『七つの大罪』ぼちぼち感想

漫画『七つの大罪』(著:鈴木央)の感想と考察。だいたい的外れ。ネタバレ基本。

【感想】『七つの大罪』第151話 舞台がボクらを待っている

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週刊少年マガジン 2015年52号[2015年11月25日発売] [雑誌]

第151話 舞台がボクらを待っている

  • 踊るディアンヌ
    「こ~~…」軸足が地面を抉る勢いで回り、「っんなカンジ!?」ドンッ、と瓦礫を撒き散らしながら踏み込んで停止、ビシッとポーズを決める。
    マトローナはため息をついて言い捨てた。「ひどい!!!」
  • マトローナとどこが違うのと膨れるディアンヌを、蛮族の子供たちがからかう。
    「や~~い下手っぴ~~」と男の子。「かか様の方が ずっと上手だよ~~!!」と女の子。
    「うるさいな!!!」ディアンヌに怒鳴られて、「キャーッ」「怒った―!!」と笑って逃げていった。
    「ハハッ 許してやれ 子供の言うことだ」マトローナに取りなされ「も~~~!!」とむくれるディアンヌ
  • 「でも驚いたな… キミが生きていただけでも信じられなかったのに まさか子供までいるなんて」ディアンヌが話を変えると、マトローナは柔らかく微笑んだ。
    「…ゾルとデラは彼の亡き妻の子供たちだ」「今では我が子のように愛しいよ」
    愛のこもったまなざしは、魚を獲って帰ってきた蛮族の男と、彼にまとわりつく子供たちに向けられている。
    ◆「マトローナ」は、元々ラテン語で「母親、主婦」を指す言葉。
    以前、ディアンヌ外伝の感想で、マトローナは子を生む道を選ばず戦士の道を選んだのかなと書きましたが、彼女はこういう形で、本当に「母親、主婦」になったんですね。

    それはそうと、マトローナが自分では子を産まずに母になった様子を見て、将来のキングとディアンヌもこんな感じになる可能性があるのかなと、少し心配になりました。二人の間には子ができず、養子を育てるみたいな。
    エレインとバンの間には子供(ランスロット)ができるはずですし、大丈夫だろうとは思うけれど、異種族婚の壁は意外に厚いのかもしれない。
    …伝承上なら異種族婚でばんばん子供出来てるから、そうあってほしいし、そうならないとしても、本人たちの幸せが最も重要でしょうけど。
  • その表情を横目で盗み見て、ディアンヌは「えへへ…」と嬉しそうな笑みをこぼした。「変わったねマトローナ」「戦いに明け暮れてた昨日までとは まるで……別人みたい」
    マトローナは照れて顔を背ける。「き… 昨日ではない 15年前だ」
    「あ… そっか」とディアンヌ。「あの時 マトローナは まだかろうじて生きていて… あの蛮族が助けてくれた……ん……だよね?」
    「ザルパは的確に私の傷の処置を施すと 三日三晩寝ずの看病をしてくれた」
    マトローナは答えた。毒に侵された右膝下を、巨人族からすれば小さな人間の斧で切断し、縛って血止めしてくれたと言う。
    ◆ザルパさん、名医だな! いや、斧の達人と言うべきか。よく巨人の足を、組織を傷つけないよう手早く骨まで切断できたものです。血止めできるほど縛れたのも凄い。力持ち。魔力を持ってる人なのかもですね。

    しかし、病気や怪我で弱ってる時に優しくしてもらうと心を許し易くなるというのは、いつの時代もどの種族も変わりませぬなあ。
    キングやエリザベスも、行き倒れてたのをディアンヌメリオダスに それぞれ助けてもらっていますし、ディアンヌも、病気になった時ハーレクインが何日も看病してくれたことを、(彼を好きな理由の一つとして)エリザベスに語っていましたよね。
  • 「へ~~♡」と、ニヤニヤして口元に手を当て、マトローナを見やるディアンヌ。しかし今度は、マトローナは照れる様子を見せなかった。
    「だが」「私が助かったのはディアンヌ… お前のおかげでもあるんだ」と、真面目に話し始める。
    「あの数日前 蛮族との戦いで お前が幾人かの蛮族を逃がしたことを覚えているか?」「ザルパは その中にいたんだ」「私が疎んでいた お前の甘さ―― いや優しさがなければ」「私は こうして生きてザルパに出会うことも 再び お前に会うこともなかっただろう…」「ありがとう」
    この時見せたマトローナの微笑みは、未だかつて見たことがないほど優しく、美しかった。
    ◆あの時、マトローナは大勢の蛮族を殺戮して金銭を得ましたし、殺さ(せ)なかったディアンヌやドロレスをキツく叱責したものです。なのにマトローナだけが恩人として蛮族に救われ、しまいに結婚するなんて、人生は数奇なものですね。

