【感想】『七つの大罪』第181話 聖騎士ザラトラス
週刊少年マガジン 2016年31号[2016年6月29日発売] [雑誌]
第181話 聖騎士ザラトラス
- 「お久しぶりですエリザベス様…」「そのように お美しく成長されて陛下も さぞ お喜びのことでしょう」
微笑むザラトラスを前に、戸惑うエリザベス。
「これは… 夢なの?」「ザラトラス様は…… だって…」
◆話に関係ないけど、エリザベスちゃんの新ウェイトレス衣装、背中が大きく開いてたんですね。セクシーだ! - ホークが冷や汗を ますます流した。
「ザザザ… ザラトラス!!? 10年前 二大聖騎士長にブッスブスに刺されて死んだ 元・聖騎士長かーーーーーーーーーー!!?」 - 「そう…」静かに男は
肯 う。
その、一拍後に。
「そーーーーーーなんですよ!!!」
素っ頓狂に叫んだ。
「あの時 ヘンディに<黒猫のあくび>亭のフィッシュパイを差し入れにもらったばっかりに!!!」
両手を握り締めて、力いっぱい訴え続ける。
「もう それがアツアツ サックサクのできたてで… 夜勤明けの空腹に我慢できるわけもなく!!!」「考えてもみてよ!? まさか パイに毒が盛られてるとは思わないでしょう!?」「聖騎士長だって人間ですからね!! お腹は空くんですよーーーーーー!!!」
◆ものすごくどーでもいい話なんですが。最近、台詞の使用フォントが変わりましたよね。内容も心機一転だし、編集記者さんが替わったのかな? 後引きの文章の感じも、最近ちょっと詩的になった感じがするし(笑)。気のせいかしらん。
今明かされる、ザラトラス暗殺の真相!
親しさを利用して毒で弱らせてから殺したのかなと想像はしていましたが、酒か何かに入れたかと思ってました。パイか(笑)!
冷や汗を流しつつも悪そうな顔で笑ってるヘンディに対し、ザラトラスさんのマヌケ顔…(よだれまで垂れてる)。あはははは。 - ポカーー…ンとするホーク。
「……へ?」
エリザベスも少し目を丸くしている。 - ザラトラスが、真顔でエリザベスに迫った。
「エリザベス様は<黒猫>フィッシュパイ ご存知ですか?」
「は… はい」迫られたぶん、思わず のけぞるエリザベス。
「とっても美味しくて 父上も姉様たちも 大好物です」 - 「ですよねーーっ?」
嬉しそうに笑うと、ザラトラスは大きな身振りで体を曲げた。まるで道化のようだ。
◆この、話に夢中になってエリザベスに過剰に顔を近づけちゃう感じ…。キングがオッサン姿でエリザベスに初挨拶した時みたいです。
この場にメリオダスがいたら、キングの時と同じように、割り込んで顔を押しのけたんでしょうね(笑)。 - 一連の様子を呆れ顔で見ていたホークは、プゴッと鼻を鳴らして結論を下した。
「偽物だろ こいつ!!」 - 「はい!?」ビクッとする自称・ザラトラス。
- ところが、エリザべスは安堵と懐かしみの微笑みを浮かべたのである。
「ううん… 本物のザラトラス様よ」「昔と何も変わってない」 - 「はい!?」今度は豚がビクッとなって叫んだ。
- ザラトラスは言葉を続けている。
「一生の不覚でした …フィッシュパイの誘惑にさえ負けなければ………!!!!」
まだ言っとる、と呆れ顔のホークの前で、再び両手を握ってワナワナと震え始めた。その声音と表情が、真の こもったものになる。
「ドレファスもヘンディも暗闇から救い出してやれたものを……!!」 - 「ザラトラス様………」
