【感想】『七つの大罪』第296話 友として 兄として
週刊少年マガジン 2019年 7号[2019年1月16日発売] [雑誌]
第296話 友として 兄として
- 「新たなる魔神王の誕生だ!!!」
<原初の魔神>の叫びに合わせるかのように、五つの戒禁は巨大な繭の中に突入、吸収された。 - 「!!!」
光を発して ドクッ と脈動した繭を、リュドシエルとヘンドリクセンが見上げる。 - 満足げに繭を見るゼルドリス。
- 「間に合わなかった…」
未だキャメロットへの途上のキングは愕然と声をあげる。 - 「最悪の展開ですね…!!」
そう言ったエスカノールの隣で、マーリンはギリッと歯を噛んだ。
(諦めるのは早急だ!!!)
バッと右手で天を指し、左手に神器 を浮かべ、繭に向かい高速で呪文を唱え始める。
◆「諦めるのは早急だ!!!」
…え。なに。今なんて…??!?
他の読者さん方もそうだったろうと思いますが、私も混乱しました。この状況で『さっさと諦めろ』って何事よ?(大汗)
多分「諦めるのは早計だ」の誤植なんでしょうね。びっくりしました。
この誤植コマ、ラインとかのスタンプにしたら楽しいかも。
それはそうと、マーリンさんの肩アーマーって肩から少し上に浮いていたんですね。今頃 気付きました。 - 「マーリンさん…!?」
呆気にとられたエスカノールは、マーリンの指した空中に魔火が奔 り、巨大な時計盤を描き出したのを見た。
カッチ カッチと秒針が時を刻む音が鳴り始める。 - 「あれは… まさか!!」
<原初の魔神>の声に、長剣の群れ と戦うゼルドリスも目を向けた。
「禁呪…“時の棺 ”」「繭の時間 を停止させるつもりか…」 - 「「させんぞ!!!」」
魔神たちは同時にマーリンに襲い掛かる。 - ドキャ
闇の双剣 をエスカノールが、神速の剣 を巨槍 が阻んだ。- 「エスカノール… キング… 頼む!!」「私に時間をくれ……!!」
マーリンは叫ぶ。 - 頭から流れた血がエスカノールの左目に流れ込んで視界を塞いでいた。彼はもはや満身創痍だ。
霊槍の遠隔操作を続けるキングは未だ到着していない。 - メリオダスの繭は脈動を続けている。
- 「なにもかも終わりだな」
繭を眺めて、場にそぐわぬほど静かにリュドシエルは呟いた。 - 「いいえ……!」
荒い息を吐きながらヘンドリクセンが反論する。
「マーリン殿なら きっと…」 - 「…まさか あの女が“時間停止”をも操るとは驚いたが」「術を完成する前に殺されるのは目に見えている…」
一拍の間を置いて、リュドシエルは覚悟と諦念の混じった顔で言った。 - 「もはや エスカノールには<原初の魔神>を止めるほどの余力は残っていまい」
正午を超えて一時間以上は経ったか。「暗夜の帳 」の中で、神器 にチャージした太陽の力だけで よく持ちこたえてはいるが、ダメージは蓄積され、力は減る一方だ。今や防戦中心となり、マーリンを護る肉の盾の様相である。 - 「あの霊槍とやらを遠隔操作している術者は相当の腕だが」
巨槍 は巨大熊 に変化してゼルドリスと戦っていた。攻撃魔法は効かないと悟って物理攻撃のみで対応し、腕を斬り落とされようと即座に再生しては休む間も与えぬ戦いぶりは見事なものだ。
「とはいえ化け物二人の攻撃を止めるのは至難の業 だろう…」
◆遠隔操作でなければ複数形態の同時操作ができるので、複数の化け物にも対応できそうですけどね。 - 「…そして メリオダスが魔神王として目醒めれば我々の敗北は決定する」「最高神様おられぬ今 魔神王の力へ抗う手段は ないのだからな」
◆サラッと「最高神様おられぬ今」と言ってますが、どういう意味なんでしょ。
単に「この場にいない」ってだけか。まさか亡くなっているのか。
魔神王が「魔神族の あの世」である煉獄に封じられているように、最高神も混沌の母 によって「女神族の あの世」に封じられているとか?
