しく友情を結んだとばかり思っていたので、それを無かったことにされた…そこまで行かずとも取るに足りない小さいものにされた感じがして、少し寂しかったです。
ヘンディは「本心でもあった」とは言うものの、強いて「一応」と付ける。リュドの名誉のために、彼が護ったからこそ自分も<大罪>も死なずに済んだのだとドレファスに伝えてもいいと思うけど、それはしない。(コマの外で伝えてはいるのかな?)
リュドさん成仏してね。
それはともかく、ドレファスがフラウドリンに好意を見せるのは(これはストックホルム症候群か?)、私は好きではありません。
フラウドリンというキャラは嫌いではありませんが、ドレファスが彼を憎みきれないと主張する(実質、許している)流れには大いに異を唱えたいです。
フラウドリンに憑かれたドレファスが悪逆非道を成していた頃から、作中で一週間くらいしか経っていません。苦しめられて人生を狂わされた人々は未だ生々しく「ドレファスの姿の魔神」を恐れ恨んで、恐らく一生尾を引くコトでしょうに、完全解決した過去の話みたいに扱われているのも、個人的には、そんな簡単な話じゃなかろうに、と割り切れなく思っています。
第252話での告白に拠れば、ドレファスはフラウドリンと記憶を共有していた。つまり、彼には<十戒>代理フラウドリンとして活動していた間の記憶がある。人々を苦しめ、脅して殺し合いをさせ、知人の魂を抜いて食べた記憶も。
なのに、それに苦しんだり罪悪感に囚われたりする様子はない。まるで他人事みたいな態度をとり続けています。
悪いのはフラウドリンであり、自分は体を乗っ取られた被害者だから?
だったら「フラウドリンを憎みきれない」と言ってほしくありません。
責任というもののない「子供としての」グリアモールが「おじさん可哀想」と同情するのはアリでも、当のドレファスが安易に許す風に言うのは 良くないことだと思います。この10年間、フラウドリンの干渉で殺されてきた沢山の人たちのためにも。
それでも どーしてもフラウドリンが憎めない、(第252話で言ってたように)彼にも彼なりの筋があったと主張したいのなら、代わりに自分が半分でも罪を背負うくらいの気概と覚悟を見せてくださいよ。
ドレファスの価値観は すっかり魔神族風に染まっていて、人間を苦しめたり殺したり魂を喰ったりすることに、特段 嫌悪や罪悪感を抱けなくなってるんですかね? 親和性バッチリに魔力も染み移ってるし。
実際、魔神族の立場から見れば、フラウドリンは英雄でしょう。魔神族にとっては人間はエサで、どんなに殺しても構わないモノなのですから。
でも、ドレファスは人間なのに。 - また別の街角。
- 道端に立ったジェリコが、ドキドキしながら己のスカートの裾を摘まんで持ち上げている。
「…変じゃねーよな?」
カジュアルとフォーマルを半ばした その服は、どうやら新調したものらしい。 - 「あら… 可憐な女の子が こんな夜更けに一人でお出かけかしら」
不意に声が掛かり、ジェリコは「!!」と慌てて下ろした裾を押さえた。 - 「ギーラ!!」「それにジール」
振り向けば、見慣れた女聖騎士が小さな弟の手を引いて夜道を歩いてくるところだ。彼女はいつもの鎧姿ではなく、フォーマルで清楚なワンピースを着ている。弟はしっかりと上着を着込まされていた。 - 「お前らこそ こんな時間にどこへ――」
「先に質問したのは私です!」
澄まして言い返されて
「…俺より年下のくせに…!」
と、その不遜さに半ば感心するジェリコである。
◆ジェリコは18歳、ギーラは16歳。 - すると、ジールがジェリコに笑顔で言った。
「お師匠様!! 明日から よろしくお願いします!!」 - 「?」
ぎょっとした様子のギーラ。 - 「オオ!! ビシバシ鍛えてやらぁ!!」
笑ってジェリコは小さなガッツポーズを返している。 - 「ちょ…ジェリコ! お師匠様って何!? ビシバシ鍛える!?」
たちまち余裕をなくして詰め寄ったブラコン姉に、ジェリコは悠然と笑んで答えてやる。
「俺に剣術を教わって いつか姉ちゃんを護る聖騎士になりたいんだと!!」 - 一瞬前までの嫉妬はどこへやら。ギーラは感極まった様子で ぎゅうぅぅ と弟を抱きしめた。
- 「お前も苦労するよな~」
ジェリコは首を左右に振って苦笑いしたが、ジールはキョトンとしている。
◆なんと、ジールがジェリコに弟子入り。びっくりしました。姉には教わらないのね。男気って奴かしら。
王都防衛戦の時、ジェリコは食堂でジールを護っていたので、その縁で師弟の契りを交わしたんでしょうか?