エリザベスは気遣わしげに眉を曇らせた。 - 再会は成され、客人は<豚の帽子>亭に迎え入れられた。鎧を脱いでカウンター席に着いた彼に、ホークが とんとことん と酒を運んでいく。
「一杯やるか ザラちん?」
片耳で酒瓶、もう片耳でジョッキを持って勧める。もうすっかり気を許したようである。
「ありがとう 子豚殿 でも よしておこう こう見えて 酒癖が悪いらしくてね…」
笑顔で固辞したザラトラスの前にエリザベスがカップを並べ、お茶を注いだ。
「どうぞ」
「かたじけない…!」
喜ぶザラトラス。
◆ホークの耳が、どんどん器用化&握力アップしていく…。水晶玉を耳で持ってたまでは器用だなーくらいでしたが、片耳で(重~い)酒瓶、もう片耳で(耳の先で取っ手を掴んで)ジョッキを運ぶのは、凄すぎて怖い(^^;)。どーなってんのこの豚の耳は(笑)。
ザラトラス、酒癖が悪いのですか。どんななんでしょうね。絡み酒系か? いやそれだとバンと被るし…。歌うとか泣くとかだとキングと被りそう。残るは…怒るとか説教系?(^^;) まさかキス魔とか口説き魔とか脱いじゃう系かしら。
番外編とかで見たいですね。
エリザベスがお茶を注いだカップ、縁にぐるりと豚の模様があって、すごく可愛かったです。こういうカップがあったらいいなあ。
<豚の帽子>亭って、ランプもジョッキのワンポイントも豚の形にしてありますが、全部特注品なんでしょうね。神器を売り払って資金にしてでも、細部にこだわった酒場を作りたかった? メリオダス、意外と凝り症なんでしょか。 - ザラトラスは深刻な顔で語り始める。
「どうやら 私は 一時的にではあるが――蘇ったらしい」「あの恐るべき魔神族<十戒>の魔力によってね」「とてつもない魔力だ… この世に未練ある魂に 怨みの念と体を持たせ 蘇らせるとは……」
それは、メラスキュラの怨反魂 の法の ことなのだろうか。
◆となれば、やはりメラスキュラは生きてるっぽい。残り心臓一つで弱ってそうですが。エレインも死体に戻ってなさそげです。 - 「……ん?」
たらりとホークの顔に汗が流れた。
「ってことは お前… 自分を殺した二大聖騎士長に怨みを晴らすため蘇ったってことか!?」 - ギイッと音を立てて、ザラトラスが椅子から立ち上がった。垂らされた長い髪で隠れていた顔を豚に向け、恐ろしげに薄ら笑ってみせる。
「そうだ…」 - 「ギャーーーーッ!!!」
亡霊を見たように泣き叫ぶホーク。 - 「――と言えれば どんなに楽か!!」
すまし顔になると、ザラトラスは座り直してお茶のカップを手に取った。
「――正直なところ 魔神に操られているドレファスとヘンディに気付いてやれなかった自分への怨みしかないというか…… それが この世への未練なんだろうねぇ」「情けなくて 本当に自分が嫌になるよ…」
ズズ~~…とお茶をすすりながら、わざとらしく悲しそうな顔をする。
◆自分への怨みしかないから闇の術で生き返ったのに狂暴化しない?
話の都合とは言え、そんなのでいーんですね(^^;)。
自分が憎くて、その負の感情が増幅されてるなら、自傷(魔神への理性なき特攻含む)にでも走りそうなものですが。フツーの精神状態にしか見えない。
なお、それが「復活のエネルギー源たる『未練』になった」と言うならば、彼は、ドレ&ヘンが魔神憑きだと「死ぬ前に」知っていたってコトになります。
でも「気付いてやれなかった」のが未練だと言ってる…。
うーん?