    当時のマトローナは「あの時 とどめを刺しておけばよかったと後悔することになるぞ?」と言いました。実際、ギャノン騎士団を殲滅し損ねたために、ディアンヌはリオネス王国に捕らえられ処刑を言い渡されています。反面、蛮族を殲滅しなかったことで棚ボタ的にマトローナは救われ、そのおかげでディアンヌも<十戒>から救われたわけで。
    善意や正義は報われないことが多いものですが、たまーに報われることもあるから、時と運だよなーと思います。正解なし。
  • ディアンヌは嬉しくてニコーッと笑う。その顔を見て、マトローナはハッと我に返り、俄かに照れに襲われたようだった。慌てて話を変える。
    「そ… それはそうと 500年前もフラフラしたあげく 記憶を失くして帰ってきたと思えば 今度は15年前から昨日までの記憶が抜け落ちているとは 一体 どういうことだ?」
    「そう言われても ボク 本当に何もわからなくて…」今度はディアンヌが慌てだす。
    マトローナが真剣な目になった。「…昨日の化け物共に襲われた理由も?」
  • たちまち、ディアンヌの脳裏を恐怖の記憶が覆った。
    「いやっ!!!」「ボク… 怖い あいつらはなんなの?」両手で頭を抱えて小さく体を縮め、うずくまってしまう。
  • 「すまない… 怖がらせるつもりではなかった…」マトローナはディアンヌの背にそっと手を置いた。「戦士長のこの私ですら お前を連れて逃げるのが精一杯だった」「あれほど強大な力の化け物共は見たことがない …まるで災厄そのもの」
    ◆「災厄」という言葉が、キングの魔力「災厄ディザスター」と被ってたので、ちょっと不思議な気分になりました(笑)。
  • うずくまるディアンヌを もどかしげに見つめ、マトローナは何かを言い募ろうとする。「だが お前がもしも――」「………」
    言葉を耳に入れる余裕もない様子で、ディアンヌは震えている。マトローナは言葉を止めた。
    ディアンヌ この話はやめよう」「踊りの練習は また後だ…」
  • 無理だ。あの化け物共は彼女に再起不能なまでの恐怖を刻みつけた。そう考えたのだが。
    「ううん」
    上げられたディアンヌの顔は、何事もなかったかのように明るく笑っていた。
    「そ… そうか いいのか?」戸惑うマトローナに、ニコニコ笑って頷いて見せる。
    「ボク 踊りは大好きだもん!!」「血を流して戦うより 笑って踊る方がずーーっと楽しいでしょ?」
    そう笑ってガッツポーズをした彼女は「…ねぇ さっき何を言いかけたの?」と尋ねたが(震えていたが、話はしっかり聞いていたらしい)、マトローナは「さぁな…」と誤魔化した。
    ◆ここ、ディアンヌの怯え→笑顔の感情の切り替わり方が不自然な感じ。無理してる? なんにせよ、よっぽど戦うのに懲りたみたいです。踊っていれば怖いこと忘れられると思ってるのかな。
    ハーレクインに教えてもらった「守るための戦い」を思い出したら、また変わるのでしょうか。

