【感想】『七つの大罪』第150話 太陽の主
週刊少年マガジン 2015年51号[2015年11月18日発売] [雑誌]
第150話 太陽の主
- 瓦礫と化した<麗しき暴食>亭。魔神ガランは逃げだそうとした姿のまま、あと一歩で店から出ること叶わず石化している。
- 「これが<十戒>の
戒禁 とやらの呪いですか…」「戒禁 の主 自身も同様に反すれば抗う術なし…と」
エスカノールが言った。
「古 の魔神族も どうやら死の恐怖を禁じえなかったらしい」「…相手が この私では仕方ありませんね」
◆<十戒>の中に「傲慢」を罰する系の戒禁 持ちがいたら、エスカノールもヤバそうですね。「抗う術なし」ですから。それとも、「王など掃いて捨てるほどいる、唯一無二の存在たる我が魔神王程度の力に屈するはずもなし」なんてことになって効かないのかしらん。 - 続けて、彼は鷹揚にメラスキュラを見やった。
「さて… あなたには特別に選ばせてあげましょう」「逃亡か死亡か」「私が まだ女性解放論者 であるうちにね」
◆ん?「フェミニスト」をわざわざ「女性解放論者」に付けたルビで表現してる。とゆーことは、日本で一般的に認識されてる「女性に優しい男」の意味だけでは、この言葉を使っていない?
…正午になって傲慢MAXになったら「男権主義論者 」になるのでしょうか、エスカノール。マーリンに対してすら「女が小賢しい態度をとるな、我の後ろに三歩下がって黙って従え」とか言い出したらスゴい。
まあそれは極端な想像かもですが、仲間に対しても本音混じりの暴言を吐きそうですね、正午のエスカノールは。 - 「フフフ… ありがとう」余裕を装った笑みをメラスキュラは浮かべる。
「うるさい糞老人 を始末してもらえて とっても助かったわ」「そのお礼に今すぐ殺してあげる…」ニコォと笑った口が耳まで裂け広がり、瞳は闇の獣のように燃え輝いた。 - 血相を変えてバンが叫ぶ。「エスカノール!!! そいつの技には気をつけろ!!!」「パワーだけじゃどうしようも…」
- だが。
『”暗澹 の繭”』
その瞬間にはもう、闇で己と敵を包むメラスキュラの技が発動していた。ガランを超えるパワーを得ていたバンが為す術なく翻弄され、魂を抜かれた、あの闇のドームだ。 - 時ならぬ闇に包まれようとも、エスカノールはいささかも動じはしなかった。
「せっかく機会 を与えてやったというのに――…」と、詰まらなさそうに軽い溜め息を落とす。 - 「?」その目がふと見開かれた。
己の奥底からせり上がってくる何か。それは口をこじ開け、ゴボッと白い魂が吐き出される。
「いちいち発言が傲慢 …永遠に眠りなさい」
気付かぬうちに背後に回ったメラスキュラが、彼の背に右手で触れ、魂を押し出していたのである。
◆エスカノールの魂、でけぇ~! バンやジバゴの魂より三回りくらい大きいです。まさにキングサイズ! - 押し出された魂は、バンのように逃げ出すでなく、きょとんとしてその場に留まっている。一瞬で間近に移動して、メラスキュラは口を開け
「あ――…」「んっ」
長い舌を絡ませるなり、バクッと口内に全てを収めた。鬼一口だ。ガランのように噛み砕きはせず、丸のまま、喉を頭の幅ほどに太く膨らませて、ぐぐ…と嚥下していく。あたかも蛇の捕食風景である。
呑み下してしまうと、フ…と小馬鹿にしたように微笑んだ。
「ごちそうさま」 - 直後。
「か…っ!! …はあ…」
前屈みで腹を抱え、ただならぬ形相で女魔神は えずいていた。
「はぐっ」「から…だ…が…あつ…い!!」
長い舌がはみ出した口から煙が噴き出し、ジュウウウと、喉の奥から口元に至るまで見る間に焼け爛れていく。「炎…?」胃の中で魂が燃えているとでもいうのか。両手で抱えた腹も煙をあげ、肉のみならず、まとう服にすら焼け焦げが現れ、広がり続けていく。 汗をダラダラ流して犬のように口を開け、「はっ…」「はっ…」と、懸命に息を吸って身の内を冷まそうとするも。
「ギャアアアァアッ」