死ぬ直前に気付いた、のでしょうか。 - 「エリザベスちゃん こいつ殴っていい?」「グーで」
上がった血圧で あちこちの血管を盛り上がらせた豚は、片耳の先を拳のように丸めて掲げた。
「仕事中は もっとキリッとされてる方なんだけど…」
困り顔でエリザベスは微笑む。
◆ザラトラスさん、人をからかうのが大好きっぽいですね。小さい頃のギルサンダーたちも、こんな風に脅かしてたんじゃないでしょうか。
怖い話や不思議な話が好きなギルは あまり動じなさそうだけど(むしろ喜ぶ?)、ちびグリアモールは泣いてちびってそう。 - 「…ギルには もう会われましたか?」
微笑む少女に水を向けられ、「フ…」とザラトラスも笑みを落とした。
その、一拍後に。
「今更 どの面 下げて会えばいいんです!? 急に 死んだ父親が出てきたらビックリじゃ済みませんよ!?」「それにもし!! 万が一!!父親 の顔を覚えていなかったら ショックで死んでしまいます!!」
半泣きで一気呵成に訴えてきた。
◆ザラトラスのテンションの乱高下、疲れますね。(^^;)
番外編や豚の帽子学園編では、ギルのテンションかなり乱高下 激しくて変人なんですが、実は父親譲りの気質だったのかも…。 - 「それは少し考え過ぎじゃ」と、困り笑顔を続けようとしたエリザベスは、続いた言葉にピクッと震える。
「それにギルは 私よりメリオダス殿に よく懐いていたからなぁ」
少女の表情が消えたことに気付かなかったわけではあるまいが、ザラトラスは天を仰いで話を続けていく。
「…なんか無性に腹が立ってきましたね…」
「コラ!! ちったぁ空気読め!!」と焦って咎める豚を無視して、飄然とした顔をエリザベスに向けて言い放った。
「メリオダス殿に会わせてください」「少し文句を言ってやります!!」 - 聖騎士シルバーとしてあの場にいた彼は、メリオダスが どうなったかを知っている。にも拘らず、こんな物言いで面会を求めるのは何故なのだろう。
エリザベスは、ザラトラスを主寝室に案内した。 - 少年の眠るベッドにしがみついて、ホークは涙ぐんでいる。
「激闘のあととは思えねぇほどキレイなもんだろ?」「傷口は 全部 エリザベスちゃんが治してくれたんだ」
胸から腹にかけて無残に刺し貫かれていた七つの傷は、傷痕は残っているものの全て塞がっていた。千切れ飛んでいた右腕も付いている。 - 「完璧な治療だ」「並のドルイドでは こうは いきません」
ドルイドの血を引く男に目を向けられた少女は、握りしめた手を震わせて涙をこぼした。
「こんな力… なんの役にも…」「心臓は完全に止まったまま…」「メリオダス様は もう二度と……」 - ザラトラスは、少女に応えなかった。
「…いつまで寝こけているつもりですか」「あなたは」
やや険しい表情を作って覗き込んだのは、眠る少年の顔。
「心臓が止まった程度じゃ自分は死ねない と言ってましたよね?」 - 「?」
涙を浮かべたまま、エリザベスは不思議そうにザラトラスの顔を見つめた。 - ザラトラスが尋ねる。
「エリザベス様 死者の都へは行かれましたか?」
「…ええ…… どうしても…メリオダス様に会いたくて… ホークちゃんと」「けど…」
エリザベスとホークの目に滲む、新たな涙。
「会えなかった!!」
んぱっ、と道化のように少女を覗き込んで、嬉しそうにザラトラスは笑った。「でしょう?」 - 「明るく言うな!!!」
ついにホークの耳パンチがザラトラスの左頬に炸裂。大した威力じゃないけれど。 - 「私… どうしたらいいのか……」「教えてください ザラトラス様…」
気丈な振る舞いは崩れ、泣き濡れて救いを求めた少女を、束の間、ザラトラスは痛ましげな目で見つめた。しかし、すぐに満面の笑顔でポンッと少女の肩を叩く。
「いかがでしょう? メリオダス殿に直接 聞いてみては」
「…………え?」 - 集められた木の実や鉱石を乳鉢ですり潰し、絵具様のものを作る。それを指先に付けて、床におろしたメリオダスの額、胸、腹に、神秘文字のような紋様を描いていく。
その作業をしながら、ザラトラスは語った。