  • 「ドロールの踊り」の講習は続けられた。
    ブリタニアの地に最初に現れたとも言われる巨人族。その始祖であり一族の神ともされる男・ドロールは、雄大かつ美しい舞いで大地を喜びに打ち震わせ、見る者を圧倒したという。
    「いいか ディアンヌ? これは神聖な踊りだ」「ただ手足を動かし飛び跳ねればいいわけではない」
    言い聞かせるマトローナに、ディアンヌは神妙に頷く。
    「踊り子は踊りを通じて大地と交信するのだ」「織りなす地層の重み 噴き出す溶岩マグマの力強さ 流れる鉱脈の曲線…」「耳をすまし 心を静め 大地を全身で感じろ」「虫たちのささやき 草木のざわめき 生命のきらめき…」「それら全てを一体化することが「ドロールの踊り」の神髄なのだ」
  • 「わかったな ディアンヌとマトローナは満足げに笑ったが、ディアンヌは「えへ♡」と誤魔化し笑いして両肩をすくめた。「全然わかんない さっぱりわかんない」
    ズッコケるマトローナ。
    ディアンヌ!!」以前なら鉄拳が飛んでいただろう。今は声だけだが、ディアンヌは大いに慌てて師から離れた。
    「ご… ごめんごめん うそうそうそ!! あ… ボク一人で練習してくるね♡」と、その場から逃げだしたのである。

  • 「耳をすまし心を静め…」「大地を全身で感じる……」
    独り歩きながら、ディアンヌは手で舞いの形を真似てみたり、寝転んで大地に耳を当ててみたりした。
    「何も聞こえない…」「う~~~ん なんか違う気がする…」
  • ふと、自分が右手に着けている手袋が気になった。
    「そういえば この手袋…」「見覚えない…」
    左手の装備は巨人族の里にいた頃から愛用していたものだが、右手のそれは見慣れない。
    「それに服も…」「ボクが自分で作ったのかな?」「太ももの紋様は いつ彫ったんだろ?」「……」
    何も思い出せなかった。この10数年間、どこで何をしていたのかを。片隅に放り出されたままの戦鎚ギデオンを見やる。
    「あの戦鎚せんついだって ボクの物かどうか怪しいもんだし」「はーあ… 誰か教えてよ」
    ◆あ、やっぱ身体の記憶で無意識に持って行っちゃってたのか。
    <大罪>に入ってから賜った戦鎚を、記憶のないディアンヌが自分のものと認識して持って行くのは変でしたもんね。
  • 「…でも これでいいのかな」「記憶が戻らなくったって…」「またマトローナと会えたんだもん…」
    そう言いながら、表情はどこか冴えない。
  • その時だ。ディアンヌの体がビクッと震えた。
    「この嫌な気配 まさか昨日の!?」近づいてくるそれに驚愕しながら振り仰ぐ。「ううん それよりは小さい別の――」
  • 彼女は見た。頭上を矢のように飛び過ぎて行った、異形の怪物の姿を。
    全身が青く、頭と脚は鳥のようで胴は巨人のよう。それは闇の翼を広げ、此方こなたから彼方へあっという間に飛び去っていく。両腕いっぱいに抱えた紙束が、何枚もひらひらと舞い落ちてきた。
    「これ…は?」
    指先でつまみあげれば、小さな文字が書いてある。人間サイズのチラシのようだ。
  • そのチラシを蛮族一家も拾い、マトローナに見せていた。

  • チラシはブリタニアの各地に降っていた。
    多くの人間がそれを拾い、撒いていった化け物のことなど気にした様子もなく、或いは気付きもせずに、そこに書かれたイベントの内容に面白そうに見入っている。
    それは、移動中の<豚の帽子>亭にも舞い落ちた。