ジールはどんな将来を選ぶのかなと思っていたけれど、お父さんやお姉さんと同じ道を選んだんですね。魔神の血みたいなものに誘惑されずに済む、聖騎士の才能(強い魔力)があると良いですね。(父も姉もそれで道を踏み外しましたから…)
ついに弟子持ちになったジェリコですが、正式な聖騎士になれているんでしょうか。この日の昼(新聖戦の戦闘中)の時点では「お転婆見習い」とドレファスに言われていましたが…(第266話)。
でも、リオネス王都の西門を隊長として任されてたんでした。人が死に過ぎてて人員不足だったからでもありましょうが、十代にしてトップクラスの聖騎士として抜擢されたということになる。
ところでこの場面、ジェリコがジールを「デール」と呼んでました。釣られて このあらすじ文でも最初そのまま書いちゃってたけど、違う違う、デールは亡くなったお父さんの名前でした。読み返しててやっと気づいて修正しました。騙された!(苦笑) - その時、誰かが強くジェリコの背にぶつかった。
「だっ」
ムッとして振り向く。
「おい… どこに目をつけて…」 - ギーラがハッとした。
「!! …あなたたちは――」
羽を広げて浮いている、濃緑の服を着た隻眼の少女姿の妖精。
「ゲラード殿 それに… え?」
ゲラードの隣に立つ鍛えあげられた筋肉の女性を見て戸惑う。
「マトローナ殿?」
巨人のはずの彼女だが、今は人間の大きさである。 - 「やあギーラ殿」とゲラードが微笑んだ。
「驚いただろう? ディアンヌにもらった薬を飲んだら なんと この通りだ!」
右手で自身を示しながらマトローナは笑っている。
◆マーリンが今後も常用できるよう薬を提供したなら、彼女は人間族の夫・ザルパとの間に子供を得られるかもしれませんね。 - 二人の傍を、プニプニした男の子姿の小妖精が、お上りさんよろしく興奮した様子で飛び回っていた。
「プオーーッ」「ゲラード様 人間の住む国だっぺ!! ひょ~~」 - 小妖精にジェリコが戸惑い気味に問いかける。
「おい プオーラ お前ら どうして王国に…」
「呼ばっちゃ」
訛り言葉で「呼ばれた」と小妖精は答えた。
◆キングが呼んだんですかね。ゲラードは解るけど、何故プオーラ? 考えてみたら常にゲラードの傍にいるし、実は立場ある妖精だったんでしょうか。 - 更に別の街角。
路地裏で、豚がもしゃ… もしゃ… くちゃ くちゃ とゴミバケツを漁っている。やがてゲプッとげっぷを吐くと
「………はあ…」
と、満腹したてとは思えぬ切なげに溜息をついた。 - 路地に人の影が二つ落ちる。
「ホーク やっと見つけたぜ」
小さい方の影が言った。
「こんなとこで何してんだよ」
大きい方の影が訊ねる。 - ピクッと震えるホーク。振り向かずに気まずげに顔を逸らした。
「ホ… ホーク? 俺はただの残飯漁り中の野良豚ですが」 - 「お前以外に喋る豚がいるかよ…」
バンと並んでメリオダスが歩み寄ってくる。着ているのは王都決戦前の定番だった店長服と赤レザー服だ。
「エリザベスが心配してたぞ? お前の様子が変だったって」 - しばし口を噤んでから、ホークは ぼつりぼつりと語り始めた。
「俺… 聖戦で なんの役にも立てなかった」「それどころかエリザベスちゃんやバンに助けられるだけ …本当情けねえよ」 - 「いつものことじゃねーか」
と にべなく言ったメリオダスの頭はバンに しぱん と叩 かれる。 - 続けるホーク。
「俺さ… 本当はどっかで気付いてたんだ」「自分が死ぬほど弱い奴だって…」「英雄 と一緒にいる資格なんてねえんじゃねえかって…」
ふぐっ えぐっと泣きじゃくる豚の目と鼻から液体が滂沱と流れ落ちた。 - 「はっはっはっ お前 変な
残飯 食ったんじゃ――」
再びバンに頭を叩 かれるメリオダスである。 - バンは優しく語りかけた。
「なぁ 俺は師匠を尊敬するぜ…」「お前は弱くとも いつだって体を張って仲間を護ろうとしたろ ……誰にでもできることじゃねえよ」 - メリオダスも微笑む。
