『七つの大罪』ぼちぼち感想

漫画『七つの大罪』(著:鈴木央)の感想と考察。だいたい的外れ。ネタバレ基本。

【感想】『七つの大罪 戒めの復活』第四話 <十戒>始動

※この記事の画像は、特に記載のない限り、TVアニメ『七つの大罪 戒めの復活』( 鈴木央講談社/「七つの大罪 戒めの復活」製作委員会・MBS)より引用

 

2018年2月3日放送 

第四話 <十戒>始動

 

今回はキングメイン。

このエピソード(キングの森帰還~アルビオン撃破)が原作で展開していたのは、アニメ第一期の後半クール頃でした。

 

エピソードが決着したのが、この感想ブログを開始する前月くらいだったかと。遡ってその辺の感想から書こうか迷ったのを覚えています。

とゆーか、感想ブログを始めようと思った動機の一つが、このエピソードに感動して、長文で感想を書きたくなったからで。

 

実は『七つの大罪』で最も好きなエピソード・戦闘の一つです。

第一期の終了前後、キングVS.アルビオン戦をアニメで見たいなあと熱望していたので、ついに見られて嬉しかった。(^ω^)

 

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二人の妖精王?

 

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ゲラード ただ一人を除く全ての妖精が、バンを妖精王と認めキングを排斥した、と語る冒頭のあらすじナレーション。

 

ただ一人であろうと、キングを支持する妖精が現れた。

原作の掲載当時、ゲラードが登場して「ハーレクインこそ王だ」と言ったとき、救われたような気分になったのを思い出しました。

 

 

このエピソードが開始した当初は

 

「妖精王は(妖精族の中から)神樹に選ばれた者。人間の王とは異なり、民が進退を左右できる存在ではない。基本的に、死なない限り新たな王を神樹が選ぶことはない(よって、妖精たちが何を言おうと、バンが妖精王になることはシステム的にあり得ない)

 

という設定が、まだ明かされていませんでした。

 

(エピソードの途中で小説版が出て、前述の設定が明かされましたが、小説版まで読む読者は多くなかった気がします。)

なので、「バンこそが今の正当な妖精王であり・キングは既に失脚している」もしくは「正当な妖精王が二人になっている」と解釈する読者も少なくなかった。

 

 

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バンの台詞から察するに、彼が妖精王と呼ばれることに否定的な妖精は、ゲラード以外にもいたらしい。

 

バンは、自分が「人間だから」ゲラードら一部の妖精に嫌われていて、「嫌っているから」彼らはバンを妖精王として認めないのだと解釈していた。

 

それも間違いではないのでしょう。

また、バンは言及してくれないけど(苦笑)、ハーレクイン個人に情があって、バンがその立場を奪ったかのようになっていたことに いい気がしない妖精もいたんじゃないかと思いたい。いなかったら悲しい。(;^ω^)

 

けどまあ、どちらも理由の本質ではないはず。

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バンへの好悪も人間族の所業も関係ない。

「神樹」の妖精文化での重要性を知らないバンと、誰よりも長く妖精族を見守り存亡を案じてきたゲラードには、根本的な認識のズレがあったんだなと思います。

 

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面白かったり印象深かったりした場面を、ごちゃごちゃと。

 

 

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キングVS.アルビオンの振動でジェリコが「仰向けに」転んで「気絶」。

これはアニメオリジナルの補完描写です。

原作だと うつ伏せに べちゃっ と転ぶだけで気絶の描写はなく、そもそも、この場面からアルビオン戦終了後の旅立ちまで出てきません。

 

ジェリコが串刺しの枝を剣で断って宙吊りバンを助けたんじゃないかなと想像したりしていたけど、バンが自力で枝を引き千切ったので確定かー。ちょっと残念。

 

 

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アルビオンが妖精王の大樹を伐った直後、エレインの遺体を抱きしめて庇っているバンのアップ。

 

バンの瞳を

ハイライト無しの虚ろな目→ハイライト現れて精神の光宿る

とアニメーション描写することで、彼が「まだ意識が朦朧としている時点で」エレインの遺体を抱きしめたのだと補完しています。

 