  • 「近日 バイゼルにて大喧嘩祭りを開催」「尚 優勝者には”いかなる望みも叶える”権利を与える………?」
    チラシの内容を読み上げ、メリオダスは考え込む素振りをした。
    因縁ある町の名前を聞いて驚いた様子のエリザベスとホーク。
    ◆ホーク、やっぱり偽豚が治ってますね、何のエピソードもなく…。何だったんだろう、あの偽豚モードは。
  • 「なんとも魅惑的な優勝賞品じゃないの」「店を増築するか… 狭くなったことだしな」と、とぼけるメリオダスに、「いやいや 絶対怪しいだろうよ!!」とハウザーが突っ込んだ。
  • 明らかに罠である。ビラを配っていたのは青色の鳥型魔神だ。そんなふざけた真似をする連中が<十戒>の他にいるわけねーだろとメリオダスも言うが、参加を迷っている様子である。
  • そんな師の姿を見ながら、ギルサンダーは苦悩していた。
    (大喧嘩祭り…!!)(たとえ罠だとわかっていても… メリオダスと一緒に出てみたい…!! でも こんな状況じゃ とても言い出せ…)
    「ギル お前出たいの?」「罠なのに?」と呆れ顔でハウザーが言った。
    「は? 俺は まだ何も…」
    「今 すっげぇ わくわくした顔してたからさ…」
  • そしてメリオダスは、気軽な様子で決定を下した。
    エスカノールの反応も また消えちまったし ちょっと寄ってみるか」
    ◆凄く不思議なんですが、反応が消えたからって何で捜索中断すんの? 普通、反応があった地点に行ってみますよね。大喧嘩祭りが気になるなら二手に分かれたっていいんだし、マーリンの転移魔法で ぱぱっと行けばいーやん。
    マーリンの転移魔法も、ディアンヌ捜索の時は「今の私には使えない」と使うの断っといて、すぐ後にメリオダスが<十戒>挑発に行った時は二つ返事で使ってるし。そして今回のエスカノール捜索では、また使わないとゆー。
    どんな優先順位なんですか。もしや、<十戒>をより暴れさせたいと思ってるのかなマーリンさん。言動がご都合すぎて、なんかモヤモヤします…。
  • その決定を聞いて慌てたのはヘンドリクセンだ。
    「ほ… 本気ですか? それとも何か策が!?」
    彼は先程から「どう考えても罠です!!」とメリオダスを諫めようとしていた。
  • が。
    「うんにゃ! おもしろそうだから!!」
    メリオダスは心配げな彼の顔を見ようともせず、ニヤッと笑ってパンッと己の手に拳を打ち付けたのである。楽しい遊びが待ちきれないとばかりに。
  • ヘンドリクセンとハウザーはズッコけ、ギルだけは「よし!!」と笑顔でガッツポーズしたのだった。

  • その頃、バイゼル跡地のタイズーの喧嘩コロシアム建造現場。
    チラシを配っていた例の鳥型魔神が、闇の翼を消してバサッと闘技場上に舞い降りていた。
    そこには体格は異なるが彼と同じ青い鳥型魔神たちが並んでおり、向かい合って<十戒>の「タコ娘」と「多腕の巨魔神」がいる。
  • 「タコ娘」がタコ状の触手をパンパンと打ち鳴らした。
    「ハイ キミたち ビラ配り御苦労っス」「また何か用がある時は声をかけるっス! ――――ん?」
    並ぶ鳥型魔神たちを「ひぃ… ふぅ… みぃ」と数えだす。
    「あら? 一匹足りない」「キミたち青色は 全員で4匹 メラスキュラに召喚されたっスよね?」
    「タコ娘」は子供のようにブーッとむくれた。
    「外界に出て ハシャギたい気持ちはわかるっスけど も少し仕事は真面目に取り組んでほしいっス」「帰ってきたら死刑っスね」「祭りは準備が肝心なんスよ?」
    ◆「外界に出て」か…。低級魔神たちは、前はどこにいたんでしょうか。女神の封印の中? それとも魔界
    封印の中だとしたら、上位魔神は他の魔神を自由に封印から出せちゃうんですね。
  • 「祭り…ですか」
    「多腕の巨魔神」が言った。
    「あなたは相変わらず 人間のような真似をするのが好きですね」
    彼を見上げて「タコ娘」は笑う。
    「歩き回ってカスみたいな魂を集めるよりも よっぽど効率的っスよ 欲深さにおいて 人間に敵う種族はないっスから」
    小さな舌を出し、無邪気な顔で ぺろと舌なめずりをして言った。
    「それに メリオダスも必ず来るっス」「なんせ あたしらとは古~~~い友達じゃあないっスか…」
    アルビオンメリオダスとキングが倒した時、エジンバラでそれを感知したタコ娘は「南の反応は妙で…アルビオンが自滅したようなんスよ まるで自分の力が そっくりはね返ったような――」なんて言って、メリオダスのことに気付いてない感じでしたから、この子は彼とは面識がなかったのかなと思っていましたが、そうじゃなかったんですね。
    メリオダスの性格をよぉ~~くご存じのようで。
    アルビオンの時も、倒したのはメリオダスだと概ね気付いてたけど、わざとああいう言い方をしてふざけてたんでしょう。
    「古い友達」かぁ。やっぱり、メリオダスはかつて<十戒>の一員だったんでしょうね。
  • 次回「燭光にさそわれて」

時空が 歪 ん で い る …!