「そうだな… お前は たしかに弱えけど 弱虫じゃねえ」「自分が弱いとわかってて強い奴に立ち向かえる奴こそ一番勇気があるんだ」 - ホークは震えた。
「うう…… お前ら!」
涙を振りこぼしながら振り向いて地を蹴り、二人に跳びつこうと…… - したホークは、二人がヒョイと左右に体を傾けた合間を通り抜けて床に激突した。
「プゴス!!!」 - 打ち身で真っ赤にした鼻を「プガッ」と鳴らして怒り泣きする。
「よけんなよーーーーー!!!」 - 「涙と鼻水と残飯まみれが何を言う」
と、メリオダスはシラッとした目で言った。 - バンは「カッカッ♬」と楽しそうに笑っている。
「そう怒んな師匠~~♬」「代わりに いいモン聞かせてやるよ♬」
そしてメリオダスを促す。
「なっ 団ちょ」 - 「うむ!!」と返すメリオダス。
- 「聞かせる …何を?」
キョトンと見上げたホークの前で、
「1 」バンは指を鳴らし、
「2 」メリオダスは靴を鳴らして、リズムを刻み始める。
そして声を合わせて歌った。 - 「マッ♬ マッマッ♬ マイルド♬」
「お~やすみ~ かわいい我が おっとうとよ~♬」 - ホークは唖然とし、やがて ブハハハッと爆笑。
「なんだよ そのダセー歌!!!」 - 「「……」」
ワイルドの子守歌を歌い終えたメリオダスとバンは、黙ってホークを見ている。 - 「お前らいつ考えたんだよ? 煉獄でか?」「本当に しょうもねえ歌だよな~」
ばちゃ、と落ちた雫が床で弾けた。
「…な゛のに゛ な゛ん゛で…」「涙が止ま゛ん゛ね゛え゛の゛…?」
ホークの目は煌めき、真っ赤になった顔を涙と鼻水が ボロ ボロ ボロロン と流れ落ち続けている。 兄 の想いは伝わった。メリオダスとバンは満足げに微笑んだ。- 「んじゃま 店に戻ろうぜ♬」
バンが言い、「プゴッ」とホークが返事する。
「そうそう! こうしちゃいられねえ!!」とメリオダス。
「なんたって今夜は 新<豚の帽子>亭 初開店 だからな!!」 - 並んで<豚の帽子>亭に向かう男たち。
とん とこ とん と歩くホークが懸念した。
「でもよ~ 聖戦が終わった晩に 誰が酒場に来んだよ」 - 「さてさてさーて…」
笑って、メリオダスは自信満々に酒場の扉を開ける。 - ワアッと歓声が弾けた。
- そこでは笑顔で溢れた大宴会が行われていた。
招待されたドレファスらやジェリコらは普段より洒落た服装をし、一般客も数多い。給仕しているのはエリザベスと<大罪>たちだ。 - 酔って愚痴語るドレファスと楽しそうに聞いているヘンドリクセン。
旧ウェイトレス服のエリザベスが「ミートっぽいパイ お二つ…」とトレイに料理を載せて小走りに運んでいて、案の定、足を引っかけて「キャッ」と転んだ。
パイは飛んで、狙ったかのようにドレファスとヘンドリクセンの顔面に一つずつヒット。 - 「やっぱ この店には俺がいねーとな!!」「プゴッ」
いつもの調子を取り戻して、早速 床に落ちたパイを平らげるホークの様子に、クスッとエリザベスが笑う。 - エスカノールは「トンテキ一つ お待ちど~~~!!」とミトンをはめた手で熱々のプレートを運んでいたが、床を拭くための雑巾を持ってきた時には、既にホークが舌でピカピカに舐めあげていて呆気にとられた。
◆トンテキ…。メニューが増えたんですね。好きです。
トンテキは昭和に誕生した日本のローカル料理というイメージが強いので、<豚の帽子>亭のメニューとして出てきたことに軽い違和感(笑)。 - ギーラとジェリコは、間にジールを挟んでお行儀よく円形のカウンターテーブルについている。
「ハーイ お子様はジュース」
ウェイトレス服のディアンヌ(人間サイズ)がウインクして同じカップを三つ置くと、ジェリコは不満そうな顔をした。
◆外見年齢15歳のディアンヌ(いつも酒を呑んでる)が、18歳のジェリコをお子様扱いしてジュースを与えているのは、見た目にはシュール?