串刺しにされて意識を失っていたのに、エレインは とうに亡くなっているのに、それでも大樹が伐られて危機的状況になった時、朦朧としたまま枝を引き千切ってエレインを抱きしめて庇った。

それほどまでに、バンは彼女を大事にしている…ということでしょうか。(*´ω`*)

 

また、この場面には、キングとバンのスタンスの違いを示す意味があったとも思っています。

キングは石を投げられようとも、妖精族を森をディアンヌを、妹を護ってくれるバンを「全て最優先して」護る。

バンは「ただ一人の女」を護る。森や妖精たちが危機に陥った時、最優先で護ったのはエレインの遺体でした。森を復活させて育てた妖精族の恩人なのは事実だけれど、それはエレインの望みだったからで、妖精たちが期待していたような、森や妖精族全体が大切という動機からではないのです。

 

 

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キングを庇ってアルビオンに立ち向かい、薙ぎ払われた妖精たち。

 

原作だと体がバラバラに砕けてミンチになってしまうけれど(それを目の前で見せられたキングは大衝撃を受ける)、アニメではずーっとソフトになって、血が出ただけで誰も死にませんでした。

流石にミンチは規制に引っかかるのか?

しかも血を黒く塗っている。(『聖戦の予兆』では鮮血を描いてたのに。)

 

原作だと、この先かなりのモブキャラたちが、バラバラになったりぐちゃぐちゃに折れたりべちゃっと潰れたりして死ぬのだけれども。それらも怪我しただけに抑えられるのかな。

 

 

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魔神ガランさん。

 

ガランは原作では渋めの緑色なのですが、

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アニメではご覧のような暗赤と銀になりました。

 

第一期でも、原作では緑だったドレファスの鎧が真紅に変更されていたものです。(あれは結構好きでした。)

なので、今回のガランの真っ赤っ化も、緑だと全体の色彩調和的に問題が出るとか、何かプロ的な理由があるんだろうな~と思ってたんですが。

 

今回、紫色の融けエジンバラ城に赤黒いガランが色彩的に埋もれてしまっているのを見て、これなら緑の方がマシだったんじゃないかなあ、と思ってしまいました。(^^;)

 

つーか。

ガランの元ネタの一つって、アーサー王伝説群で騎士ガウェインと勝負した「緑の騎士」だと思うのです。エスカノールとの「交互に斧で撃つ」勝負(ガランゲーム)を見るに。

なので、緑のままの配色で、元ネタを知ってる視聴者をニヤリとさせてくれてもよかったのに~。

(全体を薄めの緑にして、アニメガランみたく角や膝の部分を銀にしてたら、目に優しい色合いになってたんではなかろーか?)

 

 

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グロキシニアの頭をポンポンするガランさん。

あたかも おじいちゃんと孫のように見えますが、実はグロキシニアの方がよっぽど年上です。

(ガラン991歳、グロキシニア 約1400歳)

 

グロキシニアは、原作では出自が明らかになるまで、ほぼ100%の読者に女の子だと思われていました。

でもアニメでは男声なので、間違える人は一人もいなさそうですね(笑)。

 

…それはそうと、グレイロードの声優が男性なのが怖い。だってグレイロードは女王なのに……のに…。

 

 

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神器ロストヴェインによるメリオダスの実像分身。

 

結局この機能、その後 殆ど活用されなかったなあ…と懐かしく思う。

現時点の原作のメリオダスなら、分身を一体作れば闘級7万1000になる。戦力になり過ぎる(苦笑)から、逆に使われないんでしょうか。

使用者の闘級が高すぎると完全な分身を作れない、みたいな制限があってもいいのに。

 

 

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 (メリオダス×5)+エリザベス=セクハラ(って言うか、衆人環視プレイ?)

