『七つの大罪』ぼちぼち感想

漫画『七つの大罪』(著:鈴木央)の感想と考察。だいたい的外れ。ネタバレ基本。

【感想】『七つの大罪』第272話 永劫なる戦い

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週刊少年マガジン 2018年 29号[2018年6月20日発売] [雑誌]

第272話 永劫なる戦い

  • どうして、たった今まで気づかずにいられたのだろう。現れた魔神王は、佇むだけで恐るべき圧迫感を与えてくる。
  • 「こいつが魔神王!? でかすぎんだろ♬」
    バンが言った。
    「奴は この世界の生物を むさぼり喰らい 力を得 肥大化し続けている」
    と、ワイルド。
    ◆え? いや、魔神王は煉獄に封印される前から このサイズでしたよね?
  • 魔神王オヤジ……!!」
    頭痛をこらえるように片手で顔面を押さえたメリオダスが、荒い息を吐きながら父親を睨みつけた。
  • 魔神王は おもむろに口を開く。
    「どうやって理性を取り戻したかは わからんが…」「元の姿に戻ったようだな……」
    メリオダス本体から引き剥がされた「エリザベスと出会って以降に生じた、愛や優しさの感情」であるハズの感情メリオダスに「理性を取り戻した」と言っていて、微妙な気分に(苦笑)。
    感情と理性って「相反するもの」というイメージ、ありません?
  • 見上げるほどの奇岩に気軽に片手を置いたまま、魔神王は言葉を続けた。
    「そして… ここへ来たということは――――」「なるほど その珍獣が案内役か…」「扉の存在に気付いたというわけだ」
  • 「行こうバン殿!!」「メリオダス殿!!」
    鼻息を吹いてワイルドが音頭を取った。
    「我が弟のもとへ いざ!!!」「押し通る魔神王!!!」
    跳び出し、魔神王の手を置く奇岩を垂直に駆けのぼっていく。
  • その大イノシシを、魔神王は指先で ピンッ と弾いた。
  • つぶてのように回転して飛んだワイルドは、メリオダスらの背後に激突し、岩を大きく抉り欠かせて跳ね上がると、そのまま岩に溝引くようにして数100mも滑っていった。轟音が響き、瓦礫が飛び散らかる。
  • 「「ワイルドーーーーー!!!!」」
    振り向いて叫ぶメリオダスとバン。
  • 「ブギ!!!」
    なんと、ワイルドはノーダメージだった。ギッひづめを鳴らし四つ足を踏ん張って停止すると、二人に警告する。
    「よそ見厳禁!!!!」
  • ハッとした二人の頭上に、超巨大な刃が迫っていた。
  • ズンッ
    魔神王が腰の大剣を抜いて振り下ろしたのだ。
  • メリオダスたちの立っていた岩は粉々に砕け散る。
    「ちっ」
    素早く跳んで瓦礫を避けるバン。
    「ぐあっ」
    メリオダスは全身を瓦礫に打たれて苦鳴をあげた。
  • 「言ったはずだぞ? 決して 貴様をへは戻さんと」
    魔神王は息子を見つめて そう言うや、
    ヴオッ
    下ろしていた剣を逆袈裟に斬り上げた。
  • 刹那、バンはメリオダスを抱えて跳んでいた。
    「ちっ」
    舌打ちを繰り返したのは、かわしきれず右肘から先を断たれたからだ。
  • 「悪ィ バン!!」
    腕の中でメリオダスが叫ぶ。
    「とんでもねえパワーだぜ…」
    バンは不敵に笑っていた。腕など、すぐまた生える。
  • 生えた右手をかざし、落下しながら魔神王に狙いを定めた。
    身体狩りフィジカルハント
    「もらった♬」
    ◆ここで「身体狩りフィジカルハント」(身体能力を奪う技)を使うってことは、魔神王には間違いなく実体がある(少なくともバンは そう判断している)んですね。
  • 正面から捉えた、と確信するも束の間。
    「!?」
    ぎょっとバンは目を瞠った。
  • 「どうしたバン!?」
    抱えてくれていた腕から力が抜けるのを感じて、メリオダスが問いかける。
  • 「な… 逆に力が… 吸われる!?」
    右手を震わせて、バンは歯を食いしばっていた。
  • 力を失った彼の手からメリオダスは離れ、二人はそれぞれ背中から落下していく。
  • 何故か先に落ちたメリオダスは、とんぼ返りで体勢を整えて足から降り立つと、待ち構えて両手を掲げ、遅れて落ちてきたバンを受け止めた。
    「大丈夫か!?」
    「くっ… ああ!!」
    ◆なんで同時に落ちたのに、メリオダスの方が かなり先に地に到達したんでしょう?
    バンは脱力していたのでメリオダスを投げたとは思いづらい。メリオダスが飛行魔力を使って急速降下したようにも見えない。バンに飛行能力はないので空中に自力で留まったはずもない。
    現世であれば物体は同時に落ちる気がしますが、色々と事象が歪む煉獄だからこそでしょうか。

