【感想】『七つの大罪』第283話 生還への渇望
週刊少年マガジン 2018年 43号[2018年9月26日発売] [雑誌]
第283話 生還への渇望
- メリオダス、ワイルド、バンは吹っ飛んだ。
大小の賽の目切りになった大地も砕けながら彼らと共に飛ばされていく。 - 彼方へ消えた彼らを、大剣を手に佇んで魔神王が見送っていた。
煉獄の風が高く鳴いて吹き抜けていく。
彼の周囲は四方に抉れ、放射状に条が10数kmも走って、惨憺たる有様だ。大剣の一振りが新たな谷や丘を作っている。
三、四日後には、この地形も更に様変わりするのだろう。懲りない挑戦者たちが 飽かず訪れるだろうから。 - 「…これで何敗目だ~~~?」
「…癪だから数えてねえ」
バンの問いにメリオダスは答えた。岩に座って憮然としている彼の脳天には大きなタンコブが出来ている。 - 「まあな~~♬」
問うておきながら どうでもよさげに返したバンは、地面に刺した串肉を回し見て焼き加減を確かめていた。
灼熱と極寒が同居する煉獄において調理に焚火は無用だ。熱を発する地面を見つけて、そこに串肉を刺しておけばいい。勝手に炙られる。 - 「…ざっと6千93戦 6千93敗」
ワイルドが答えた。「数えてんのかよ…」とバン。 - ワイルドは地面に寝そべって、両手で抱えた生肉を ちゃむ ちゃむ と咀嚼している。豚(猪)は雑食なのだ。
- 「三人で魔神王に挑み始めてから60年だ… なのにオレたちは奴の足元に踏み込むことすらできてねえ……」
「60年つってもよ~~現世 じゃ1時間だろ? 気にすんなって~~♬」
暗い顔のメリオダスに呑気に返すと、バンは加減を確かめた串肉にかぶりつく。 - メリオダスは黙り込んだ。そして言葉を吐き出したのである。
「俺は現世 に戻るべきじゃねえのかもな」 - 「「!!!」」
バンとワイルドが一斉に目を向けた。 - 「ななっ何を今更!? メリオダス殿らしからぬ言動!!!」
スクっと立ち上がったワイルドの声は震えている。
「私は断固として我が弟に会うまで諦めんぞ!!!」 - メリオダスは笑って、なだめるように手のひらを揺らした。
「誤解すんなよ… もちろん お前らには戻ってほしいさ」「だけど俺は話が別だ」
俯いて顔は逸らされ、手は固く閉じられる。
「エリザベスには… オレの目の前で必ず死ぬ呪いがかけられてる…」「だからオレは戻らねえ方が あいつは――」 - 「バーーーーーカ♬」
殊更大きくバンが言った。
「もう姫さんの呪いは発動しちまってんだぞ」「大体! あの姫さんが んなこと納得すると思ってんのか~~?」 - 殆ど くっつくようにしてドカッとメリオダスの隣に腰を下ろす。
「弱気になったら終わりだぜ♬」と言いつつ、少年の首に腕を回した。
「俺らは必ず煉獄 から出て」「恋人を救う!! ……必ずな!!」
決意の目を前に向けたまま、引き寄せる腕に力を込める。 - 「団ちょは姫さんの呪いを解いて…」「俺はエレインを生き返らせる♬」
腕を解き、メリオダスの背を力一杯 張り飛ばした。
「単純 にいこうぜ♬」 - メリオダスは吹っ飛んで、ワイルドの柔らかな横腹に もっふ…と顔面から埋もれた。
◆ワイルドは野生の猪だし煉獄の生き物なので、てっきりブラシみたいに剛毛で臭いかと思ってました(苦笑)。もふもふだったんですね。メリオダスが顔埋めてるし匂いもないっぽい? - 「…
単純 にいかねえから言ってんだよ……」
腹這いに戻っていたワイルドは、素知らぬ顔で食事を再開している。