「メリオダス殿は本当に不思議な男です…」「彼の発言や考えの真意がどこにあるか 当時の私には理解ができなかった…」「まるで… 遥か遠い過去を生き 遥か先の未来を憂うかのような――――」「雲を摑むような謎の言動の数々――――――…」「驚くべきことに それが 今になって なるほどど思い当たる出来事が 次々と出てくるのです」「一度… 珍しく酒に酔った彼が自分の死について語ったことがありました」 - 「メリオダス様が 自分の死について……!?」
「なんて言ってたんだ!?」
顔色を変えるエリザベスとホーク。もし彼を蘇らせる方法があるのなら、手掛かりになるのかもしれない。 - ザラトラスは てへ と笑って、ぺろっと舌を出した。
「スッカリ忘れてしまいました」
ズッコケる王女と豚。
◆嘘ですよね。覚えてたから「心臓が止まった程度じゃ自分は死ねない と言ってましたよね?」と言ったんですから。食えない人です。 - 「なので もう一度 確かめてみましょう」「彼の記憶の中から…!!」
メリオダスの頭の上で スススッと刀印を切ると、ザラトラスはエリザベスに右手を伸ばした。
「エリザベス様 私の手を」
「は… はい」彼の手に自分の手を載せるエリザベス。
「子豚殿も」
「プゴッ」ザラトラスの左手に、ホークは己のひづめを載せる。 - 横たわるメリオダスを囲んで二人と一匹は手を繋ぎ合っていた。
「ドルキモト・ヘカトコベ・」「オムノレア・キエト…」
ザラトラスが唱えた呪文に合わせ、地面から湧いた光で一面が輝き始める。
◆「時戻る・過去へ跳べ・己と向き合え」 - ハッとするエリザベス。
「この呪文はドルイドの里でザネリ様がメリオダス様にかけた――――――――…」
ドルイドの聖地でメリオダスが受けた、己の辛い記憶を乗り越える試練の際に掛けられていた、あの呪文と同じ…。
そして、あまりの眩しさに目を閉じた。 - 「!! …ここは?」
風の音が響いている。目を開ければ、そこは屋外だった。
「お… 俺たち今まで<豚の帽子>亭にいたはずだよな!?」
横たわっていたはずのメリオダスはいない。
「成功です」
うろたえる少女と豚の間で満足げに笑うとザラトラスは立ち上がった。繋いでいた手は放して問題ないらしい。 - 「なぁ…」「一体 ここは どこなのよ?」
キョロキョロ辺りを見回していたホークが「!!」と息を呑んだ。
「プゴッ!! なんじゃありゃ!!?」
この小高い丘から見下ろした先の大地に、半径数Kmはあるだろう、あまりに巨大な空隙が口を開き、ゴオォ…と空気を唸らせて、その全体から黒炎が壁のように噴き上がっているではないか。話に聞く地獄とは、こういう場所に違いない。 - 「…滅びた直後のダナフォールです」と、ザラトラス。
- 「ダナ…フォール…」
そこはエリザベスの故郷でもあったはずだが。彼女の中で優先されるイメージは、今や違うものに塗り替えられている。
「メリオダス様が かつてリズさんと暮らしていた…」 - その時、背後から声が響いた。
「…これは ひどい!!」「信じられん光景だ…!!」
ハッと振り向いたエリザベスとホークの目に映ったのは、甲冑をまとい、それぞれ馬に乗った、威風堂々たる二人の男。実に見覚えがある。
「父上!!?」
今より若いが紛れもなく。エリザベスの養父、リオネス国王バルトラ・リオネスだ。
「そ…それにザラトラス様も……!!?」
エリザベスの隣に立つ彼より幾分若い。騎士装備のザラトラスが、父の後ろに従っている。 - 「これは あくまで過去の記憶です」「我々の姿も声も 二人には届かない」
『今』のザラトラスが言った。 - 「これが悪夢の正体だったか…」
<千里眼 >で この滅亡を察知し駆けつけたということか。若きバルトラは愕然とした様子で地獄を凝視している。本当に、エリザベスたちの姿は認識されていないらしい。 - 「けど なんだって俺たち こんな えれぇ
場面 に飛んできたんだ?」
ホークの質問に、ザラトラスは遠く視線を彷徨わせた。
「それは おそらくメリオダス殿と私…そして――」「エリザベス様が初めて接点をもった時だからでしょう」 - 「メリオダス様と私………が?」