    (;^ω^)いやメタ的に見れば、さっきはバンがメリオダスを助けたから、次はメリオダスがバンを助けなくちゃね、という作者さんの意図のためでしょうけども。親友コンビの護り合い、いいですね。
  • 一息入れる間もなく、魔神王の大剣が再び襲った。
    「とっ」
    それぞれバックステップで避ける二人。
  • 間断も容赦もなく、天災のごとき斬撃は続いた。
    「ハ…」「ハ… ハ…」
    笑う魔神王。曲芸のように避け続ける二人。
    ◆魔神王の笑った気持ちが解る気もする。これは楽しい、かもしれない。
  • 「“雷光猪ジグザグワイルド”!!!」
    突如、雷光をまとった ワイルドが突進した。肥大化させた牙を以て魔神王の鳩尾みぞおちに突っ込む。
    ドンッ
  • 「!!!」
    驚くメリオダスとバン。
  • 「“回転猪グルグルワイルド”!!!」
    突っ込んだままドリル回転。そのまま魔神王の腹を掘り貫くつもりか。
    「うりゃああああ~~~~~!!!」
  • 気合いは十分。だというのに。
    魔神王は直立して平然であった。
    しばらく好きにさせてから、大イノシシを ムニッ と指先に摘まむ。
  • 「ブギッ」
    ゴムボールのように へこんで舌を出すワイルド。
  • 「懲りん奴よ…」
    ポイ と地面に投げ捨てた。
  • ゴッ
    「ぼっ」
    ワイルドは地に激突したが、
    「たっ」「んっ」
    また跳ね上がり、バンの足下の岩を突き抜けてから後ろ向きに数100mも滑りつつ、四つ足ヒヅメで踏ん張って、
    「にく!!!」
    またまたノーダメージで停止したのだった。
    ◆牡丹肉=イノシシ肉