ついに全身からゴッと炎を噴き出させて絶叫した女魔神の口から、矢のように魂が飛び出した。それは闇のドームの天辺を貫き、繭は解かれて、中の全てが露になる。 - 火刑の魔女のように焼かれる女魔神は、焼け爛れていきながら「ちがう… そんなレベルじゃない…」とうわ言のように呟いた。
この身を焼くのは確かに『炎』。だが、ただの炎ではあり得ない。<十戒>たる最高位の魔神の肉を焼き、消えることなく燃え盛る、これは。
「これは… これほどの力を なぜ」「お前の…力…は!?」 - 「
太陽 」いつしか魂を体に戻していたエスカノールが、静かな目でそう告げた。「偉大なる我が魔力」 - 彼の背後で火柱を渦巻かせて燃え続けた女魔神は、やがて力を無くして くずおれ、山肌に露出した酒場の縁から遥か崖下へと落ちていった。途中で岩棚にぶつかり、胴の真ん中からバラッと二つに折れたところまでは見えたが、その先は判らない。
- 「マ… マジかよ? あの化け物二人をたった一人で…」バンの隣に身を起こしたジェリコは愕然としていた。その額や首筋には、冷や汗ばかりでない汗が玉のように吹き出している。「それにしても…この暑さはなんなんだよ?」夜が明けた頃から季節にそぐわぬ暑さなのだ。太陽が昇るにつれ増しているように感じる。
◆ジェリコ、結局 手当てを全く施されもせず自動回復しちゃいましたね。頑丈すぎだっつーの(^_^;)。
ここのバンの表情、無表情というか、しれっとした感じなんですが。何考えてたのかな?「焦ってアドバイスする必要なかったぜ」とか「エスカノール マジで化けモン以上だよなー」とかかな(笑)。 - エスカノールが冷たい一瞥をバンに向けた。
「バン… お前には色々と用件がある」
先程までとは、言葉遣いも瞳の温度さえも変わっている。時間と共に、彼の性格はどんどん高飛車になっていくようだ。
その冷たさとは反対に、彼の周囲はチリチリと焼け焦がれ、白い灰が舞い始めていた。
そう、ジェリコが感じている暑さ、それはエスカノールがもたらしているものだったのだ。
「だが もう正午が近い 話のつづきは 夜になってからだ」「それまで ここで待て… これは命令だ」 - 傲慢な物言いにキレるでも怯えるでもなく、バンは「言われずとも くたくただっつーの♫」と返す。歌うような調子が戻っていた。エスカノールは無言でクルと背を向ける。
「お… おい どこに――」
戸惑うジェリコをよそに、男たちは落ち着いたものだ。彼らの間では了解済みのことらしい。エスカノールは神器を持ったまま一跳びで酒場を飛び出し、あっという間に姿を消したのである。 - 時間は過ぎ、正午を回った。
ジェリコはすっかり元気を取り戻し、周囲を歩き回っている。石化したガランに近づいて睨み上げ、憎々しげに悪態をついた。
「クソッたれ」「ジバゴの仇だ…!!」
石像の膝あたりを、思いっきり蹴りつける。
倒れて粉々にでもなってくれればよかったが、石像は微動だにせず、ジェリコの方が蹴った足の痛みに震えて うずくまる始末だった。
◆仇っつーか、ジバゴが自分からガランに喰われたんだけどね。(^_^;) - 一方、バンは恋人を片時も手放さずに、膝に乗せて抱きかかえている。
「苦しくねぇかエレイン…?」
愛おしさに満ちた瞳に見つめられ、頬をほんのりと紅潮させて彼女は微笑みを返した。
「私… 今 すごく幸せな気分」
「…俺もだ」
腕の中の恋人は、朝までは冷や汗に濡れてぐったりしていたが、今は汗も引いて呼吸も落ち着き、穏やかだ。自力で浮くことこそ出来ないものの、ある程度 回復し、小康状態を保っているように見える。
このまま。このままずっと共にいられるのではないかと、希望を持ってしまうほどには。 - 「…こうして バンの腕の中に抱かれて まるで夢みたい」「だから もし また死んでも……… …怖くないの……」
「つまんねぇこと言うな」