この終盤になっても姿を現さない・意思を見せないのが不思議なんですよね、最高神。
第一部でケルヌンノスの角笛を通じて「女神族の世界」から交信してきたのが最高神だろうとは思ってるんですが…。…ケルヌンノスはケルト伝承上の「あの世の神様」の名前ですし、やっぱ既に亡霊なのかなあ。天界で休んでるってだけかしら。 - 話す間にも、繭の脈動は どんどん早くなってきていた。
- 思わず、ヘンドリクセンは語気を強める。
「リュドシエル様!! あなたが そんな弱気で どうするのですか!!」「三千年前も女神族は人間を励まし導いたと …そう 私はずっと教えられてきました」 - リュドシエルは繭を見上げていた顔を伏せた。ヘンドリクセンからは髪に隠れた横顔は殆ど見えない。しかし彼の口元が自嘲に歪んだのは窺えた。
- 「…そう… 人間たちに慕われ 信仰を受け のぼせ上がっていた」「尊大で自信に満ち 他者を駒としか思わぬ<四大天使>リュドシエル」
- 「………………」
彼は何を言わんとしているのか。ヘンドリクセンは困惑する。 - 「だが!! すべては聖戦に勝利するためだ…!!!」
刹那 声を荒げ、リュドシエルは グ… と拳を握って感情を抑える。
「たとえ お前のように手の平を返し 私の下から去る者たちがいようとな…!!」 - ヘンドリクセンは俯いた。
己の裏切りが、考えていた以上に この男を傷つけたことに気が付いたのだ。彼が孤独であることにも。
「…私は何をしてでも あの二人を救わねばなりませんでした…」「それが彼らの運命を弄んだことに対する贖罪なのです…」 - それでも、これ以外の選択肢はありはしなかった。誰を傷つけようと、戦力を削いで戦況を不利にするのだとしても。
十代から二十代初めの人生でも最も楽しいだろう時期を、ギルサンダーとマーガレットは苦しみ抜いて過ごした。脅され、引き離されて監視され続け、秘密を抱えたまま意に染まぬ行動を強いられ続けた。
その苦しみをもたらした張本人こそが己なのだ。魔神フラウドリンに思考を操られていたとはいえ、自我はあった。目を逸らすわけにはいかない。せめて二人を新たに襲った苦しみから逃がしてやることで償いたかった。そのためなら女神族でも騙してやろうと思ったのだ。 - 再びリュドシエルは自嘲する。
「フ… まったく私も落ちぶれたものだよ」「自分に心酔する者が まだ いたのだと… まるで小僧のように有頂天になっていたのだからな……」 - ヘンドリクセンの身体がふらついて、ドシャッと尻もちをついた。傷を治療せず放置していたため体調が悪化したのだ。
- 「!!」
驚いて振り向いたリュドシエルは、咄嗟に右手を伸ばして助け起こそうとしたが。
「…っ」
唇を噛んで気まずげに手を引っ込める。 - 床に だらりと座り込んだヘンドリクセンは、苦く笑って告白した。
「私は…… あなたを今も尊敬し崇拝していますよ」 - リュドシエルは震え、一拍を置いて悔しげに顔を逸らす。
「! …いい加減にしろ」「……もう騙されん」 - ヘンドリクセンは微苦笑を消さなかった。
「…ドルイドにとって… 女神族は教義そのもの」「何より あなたは懸命に人間 を勝利に導こうとしてくれたでしょう」 - 「ヘンドリクセン……………」
戸惑いながらもリュドシエルは顔を向ける。 - そこに落とされる とぼけた溜め息。
「まあ… 正直 失望もしました …たしかに御自分で仰る通り ギルとマーガレットへの仕打ちは あんまりでした」「弟君 の生存がわかってからの あなたの狼狽ぶりには思わず失笑しましたし」 - 「!!!」「き…貴様~~!! しょ…正直に物を言い過ぎだろう!!!」
少年じみた仕草で指をさしてきた男を前に、ヘンドリクセンの笑みは明るく、大きくなる。
「だから私はもっと あなたのことが好きになりました」「あなたも我々と同じ 完璧ではない存在なのだと わかって…」 - リュドシエルは むっつりと黙り込んだ。