    四つ足踏ん張って地をポンポンスーッと逃げるワイルドのこの動き方、なんか、蜘蛛みたい。アシダカグモとかジグモとか。
  • 改めて魔神王は語りかけた。
    「この魔神王を なんと心得る?」「儂が番をする限り… 何人なんぴとも扉をくぐり抜けることは不可能…」
  • 「それを決めんのはアンタじゃねえ!!」
    メリオダスは不敵に笑う。
  • 「いや 儂だ」
    にべなく返して、魔神王は左手を掲げた。
    ガラガラ ガラと大気を震わせて、天空から数条もの太いいかずちが流れ落ち始める。素早く避けるワイルド。
  • メリオダスは剣を構えてタイミングを計った。
    「“全反撃フルカウンター”!!!」
    迫る雷に合わせ、剣を振り切る。
  • カッ
    雷が反射して魔神王に向かった。
  • 魔神王やつの攻撃を はね返した!!?」
    驚愕するワイルド。
  • 「…!!」
    バンは表情を険しくした。
    「はね返しはしたが効いちゃいねえ…」「それどころか はね返った魔力を吸収しやがった!!」
  • 雷光に包まれた魔神王は平然と立っている。
  • 「団ちょ… 奴の魔力は一体なんだ?」「俺の強奪スナッチも ワイルドの攻撃も 団ちょの全反撃フルカウンターも効かねえぞ」
  • 「奴の魔力は 自身の名の「魔神王」 またの名を」
    メリオダスの顔も強張っていた。額や頬を流れ落ちるのは冷や汗か。
    「「支配者ザ・ルーラー」」
    ◆「魔神王」って、肩書きでなくて「名前」だったのか(汗)。妖精王ハーレクインが「キング」と名乗ってるよーなもの? もし個人名を持たないか・息子にすら忘れ去られたのだとしたら、闇が深いなあ。

    書くの忘れてたので追記
    「魔神王」という魔力、ゼルドリスの「魔神王ゴッド」と同じ?
    ゼルドリスの魔力は、てっきり「魔神王の力を借りて代行できる」効果かと思っていましたが、魔神王の「支配者ザ・ルーラー」と同種の魔力という意味だった?
    …でもゼルくんは、ドロールの魔力は無効化できてたけど、リュドシエルやメリオダスの魔力には てんで歯が立たなかったですね。
  • しばし、二人と一匹は無言で支配者と対峙した。
    彼らの目に諦めは見えない。しかし闇雲に戦っても無意味であるとは悟ったのだろう。
  • またも魔神王が語りかけた。
    「このまま戦い 塵と消えるもよし…」「諦め 儂の目の前から消えるもよし…」
    退けば見逃すと口にした後で、こう続けた。
    「どちらにせよ 消える前に メリオダスよ 聞いておくことがある…」
  • 「?」
    怪訝そうにするメリオダス
  • 「先程 お前は言ったな エスタロッサの記憶が思い出せぬと―――」「儂も同様に思い出せぬのだ… この魔神王がだ…!!」
    強調し、怪しむべき事由を重ねた。
    「確かに煉獄へ来て 早 億を越える年月を経たが」「魔界での日々と メリオダス… そしてゼルドリス 我が下僕<十戒> …憎き女神族… そのすべてを 未だ鮮明に覚えておる」
    決して、ただの忘却では あり得ないと。
    「にもかかわらず エスタロッサのことは何も思い出せん」「箇条書きのような認識があるのみだ…」
  • 見上げるメリオダスを魔神王は促した。
    「今 それを確かめる時が来た―――――」「さぁ… 奴について覚えていることを口に出してみろ」
  • 「………………」
    憎き父に従うべきか。メリオダスは顔を強張らせていたが、やがて口を開く。
    「「魔神王の息子でありながら闇の力を持たず生まれ 虫を殺すことすらためらうほどの小心者――――」」
  • 魔神王が先を引き取った。
    「「それを哀れんだ魔神王ワシエスタロッサに戒禁を与えた」」
  • 「…!!!」
    メリオダスは驚愕に目を見開く。頭に浮かんでいた言葉を、言い回しまで殆どそのまま、父が言ってのけたからだ。
  • 「やはりな………」と魔神王。
    「どういうことだ!?」メリオダスは問い質す。
  • 「儂を含め エスタロッサを知る全ての者がはかられているようだ」「奴め… やってくれよったわ」
  • 「奴…」「………まさか!?」