戸惑うエリザベスを余所に、場面は進んでいる。
「あれを!! 少年がいます!!」
『過去』のザラトラスが、燃える空隙の方を指して鋭い声をあげた。
そちらから、この丘に登ってくる人影がある。ダナフォールの生き残りだろうか。
「おい!! この国に一体 何があった!?」 - 「そんな… あれ…は」
見やったエリザベスとホークの顔に、これまでとは異なる動揺が走った。 - 丘を登る少年の歩みは遅い。両腕に抱えたものを庇っているからだろう。
ダナフォールの騎士団服はあちこち破れ、その下に覗く肌も金色の髪さえも血で汚れている。やはり血まみれの頬には、今も乾くことなく涙が流れ続けていた。
彼は泣いているのだ。
しかし翠の瞳は強く燃えている。恐らく、烈しい怒りと、悲しみと、それらを凌駕する不撓 の意志によって。 - 腕に抱えているものは二つ。
一つは血で汚れた布で包まれた……赤ん坊だった。それ自身には傷一つなく、腕の中で健やかに眠っている。
もう一つは、エリザベスとホークにとって懐かしいもの。竜をかたどった祭器の欠片である。ただし刃は付いていない。折れ刃は、この後で付けられたということだろうか。愛用の剣にカムフラージュして持ち歩くために。 - そう、赤ん坊を抱き、後に刃折れの剣と呼ばれた欠片を握る、その少年は。
- 「あれは」
『今』のザラトラスが告げた。
「幼き日のあなたと」「メリオダス殿だ」 - 次回「たしかな ぬくもり」
前回予告サブタイトルは「聖騎士長ザラトラス」でしたが、「聖騎士ザラトラス」に修正されていました。確かに、今は「長」じゃないですね。
「メリオダス復活の鍵は過去にあり!」と後引きされていました。
一通り過去を勉強したら、アッサリ復活しちゃうんでしょうか?
メリオダスが すぐ生き返って、また元の「もうメリオダスだけいれば いいんじゃね?」状態に戻っちゃったら、何のために一回退場したか解らない。
個人的には、他の<大罪>たちが一定水準までレベルアップしてお披露目が済むまでは、メリオダスには お休みしてて欲しいかもです。
たとえば、目覚めたとしても、病み上がりで力が出せないとか。
で、<豚の帽子>亭で旅しながら、再び<大罪>を一人ひとり集めていくみたいなのもいいな。
けど、例によってのビックリ展開が待ってるんでしょうね、きっと。
((;'∀')))ビクビク、ワクワク?
------------------------------
「心臓が止まった程度じゃ自分は死ねない」の件
これは「目的を果たすまでは死ぬに死ねない」という精神論的な話なんでしょうか。
それとも、文字通り「心臓が止まっても死なない不死の体」という意味なのでしょうか。
もう一年近く前、第136話の感想で、メリオダスが<十戒>だった時の戒禁は不殺だったのではないか、という考察をしたことがあります。
不殺の戒禁持ちにも拘らず魔神王を害したため呪われて、子供の姿に戻ったうえ、不老不死の体になったのではないか、と。
>「(魔神族以外は?)誰もメリオダスを殺すことができない」というのが彼の戒禁で、代わりに、魔神族の仲間を殺すことができないようになっていた、とか。
>しかしそれを破って、例えば魔神王あたりを殺そうとしたか封印した。そのため呪われて「成長も死ぬこともできない存在」になった、とか。
>バンを<大罪>にスカウトすべく監獄へ行った時、「(バンは死なないので)人間じゃない」と牢番が怯えて言ったのを聞いて「奇遇だな」と呟いたのは、自分自身も似た存在だったから。白夢の森でギルサンダーに重傷を負わされたのに頑なに治療を拒んだのは、瀕死になろうとも死なない自負があったから。リベンジカウンターなんて危険な技を使えるのも、仲間にどう攻撃されても死なないから。
この考察、「外れたかな」と思ってました。
でも、もし「心臓が止まった程度じゃ死ねない」というのが、何らかの呪いか祝福かで「死ねない体だから」って意味ならば、当たらずともビミョーに掠ってた、くらいのことはあるのかも?