 

胸を揉むメリオダスが二名、お尻をスカートの上から触るメリオダスが一名、スカートの中に頭を突っ込んで股間やお尻にグリグリ頭をこすり付けているメリオダスが二名、という過激さ。

マーリンがサッとアーサーの目を塞ぐのが可愛いんですけれど、そういう反応ってことは、彼は色んな意味で清らかなのかしら。

(なお、エリザベスとアーサーは同い年の16歳である。)

 

 

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そういえば、ホークがバロールの魔眼を使う時に見える、闘級を示す謎の文字。あれ、何なんでしょうね。

作中、店の看板などはアルファベットで現代英語が使われています。一般的な文字ではない感じ。

でもホークが普通に読んでいるので、3000年前に使われていた文字とかではないっぽいんですよねえ…。

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 「8」の文字は未だ作中で描かれたことがないので、どんな形か判らないです。

 

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今週の教えて!ホーク先生

 

今回の生徒はキングでした。キングメインの回で予告もキング。頭から尻尾までキングで楽しかった。

 

前回のバンより、更に表情のバリエーションが豊かだった気が。

これから回が進むごとに生徒の表情や動作が増えていくのかもですね。

 

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一体ドコが(笑)。

 

次回の生徒は誰でしょう。石化記念でマーリンかしら。  

 

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ヘルブラムの亡霊は言いました。

キングは今まで自分を犠牲にし過ぎた、もっとにワガママになってもいいんじゃないかなと。

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キングは怠惰の罪を背負い、普段も よくクッションに しがみついてダラダラしているので、怠け者だという印象を持たれがち。

でも、実は自分の仕事は きっちりこなすタイプです。

 

妖精王は森を育て、内部のあらゆる問題を解決し、外界を警戒し、外敵から森と一族を護る。人間の王とは違い、その全てを ほぼ一人でこなします。

ゲラードやヘルブラムら妖精王補佐は、あくまで精神面のサポート役だそうです。

 

キングは森にいた時代、完璧な平和を作り上げていました。それこそ、妖精たちが「何があっても王が解決してくれる」と思うようになったほどに。

 

誘拐されたヘルブラムらを助けに森を飛び出したまま、キングは戻らなかった。

戻れなくなるような困難が彼に降りかかったことは明らかで、普通なら、捜索や救助に出るものですよね。

ところが、小説版での説明によれば、エレイン含む全ての妖精が、それを思いつくことすらなかったのだそうです。

それほどに妖精たちはキングに頼り切り、彼は自力で全てを解決できる存在で、自分たちが手助けすることなど あり得ないと思っていたのだそう。

 

唯一の例外が黒妖犬ブラックハウンドオスロー。

オスローはエレインが赤き魔神に殺されるまでは、彼女を助けて、妖精王の森で人間族を排除する仕事をしていたらしい。森が焼けた後、つまり妖精たちがバンを新たな王と讃えてハーレクインの悪口を言うようになってから、森を出て捜索に行ったっぽい。

オスローはゲラードの犬なので、彼女の指示だったのかもしれません。

 

キング不在の間、エレインは妖精王の森で生命いのちの泉を守護し、同時に外敵から森を護っていました。

そしてゲラードは、恐らく妖精界内部の管理を行っていたのでしょう。

かつてはキングが一人で こなしていた仕事を、手分けして行っていたわけです。

 

まあ、キング自身は、ワガママになってもいいんじゃないかなとヘルブラムに言われても、結局、みんなの守護者でいることを諦めませんでしたが。

それがキングの「ワガママ」なのかもですね。

 

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キングVS.アルビオン、真・シャスティフォル発動。

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…ほう(感嘆の息)。

 

以上、この戦闘をアニメで見られて嬉しかった!

けど思い入れが強いのも困りもので、自分が抱いてたイメージと違ってて残念だなと思った部分もありました。

 

一つは音楽。

戦闘前半は苦しげ・切なげな音楽(ハーレクインのテーマ)で、神器開放の場面には清らかな感じの音楽(新規曲?)がかかってて、「辛く苦しい・内省的な戦闘」のイメージに仕上がっていましたが、個人的には迫力ある戦闘というイメージだったので、もっと緊迫感やパンチのある音楽の方がよかったなあ、なんて。すみません。(^^;)

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残念だった点の二つめ。

アニメではキングが真・シャスティフォルを投擲した際、カメラが引いて、キングの全身を映したんですよね。

それがカッコ悪かった。小動物が空中で手足をジタバタさせたみたいで、折角の巨大な迫力が削がれてしまっていました。(と、私個人は感じました。)

カメラは引かせないでほしかったなあ。

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このカット、放送開始前のPVでも使われていたので、その時点で「ああ~…」と思って覚悟はできてましたが。やっぱり残念だったな。(´・ω・`) 

 

 

 

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