  • その頃、現世。
    エスタロッサに攫われたエリザベスを追って、キング、サリエル、タルミエル、デリエリの四人が雲海の上を飛んでいる。
  • 最後尾を行くデリエリが、チラリと背後に胡乱な目を向けた。追跡者に気付いたからだ。
  • 耳を変化させた大ビレを羽ばたかせ、フウッフウッと荒い息を吐いて飛ぶ、それはスカイマンタに変身トランスポークしたホークだったのだが。
  • 「な… なんとか追いついたぜ!!」
    汗だくではあるが、闘級4万以上の集団の飛行速度に追いつけるとは、ホークの潜在能力 恐るべしだ。
  • 「しっかし 急に後を追っかけろだなんて どうしたんだよ?」
    プゴ、と鼻息を吹いて怪豚は問いかける。己の背に乗せた仲間に向かって。

  • 「そうだ」
    煉獄の魔神王は語る。
    メリオダス お前と同様 <十戒>の裏切り者…」

  • ホークは その名を呼んだ。
    ゴウセル
  • スカイマンタ型のホークにまたがり、なびく髪を乱した人形ゴウセル
    その表情は、いつになく物憂げに曇っていた。
  • 次回「聖戦の犠牲者」

 

次号は ㊙原稿作業 のため休載とのこと。

 

セブンイレブン受け取り限定 オリジナルストーリーブック付き33巻、予約しました。値段は据え置きでオリジナル番外編本が入手できるなんて、太っ腹で有難いです。

エジンバラの吸血鬼』はアニメ第一期DVD/BD初回特典だったので、それだけのために三巻分DVDを買ったのに、一年後にファンブックに収録されて、予想できていたことではあったけど、ちょっと虚しくなったもんでした。(;^ω^)

その『エジンバラ~』を中心に収録した番外編集が、新しく来月発売されるそうですね。こっちには描き下ろしがあるのかな? ないなら買う必要はないかと思ったんですが、作者さんと担当編集さんの設定裏話アリの対談記事が掲載されているそうで…。ぐぬぬ。(読者とは掌で転がされる、哀れな存在である。)

 

そういえば、去年は七月にバン&エレ限定ファンブック『ペアシン』が出てたので、その帯で予告されていたキン&ディアのも七月くらいかなと 何となく思っていたら、ナシでしたね。(恒例の質問募集も、まだされていない…ですよね? たぶん)

年内に出るといいなあ。

 

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ラスボスかと思っていたら、詐欺に遭った おじいちゃんだった

 

 

ついにVS.魔神王!

流石の風格で、超パワーアップを果たしたバンも、それを上回るワイルドも、まるで歯が立たない。 

 

けれど、ガラン初戦やチャンドラー第二形態VS.<大罪>のような、全く敵わない・打つ手がない・殺される! という絶望感はありません。バンたちは魔神王を傷つけることが出来ていませんが、実は、バンたちも全くダメージを負っていないからです。

魔神王も、避け続けるバンたちに笑いながら斬撃を繰り返してみたり、ワイルドを指でつまんでポイ捨てしたり、挙げ句

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「このまま戦い 塵と消えるもよし…」「諦め 儂の目の前から消えるもよし…」

と言ったりして、見逃す気 満々。

そもそも殺すつもりがなく、半ば遊んでいたようですね。

 

あれ。魔神王って、(平和主義とは言い難いけど、)そこまで好戦的じゃないのか。簡単に殺そうともしないんですね。

邪魔だという「メリオダスの感情」を、消滅させることもなく煉獄に捕らえているというから、どうして得にもならないことをするのだろうと不思議に思っていましたが。我が息子には不要と言いつつ「息子の一部」を消したくないと思ってた? 実は息子想いのパパですか?

 

なんにせよ、今回 発覚した衝撃の事実によって、魔神王も「欺かれ、操られていた」、いわば格下の存在であったと、位置づけがダウンしてしまいました。

こうなると、魔神王がラスボスになることは なさそうです。

メリオダスとは和解するルートに進むんでしょうか?