------------------------------
死体を治療するということ
死亡時のメリオダスの傷をエリザベスが治癒したと語られました。
胸から腹の刺し傷は、痕こそ残ったものの塞がり、失われた右腕に至っては、傷一つなく元通りくっついています。
ザラトラスは言いました。
「完璧な治療だ 並のドルイドでは こうは いきません」
………??
普通、死体をどんなに手当てしたって、傷は塞がりません。
なのにザラトラスもエリザべスもホークも、そこは疑問に思わないようです。
じゃあ、やっぱりメリオダスは仮死状態?
でも、心臓は動いていないという。呼吸は?
思えばエレインの死体も、死亡時に開いていた大穴が綺麗に塞がって、跡形もなくなっていました。
どういうことなのでしょうか。
うーん。
妖精族や魔神族の死体は腐らない。
即ち、心臓や呼吸が止まっても細胞は生き続けているってことで。
人間と違って必ずしも血液からの酸素や栄養に頼らず、細胞そのものが最低限の呼吸・栄養生成できて、心臓が止まっても自己保持し続けているとか?
そこに強い治癒の力(エリザベスの治癒術やバンの血)を与えると、細胞は賦活。傷は治せた、とかゆーことなのかなあ。
心臓と呼吸は止まったままなので、生き返らないけれど。
メリオダスの胸の傷、バンの顎の傷みたいに、このまま消えずに残るんでしょうか。
マジに、『北斗の拳』の「胸に七つの傷のある男」みたいですね(笑)。
------------------------------
フィッシュパイと<黒猫のあくび>亭のこと
「八つ裂きウサギ」や「マラキア王国」などに引き続き、読者の記憶力を試すかのごとき設定がまたも挿入された…!!
<黒猫のあくび>亭。
これ、初出は『小説 七つの大罪 ―外伝― 昔日の王都 七つの願い 』(感想)。
よしっ、今度は忘れてませんでした。
(マラキア王国のことは、小説版が初出だって、すっかり忘れてたから ^^;)
小説によると。
リオネス王都の、酒場や食堂が軒を連ねる「酔いどれ通り」にある居酒屋的な食堂で、メリオダスやキングら<大罪>も、王国騎士時代に よく夕飯を食べに通っていたそうです。(魔力を使わないキングが猫に敗北した現場はここ。)
今回のエピソード見るに、ドレファス&ヘンディやザラトラスらにとってもお気に入りの店だったようで。
小説版ではハウザーも見習い時代から行ってましたし、もしかしたら16巻収録の番外編でハウザー&ギルやツイーゴ一族? が飲んでた酒場こそ、この店なのかも。
聖騎士御用達の店。
それどころか、王一家もが、この店のフィッシュパイが大好きだとは。
流石に、王や王女が自分で居酒屋に行くことはないでしょうから、人に頼んでパイを買ってきてもらってたんでしょうか。
スレイダーら<
現代イギリスの一般的なフィッシュパイは、パイ皮を使わず、平皿にホワイトソースで和えた魚を入れて、上をマッシュポテトでドーンと塗り固めて焼いた、どちらかというとグラタンやラザニアっぽい料理らしいです。でも漫画の絵を見るに<黒猫>のフィッシュパイは、パイ皮を使うタイプに見えます。
(漫画なんで細かいこと言っても無粋だけど、時代設定的にジャガイモは似合わないから、パイ皮式の方が相応しい気がします。)
小説によれば、この店の人気料理は、白身魚と野菜の煮込みにチーズをとろっと掛けた一品。
それを思うと、このフィッシュパイも、白身魚を使ってチーズが入ってたんじゃないかなあと想像しちゃいます。チーズソースで白身魚を和える系かな? 野菜も入れて。
きっと、アツアツのをサクッと食べると、チーズがとろっと出てくるんだぜ。
などと妄想しました。
王国騎士時代の<大罪>たちも、テイクアウトして夜食に食べてたのかなあ。
バンがいれば、冷めても絶妙な加減に