「…………私に そういう趣味はないぞ」 - 「御心配なく! 私にもありませんよ」
明るく否定するヘンドリクセンである。
◆特に欧米の読者の間に、これまでの展開から彼らをゲイカップルだと揶揄、または真剣に?判断した感想を多く見かけた気がしますが、ここは公式にキッチリ否定されちゃいました(笑)。 - 「それよりも早く私を… 器としてお使いください」「あなたを崇拝するドルイドではなく… 一人の友として お願いします…」
これ以上は体が保たないかもしれない。無駄死にするくらいなら、せめて「友」の器となり役に立ちたい。 - リュドシエルの唇が動いた。
「…覚悟しろ…」
スウ…と伸ばされた右手が、ヘンドリクセンの頭上にかざされる。 - ヘンドリクセンは微笑んで目を閉じた。
そこで。 - “健やかなれ”
- キラキラしい光がシュワッと立ち昇って消えるや、ヘンドリクセンの全ての傷は癒されていたのである。
◆望みを叶えると見せかけといて、想定外の術を掛ける。前回ヘンディがリュドに「浄化 」掛けた状況と似てますね。リュドさん、わざと? - 「自分のことは顧みず他人の世話ばかり焼く お人好しめ……」
リュドシエルは勢いよく背を向けた。慌ててヘンドリクセンは立ち上がる。
「リュドシエル様? あ…あなたは今 覚悟しろと――」 - 「調子に乗るな! お前ごときの器では出せる力も出せんわ」
振り向かぬまま言った彼の肩の辺りが、少しずつ光の泡に分解して立ち昇り始めていた。 - ヘンドリクセンは知らない。肉体の再構築が完了する前に器を手放した女神族は、短時間で分解して実体を失ってしまうのだということを。
- 「…………かつて私にも友がいた …お前と同じく お人好しで――」
リュドシエルの脳裏に浮かぶのは、赤ん坊を抱いた女性を庇って魔神族の腕に胸を貫かれた女神族の男の姿。
「…他人のために命を捨て去ったバカな男が……………………」
彼が庇ったのは、肉親でも恋人でも友人でもなかった。ただ、危機にあった誰かのために その身を捨てたのだ。
◆リュドシエルの友人が庇った女性。
絵が小さくて凄く判り辛いのですが、よくよく見ると胸に「泣いている子供」を抱いています。(赤丸で囲った部分)…子供だと思うんですが、違ってたら済みません。
「他人のために」とリュドは言いましたから、彼女は友人氏の身内ではなく、たまたま見かけた、魔神族に襲われていた民間人…赤の他人だったのでしょう。
彼女に羽は見えませんし、もしかしたら女神族(同胞)ですらなく、人間族だったのかも。 - 戸惑い、ヘンドリクセンは言葉を失くしている。
- 「……死ぬなよ ヘンドリクセン」
光に分解しながら男は背を向けたまま言った。 - ドン ドン
- 闇の双剣がリズムを取るようにエスカノールを撃った。
衰え、もはや肉の盾となるしかない彼は、背にマーリンを庇い両腕を広げて それを受けたのだ。 - 身を竦め、エスカノールに案じる目を向けながらも呪文を止めないマーリン。
- 「く…! まずい」
彼方のキングは焦る。エスカノールは限界に達している。なのにゼルドリスが邪魔で助けに入れない。 - 「ごふ…」
逞しい胸板に斜め平行に走った二条の刀傷、次いで口から血を噴き出したエスカノールの胸に、トン…と杖の先が押し当てられた。 - 杖持つ<原初の魔神>は唱える。
「“死衝 ”」 - バギュン
- 杖から発射された魔力はエスカノールを弾き、ロケットのように空に打ち上げた。
- 空気を裂いて夜空を飛ばされ、雲海の間を成すすべなく遠ざけられていくエスカノール。
- 「マー…」「リン…」
血を撒き散らして声を途切れさせた彼の手の中で神斧リッタが パキ パキッ と ひび割れ、取り落としてしまえば身体は太陽の力を失った。見る間に縮んで痩せた小柄な中年男になり、抵抗の力も失くして彼方へと押し飛ばされていく。
◆ひび割れるリッタ。