 

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集団詐欺事件が発覚

 

 

前々から、エスタロッサの存在や、彼とエリザベスの記憶の怪しさは示唆されていましたが。ここに来て、トンデモナイ事態が発覚。

なんと、エスタロッサとエリザベス二人の記憶どころか、エスタロッサを知る全員の記憶が書き換えられていたというのです。しかも、魔神王の記憶まで!

 

えええええ。(^^;)

なんじゃそりゃ。

 

 

大規模すぎる「今まで語られてきた情報の無効化」。

そのくせ「大雑把」。(『箇条書きの情報』しかなかったというのに、メリオダスは3000年、魔神王は15億年以上も異常に気付いてませんでした、って 笑)

 

読者の怒りや失望を買うトンデモ展開に終わらないことを切望します。

 

 

 

 

術士ゴウセルが、女神族マエルを消して魔神族エスタロッサを台頭させたとして、どんな意図と利点があったのか。

メリオダスの裏切りでパワーバランスが女神族側に傾いたのを、魔神族側に戻す?

マエルの死によって、女神族に魔神族への憎しみを喚起させる?

しかし、彼の目的は「己の死」と「聖戦の終結(勝敗には興味なし)」だったはず。

パワーバランスが均衡に戻り、女神族が魔神族への憎しみを激しくしたとして、戦争は終わりませんよね。

 

聖戦は最終的に、魔神族は封印、女神族は実体を失うという、事実上の両種族 滅亡で幕を下ろしています。

この「どっちも滅亡エンド」が、術士ゴウセルの望む「聖戦の終結」だったのでしょうか。女神エリザベスの働きで和睦の流れが出来つつあったのを、意図してブチ壊した?

であるならば、彼はディアンヌが評価したような「いい人」ではなく、やはり、感情の何かが欠けた悪党、もしくは精神破綻者だったというコトになるでしょう。

 

 

 

かねてから、グロキシニアとドロールが<十戒>入りした経緯に疑問がありました。

 

グロキシニアは、仲間や妹を人間・ロウに殺されて怒り狂い、人間族すべてを憎むようになった。そこまでは理解できます。

ところが、その後 女神族・巨人族・妖精族をも憎んで魔神族の仲間入りをしたというのは意味不明です。そもそも、ロウに虐殺の指示を下したのは魔神族たる術士ゴウセルなのに。

キン&ディアと同じタイミングで グロキシニアとドロールも術士ゴウセルの脱獄に立ち会ったはずですから、ロウに虐殺の指示を下したのがゴウセルだとグロキシニアは知っていたはずです。なのに「妹を殺された憎しみのあまり、魔神族の仲間になる」のか? 筋が通らないですよね。

しかも、グロキシニアは

「気が付けば いつの間にか<十戒>として戦っていたんス…」

と言っており、<十戒>入りした辺りの記憶が曖昧らしい。

 

ドロールは、ゼルドリスに敗北して<十戒>入りしました。

寝返って敵の仲間になる方が、「背を向けて敗走する」のに比べて己の誇りを傷つけないという、謎の論理を唱えていたものです。(敵に寝返るのは、敗北の100倍 恥だと私は思うのですが。)

過去修業編のディアンヌの行動は、「ゼルドリスに選択を迫られた」ところまでは、過去のドロールの行動と大筋は同じだったらしい。つまり、ドロールはグロキシニアと別れて術士ゴウセルの下に留まり、彼を護るかのようにゼルドリスに立ち向かったことになります。

 

術士ゴウセルが、聖戦を止めるという一見耳障りのいい目的のため、大勢の記憶を改ざんし戦局を操るという左道を行ったならば、実はグロキシニアとドロールの<十戒>入りも、彼の操作によるものだった可能性はないでしょうか。

 

 

ついでに。

過去修業編を読んだ当時から大いに疑問でした。ディアンヌが術士ゴウセルを「いい人だ」とベタ褒めして、彼に大傾倒していたのが。まるでカルト宗教にハマった人みたいだと感じたもんです。 