日本の漫画なので、このブリタニアでは飲酒許可は20歳からかな?
ちなみに現代のイギリスでは飲酒は18歳から許可されます。そっちに倣えばジェリコはもう呑んでいい年齢。
別のコマには、ジェリコと同い年・18歳のベロニカが赤ら顔でカップから何か飲んでる様子が描かれてましたが、あれはジュースだったんでしょうか。サイモンも18歳だったはず。彼は食べてる様子しか描かれてないですね。
なお、イギリスでは保護者同伴で同意があるなら、16歳から、飲食店で食事しながらビールやアップルシードルを呑んでもいいそうです。家庭内なら親の許可があれば5歳から可だそうで、幼いバンにジバゴが酒を呑ませてたのも、彼を保護者と見做せば合法だったのか。
でも、幼少期(十代前半~半ば)から飲酒を始めるとアルコール依存症になる確率が爆上がりすると先日テレビで言ってて怖くなりました…。やっぱりお酒は大人になってからがいいのか。そして適度。 - いつの間にか、バンはカウンター内で料理をし(その背中に、長い髪で大きな羽を生やした大人姿のエレインがしがみついている)、メリオダスもカウンター内で酒を注いでは次々と客に出していた。
◆コマによってエレインに羽が有ったり無かったり。
エレインはウェイトレス服もメイド服も着ておらず、給仕の手伝いはしていないようです。 - そのメリオダスの首に、カウンターに座るギルサンダーが抱き着いた。酒がこぼれそうになるのも お構いなしなのは、既に かなり出来上がっているらしい。
- 近くで呑んでいるハウザーやグリアモールも同様で、赤ら顔のグリアモールはご機嫌な様子で「高い高い」したベロニカを別な意味で赤面させているし、ハウザーは浮かれ切って別テーブルのスレイダーとジョッキを打ち合わせている。
- やがて三人は酒瓶やジョッキ片手に肩を組んで、ベロニカを観客に
「「俺たちゃ わんぱく三人組よ~~♬」」
と歌いだした。肩組みの端にいるギルサンダーだけは
「メリオダス …うう…… 良かった!!」「う~~っ」
と酔っ払いの男泣きを見せていたが。
◆わんぱく三人組の歌に「そうでがんす!」と合いの手を入れたくなる。
ところで、聖戦時にハウザーとギーラが ちょっといい感じに描かれてたので、少し進展してるかな? と ムフフ期待してたら、会話どころか近くに座ることすらしてませんでした。あらら…。吊り橋効果、起こらず? - マエルは吹き抜けの二階廊下の手すりに一人寄りかかって、ジョッキ片手に、階下の酒宴の楽しげな様子を眺めている。
やがて出来上がってくると、
「兄さん… サリエル… タルミエル… ごめん… ごめん…」
と涙を流してグズり始めた。
ジョッキに口をつけようとして「これ…もう…空っぽ」とまた泣く。 - 「衝撃の事実!! 最強の<四大天使>は泣き上戸だった…!!」
ウェイトレス服のゴウセルが真顔で言いながら「ハイ おかわり」と新しいジョッキを差し出した。彼の右目と右手は修復され、眼鏡も掛けている。
なお、すぐ隣に立ったため、純白の翼がゴウセルの頭上を埋める形になっていた。ゴウセル曰く「ほわほわ」だ。 - ゲラードはカップ一つを持って、壁際にオブジェのように生え出た木の幹に座っている。彼女が嬉しそうに眺めているのは妖精族の誇る当代妖精王である。
- 再び青年姿になったキングは、空を飛んでトレイで酒瓶や皿を運んだり下げたりしている。器用なことに飛んでいてもトレイの上のものを全く揺らさない。フォーマルスーツを着ているおかげで、ちょっと高級な店のウェイターのようだ。
- 「とても凛々しいお姿です……!」
ゲラードが目を輝かせて褒め、酒瓶を抱えた赤ら顔のプオーラも「プオーッ」と同意すると、キングはフッと微笑んで澄ましてみせた。 - その姿は確かに決まってはいるけれど。
(……でも仕入れ係)
と、おかしそうに内心でツッコミを入れるディアンヌである。
