『七つの大罪』ぼちぼち感想

漫画『七つの大罪』(著:鈴木央)の感想と考察。だいたい的外れ。ネタバレ基本。

【感想】『七つの大罪』第268話 煉獄より

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週刊少年マガジン 2018年 25号[2018年5月23日発売] [雑誌]

第268話 煉獄より

  • 煉獄。
    現世この世とは別の次元に存在する異世界
    魂に安寧を与える死者の都とは異なり、苦しみを与える魂の牢獄。
    灼熱と極寒が入り混じる大気と猛毒の大地は肉体を破壊し、一分を一年にも変える歪んだ時空は魂を蝕み侵す。
    感覚は失われ、頼りにできるのは第六感のみ。
    魂を砕かれた亡者と、この地で生まれ適応した化け物とが、獲物を求めて彷徨い跋扈する「混沌」の国。
    その地に生きたまま踏み込み、曲がりなりにも生きて帰還を果たしたのは、3000年の間に ただ一人、賢者の都の長マーリンの ちちだけだったと言われている。
    ◆不死身でもないのに、煉獄に自力で行って、精神を病んだとはいえ五体満足で帰還を果たしたマーリンのお父さんは、もしかしなくても超凄い人だったのではないだろうか。彼が道筋をつけなければバンも行けなかった。マーリンさんは もっとお父さんを誇っていい。

  • 熱と冷気の入り混じった濃密な大気が渦巻く空。そこを何匹も飛び交っているのは、長い尾とコウモリの翼の竜か、或いは翼持つ大蛇だろうか。
  • 奇岩の並ぶ荒涼とした地上には、巨大な擂り鉢状の口を開けた怪獣のような何か、長大な体の上半身を屹立させた大ムカデのような何かなどが蠢き、狼のような四つ足の何かが吠えている。
  • そんな片隅で、二匹の獣のような何かが争い続けていた。
  • 一方は、犬かキツネのように尖った鼻と耳を持つ二足歩行の何かで、子供のラクガキめいて歪んではいるが、シルエットは獣人…特に狐男ウェアフォックスに近いかもしれない。全身が炭か影絵のように真っ黒である。
  • そしてもう一方は、仔牛ほどの大きさのあるナメクジかウミウシに見えた。やはり全身が真っ黒だ。
  • 先ほど殴られたダメージか、ザワザワと震えるナメクジモドキは狐男モドキに頭突きする。大してダメージを受けなかった狐男モドキがストレートパンチを返すと、ナメクジモドキは ついに ボロ… と崩れ、聞き知れぬ言葉を呟きながら、塵となって消えていった。
  • 最期まで確認することもなく、狐男モドキは背を向けて、フラッと彷徨い歩いていく。
  • ダラリと両腕と頭を垂らし、ゼー… ゼー… と荒い息を吐いて ふらつき彷徨う狐男モドキの前に、小さな水場が現れた。
  • 水場と言っても、煮えたぎってゴポゴポと沸いている。毒の大地から湧いたのだから、猛毒でもあるのかもしれない。
  • たぎる湯の中に、一本の枯れ枝が突き出していた。
    いや。この地獄の世界に生えた植物なのだ。適応して生きているのかもしれないが。
  • 水場の中に突き出した枝は、狐男モドキの脳裏に何かのイメージを掻き立たせた。
    緑の森の、山のごとき大樹の上。澄んだ冷たい湧水の中央に、細い一本足の台が立っている。花のようなうてなの上には金属のカップが置いてあった。この聖なる杯には、湧水とは異なる不思議な水が なみなみと満たされてあり、決して溢れることがないのだ。
  • 『……めれば十年…き♫』『一口飲めば…年長生き♫』『全部呑めば永遠の命♫』
    同時に、脳裏に流れる男の歌声。
  • そして、少女の声も聞こえた。
    『あなたたちに…理解わかとは言わないわ…』『泉を守ってるの あなたのような賊からね……』
  • 「?」
    記憶の中の声なのに、本当に聞こえた気がして、狐男モドキは不思議そうに周囲を見回す。
  • 「ヴギ」
    ガッ、と両手で己の頭を挟み込んだ。
    「ギギ…」
    混乱のあまり震えて、前屈みになっていく。
    絞り出すように、その名を口にした。
    「エ゛…」「レ」「イ…」「ン」
  • 記憶の淵の奥底から浮かび上がってくる、愛しき名と姿。
  • 「ク…カカッ」
    思わず笑った狐男モドキの全身が ベキベキ と砕けてほどけ、全く違う姿に再構築されていく。
    「あ…」「ぐぁっ」
    黒から白へ。ブワッと、白銀の毛が広がった。
  • そして、そこには。
    「俺は…」「ゼハッ」「カハッ」「何をやっていた……!?」
    引きずるほど伸びた白銀の髪と髭で素裸を覆った若い男が……<七つの大罪>「強欲の罪フォックス・シン」のバンが、悪夢から飛び起きたかのように冷や汗をかき 荒い息を吐いて 立っていたのである。
  • 「…本気マジでやべえ!!」
    愕然として、バンは右手のひらで己の顔を覆った。
    「もう少しで 完全に煉獄こっち側の住人になっちまうとこだったぜ!!!」「煉獄に来てから 一体 何十年… いや何百年経ちやがった!?」
    顔を上げ、胸を反らして声を張り上げる。
    「団ちょーーーー!!!」「どこだ!!! 応えろ!!!」
  • その時、バンの左肩が凍って表皮が爆ぜ裂けた。
    「が!!」
    ほぼ同時に右肩が焼けて表皮がめくり返り、
    「ぐ…」
    更には、毒で腐り爛れた肺腑から溢れた血で「ゴホッ」とむせる。
  • 「ゼーー… ゼーー…」「かはっ」
    手の甲で血を拭った。
    「団ちょ……!!」
    その眼光は鋭い。