 

ディアンヌの修行がダンスなのは楽しいし、マトローナは女の幸せを得て良かったねと思うし、<大罪> がいよいよ一堂に会しそうなのもワクワクしました。面白かったです。

 

が。

時系列がおかしくないですか?(汗)

そこが気になって気になって、もー気になって仕方なかったです、今回。

 

ディアンヌが<十戒>に襲われ、マトローナに救われたのは「昨日」

・「その翌日」ダンス修行を開始し、青い魔神の撒いた大喧嘩祭りのチラシを拾う

・「同日?」、メリオダスもチラシを拾う

 

以上。

これだけならば、おかしくないですね。

ディアンヌの出奔~ドルイドの里での修行~<十戒>挑発・散開~キング離脱」まで一日のうちに起きた出来事で、今はその翌日なんだなと思えばいいだけのことだから。

 

だが、しかぁし!

ここにバン組のエピソードを加味すると、時系列の辻褄が致命的に合わなくなる

 

何故なら、バンは「死者が蘇る……か…」「たしかに ここ 二 三日の間に聞いた噂だ」と、ジバゴに話を聞いているからです。

死者を復活させていたのは散開して盗賊都市近くに飛来したメラスキュラです。

その話をジバコに聞いた翌日に彼女と遭遇。更にその翌日に昼エスカノールが彼女を倒し、その力をメリオダスらが感知していました。

 

つまり、前話までの時点で<十戒>散開から、最短に見積もっても四日経過しているはずです。

(実際は、もっと経っていないと不自然だと思うけど…。バンは蘇った死者の噂を別の町で聞いて、盗賊都市を訪れているので。

当時の一般人の速度で噂が広まる速度を考えれば、テレビも電話もインターネットもない、魔法も一般人は使わない この時代、即日に別の町まで噂が広まるのは変です。

でもまあ、最短の二日で別の町まで噂が広まり、運のいいことに すぐさま バンが聞きつけ、徒歩ながら超人的にも その日のうちに盗賊都市まで来たと考えておきます。あの港町が盗賊都市から徒歩一時間くらいの位置にあったとかなら可能じゃろう。)

 

バン組とメリオダス組の時間の辻褄が合わない…。

最初は素直に、時系列が真っ直ぐになってなくて、前後しているのかと思いました。

ディアンヌメリオダスがチラシを拾ったのは、バン&エスカ組から見て三日ほど過去のエピソードだったのかな? となれば、この時点の豚の帽子亭には、まだキングがいたのかしらん? そしてキングは、バンたちのところへ辿り着くのに実は三日くらいかかってたの!? とかとか。

 

…でも、そういうわけじゃないみたいなんですよね。

 

何故なら、チラシを拾ったメリオダスが「エスカノールの反応も また消えちまったし」と言っているから。これは、ガランやメラスキュラを昼エスカが倒した際の力を感知してたことを指すと思われます。

そこを重視すると、メリオダスがチラシを拾ったのは過去ではなく、エスカがメラスキュラとガランを倒した当日(<十戒>散開から最短四日後。この日の夜にキングがバン組合流)か、それ以降の昼、の姿のはず。

なのに、同日の出来事のように描かれているディアンヌがチラシを拾うエピソードの方は、それを<十戒>散開の翌日と語っているのです。

 

うぅ~。

バン&エスカノール組の時間軸では<十戒>散開から四日以上経過しているはずなのに、同一時間軸上のはずのメリオダス組は、<十戒>散開の翌日ってことになってるよ!? 

クラインの壺のような歪み感。

こんなの、おかしいよ~~!!

 

 

気持ち悪いので、この歪みを解決する説を幾つか考えてみました。

 

説A
ディアンヌは、<十戒>に襲われてから数日間寝込んでいた。しかし記憶が混乱しており、数日前のことを「昨日」だと思い込んでいる。マトローナはディアンヌをこれ以上混乱させないため話を合わせている。

 

説B
青い魔神は数日かけてチラシを撒いた。
よって、ディアンヌがチラシを拾った日とメリオダスが拾った日は、同日ではない。数日の開きがある。

 

説C
作者のミス。単行本でディアンヌらの台詞が修正される。

 

説D
実は、死者を復活させていたのはメラスキュラだけではなかった!
何者かが、メラスキュラが飛来する二、三日前から、別口で盗賊都市近辺の死者を復活させていたのである。

 

 

さー、どうだ。

 