◆ここ、あまりピンときませんでした。仕入れ係を凛々しいと褒める(もしくは、仕入れ係がカッコつける)のは滑稽なの? なにゆえに。
…職場参観に来た家族にカッコイイとこ見せてるけど普段は別の仕事を担当してるんですよ見栄張りですね、みたいなニュアンス…だと思っておこう。 - 彼女とキングは それぞれ忙しく給仕しながら、時折 目くばせしたり手を振って合図し合っていた。仲良きかな。
- バルトラ王はスレイダーやサイモンと同じテーブルに着き、エリザベスにお酌をしてもらって ほろりと嬉し泣きしている。
その様子を見てマーガレットが くすくすと笑っていた。 - 一方で、サイモンが子供のように口元や頬に食べくずを付けているのを、苦笑しながら親指で取ってやっているスレイダーからは、父…いや、母性が滲み出している。
- 上機嫌のバルトラ王は運ばれてきた料理をパクッと頬張った。
その様子をメリオダスが窺っている。
直後に白目を剥いて料理を吐き出すバルトラ王。 - 王の隣で(外していた仮面を何故か また着けて)乙女のように嬉しげにしていたスレイダーは一瞬で全てを悟って、逃げる
激マズ料理人 を猛スピードで追いかけていった。 - マトローナは会場をフラフラしながら楽しそうに呑んでいたが、やがてテーブルで人間の男と呑み比べを始めた。男が先に酔いつぶれたのを見て、周囲の男たちが歓声をあげている。
- まるで夢のように楽しい宴席だった。
本当に夢なのかもしれない。何故なら、片隅にザラトラスが、木のオブジェの陰にオスローが、二階廊下に兜を被ったヘルブラムが、ひっそりと紛れていたからだ。飲み食いはせず、ただ、人々を優しい目で見つめている。
生者と死者、王と庶民、聖騎士と英雄。人間と女神と魔神と妖精と巨人と人形と豚と。あらゆる存在が混ざり合い、同じ場所で飲み食いし、同じ時を楽しんでいる。 - やがてエリザベスが溌溂とした顔で促した。
「メリオダスとバン様は少し休憩してね」「それまでは私とエスカノール様ががんばるから!」
背後ではエスカノールが忙しく立ち働いている。
◆バンを休憩させたってことは、エスカノールが美味しい料理を作れるってことかな?(エリザベスは××料理人なので…。) - いつの間にか店の采配はエリザベスが振るうようになっていたようだ。考えてみれば、バイゼルでメリオダスが殺されてから店主は彼女だった。
- 「サンキュ エリザベス」「んじゃ バン 一杯やるか」
「オウ♬」
二人は二階のテラス席へ引き上げる。そこには客を入れておらず、灯りもないが、そのぶん星がよく見えた。
「千年ぶりの星空は感慨深いな~~」
「ああ… 悪かねえ」
◆メリオダスが煉獄に千年いたと、以前から何度も語られるんですけど、千年いたのはバンであって、メリオダスはもっとずっと長く煉獄にいたはずなのに…。変なの。 - 二人はそれぞれ持った酒瓶に直接 口をつける。
「この勢いだと酒のストックがなくなっちまいそうだな~♬」
「だな 今度 酒の仕入れに行かねーと」 - メリオダスが そう返したとき、バンの声音が変わった。
「…………今度って いつだよ」 - 「!」
ハッとするメリオダス。 - 不意に風が強くなり、バサバサと二人の服や髪を はためかせた。
- 「…やっぱ気付かれてたか…」
メリオダスは呟く。バンに振り向かない彼の表情は、しかし、穏やかな微笑みだった。 - そして、バンもまた。
「もう長くは居られねえんだろ……? ……いつなんだよ」「お前がいなくなっちまう日は」
寂寥を滲ませながらも、その顔に浮かんでいたのは、凪いだ微笑みだったのだ。 - 次回「エピローグ2」
戦いが終わり、今まで活躍したキャラたちの日常を語るエピローグ。
今回はサブキャラであるリオネスの聖騎士や王族たちの様子が大人数を網羅して描かれており、読者としては待ってましたの大満足……ではあったんですけども。