見つめ合う二人は微笑みを交わしていたが、微かな恐れや悲しみが滲んでもいた。呪わしい、自然ならざる方法でもたらされた奇跡だ。いつ失われてもおかしくないと心では知っている。 - 「バンの言うとおりだぜ …なんとかなるって」石化ガランの前からジェリコが戻ってきた。「魔神の女が言ってたろ? 死者の未練を増幅させて生き返らせたとかなんとか」エレインを覗き込んで、からかうように笑ってみせる。「俺への怒りが消えたところで」「どうせ バンへの未練はたらたらなんだろ? つまり その――大丈夫じゃねぇのか?」
- それが気休めだと互いに解っていようとも。信頼できるひとの言葉は、思いやってくれる心は、こうも心強さを与えてくれるものなのだろうか。
「ジェリコ… …大好き」
もう兄を笑えない。すっかり涙もろくなってしまったエレインは、薄く涙を浮かべて微笑みを見せる。「ニヒッ」とジェリコも笑った。 - 更に時間は過ぎ、日は落ちて再び夜になると、どこからともなくエスカノールが帰って来た。出会った時と同じ、ひょろひょろの中年男に戻っている。例の神器は持っていない。今の状態で持つには重すぎるらしい。
- ジェリコとエレインに向けて、バンが言った。
「紹介すんぜ♫ <七つの大罪><傲慢の罪 >エスカノール」「日が昇ると大男になって 日が沈むと御覧の通り最強から最弱に変わるブッ飛んだ野郎だ♫」 - 「あの… あ…改めましてよろしく…」
同一人物であると証明するように、貧弱な背中に刻まれた「傲慢 」の紋様を見せながら、エスカノールはおどおどと挨拶をした。
マーリンが魔術で刻んだという紋様は、肌が伸縮しても位置とサイズが変化しないようである。大男だった時は小さく見えていたが、今は背中一面を覆うほどの大きさだ。 - ジェリコは目を見開き、プルプル震える手で中年男を指さした。
「このオッサンが さっきの大男?」
「も… 申し訳ありません」何故か、深刻そうに俯いて謝り始めるエスカノール。
「<七つの大罪><傲慢の罪 >!!?」
「生まれてきてすみません」条件反射のように謝り続けている。
昼は恐ろしいほど傲慢なのに、夜はウザいほど卑屈。それがエスカノールという男なのである。どちらにせよ、自意識過剰なのに変わりはないが。 - ジェリコとエスカノールのコントのようなやり取りの傍らで、バンはげんなりと溜め息を落とし、腕の中のエレインは くす…と微笑していた。
- 「…で 会って早々用件ってのは なんだ マーリンのことか?」
月が高く昇った頃、バンはやっと本題に入る。
「はい… え!? い…いえっ」条件反射のように頷いてから、エスカノールは慌てて否定した。それでも、それが気になっていたことも確かなのだろう。「団長たちは今どこに…?」と続けて尋ねる。
「悪ィな♪ リオネスで別れたっきりだ♪」「あの魔神共のことを考えると おそらく団長たちも動いてるかもしれねぇな~♪」
すげなくバンは答え、エスカノールは地に両手をついて、この世の終わりのように項垂れた。「そ…」「そうですか…」 - 「いちいち大ゲサな奴だな」「用件はそれで終いか?」
エスカノールはパッと顔を上げる。
「そ… それが こうして めでたく<七つの大罪>に復帰できるのは嬉しいんですが… 実はまだ仕事が残ってまして」
彼は、バンたちを匿っていた食糧庫…の残骸に顔を向けた。そこにはまだ、吹き飛ばされずに済んだ食糧や酒樽が残っている。
「明後日までに とある場所にお酒を納品する約束でして」「バンさん… 手伝ってもらえませんかね?」 - バンとジェリコは げんなり顔になった。半日待たせて何の用かと思えば、酒場の仕事の手伝いとは。
「面倒くせ~~な んなもん放っとけ♪」「そうだぜ 今は そんな場合じゃ…」
が。エスカノールはくわっと目を見開き、夜の彼としては珍しく、強い口調で握った拳を突き上げたのである。
「これは酒場の店主 としての最後の任務 !!!」「約束は 必ず守らなくてはなりません!!!」
「「真面目か」」と、ぶーたれ顔のバンとジェリコ。エレインは少し呆気に取られた様子である。
「エヘン」「こう見えて僕も聖騎士ですから!!」と、エスカノールは貧弱な体で胸を張ってふんぞり返った。