今後何のフォローもなく、このまま単行本収録されたりしたら嫌だなあ。

 

他にも、「メラスキュラは散開する前、エジンバラにたむろしていた時点で怨反魂の法を使っていた」というのも考えたんですけど、人間の魂を赤魔神たちに集めてこさせるのにも近い町(バイロン)を選んでたのに、エジンバラから遥か離れた盗賊都市(現在のアバディーン辺りに相当するなら、150kmくらい離れてます。)近辺で死者復活させるのは無理があるので、没にしました。

 

 

 

あ、後もう一つ。

これは誰もが「?」と思ってたんじゃないかと思うのですが。

マトローナが、彼女が毒で死にかけてディアンヌと別れたのを「15年前」だと二回くらい語ってますね。

 

違う。「16年前」です…。

 

これも最初は、えっ<大罪>結成は16年前だけど、団員は数年かけて集められてたのか。ディアンヌの入団は結団の一年後だったんだ、新事実! と素直に興味深く受け取ったんです。

でも今までずっと16年前だと言ってきたのに変だな…と、ファンブックの年表で確認したらば、やっぱり、彼女がメリオダスに助けられた(入団した)のは16年前だと明記してありました。

なのでこれ、作者さんの凡ミスではないかと…。

 

ささやかなことなのに、前述の時系列のこともあって、二割増しに印象に残っちゃいました。

今回、時空が歪み過ぎですよー……。

 

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青い魔神が一匹足りない件。

 

前回の感想に書いていたように、私、キングが遅れたのは魔神と戦ってたからじゃないかなと思ってたので、これを読んだとき自然に「あ、キングが倒したんだな」と思っちゃいました。

でもそうじゃなく、「生きていたメラスキュラが復活の手助けに青魔神を呼んだ。メラスキュラ生存の伏線」というのが、世間一般の解釈みたいですね。

そうでしたかー…。(ちょっとしょんぼり)

 

他に可能性があるとしたら、「<蒼天の六連星>&下僕のフラウドリンが利用するべく捕獲した」くらいでしょうか。空飛んでる魔神に干渉できる存在って、あまりいなさそうだから。

 

 

<蒼天の六連星>といえば。

ポケットの中の騎士団』の方に、ついにアーデンとデルドレーが出ましたね。

そっちの話を見る限り、二人は凄くまっとうな正義感を持った、とっても素直で正しい聖騎士でした。

とゆーことは、彼らが様付けして尊敬してる団長・デンゼルも、普通に正義の人っぽい?(ドゲッドやデスピアスが胡散臭かったから疑ってたのに~。)

 

んじゃ、彼がフラウドリンを殺さずに捕獲させたのは、何の意図だったんでしょう。まさか、「ドレファスを助けたい」というだけの理由でしかなかった?

もしそうなら、ヘンディさん、ドレファス救出のオイシイところをデンゼルさんに奪われてしまうかもしれませんね。ドレファスを巡るライバル出現か!?(笑)

 

『ポケ騎士』の方では、デルドレーが普通にキングに惚れてたのが印象的でした。最初はおっさんバージョンの容姿にポッ♡として、やがて容姿に関係なく人格に惚れこんで。

デルドレーはゴツい系のおっさんが見た目のタイプだったんですね。ドレファスは割とタイプだと言ってたのは嘘じゃなかったのか。その一方で、似たようなゴツイおっさん系のワイーヨからの求婚には困ってる様子なのは何故? 性格が合わないのかな。

 

原作ではデルドレーとキングって未だ邂逅場面ありませんけど、印象深かったので、原作でも近いようなエピソードがあるといいのにな。

 

話それますが、私、王国騎士時代のおっさんキングって モテなかったわけじゃなかろうと思ってたりします。

デルドレーみたいな特殊嗜好の女の子だけじゃなくて、結婚を考えてる年齢高めの女性には普通にモテてたんじゃないかなーと。

何故って、聖騎士だから稼ぎはあるし、ステータスも高い。笑うとすごく優しい感じだし、ついでに子供好きです。

なので、特にシングルマザーには、本気で狙われてそうじゃないですか?