うむむ…。足元 不如意の霧の中にあるような、戸惑いの方を強めに感じる回でした。
第一に。
メリオダスが魔神王化していて もはや一日もブリタニアに留まれないと、読者は既に知らされているので、仮初めのものだと判っている平穏にノりきれない。
第二に。
多くの人が殺された当夜に、招待客が おめかしして いそいそと酒場に集まってハッピーな宴会を楽しむのは、いくら漫画とはいえ奇怪。
いや、分かりますよ。聖戦が終わった当夜に主要キャラご招待で楽しい大宴会なんて展開になったのは、
「魔神王化したメリオダスは あと一日も
という設定が先に出されているからだと。
この宴会は戦勝祝いではなく、あくまで「メリオダスのお別れ会、思い出作り」なんですよね。
沢山 人が死んでるコトなんて関係ない。明日には
でも、王様や聖騎士たちはメリオダスが明日には去ると知らないわけですよ。
なのに おしゃれして酒場に集まってきて。(彼らの家や大切な人は、失われることなく日常のまま保たれてたんですね。)
死んで二度と返らない大切な人を想って泣きながら、家もなく焚火に当たってる人たちの様子を冒頭で描いておきながら、その同じ夜に、灯りに煌々と照らされた酒場で おしゃれして たっぷり飲み食いして、食べ物を床に落としたり吐き出したりして その場で豚に食わせてる飽食ぶり。
誰も黙祷したり、思わず涙したりなんてしない。
唯一 死者を悼む発言をしていたマエルの様子はギャグ調に描かれている始末。
どーにも違和感がありました。
元々、モブキャラの命が埃より軽い扱いの漫画ではあるけどさあ…。
ちなみにグロキシニアとドロールが「メリオダスとエリザベスを裏切った償い」と称して<大罪>の盾になって死んだのは、つい前夜の出来事です。切り替え早い。
とは言え、いわば「メリオダスたち側が、聖戦に巻き込んだ人々を もてなす」形になっていて(招待してたし、代金は取らないんですよね?)、「聖戦を終わらせた英雄としてリオネスの民に歓呼で迎えられ、王城で英雄メリオダスを囲んでの祝勝大宴会」というような形ではなかったのは納得できました。
今回の戦いは、リオネスの人々に賛美されるような開戦動機・結末ではなかったから。
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ホークさんの感動エピソード
今回、サブキャラたちのエピソードは各グループ2Pずつの配分でしたが、ホークのエピソードには5P割かれていました。
…申し訳ないけど、こんな長々やる話かなあ…と思ってしまった。すみません。
唐突にホークが自信を失ったとかで、プチ家出して路地裏で残飯を漁り、弱い自分は英雄と一緒にいる資格が無いと卑屈なことを言いだす。
違和感…。
いきなりどーした(汗)。
それに、今回の戦いでも見せ場たっぷりで大活躍してたじゃん。キミがいなけりゃエリザベスちゃんは魔神王に殺されてたかもだぞ。
メリオダスとバンが褒めると2コマで立ち直る。感涙したホークが二人に跳びつこうとする場面に丸々1P使っていて、コマ使いが贅沢でした。
続いて、約束されていた「ワイルドの子守歌をホークに歌って聞かせる」感動場面。
ホークはワイルドのこと、なんとなく懐かしくて泣けるだけで、具体的には思い出さないのね。そしてメリオダスたちもワイルドの生き様と死を伝えないのか。
二人とも満足そうに笑っていましたが、歌だけ伝えるという、ある意味 半端さは、彼らの優しさ…なんでしょうか。
それはともかく。
メリオダスの精神世界に入った際、何故かホークだけ姿が消えていて、現実世界に戻っても気まずげな様子で近寄ってこなかった。
あれって、「自分が弱くて役立たずだと気付いて、英雄たちと一緒にいる自信がなくなった」って、そういう理由だったんですか!?