◆酒場の仕事なのに「任務」なんて、聖騎士の仕事みたいな言い方するんですね。彼は酒場を経営しながらも、ずっと聖騎士の誇りと自覚を持って生きていたのかな。
もしかして、エスカノールが<大罪>で一番、聖騎士である自分が好きで、聖騎士でありたいと思ってる人なのかも。
あと、「約束は必ず守らなくてはなりません」と言ってるの、地味に気になります。誠実と言えるし融通がきかないとも言えそう。この性格は、彼の人生に何か影響を及ぼしている気もするなぁ。気にし過ぎかもですが。 - ふんぞり返っていたエスカノールがブルッと身を震わす。鼻水を垂らして大きなくしゃみを連発した。
「さ… 寒い!! このままでは風邪をひいてしまう~~!!」
なにせ、大男になった際に服が千切れ飛んだまま、上半身が裸なのである。四月とはいえ まだまだ夜気は冷たく、あの不思議な熱気も今は発していない。
「本当に聖騎士なのかよ…?」とジェリコが呆れ、「替えの服はねーのか♪」と、バンが至って まっとうなことを尋ねた。ちなみに、バンもエレインに風刃で斬り刻まれた昨日の昼以来ずっと、上半身裸のままである。恋人を抱いているからか、くしゃみ一つする様子はないが。
「そ… そうでした よろしかったらバンさんの分も御用意いたし…」「ふが」「へきしょい!!」
夜も更けて言葉遣いがかなり丁重になってきたエスカノールが、またも盛大にくしゃみした。 - その時である。
間近で、地面を踏みしめる音がした。
「!!」
まさか、またも魔神か。緊張した顔でジェリコは勢いよく振り向き、エスカノールは「ひ…」と胸を抱いて飛び跳ねる。
バンが動かなかったのは、彼の視界には最初から、彼らの現れる様子が入っていたからなのだろう。 - バンの腕の中で、エレインは目を丸くする。
「オスロー…?」
バフォ、と小さく答えたのは、古くから付き合いのある黒い妖精犬。
その傍らに、今しもフワ…と舞い降りた、懐かしい姿が見えた。
エレインの顔に喜びが、そして涙が浮かんだ。この再会をどれほど夢見てきたことだろう。
「兄さん…!!」
生きて再び出会えたのは700年ぶりのこと。
大きな満月に照らされて、エレインの兄・キングが、呆然と妹の顔を見つめていた。
「エレイン!!」 - 時間は数日ほど遡る。
ブリタニアのどこかに、その場所はあった。
半分抉り取られたような形をした山と、その向かいの巨大土団子を盛ったような苔むした奇岩群。まるで強大な何者かが山を削り、その土を団子にして傍らに積んだかのような、悪魔の遊んだ跡のごとき不思議な地形である。
その奇岩群から太鼓の音が鳴り響いていた。 - 奇岩の一つに胡坐をかいて、
アフリカ太鼓 のような細長い片面太鼓を両手で叩いているのは、顔に入れ墨を施し毛皮の服を着た、いかつい蛮族の男である。その背後のやや高い奇岩の上には、男の子供たちであろうか、10歳前後と思しき蛮族の少年と少女がいて、無邪気な笑顔で、それぞれ角笛を吹きタンバリンを叩いていた。 - 積み上がった奇岩の中心はちょっとした広場のように開けていた。奇岩に囲まれ、まるで隠れ場のようである。
そこで、父子の合奏に合わせて舞い踊っている女性。頭の後ろで一つ縛りにした金髪、鋼のような筋肉のついた細身の身体、そこに刻まれた幾つもの古傷。蛮族の父子より遥かに大きい。巨人族だ。
そう、彼女はマトローナである。かつて毒に侵された右足の膝下から先は失われ棒義足となっていたが、何ら不足なく回り、踏みしめ、美しい形で天を蹴る。ドスドスと無様に地を鳴らすこともなく、軽やかに、それでいて力強く。 - 演奏する蛮人の父子と、それに合わせ踊るマトローナ。
その光景を、目を輝かせて観賞しているのはディアンヌだった。 - 「わーーっ!!」「すっごくキレイ マトローナ!!」
踊りが終わると、満面の笑顔でディアンヌは両手を打ち鳴らした。
「巨人族の長のみに受け継がれる「ドロールの舞踊」だ」マトローナは答え、「…起きても平気なのか?」と付け加える。