  • 煉獄このちを訪れて以来の彷徨さすらいが、再び始まった。
  • 「気をつけろ~♫ お前を凍てつかせ 焼いて…腐らせる 煉獄の苦しみが♫ 魂を蝕んでく♪」「ゲホッ」「絶望したが最期 煉獄をさまよう化け物になっちまうぞ~~~♫」「ゲホッゲホッ」
    独りで適当な節回しで歌いながら、荒れた大地を あてもなく歩き、よじ登り、乗り越え続ける。
  • 「いいか バン …弱音を吐くなよ…」「ハアッハアッ」「なんとしても… 団ちょの感情を見つけて… あいつらの待つ場所に帰るんだ」
  • 血を吐き続ける彼の髪や肌は、ある場所は炎をちらつかせて燃え、ある場所は凍って霜を貼り付かせていた。不死身ゆえに片端から治癒し、火傷も凍傷も、真皮や骨が見えるほどにはなっていないが。
    この世界の苛酷さが、メラスキュラの消化液より弱かったのは幸いだった。さしものバンとて、回復が追い付かず骨になるような状態だったら、一歩も進めず、永遠に溶け続けているよりなかったに違いない。
  • 「つか 団ちょの感情を捜すって …なンだよ?」「魂みてえな姿をしてんのか~~?」
    歩くバンは呟き、鼻を鳴らして自ら反論ツッコミした。
    「ハッ」「知るかボケ♫」
    会話の相手は自分自身しかいない。
    「とっとと こんなクソみてえな場所から一緒に脱出しようぜ♫」
    ◆「団ちょの感情を捜すって何だよ」と今さら言ったのには笑いました。
    煉獄に入る時、もろもろフワッとしたまま突入してて、釈然としなかったもんなあ。「メリオダスの感情」がどんな状態で「魔神王に捕らえられている」のか。そもそも どうやって煉獄から帰るのか。一切確認しないしマーリンも言わないとゆー。