「………でも… 確かに お前の言う通りかもな」「何より オレとエリザベスのため<大罪>の全員が… ホークが命がけで戦ってくれてる」 - ワイルドの毛に顔をうずめて、メリオダスは しばらく じっとしていた。泣きべそ顔を隠していたのかもしれない。
バンとワイルドが、微笑んで彼を見つめていた。 - 6千94回目の再戦が始まった。
突進する二人と一匹。 - 「ほとほと貴様らには呆れるわ…」「いい加減 学ぶべきだな……」
魔神王は大剣を構えて迎えうつ。 - 「
幾度 儂の力を奪おうと試みようが」
魔神王目掛け左手を差し伸ばしたバンが、顔を歪めて ガクリとくずおれ、駆けていた勢いのまま転がった。
「儂に力を与えるだけ」 - その一方で、先頭を走っていたワイルドが魔神王に肉薄し、牙を伸ばして体当たりする。
「幾度 儂を貫こうと試みようが」
しかし魔神王は小動 もしない。
「薄皮一枚 傷つけることすら叶わぬ…」
◆魔神王パパの優しい攻略解説 その1。 - 最後に剣を振りかぶって跳んだメリオダス目掛け、魔神王は雷撃を見舞った。
- 「団ちょ…」
全身から煙を吹いて落ちてくる彼を見上げてバンが叫ぶ。 - しかし、メリオダスは地面に落ちなかった。下から吹き上がったエネルギー球がメリオダスの背に激突して突き上げたからだ。
それは空高くで炸裂し、次いで獄炎が吹きつけられた。 - されるがままに攻撃を受け続けてボロボロのメリオダス…今度こそ地上に落下するかと思われた彼が、空中で体勢を整えて剣を振りかぶった。
“リベンジ・カウンター”
たった今 魔神王から受けた攻撃の全てが一体となった攻撃魔力の塊を、増幅して撃ち放つ。 - その威力は地上をも荒らし、バンとワイルドは乱れ飛ぶ瓦礫から身を守った。
- だが、結果はと言えば。
- 「もう諦めろ」
無情な声と共に、空中のメリオダスに迫ったのは巨大な拳。 - ゲンコツ一発で軽く吹っ飛ばされるメリオダスの耳に、
魔神王 の声が響いた。 - 「貴様の技は 所詮チャンドラーから学んだ模造品だ」「貴様本来の魔力でなくば儂とは戦えぬ…」
飛ばされながらメリオダスの意識は遠のいていく。声は続いていた。
「…だが それは不可能だな…」「なぜなら貴様は恐れているからだ」
◆魔神王パパの優しい攻略解説 その2。 - どれほどの時が過ぎたのか。
- 「ゲホッ」「がはっ」
苦しげに咳き込んでから、メリオダスは目を覚ました。
「ハア ハア…」「!! …っ 魔神王の野郎は!?」 - 近くの岩に腰かけたバンが答える。
「遥か彼方だぜ~~♬」
「…正確には我らが遥か彼方まで吹き飛ばされたのだが」
うずくまるワイルドが補足した。 - 親切にも、メリオダスを吹き飛ばした後、同じ方向にバンとワイルドも飛ばしてくれたらしい。
- 「!」「ワイルド… その傷は!?」
メリオダスは顔色を変える。ワイルドの背から尾の上にかけての毛が、べっとりと血で濡れていたからだ。 - 「なーに これしき たいした傷じゃあない!!」
闊達 に言うとワイルドは短い尾を振ってみせる。 - 「団ちょを庇ってやられたんだよ」「な♬」
キツネ目でバンが笑い、べちっと容赦なく傷を叩いた。 - 「ぐほーーっ!!!」
さしものワイルドも毛を逆立てて涙目になる。
◆メリオダスを庇って傷を負ったとは、どういうことでしょうか? メリオダスがゲンコツで飛ばされる以前にそんな状況はなかったし、たとえば飛ばされて気を失ったメリオダスが尖った岩に激突しそうになったのを庇った、なんて状況は、ワイルドがメリオダスより先に飛ばされていなければ成り立たない。うーん??
…メリオダスの次にバンとワイルドも飛ばされて、気を失ったメリオダスが崖から落ちそうになってたりしたのをワイルドが見つけて咄嗟に庇って自分が怪我した、とか???