エジンバラ近くで襲われていたのを助けて以来、彼女は床に就いていたのだ。
「もう平気だよ でも 本当に素敵な踊りだね」「ボクも戦いじゃなくて踊りだったら 楽しく覚えられたのになぁ!!」
巨人族の里にいた頃とは違う屈託ない様子に、マトローナも見せたことのない柔和な笑みを返した。 - 「…わかった ならば もう戦士はよい」
かつてなら決して言わなかっただろう言葉が、容易く彼女の口からまろび出す。
「ディアンヌ」「お前は今日から踊り子になれ!!」
鳩が豆鉄砲を喰らった顔とはこのことだろう。口元は笑んだまま、ディアンヌは目を丸くして固まったのだった。
◆ホントに踊り子になれとは思ってないですよね、これ。
英語が苦手な子供に歌で楽しく覚えさせよう、的なアレかと。
なんにせよマトローナさん、変わったなぁ。あれほど極端なスパルタ式体罰教師だったのに。教え子目線まで下りてくる寛容さが出てきたとゆーか。 - 次回「舞台がボクらを待っている」
今週は色んな事が起きて楽しかったです。
ようやく<大罪>メンバー全員集合の流れが見えてきたかな。
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エスカノールの魔力<
バンは肉体的に不死身でも、魂を喰われたらオシマイ、という弱点が露呈しました。
多分、他の<大罪>達も殆どがそうですよね。(人形のゴウセル、魔神のメリオダスは魂があるのか疑わしいですけど。)
なのにエスカさんは、その弱点すら無し!
弱点であるはずの夜間すら、妙な運の良さでスルスル切りぬけちゃう!
なんじゃこりゃ。ズルいわ!!
メラスキュラが不思議がってた彼の力。『エジンバラの吸血鬼』でマーリンさんが、こう解説していました。
「エスカノールの魔力」「先天的に生まれついたものであり それが呪いか加護か…詳細はわかっていない」「その魔力は あらゆる種族のものと 異質」「全ての生命の根源たる」「「
太陽 」」「真夜中の午前零時において エスカノールの闘級は王国聖騎士の最弱に位置するが 日の出と共に奴の力は刻一刻と増し 正午になると同時 奴の力は
頂上 に達する」「その頂上 の闘級は」「<七つの大罪>全員の闘級を軽く凌駕する」
先天的なもの…。
でも、呪いか加護かもしれないの?
単に言葉のあやか、マジに生まれる前になんかあったって可能性もあるのか。
いやいや。「理由は分かんないけど、修行もしてない ただの人間なのに 生まれつき異常に強い」というだけの意味なんでしょうね。
『エジンバラ~』で、夜エスカノールが「なぜ 僕だけ こんな…呪われた星の元に生まれたんでしょうか」と言ってました。
当時は、強さが変わる不安定な体質が嫌でそう言ったのかな、くらいにしか感じませんでした。でも今回分を読む限り、彼、正午になるにつれて自動的に高熱の魔力を発するの?
だとしたら、昼の間は好きな人に触れるのはおろか、側にいることすら難しいのか。下手すりゃ焼き殺しちゃう。
そのように思えば、彼が「自分がどうしようもなく嫌い」「呪われた星の元に生まれた」と言い、正午になる前に自主的に身を隠すのも、納得いくことかもしれません。
過去に大事な人を焼き殺したか、大火傷を負わせたことでもあるのかもしれませんね。
昼の姿を見せた後でも、さしてビビらず付き合ってくれたのは<大罪>メンバーくらいだったのかも。
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エレインとジェリコのこと。
「ジェリコ… …大好き」いただきましたーー!!
嬉しい。ホントに友達になってくれました。それも、このうえなくいい形で。
よかったね、二人とも。
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術者のメラスキュラが死んだのに、エレインが生き続けていること。
これ、ジェリコが言った通りの ご都合な理由でしかないのか。それとも隠された理由が何かあるのか?