マジか~。
精神世界に入る直前まで何一つ変わった様子はなかったし(魔神王に殺されかけてバンに救われた後でも「豚魔神王なんざミンチにしてこねたれーー!!」と威勢よく応援してたじゃん)、そのうえ精神世界に居なかった間は不思議なことに現実世界でも姿を消していたので。
むむ、これは尋常ではない。ホークが自分の意思で消えたのではなく、ゴウセルより強い力を持つ何者かの干渉で別の場所に連れ去られていたのでは? 今後の展開を大きく左右する伏線ではないか!?
…と勘繰ってたので、残念でした(苦笑)。ちぇー。
てっきりホークママと話でもしてたのかと思ってたヨー。
魔神王が煉獄に…ホークママの中の世界に封じられていたのなら、新たな魔神王となったメリオダスはホークの中の異世界に封じられることになるのではないか?
ホークは魔神王メリオダスに向かって「残飯王ホーク様が本気出したら お前なんか一口でぺろりだぜ」と うそぶいてたけど(第300話)、マジに魔神王になったメリオダスを ぺろりと一口しちゃうのでは?
その辺をママに言い聞かされでもしてたのかも…
などと想像したりしてました。全く違ってましたね(^^;)。
でも、メリオダスの精神世界に入った時って、彼とバンの大ピンチで、なのに<大罪>もエリザベスも力不足で何もできなくて、せめて精神世界でメリオダスに応援の声を届けよう、という状況だったでしょう。
その状況で「弱い自分に自信がないから行けない」なんて思うもんですかね? 弱いから応援に行くんでしょ。
精神的に弱ってたにしても、そこまで臆病な性格かなあホークって。
あまりピンとこなかったです。
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まるで近所の公園で夕方まで遊んでから家に帰ったかのような気軽さで、キャメロットでの聖戦を終えてリオネスに戻り、その夜のうちに二十人以上を招待して宴会を開く。
容易く余裕をもって行われたことのように描かれていますが、実際はメチャクチャなハードスケジュールですよね。
戦争が終わった当夜に、招待された聖騎士たちが おめかしして宴会に来る。なんだかウソのような話で、漫画とはいえ現実感に乏しい。
いや、これ本当に「夢」なんじゃないかな、とつい思ってしまいました。
まず、宴会の場面への入り方が、なんか不自然でした。
メリオダスが酒場の扉を開けると、ワアッと歓声が弾けて、客がぎっしり入って賑やかな店内の様子が描写されて、よく見たら扉の外にいたはずのメリオダスやバンも店内に混じっている。
勿論、ただ時間経過を飛ばした演出なだけだろうけど、アレッ? と戸惑わされるのは確かで。
しかも、賑やかな店内に、死者であるザラトラス、オスロー、ヘルブラムが混じっているのですよね。
えええ、ヘルブラムは魂が消滅したんじゃなかったの? まだ普通にその辺にいるの? オスローはマエルの術で転生したんじゃなかったの?
…いや、彼らの登場に深い意味はなくて、単なるファンサービスのお遊びなんでしょう、きっと。
でも、もう存在しないはずの死者が何気に紛れ込んでいる辺りも、奇妙な不自然さを助長してくるわけでして。
もしや、これ、夢なんじゃないでしょうね?
魔神王を倒して呪いを解いたあたりから、実は全部 最高神の見せている夢で、メリオダスが異界に去っちゃうどうしようとモダモダしていたら、実は解けてなかった呪いによって王女エリザベスが死ぬ! …とかいう衝撃展開に………
なるわけないけど(笑)。
もしその展開が来たら、きっとアーサー辺りが出てきて「これは夢です」と警告するんだわ。ははは。
ところで、宴会の場面にマーリンだけいなかったですね。
自室にこもってアーサーの遺体と過ごしていたんでしょうか。
ゴウセルの目と手が直ってたので、マーリンが修理したんでしょうけど、全員を瞬間移動でリオネスまで戻して、多分 掃討部隊もホークママごと拾ってリオネスに瞬間移動させて、それからゴウセルを修理して…という作業を、宴会が開かれるより早い時間までに済ませたことになります。これぞゴッドスピード!
…もしかしたら疲労しきって眠っていたのかも。
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単行本36巻、第296話のマーリンの台詞
「諦めるのは早急だ!!!」
が修正されてなくてびっくりしました。あれ? おかしいと思った私が間違ってる(汗)?