それとも、実は魔神王がゲンコツに続けてメリオダスを追撃していて、そこでワイルドが庇ってた?? - 「…………」
ふと真顔になると、バンはワイルドに向けて右手を差し伸ばした。
「試してみっか…」 - 「ん… おお?」
痛みが引くのを感じ、己の臀部を返り見て驚くワイルド。
「なんと!!」「傷が… 治った!!?」
毛を汚していた血すら消え失せ、綺麗に完治している。 - 「バン! お前がやったのか?」
問うたメリオダスの前で、バンこそが己の手を見ながら驚いていた。
「お~~~本当 か♬」 - 彼は語る。
「この60年 何度も奴の力と体力を奪おうとしたが 逆に吸われ続けてきただろ?」「おかげで すっかり「奪われる」――いや「与える」感覚まで身についちまってよ …試してみたのさ」
かつて生命 の泉の水を飲み干したバンは、その血に泉水に準じた力を宿し、今や生命 の泉そのものとさえ言われている。その再生の力を「贈与」してみたのだ。
なるほど、効果は覿面である。血を飲ませたり注いだりするより効率がいい。 - 「しかしバン殿は平気なのか?」
生命力を分け与えて悪影響はないのかと案ずるワイルドに
「たりめーだろ♬ 俺は不死身…」
と返しかけて、バンは口を閉ざした。
「!」「この力なら…」
己の手を見つめる。無尽の生命力を死に瀕した者に「与える」ことができるのなら。 - ブゴッとワイルドが鼻を鳴らした。
「しかし恐るべきは奴の「支配者 」!!!」「一体どうすれば奴に一太刀 浴びせられる!?」 - 「…そういや団ちょ 魔神王が言ってた ありゃ どういう意味だ~~?」
「!」訊ねられて、メリオダスはバンに目を向ける。
「団ちょ本来の魔力じゃねえ限り奴とは戦えねえって」 - バンはチャンドラーを思い浮かべた。
「たしか「全反撃 」は あの鬼ジジイから教わった技だと言ってたよな?」
そう、あの老魔神 は言っていた。
「つまり 団ちょの本物 の魔力は別にあるってことか?」 - ・・・・・・・・・
二人の間に沈黙が落ちる。 - ぴこんと寝ぐせ(?)を立てて、へらりとメリオダスは笑った。
「さてさてさーて?」「俺には なんのことやらさっぱり」 - 「ほお~~~?」
ギロ~~…と睨むバン。その圧力を顔を逸らして受け流すメリオダス。 - 「とにかく奴の「
支配者 」を攻略できぬ限りはマイルドに会えんのだ!!」「くお~~~~~何か いい案はないのか!?」
不穏な空気も何のその、ワイルドがブギブギと鼻を鳴らしながら輪を描いて駆け回った。 - 「「…………」」
彼に意識を奪われた二人の空気も霧散する。 - バンは腰に手を当てて天を仰ぐと息を吐き出す。メリオダスは両腕を組んで考え込むポーズを作った。
- 「つっても「
強奪 」じゃ弱体化どころか強化させちまう上」「どんな攻撃魔力もはね返す「全反撃 」すら吸収しちまうんだ」
ワイルドの空気に乗って追及をやめたらしい。バンの言葉に考え込む仕草でメリオダスは返す。
「当たり前のことが奴には通用しねえ まさしく理 を支配してやがる……」 - そこで彼は目を見開いた。
「二人共… いいか?」
真剣味を帯びた呼びかけに、バンとワイルドが顔を向ける。 - 6千95戦目の再戦が始まった。
- 今回はむやみな突撃はしない。居並ぶメリオダスとワイルドの間にバンが立ち、無言で右手を突き向ける。
- 「呆れて ため息すら出ぬわ…」「わざわざ儂に力を奪われに来るとはな…」
手を向けられた魔神王は言った。 - 珍しく冷や汗を浮かべたバンは、ニィと嗤う。
「ハ♬ 奪われるくれえなら…」「端 から くれてやるよ!!!」 - 「!!」
魔神王が息を呑んだ、次の瞬間。
ズゥン
ガクッと巨体の膝が折れ、大地に左手をついていた。 - 「おお!!!」
棹立ちして驚嘆するワイルド。バンはびっしょりと冷や汗に濡れ、苦しそうに息を荒げている。 - 静かにメリオダスが言った。
「魔神王… あんたのふざけた魔力「支配者 」の正体は――――」
「「反転」!!!」
右手で魔神王を指さす。
「自分に向けられた どんな攻撃と弱体化も治癒と強化に変換する」 - 膝をついた魔神王は、愉快そうに笑い声をあげた。
「天晴れ天晴れ… これで少しは退屈せずに済みそうだ」「ハ… ハ… ハ」 - 「ここからが本番だぞ!!」
背負う剣の柄を握って、メリオダスは仲間たちに促す。
「わかってるっつーの!!!」
準備万端とばかり右手を構えたバンが緊張含みに嗤った。 - 次回「希望への扉」
久々の煉獄編続き。
エスタロッサ=マエルという衝撃の事実に魔神王とメリオダスが共に動揺したトコロで中断していたので、「争っている場合ではない」と休戦して煉獄から出てくるかも? と思ってました。
でも、その後も普通に「出る、出さない」で戦い続けていたんですね。それも60年間、6千回以上も敗北・休憩・再挑戦を繰り返していたと判ってビックリしました。
そんで いよいよ確信しました。
魔神王って悪人じゃないし、むしろ愛情深い人ですよね?
