【感想】番外編 戦え!! 残飯処理騎士団団長
週刊少年マガジン 2017年6号[2017年1月11日発売] [雑誌]
番外編 戦え!! 残飯処理騎士団団長
『週刊少年マガジン』本誌掲載の番外編・第4弾の2。
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リオネス王都の朝。
両ポケットに手を入れて、のんびり住宅街を歩くハウザー。恐らく彼の家の近所なのだと思います。「おばさん おハヨーっス」と挨拶すれば、家の前で掃き掃除していた中年女性も、小さな頃から知っている子供への態度で、にこにこと挨拶を返しました。
「おはようハウザーちゃん …じゃなくて聖騎士長さま!」
苦笑に僅かな照れの入り混じった顔で返すハウザー。
「いや… 聖騎士長つっても 代理みたいなもんで」
「ハウザーが聖騎士長に任命された日(王都防衛戦の翌日)の翌日以降」で、「その情報が近所の人にも知れ渡ってい」て、「任命されて初めて言葉を交わした」様子。
順当に考えれば、この日の時間軸は王都防衛戦から二、三日後。長くても一週間後くらいでしょうか?
会話する中年女性とハウザーの傍らでは、少年(中年女性の息子?)が桶をひっくり返して残飯を出し「タポ ごはんだぞ!」と、飼い犬に与えていました。
パタパタと尻尾を振ってよだれをこぼし、タポが それを食べようとした瞬間。
目の前のエサ(残飯)が消えうせたではありませんか。何者かに掠め盗られて。
「わーーん!!!」「怪物がタポのエサをとった~~~~~!!」と大泣きする少年。空を見上げて「キャン キャン」と吠え立てるタポ。
そう、犯人は大空を舞っていたのです。首輪のようなものを着けた、豚鼻の空飛ぶエイが。
「今 俺は風と一体化している…」「そして 風と共に流れてくる 残飯の芳醇な香り…」「
町中 の残飯の位置が手にとるようにわかる!」
「残飯いただき~~~~!!!」「きししっ」
下から見上げたハウザーは。
「ありゃ 野生のスカイマンタ?」「だとすりゃ危険だな ……よし」
“ワールショック”
すかさず放った風の渦によって、怪物はぺちんと地に叩き落されたのでした。
ちなみに、スカイマンタとは聖騎士たちが移動手段として飼いならしている、空飛ぶ巨大エイですね。
地に叩き付けられた衝撃で(?) プリス… と脱糞した怪物は、おしりに四葉模様のある豚に変身して「この豚野郎!!! いきなり 何すんじゃー!!!」と怒鳴りました。
驚いてずっこけるハウザー。
ハウザー
「へ? お…お前<七つの大罪>のペットのポーク?」ホーク
「ペットでもねえし ポークでもねえ!! 残飯処理騎士団団長様じゃーーい」
え、ペットじゃないんだ。(そうですね、メリオダス曰く、ペットはキングでしたね。)
ハウザーやギルサンダーがホークを「ポーク」と呼んで言い改めないネタは、TVアニメ『聖戦の
残飯タイムを邪魔されたと お怒りのポーク…もといホーク。お仕置きが必要なようだなと、首輪に沢山ついているポケットの一つから、耳で器用にミートキューブを取り出しました。
マーリンの
魔法具 No.300「モンスターブロック」色々な怪物のお肉が おいしい一口サイズに
それを口に放り込むや、たちまち「
脚なが細ぇ。
余談ながら、灰色魔神Ver.ホークの初出は、第186話扉絵です。
元はスマホゲーム『七つの大罪 ポケットの中の騎士団』用に作者さんが描き下ろしたデザインだったかと。(無償配布★6キャラ)
ゲームの3Dは、脚の長さを再現してないので、ちょっと残念に思ってたりします(笑)。
灰色魔神ホークは
本家の灰色魔神や、ヘンドリクセン灰色魔神Ver.の放つそれは、触れれば真っ黒になって即死する恐るべき技。戦慄したハウザーの前で、黒い雪はふわふわと飛んでいき、近所の家の朝の食卓に。
湯気の立つ料理や籠盛りの果物に触れた途端、なんということでしょう、一瞬でぐずぐずに崩れてしまったではありませんか。すかさず
食べ物が残飯に変わったと、あちこちの家から悲鳴が上がりました。
無言になったハウザーは目を細めると
「“ライジングトルネード”」
小声でぼそっと唱えつつ竜巻を発して、灰色魔神っぽい豚を ずこーん と壁に叩き付けたのでした。
「正直アホらしいが これ以上 被害を出すわけにはいかねえ!」
いやいやいや、アホらしくないよ。充分恐ろしいよ。
あの