    つーか。当たり前のように「魂みてえな姿をしてんのか」と言ってます。「感情」が、目に見えるメリオダスの分身として存在していると、最初から想定してたんですね。
  • フラフラと歩いていた足元が、何の脈絡もなく二つに割れて開いた。
  • 「クソだ」
    もはや無感動に悪態をついたバンだったが。
    割れた大地の間に生まれた谷は、あまりに、あまりにも深かったのである。
  • あ あああ あ ああああ あああ あ あ  がああああ  あああああ
    悲鳴は長く長く尾を引いた。
  • 「んがっ」「ごっ」
    崖を石のように回転し跳ねぶつかり落ちた体は、骨は折れ砕けて方々に肉を突き破り、手足は関節を無視して てんでに折れ曲がり、顔面は陥没して凹面鏡のよう。哀れな血だるまの肉塊は、最後は グシャッ と地の底に潰れた。
  • しん…… と、しばしの「死の沈黙」の後。
  • 「ぶは!!!」「痛えっつの!!」
    血に汚れたままながらも人の形を取り戻したバンは顔を上げた。
  • 「団ちょ…!! 今どこにいやがる!?」
    流石に苛立ち、地面に五指が食い込むほど力を込める。
    「いい加減応えろ!!」
  • まるで、その声に呼応したかのように。
  • ぞわっ とバンは総毛だった。
  • 「なんだ?」
    気配を感じた方を見上げれば、崖の上から何かが……飛び降りてくる!
  • ドンッ
  • 四足の それは足から降り立ち、バンを小虫のように踏み潰した。
  • 巨大な足の下に、バンの右手首から先だけが はみ出している。
    ピクッと震えたそれは、バキバキと音を立てて、狐男モドキの真っ黒な手に変化した、が。
    「ア゛」「ア゛…」
    抵抗するように ざわめいて、再び、白い人間の手に戻る。
  • 「諦めて………」
    その手が動き、両手と肩で巨大な足を持ち上げると、
    「たまるかよォォッ♫」
    ついにバンは立ち上がった。
  • ドンッ、と間髪入れずに地面が陥没するほど踏みつける足。
    しかし、その一瞬にバンは足の下から抜け出している。
  • 「オオ…」
    高くジャンプしながら迫り、
    「ラッ♫」
    体高10mはあるだろう四つ足の顔面に蹴りを入れた。
  • 長い首をのけぞらせ、踏みつけた足を思わず地面から浮かしたそれは、太古の首長竜をラクガキにしたような巨大な怪物である。狐男モドキだったバンと同じく、全身が炭か影絵のように真っ黒だ。
  • 鼻先にサイの角のような三つの突起がある、ユーモラスな丸い頭部は、不思議と見覚えがある気がするが、どこで見たのだろう。
  • 加えて、頭の左右に水牛のような角があった。こちらは特に見覚えがない。背から尾にかけては滑らかで、背びれや翼のような付属物は一切ない。
  • 蹴りから一旦 地面に降り立つと、バンはすぐに地を蹴って首長竜モドキの背に立ち、後ろから長い首に鉄拳連打を入れた。
  • 「…ちょうど退屈してたんだよ♫」
    ぺろりと舌なめずりして叫んだ、次の瞬間。
  • ゴパッ
    「ぐ…!!」
    首長竜モドキが長い首を捻って顔を向け、口から莫大な炎を吐いた。
  • 一瞬でバンの上半身は消し飛んだが。
  • 「クカカッ♫」
    倒れることもなく、すぐに再生されていく。
  • 「そんなにじゃれたきゃ付き合ってやらァ♫」「かかってこいや化け物ォ~~♫」
    笑って突進再開するバンの髪と髭は、煉獄に侵入する前の、手入れされた長さに戻っていた。
    ◆伸び放題だった髪と髭が、きちんとカット・剃られた状態に。
    不死身になった時点の状態に戻ったというコトかもしれませんが、この髪の長さ、第一部時点と同じに見えます。バンが不死身になった当時は、髪がもっと短かったんですよね。
    …バンが望む形に再生するんでしょうか?