何度でも再挑戦を受けては、遠くに吹き飛ばして終了。
ワイルドの怪我を見て血相を変えたメリオダスの反応 見るに、メリオダス組の大きな負傷は滅多にないことだったらしい。
更には「いい加減 学ぶべきだ、何度力を奪おうと試みても与えることになり、貫こうと試みても傷つけられない」「真の魔力を使えば対抗できる」 と、ハッキリ攻略のヒントを語って聞かせています。
魔神王も、6千回も挑戦したんだから いい加減気づけよ、と焦れてたのかもですね。「呆れて溜息も出ない」って言ってましたし(笑)。
ホント、ビデオゲームみたいな親切さだなあ。
何度でも やり直しできて攻略ヒント付き。「倒す方法」は最初から用意されている。
ゲームみたいと言えば。
魔神王の魔力「
おお、と感心しつつも、これもゲームでは よく見る仕掛けですね。
いよいよゲームっぽい?
ん? じゃあ、最高神を筆頭にした女神族たちが寄ってたかって治癒術をかけたら、魔神王は簡単に死んじゃうの(汗)??
…この疑問への回答は、次回で語られていましたが。世の中そんなに甘くなかった。
------------------------------
今回、メリオダスが弱音を吐いていました。
まさに「感情」だからか、煉獄のメリオダスは泣いたり弱音を吐いたり、「弱さ」を よく見せてくれますね。いいことだと思います。
キングとの喧嘩エピソードで、メリオダスが頑として心を開かなかったのを残念に思っていました。
ドロールやエレインがメリオダスの心だけは読めないのも、彼の魔力耐性がスゴいとか常人とは異なる思考回路をしているとかいうよりも、彼の心のシャッターが頑強に閉じているからではないかと思っています。絶対 心の内は見せない! 弱さはさらさない! みたいな。
そういう風に考えれば、メリオダスは誰よりも強いけれど、反面、ナイーブで弱い部分のあるひとなのかもしれません。(プライドが並外れて強いとも言える。強い男でありたいと思い、そこを譲らないという意味で。)
なので、
それは それとして。
今回の弱音の内容に戸惑いました。
「エリザベスには… オレの目の前で必ず死ぬ呪いがかけられてる…」「だからオレは戻らねえ方が あいつは――」
ん?? 何言ってんのこの人(困惑)。
いや、だって。
ここにいるメリオダスは、あくまで「本体から切り離された感情の一部」。魂ですらない。本体のメリオダスは ずっと現世にいるし、エリザベスは彼に逢うべく自ら進軍している状況なのに。
…ん…いや、待て…。
感情メリが戻らなければ本体メリは戒禁を吸収して魔神王と同等の存在になってエリザベスの呪いを解くわけだから、感情メリが戻らないでいればエリザベスは救われますよね、確かに。
その視点で見れば感情メリは現世へ戻らない方がいいと思っても無理もな……
いやいやいや、感情メリは「エリザベスはオレの前で必ず死ぬ呪いをかけられてるから、オレは戻らない方がいい」って言ってるじゃん。辻褄が合ってません。
なんか おかしくないですか?