術士ゴウセルは<光の聖痕スティグマ>一般兵虐殺をロウたちに指示し、殺されていく人々の断末魔の感情を感じて悦に入っていました。同時に「聖戦になど関心がない」とも明言したものです。

それを目の前で聞いていたにも拘らず、ディアンヌは「術士ゴウセルは聖戦を止めるため命を懸ける いい人」だと認識し、一刻を争うはずだった<光の聖痕スティグマ>の仲間救助も投げ出して、彼の頼みを聞き、彼を護って戦いました。

当時の感想にも散々書きましたが、ディアンヌは優しい性格だから…なんてレベルを超えた異様さを感じて仕方がなかったんですが。

これも、どうせなら、術士ゴウセルディアンヌの精神を密かに操作していたのだというコトなら、スッキリ納得できるんですけどね(苦笑)。

(3000年前のドロールも、いつの間にか操作されていて、術士ゴウセルを護るような形でゼルドリスと戦ったのでは? とか。)

 

 

 

さて。

「マエルを消し、エスタロッサを台頭させた」術士ゴウセルが、もしもグロキシニアとドロールの<十戒>入りにも関与していたならば、彼は魔神族側に戦力の大幅移入をさせたことになります。

女神族側に傾いていたパワーバランスを魔神族側に戻そうとした?

しかし、己を幽閉した魔神王に怨みを持ち、聖戦に関心はないと言い切った彼が、 そんなことをする意義があるでしょうか。

 

そもそも、数十人の高位闘級者たちの記憶を一度に、それどころか魔神王の記憶さえ書き換えてしまえる馬鹿馬鹿しいほどのチート能力があったんなら、「聖戦を終わらせたくなる」よう皆の記憶を書き換えたり、邪魔そうな奴は「自分で死ぬ」ように操っておけば、簡単に聖戦を終わらせることが出来たんじゃないんでしょうか?

エスタロッサに関する偽の記憶」を大勢に植え付けるなんて回りくどい方法を、どうして取らなければならなかったのでしょうか。

 

そして、エスタロッサに関する記憶が偽物なら、魔神王は いつ どうやって彼に「慈愛」の戒禁を与えたのよ? 第268話の読者の質問コーナーで「魔神王がエスタロッサに与えた」と明言されてたばかりです。魔神王が与えたなら、その時の様子だけでも「箇条書きのような認識」ではない、彼自身の記憶として存在するはずでは?

 

 

…などと埒もなく考えたところで意味はないですね。

次回から謎が明かされていくのでしょう。

楽しみです。

 

 

 

 

 

しかし。

魔神王まで記憶を書き換えられてましたー、なんて禁じ手を使ってくるとは。

だって魔神王は、バンやメリオダスの魔力も効かない「支配者ザ・ルーラー」という特別な魔力さえ持っているんでしょう? なのにゴウセルの記憶改変は効くのか。

そんなのが許されるなら、もーなんでもアリになっちゃうじゃん(汗)。

 

だったら、もっと トンデモな真相を想像するのもアリなんでしょうか。

例えば、こんな仮説はどうでしょう。

魔神王と最高神は兄妹で、術士ゴウセルは魔神王の親友であり最高神の恋人だった。(あるいは、魔神王と術士ゴウセルが兄弟だった。)しかし魔神王に与えられた「無欲」の戒禁のせいで、最高神は記憶を失い、術士ゴウセルは感情を失った。最高神の輝いて見えない顔は、実は人形ゴウセルに そっくりなのである、とか。(人形ゴウセルは、術士ゴウセルの恋人をモデルに性別だけ変えて作られている設定なので。)

…この仮説、致命的なのは「最高神に戒禁が効くのはおかしい」って点ですね(苦笑)。あと、術士ゴウセルが幽閉されたのは聖戦終結の500年前でしたが、女神族と魔神族の争い自体は、それ以前から始まってたんだろーしなあ。 没! 

 

 

 

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