また、術が切れないどころか、むしろ状態が回復してるように見えるのも気になります。
説A
ジェリコが言った通り、バンへの未練が多いから術が切れない。
説B
喉を斬られたバンとキスした時に彼の血が口に入り、
説C
メラスキュラは生きているので、術が切れていない。
メラスキュラは燃えて真っ二つになって崖下に落ちました。
けど、最高位の魔神は真っ二つになろうと死なないことは、ガランが実証済みです。
燃えたから再生に時間がかかるけれど、そのうち復活する、なんてこともあるかもしれません。
なにせガランも、石化はしたけれど砕かれてない。復活の可能性は十二分ですよね。
尤も、
でも、やっぱり気になります。
ジェリコは「死者の未練を増幅させて生き返らせたとかなんとか」と言いましたが、正確にはメラスキュラ、こう言ってました。
「”
怨反魂 の法”は 死者の未練を増幅させ やり場のない怒りを生命力として この世に呼び戻す禁呪なの…」「つまり 怒りに抗ったり 未練が消えれば 再び 死が待っているわ」
これ、未練がいくらあっても、それが怒りに変わらない限りは生命力にならないんじゃないんですか?
つまり、怒りが消え失せたのに、それでも苦しむ様子なく命が保たれているエレインは、やはり、何か別の要素で生き長らえてるんじゃないかなあという気がするんですが……。どうなんでしょうね。
この漫画、意外に大雑把なトコロもあるから、素でジェリコが言った理由なだけかもしんないけど。(^_^;)
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やっと到着したキングのこと。
遅いっ!!
今までどこで何してたの。あんな大見得切って飛び出しといて、何もかも終わったどころか、更に半日以上経って到着なんて遅すぎるよぉ!
…と、思う気持ちも最初はあったのですが。
エレインの嬉しそうな笑顔、そして涙。
あの表情を見たら、全てが吹っ飛んでしまいました。
互いに命ある状態では、700年ぶりの再会。
よかった、本当によかったね!(´;ω;`)
場合によっては、ヘルブラム事件の再来で黒エレインにキングが攻撃されたり、そこまでいかずとも冷たくされる可能性はあるんじゃないかとハラハラしてましたから、エレインが兄との再会を喜んでくれたのには、とてもホッとしました。
とはいえ。
落ちついて考えてみても、キング、やっぱ遅過ぎなんだよなあ。
エレインが復活して、オスローの空間移動で森を出たのが昨日の昼過ぎと仮定して、キングが<豚の帽子>亭を飛び出したのは、多分、彼女がバンを斬り刻んでいた頃。
それから丸一日半も過ぎています。
<豚の帽子>亭がいただろうブリタニア南部から、北部にあるはずの新・妖精王の森まで恐らく600Km前後(東京から青森くらいまでの距離)を、瞬間移動術を使わず自力で飛んだのなら、半日以上かかるのは当然かもしれません。そこからエレインの話を聞いて捜索を開始したとなれば、こんなに時間がかかるのも無理からぬかもしれない。(エレインは、オスローに送ってもらった場所から 更に移動してますしね。)
でもこの漫画、リオネス王都から新・妖精王の森まで、多分180km以上あるのに、山あり谷ありの道を徒歩でも半日かからずに移動してるんです。全体に、移動や回復が すごく速い。
なので、神器を所持して飛行してるキングがこんなにかかるのは、なにかおかしいと感じてしまう。
妖精王の森で、傷付いた妖精たちのケアをしてた?
オスローがなかなか見つからず、エレインがどこに行ったのか判らなかった?