感情メリの言い分だと、自分が現世へ戻らずにいれば、エリザベスは二度と自分と逢わないから呪いを発動させずに済む、と。
でも、現世には本体メリがいるんで、感情メリが煉獄に留まったところで、エリザベスはメリオダスと逢えるんですよね。
いつの間にか、煉獄にいる感情メリこそが本当のメリオダスだ、みたいに認識がすり替わってません? 変なの。
感情を奪われたと言ったって、「昔の自分に戻るのが怖い」とエリザベスの前で泣いたのは、本体のメリオダスの方なのに。彼は器だけの抜け殻ってわけじゃないですよね。
------------------------------
魔神王との60年にわたる「
どうやら、己の無尽の生命力をエレインに「
…でも、バンが「
バンの生命力を「
- 何のリスクもなくエレインは完全に生き返る。
バンは不死者のまま、エレインは妖精として、永く添い遂げる。 - エレインが体調を崩すたびエリザベスに治癒術を頼んでいたように、今後はバンが毎日エレインに生命力を与えることで安定させる。
ただし、バンが生命力を与えられなくなったり、メラスキュラが死ぬなどして「怨反魂 」の術が解けると、エレインは死んでしまう。
エレインの命はバンとメラスキュラが握っている状態。 - メラスキュラの術から解放してエレインを完全に生き返らせるには、バンに宿る
生命 の泉の力を全て与えねばならない。
彼女を生き返らせたことでバンは(煉獄で人外の存在に進化はしているが)不死ではなくなる。二人で限りある(と言ってもそこらの人間よりは長い)命を添い遂げる。
などなど、いろいろ妄想します。
どんなパターンになるでしょうか。
バンが「エレインを生き返らせる」ことと「エリザベスの呪いを解く」ことを同等の課題として並べているので、エレイン復活はエリザベスの呪いが解かれるだろう物語の最終クライマックス辺りか、場合によっては それ以降、平和な後日談で語られるかもですね。
------------------------------
メリオダスの真の魔力のこと
長らく 、メリオダスの魔力は「
ところが「
え、「
と困惑させられたものでしたが。
今回ついに、メリオダスの
ええ~~…。
しかもです。
その「本当の魔力」を使いさえすれば魔神王にも対抗できる。
でもメリオダスは意図して それを使わないでいる。魔神王曰く「恐れている」からだと。
えええええ~~ (°⌓°;
んじゃ、メリオダスが「ちょっとオレ本気出すわ」ってやりさえすれば、3000年前に全て解決していて、今の一連の争いは起きておらず、こんなに多くの人々を巻き込むこともなかったってことですか。
なんじゃそら!!
メリオダスって「力を封印されてたけど、戻った力がまだ馴染んでなかったけど、感情のせいで本気を出してなかったけど」元々もっともっと強いんだぜ! ってのの繰り返しですねえ…。
今、本体メリオダスは自分(と周囲)の身を犠牲にしてでもエリザベスを救う! という覚悟で戒禁吸収して魔神王になろうとしてるトコロですが。
本気を出して本物の魔力を使いさえすれば魔神王さえ凌駕できたというのなら、戒禁吸収なんて時間がかかってメンドクサイことしなくても、最初からそうしてればヨカッタやん。優しさの感情が希薄になっている今の本体メリオダスなら、何も「恐れ」やしないでしょうに。
周囲を巻き込んで悪影響をもたらす力なら、魔神王パパが それを使うことを唆すことはないのではと思うんですけども。(だって、「無欲」の戒禁を授けたゴウセルを、周囲に被害をもたらすからと隔離監禁した人ですよ。)
謎だなあ…。
メリオダスの「本当の魔力は何か」、「どうしてその使用を恐れているのか」を想像してみる。
A.トラウマ系
幼いメリオダスは己の魔力を制御できず、母を殺害または封印してしまった。
心を閉ざした彼を救ったのはチャンドラーで、彼の「
しかし今でも、自分の本当の魔力を使えば大切なひとを失うのではないかと恐れ、使えないでいる。
魔神王は息子を心配し、女々しい感情さえなくなればトラウマも消えて後継者として立派に育つと考え、様子見しながらメリオダスの感情を少しずつ奪っていた。(彼が死ぬたび生き返らせたのは、呪いではなく、単なる親心である。)
B.ヤバい力系
メリオダスの本当の魔力は、使うとエリザベスとの恋愛か、仲間の命や精神に深刻な悪影響をもたらすので使いたくない。
- ドラゴンになって暴走して周囲を破壊しつくす破壊者の力(メリオダスの暴走ネタは今まで何度もやったのでなさそう、そもそも魔神王はそんな力の使用を推奨しなさそう)
- 周囲を精神操作して無条件に従わせる覇王の力
- 始まりと終わりを同一化する「ウロボロスの蛇」の力。過去の出来事を無かったことにしてしまう(メリオダスの腕の「
憤怒の罪 」の紋様にちなんで) - 周囲の命や魂を奪ってパワーアップする力(最終決戦で<大罪>たちの魂を奪ってパワーアップ、哀しい勝利。でも戦いの後でエリザベスの奇跡で みんな助かる王道エンドが望めそう?)
今思いつくのはこれぐらい(苦笑)。
でも全然違う何かなんでしょうね。