 

 

話戻って。 

青魔神は鳥っぽいので、今までの下位魔神では一番可愛く感じます。そして一番トリ頭そうです。文字通り。

エスタロッサの腕に止まって破裂した小鳥も、破裂せずに済んでたらこういう魔神になれてたのかしらん。

 

 

青魔神の平均闘級ってどのくらいなんでしょうね。

登場した順番に強いなら、赤魔神(1千前後)、灰魔神(3千前後)、アルビオン(5千5百)より強くて闘級7千~1万前後くらい?

そうではなく、色で強さが決まってるなら、「青」って、なんとなく灰より下位で赤より上位そうな感じがするので、2千前後でしょうか。

 

黄色い魔神とか紫の魔神とか、色々いるのかなあ。

一色ずつ大集合したらカラフルで楽しそうですね。

 

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マトローナの16年間のこと。

 

夫・ザルパの連れ子である子供達が、どう見ても10歳前後です。

そしてマトローナが彼に救われたのは16年前。

とゆーことは、二人が出会ったとき彼は既に結婚していたか、その後・数年内に人間の女性と結婚して子供を得た。即ち、当初はマトローナとは恋愛関係ではなかったことになります。

 

……マトローナは救われてからの16年間、ずっとザルパ夫婦にくっついて回ってたのでしょうか? もしかしたらザルパに片想いしながら。

それとも、巨人族の里に帰ったけれど、彼の奥さんが亡くなったと知って駆けつけ、そのまま居座ったの?

 

 

なんか変だなあと思うのは、マトローナが16年間の世情を知らなすぎるように思えるからです。

七つの大罪>は有名な騎士団で、団員の一人が巨人族なのも周知でした。10年前の濡れ衣事件で一層名は知られたでしょうし、以降は「ディアンヌ」の名の書かれた手配書も出回っていました。身体に刻まれた獣の紋様も知られていたでしょう。

 

キングは正体や本名を世間には伏せており、妖精族は領域に閉じこもって隔絶した暮らしをしていました。だから彼の所在が妖精族に知られていなかったのは納得できます。

けれどディアンヌは正体も本名も伏せられていません。そのうえ巨人族は人間の国家や騎士たちと積極的・直接的に関わって共存していたはずです。

なのにその戦士長が、ディアンヌが<大罪>の団員だったことを16年も知らない、気付かないなんて、あり得るんでしょうか?

 

というわけで最初読んだ時、マトローナはこの16年、里に帰らず人間社会にも拘わらない、世間から隔絶された暮らしをしていたんだなと思ったのです。

洞窟に隠れ住んでたエスカノールが世間の情報に疎かったみたいに。

 

たとえば、身体欠損で戦えなくなった巨人族は里を追放される(または子供を生むなど、戦士から立場を変えねばならない)みたいな掟があって、右足を失ったマトローナは里へ帰ることを躊躇ったのかも。

一家も、北部から侵攻してきた余所者(蛮族)ですから、ブリタニアの人間から隠れねばならない。

それで一家とマトローナは、この丸い奇岩の塀でぐるりと囲んだ隠れ家みたいな場所で、世間から半ば隠れて暮らしていた……のかなあとか。

マトローナは、恩人たる蛮族の一家を守るつもりで一緒に暮らして、最終的に主婦の座に収まったのかな―、なんて。

 

里に帰っていなかったから、ディアンヌが人間に連行され処刑されかけたこと、罪人騎士として人間の王国で使役されていたことを知らずにいたのかなと。

(里に帰っていたのに、いなくなったディアンヌを放置して、リオネス王国にギャノン騎士団の件を申し立てることもせずにいたのなら、愚鈍すぎますもの。)

 

で、巨人族の方はマトローナもディアンヌも帰らなかったから、二人は任務で死んだ・この件終了と見なした。もしくはリオネス王国からの「ディアンヌがマトローナを嫉妬で殺した」という報告を信じて処刑を認めた、のかな。

 

でも、マトローナは今でも自らを「戦士長」だと誇りを持って自覚しているようなんで、里を捨てたつもりではないっぽい?(いやでも、700年も森を空けたキングも自らを妖精王だと認識してましたから、そんなものなのかなあ?)

そもそも、隠れ住んでいたなら、何でフラフラとエジンバラ辺りをうろついてたんだよって話にもなります。(ザルパ一家の家がエジンバラのごく近くにあるなら、おかしくはないでしょうが…。)

第一、隠れ住んでるなら太鼓や角笛じゃんじゃん鳴らしたりしないよね……。(近くにブリタニア人の家もあるけど、共存を達成してるの?)