ホークは生きた怪物や魔神さえ食べちゃうんですから、動物や人間も、無理なく残飯化の対象になり得りそうじゃないですか。
怖い…。豚怖い……。
壁に激突したホークは、またも衝撃で(?)ぷりっと脱糞し、元の姿に。
うんち出過ぎだよ…。食べた端から出てるよ…。小鳥か。
「おのれぇ ナメやがって~~~!!!」「次は こいつじゃーー!!!」と、もう一つモンスターブロックを食べて、更に
「しつけーーな!!!」と怒鳴りつつ、放置もできない聖騎士長(代理)ハウザーの戦いは続くのでした……。
日が暮れて。
ぐったりとテーブルに突っ伏して、お茶を飲む気力すらないハウザーを心配するグリアモール。(大人です。服を着ています。)
そして、メリオダスとエリザベスのもとに帰宅したホークは。
ハリガネのように痩せて、ぶるぶる震えながら腹の虫を鳴かせていました。
「な…」「何か 残飯食わしてくれ~~」
その様子を見て、したり顔のマーリン。
「…無理もあるまい それなりに強力な効果をもたらす
魔法具 だからな…」「量を摂取する程 莫大な体力 を消費するのだ」
いいじゃん! 食べれば食べるほどダイエットじゃん!
それはそうと、マーリンが いるところを見るに、この場所は彼女の研究所? それとも<豚の帽子>亭再建がもう出来たんでしょうか。
ハリガネのように細く紙のように薄いブタを見つめるメリオダス。
何を思ったか、「フ!!」と息を吹く。
紙切れのように宙に舞ったブタを、フックワーク軽く移動しては「フーー」「フーーッ」「フッ」と下から息で吹き飛ばし続けます。さすがの肺活量です。
「や~~め~~~ろ~~~」と言いつつ、ヒラヒラと翻弄されて地上に降りることのできない一反木綿ホーク。
突如始まった謎の遊びを、汗タラで見守るエリザベスなのでした。おしまい。
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今回の、第一の感想。
いや。深刻に迷惑でしょコレ。(^^;)
人んちの食べ物を食べられなくしたり、ペットのエサを勝手に食べちゃうってさあ。
リオネス王都はすっかり元通り、呑気で平和な日常、みたいな描き方になっていますが、本当は今も、王都以外の町や村は魔神に蹂躙され続けているはずです。
これが何を意味するかっつーと、地方からの物資が減産するってこと。
王都だけ無事でも、来年・再来年は、食料がかなり不足してきて、辛いことになってくるんじゃないかなと。聖戦が終わっても いっぱい人が死にそう。
キングさんが植物を育てる魔力で豊作にしてあげる道もあるかもしれませんが、そんな義理もないし。それともエリザベスの花すら咲かせる光のパワーとか、マリえもんの秘密道具で万事解決してしまうのでしょうか。
食べ物は大事。人の食い物に手を出すな。ノー残飯!
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ホークの
加工済みのお肉を一欠片食べるだけで変身。しかも、以前より力が強くなって「使える」ようになってます。
初めて
ホークは魔力ある生き物の肉を食べると変身できる。
そして、魔力は死ぬと消滅するというのがこの漫画の設定でしたから、「生きたままの」魔力のある生き物を食べないと変身できないんだろうなと思っていたら。
加工・保存されたお肉を、ほんの一口食べるだけでOKとな。
お手軽~。
そのうちマジに、バンの肉の欠片とかエリザベスの髪の一房とかを食べて、彼らの能力をコピーした「使える」
アニメ版のエンドカードの作者さんイラストに描かれていた、エリザベスなホークとかバンなホークとかエレインなホークは、その伏線だったのだ! なんてね(;^ω^)。
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ホークの「モンスターブロック」は、マーリンの
No.172…ミニマムタブレット(ディアンヌを人間サイズにする薬)
No.173…(恐らく、ゴウセルに飲ませようとした魔力安定剤)
No.174…沈静の
…で。一気にナンバーが飛びましたね!
姿を消していた一ヶ月の間に、マーリンてば、100以上も
一つは、エスカノール用の新しい眼鏡なんでしょうが。他は一体。
マリえもんの四次元ポケットの中は、たっぷり充実していそうです。
メリオダス用とかゴウセル用とか、いろいろ開発していそう。今後、何か出てくるんでしょうか。