一応、完全に砕けたりはしていないようですが、どこかに落としてしまいました。 - 「エスカノーール!!!」
叫んだマーリンの頭上から闇の剣が振り下ろされた。
「死ぬがよい!!」 - ガキッ
- 「さっさと呪文を完成させろ!!」
剣は阻まれ、無事で済んだマーリンはハッとする。
「…器なき状態で精神体 が いつまで保 つか 保証はできぬが――」「こいつを… 足止めする程度のことなら保証してやらんでもない!!」 - 「リュドシエル!!!」
己から光の泡を立ち昇らせながら、リュドシエルが四つの小型光球 で双剣を挟み掴んで抑え込んでいた。 - エスカノールは夜空を大砲の弾のように飛ばされ続けている。
今の彼に止まる術 はない。いずれ大地に落ちて粉々に砕けて死ぬのだろう。その前に失血死か凍死を迎えるのかもしれないが。 - (わかってはいたんだ …僕のような男が)(誰かを… 護ることなんて…… おこがましいにも ほどがあったんだ)
血まみれの顔に、ボロッと涙が溢れた。
元居た方へ手を差し伸ばすものの、夜の帳 の中、光は見えはしない。
(僕の… この命を… 「太陽 」を引き換えにしても構わない)(誰か… 誰でもいい どうか… 団長を… マーリンさんを…)(救って…) - 軽い衝撃と共に耳元で羽音が響き、薄れた視界の端を純白の羽根が舞い散った。
- 「エスカノール… まさか こんな形で再会しようとは…」
エスカノールは朦朧としながら目を上げる。誰かが背中から受け止め、両脇の下を持って空中に支えてくれているのか。 - 「…これも「太陽」の導きでしょうか…」
微笑みを浮かべた男は、見覚えのある顔立ちをしている。 - 四枚の純白の翼を広げた彼はマエル。エスカノールの両脇を支えて ぶら下げ、キャメロットへ向かい飛んでいた。
- 次回「太陽の救済」
今回、サブタイトルが今一つ内容にそぐってなかったですね。「友として 兄として」のうち「兄として」に符合すると思える内容が無かったです。土壇場で内容を描き直したのかな?
おかげでリュドシエルとヘンディのドラマが厚くなったのかもしれません。二人の交流が とてもよかったです!
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『七つの大罪』謎の文字
この漫画、町の看板などの文字は英語で書かれてあるんですが、「呪文」や、バロールの魔眼で視える「闘級」は、謎のオリジナル文字?になっています。
呪文の方は適当に書いているだけっぽい?ですが、魔眼の方はちゃんと設定があるように見える。
以前一度 表を作ってみたことがありますけど、漫画の中で「8」を表す文字が描かれたことが無かったので、そこは空欄でした。
で。
今回、マーリンが「
これまで闘級をこの文字で表すときは、例えば「10」なら1の文字と0の文字を一つずつ並べる方式でしたけど、時計盤には「10」そのものを表す文字が描かれてありますね。
この文字って何なんでしょうか。
3000年前に女神族や魔神族の間で使われていた文字なのだとしても、当時を知らないホークがスラスラ読めちゃってるのが一番の謎。
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リュドシエルの孤独
第258話にて、サリエルとタルミエルは訝しんでいたものです。
どうしてリュドシエルは「
彼はヘンディを傍に置き、戦場にも連れていって、傷を負えば癒し、気遣いさえしたのです。
この明らかな特別扱いはどうしてか。
第288話の時点では、3000年前に魔神族に殺されたらしいリュドの友人が、ヘンディにちょっと似ていたということなのかな? と想像していました。
今回、その辺りがハッキリしましたね。
「…そう… 人間たちに慕われ 信仰を受け のぼせ上がっていた」「尊大で自信に満ち 他者を駒としか思わぬ<四大天使>リュドシエル」