前回までは、途中で死者の都関連の案件に巻き込まれたか、空路で魔神族と遭遇して戦ってたかして、それで遅れてるんじゃないかと想像していました。
けど、現れたキングを見たら、服も綺麗なままだし かすり傷一つないんですよねー。
まあ、アルビオンと戦った後にキャメロットに来た時も、あれだけ血まみれだったのがバンの血一滴で綺麗な格好に戻ってましたから、回復術をかけただけかもしんないけど。
うーん。
まあ、何があってこんなに遅れたのか追々語られる……ことを期待したいです。
マジに遅れただけ、なんてことだとしょんぼりなので、そうじゃないといいんだけどなあ。( ´◡` ;)
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マトローナのこと。
どうも、術で蘇った死者ではないっぽいですね。記憶も過去から齟齬がないみたい。
けど、性格が激変してるのは間違いない…。超スパルタの鉄の女だったのが、のーみそ柔らかな、笑顔の優しい女の人に変わってる。
この16年の生活でそうなったのでしょうが、何があったんだかなー。幸せな何かなんだろうけど。
で。
ものすごーく気になったことがあります。
最終ページの柱やコマに担当編集さんが付けてる煽り文(後引き)。そこに、今回はこう書いてありました。
え、でも。
この場所、どう見ても巨人族の里じゃないですよね!?
まず、メガドーザじゃないのは確実。風景が全然違う。
では別の巨人族の里や巨人族の修行場かというと、これも違うと思うのです。
第一に、すぐ近くに立派な人間風の建物があります。棟の一つが突出して大きいから巨人族一人二人なら入れるかもだけど、基本、人間の住居だと思う。周囲に畑らしきものも見えます。
第二に、他に巨人族がいる様子がない。楽器演奏してる父子(?)は巨人族みたいな原始人ルックですけども、どう見ても人間サイズです。巨人じゃない。
つまり、ここは人間の領域だと思うのです。ド田舎で、あまり人間もいなさそうではあるけど。
うーん。けど、製作側が「巨人族の里」だと後引き書いてる以上、そうなのか?
そういえば、エスカノール本編初登場時の後引きも、どう見ても中年男のエスカノールのことを「謎めいた老店主」「老人」と煽ってあって不思議に思わされたんでした。
(まあこれは、手配書のエスカノールが老人だったから、彼であると読者に示唆するために、わざと「老人」と不自然な表現したんだろうなとは思うけど。)
担当編集さん……。読者を騙そうとしてません?(^_^;)
もし本当に、ここが巨人族の里ではないなら、マトローナは今は里を出て、人間たちと暮らしているのでしょうか。服も人間風だし。
(そして、マトローナが今 身につけている手袋と、かつてディアンヌが着ていた服に同じマーク?が付いてる謎も、改めて気になります。)
もう一つ気になるのが、マトローナが「巨人族の長のみに受け継がれる「ドロールの舞踊」」を踊っていたこと。
え、彼女は16年前までは戦士長だったはず。部族長にランクアップしていたの? まさか隻脚の身で巨人の全部族をまとめる長(ってのがいるのかは知らんが)になったとか!?
……いやいや。そうじゃなくて「長」と付く役職なら、部族長でも戦士長でも、皆この舞いを踊ることを許される、とかなのかな?
ともあれ、その踊りをディアンヌに教えようとしてます。
まさか、まだ彼女を戦士長にしたいと思ってるの!?
そんなの困るじゃん!
だってディアンヌが巨人族の責任ある立場になったら、キングのお嫁さんになって妖精界で暮らすことが難しくなるじゃないですか―。(気にするのソコかよと言われそうですけど、ソコが一番気になるんだよォォオ)
マトローナは、16年前にどうやって助かったのか。生きていたなら、どうしてディアンヌは処刑されかけたうえ大罪人として扱われ続けたのか。
今はどんな暮らしをしてるのか。人里で暮らしてるなら、巨人族の里との関係はどうなっているのか。ディアンヌに巨人族の長の踊りを教えてどうしたいのか。
マトローナ関連は、まだまだはっきりしないことが多いですね。
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エスカノール曰く、「明後日までに とある場所にお酒を納品する約束」とのことで。
十中八九、届け先が黒の歓楽街ベルフォードか、バイゼル跡地のタイズー喧嘩コロシアムのどちらかかと。で、踊りを習得したディアンヌもそこに行って、<大罪>メンバーが合流する、みたいな流れだといいなーと期待。
巨人のディアンヌが行くのだろうことを思えば、タイズー喧嘩コロシアムの方があり得そうでしょうか。
第136話で、あそこに舞い降りたタコ娘が「ネーミングは残念っスけど おもしろそっス」と言ってましたから、魔神主催の喧嘩祭りが開催されそうだなと思ってました。
次回サブタイトルの、ボクらを待っているという「舞台」は、喧嘩祭りの闘技場のことじゃないかなあ。という妄想。