 

 

そういえば。

ザルパ一家の住居をぐるりと囲んでいる巨大団子岩の塀。

これ、マトローナが術で創ったんでしょうか?

今までの本編を見る限り、巨人族が大きな壁や建造物を作る際は、地面から直接、岩塊や屏風岩みたいなのを突出させていて、直線・鋭角的でした。

だからこの巨大団子岩の塀は巨人族以外が創ったものなんだろうと踏んでたんですけど、そういうわけじゃなかったのかな。

マトローナの性格が丸くなったから、創るものも丸くなったとかかしら(笑)。

 

 

 

閑話。

マトローナが人間風の服装になってる件は、ザルパとの結婚譚では説明できません。

ザルパら蛮族は巨人族と似たような毛皮の原始人ルックです。なのにどうしてマトローナだけ、蛮族とも従来の巨人族とも異なる服装に変わったんでしょうか?

 

そもそも、今の巨人族の里はどうなってるのかな?

<大罪>が王国騎士団だった時代、巨人族の傭兵と共闘、もしくは敵対したことはないっぽい感じですけど。

 

まだまだ判んないことがテンコ盛りですね。

 

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メリオダスが大喧嘩大会参加を決めた件。

 

ディアンヌを安全に捜すためだと捜索中断して立ち寄ったドルイドの里で「力」を取り戻すや独断で<十戒>挑発し「これで奴らは人間を襲い始めるからそれを倒そうぜ」とドヤ顔したかと思えばディアンヌも<十戒>散開も忘れたかのように「次はエスカノールを捜す」と言い出して移動酒場は抜かりなく経営しつつエスカノールの力を感知したのにその地点へ向かおうともせず大喧嘩祭りに参加するぞと。

 

迷走しまくっとる。(作者的には予定どおりかもしれませんが、読者目線では。)

 

行き当たりばったりとゆーか、その場の気分で生きてるとゆーか。(^_^;)

 

「いえ、いい加減そうに振舞ってるだけで、メリオダスには深遠な考えがあるんです。」そう思っている読者は多いのかもしれません。私も前はそうでした。

けど。

もう騙されないからね!(苦笑)

 

第135話の感想で書いたように、メリオダスに深慮遠謀なんてなぁーいっ!

と、今回のお話で、いよいよ確信しましたのコトですよ。

 

そりゃ、何も考えてないとは思いません。いい大人ですもの。

魔神の罠と知りながら大喧嘩祭りに参加するのは、この機に<十戒>の何人か懲らしめてやろうとか、祭りに他の<大罪>メンバーや・魔神と戦うに有用な人材が集まるかもしれないとか、そんな打算もあるのだと思います、きっとね。

けど、そんな思惑は、恐らく動機の一割か二割! 残り八~九割は、本人が言ってる通り「面白そうだから」だ、絶対!

 

で。

彼が「面白そう」という理由で(仲間まで道連れにして)罠に飛びこめるのは、自分が間違いなく<十戒>に勝てる、楽しく戦えるという自信があるからですよね。

力を封印された状態のままだったなら、こんなことしないと思います。

エジンバラの吸血鬼』の時と同じ。無謀といえる行動をとり、周囲を従わせるのは、自分の強さがあればどうとでもなると、傲慢に構えているからだと思うのです。

 

自分には力があるから、周囲には構わず思う通りにやる。

それで間違いないと確信してる。

 

正直、リアルでこんなワンマンな人いたら相当イラッとすると思うんですが、もう大人だから性格変わんないだろうし、「彼はこういう人なんだ」と認めて、呑み込んで付き合っていくしかないんだろうなあ。長所や魅力も多い人ですしね。

 

彼の足りないところを補う仲間がいればいいと思うけれど、今のところいない気がします。エリザベスやディアンヌ、ギル、アーサーは崇拝者。マーリンは諫める方向には動かない。ゴウセルはマーリンの子飼い。バンは同調して暴走するタイプ。キングは諫めるけど話聞いてもらえない。ホークは気分で言うこと変わる豚。ヘンドリクセンは諫めたそうにする時あるけど今は格段に発言力弱い。ハウザーは傍観者。スレイダーは最近影が薄すぎる。グリアモールは発言力皆無。エスカノール…はどうなるんでしょうか。

 

 

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