「だが!! すべては聖戦に勝利するためだ…!!!」「たとえ お前のように手の平を返し 私の下から去る者たちがいようとな…!!」
「フ… まったく私も落ちぶれたものだよ」「自分に心酔する者が まだ いたのだと… まるで小僧のように有頂天になっていたのだからな……」
以上のリュドシエルの台詞から読み取れるものは何でしょうか。
それは、恐らく3000年前の時点で、リュドシエルは孤立し、孤独になっていたという状況です。
今まで物語を読んできて、気になっていたことがありました。
<四大天使>の仲間なのに、サリエル&タルミエルは、リュドシエルを嫌っているのか? という疑問です。
例えば、先に挙げた、第258話のリオネス王都から出陣する場面。
サリエル
「リュドシエルのやつ “祝福の息吹 ”をかけまくったな…」タルミエル
「そりゃ 命令を聞く上 戦力が高い駒は一人でも多く欲しいんでしょうけど~~~~」
聖騎士たちに“
ただし、彼は二人の目の前で聖騎士たちに術を掛けていました。なのに二人は、それを止めたり諫めたりしていません。つまり容認していた。
だから、冷たい感じに見えるけど、一応リュドシエルを認めて、<四大天使>一丸となって戦いに臨んでいるのかなと、この時点では結論付けていました。
しかし第261話。
“
つまるところ、リュドシエルの面子を潰したわけです。
自分たちだって彼がこの術を使って人間たちを戦力にしたことを容認していたくせに、それは棚に上げて…。
この場面を見て、サリエル&タルミエルはリュドシエルが嫌いなんだな…と感じました。本人の前では従うふりをしながら裏では
このエピソードでサリエルとタルミエルが好きになったという感想は沢山見ましたけど、私は逆の気持ちを抱いたもんでした…(;^ω^)。いやサリタル二人とも好きだけど。ここは狡いなあと思ったもんで。
…と思ってたら、今度は第262話でマエルが言ったのです。
「よう… 仲良し<
四大天使 >の」「サリエルとタルミエル」「リュドシエルの堅物はどうした?」
え、仲良しなの? そう魔神軍にも認識されてたほどに?
サリエル&タルミエルも否定しませんでした。そんな状況じゃなかっただけかも知らんけど。
加えて、第274話のマエルの子供時代の過去回想の ほのぼのさから、なんだ<四大天使>はホントに仲が良かったんだな…と思っていたのです。
でも、今回のリュドシエルの台詞を読んで、やっぱり嫌われていたのか、と思わされました。
マエルが女神族として健在だった頃は、ちゃんと仲が良かったのかもしれない。堅物ぶりを煙たがられる程度で。
けれど、「マエルがエスタロッサに殺された」後は、リュドシエルは いっそう冷酷で尊大に振る舞うようになって、彼を嫌って離れていく者も多かったのかもしれませんね。
友や弟を殺した魔神族を滅ぼして今度こそ聖戦を終わらせるため、覚悟して 嫌われ者に徹していたとはいえ、リュドシエルは孤独だった。
だから心から慕ってくれた(ように見えた)ヘンドリクセンの存在が嬉しくて、浮かれちゃって、請われるままキャメロットにも連れて行った。そういうことだったんですね。
もう一つ。
てっきり、亡き友にヘンドリクセンの容姿か性格が ちょっと似ていたから気に入ったのかと想像していたけど、そうではなくて、今になって初めて、ヘンドリクセンのお人好しなところは亡き友に似ていると思った、のかあ。ちょっと順番が違いました。
リュドシエルの亡き友。
第288話の絵だと、容姿が少しヘンドリクセンに似てたのかなと思えましたが、こうして見ると、顔立ちは全然似ていませんね。
「かつて私にも友がいた」
今は
ヘンドリクセンに「(我々と同じ完璧ではない存在だとわかって)もっとあなたのことが好きになりました」「一人の友として」と言ってもらえて、嬉しかったんでしょう。
聖戦を勝利に導く責任にしがみつけなくてもいい、自分も他人を護って去る側に回ろうと思えたくらいには。