  • バンと首長竜モドキの戦いは続いた。
    小さなバンが巨大な首長竜モドキを滅多殴って地に伏させれば、首長竜モドキの攻撃でバンは縦真っ二つになる。
    再生したバンが飛び蹴りを入れる。
    首長竜モドキはバンの腹部へ一撃を入れ、口から血を噴いたバンを、その巨大なあぎとで粉々に噛み砕く。
    再び再生して飛び掛かるバン。
     ・
     ・
     ・

  • 戦いに終わりはなかった。
    再生し続けるバンは勿論、首長竜モドキの、このスタミナと執念は何なのだろうか。バンに絡むことを諦めない。
  • 永遠の薄明の中にある煉獄には昼も夜もない。太陽も月もない。だから時間の経過は まるで判りはしないのだが、体感としては何日どころか何年、何十年も経っているように思われた。
    ……いくら不死身だからとて、飲まず食わずの不眠不休で、本当にそんなに戦い続けることが出来るのか、という疑問は置いておいて。

  • 「ゼーーーーー ゼーーーーー… マジ… いい加減しつけえ…ぞ!!」「もう… 何十年… 戦ってると思ってんだ」
    バンは疲弊していた。
    整えられた長さに戻っていた髪と髭も、以前ほどではないものの、かなり伸びてしまっている。その程度の時間は、頭部を破壊されずに戦えるようになったということだが。
    「俺はダチを捜してる… 途中なんだ」
  • 首長竜モドキも ヘトヘトなのは同じらしく、ぐったりと地に伏せて、フシユーーと気の抜けた鼻息を返してくる。
  • 「つか…」「さすがに眠ィ…」
    頭をぐらつかせ、眠気に耐えるバンだったが。
    意識は途切れた。

  • バンは目覚めた。
    相変わらず、体の左側は凍り、右側は焼けている。そして背中から包み支える弾力ある感触。
    「……あ?」
    赤い目で見回す。
    「…だよこいつ」「マジで俺に なついてんのか…?」
    バンを包んでいたのは首長竜モドキの長い尾だった。主人に仕える忠実な猟犬のように、首長竜モドキもバンに寄り添って、護るように眠っていたのだ。
  • 「団ちょ~~ 早く一緒に帰ろうぜ♫」「現世むこうじゃ みんなが お前のために踏ん張ってんだぞ」
    真っ黒い尾に背を預けたまま、バンは独りごちた。
    「それに俺は…」
    (エレイン…)
    目を閉じて愛しい女の姿を思い浮かべる。
    「大事な女に… 早く会いてえん…だ」
  • カク…と頭を垂れて、再び眠り始めるバン。一瞬か、それなりの時間が過ぎたのか。夢も見ない眠りの中で、不意に、誰かの声が聞こえた。
  • (ああ…)(オレもさ)
  • バンは目を見開く。
    「………………」「今のは――…」
    目の前に広がるのは変わり映えしない煉獄の景色。
    夢だったのだろうか?
  • 気付けば、背を包んでいた黒い尾が消えていた。
    「?」「そういや あの竜野郎は どこに…」
    キョロキョロと見回したバンの目が、己のすぐ隣に止まって見開かれる。そして、ゆっくりと細められた。心地よく力が抜けたように。
    「ここに いたのかよ……」
  • 裸でうずくまっていたバンのすぐ隣、斜め後ろ。首長竜モドキが眠っていた場所に、裸の少年が眠っている。小柄な体を丸め、寝ぐせの跳ねた柔らかな金色の髪が ひどく懐かしい。
  • 少年の姿を取り戻したメリオダスは、眠りの中で呟きを続けていた。
    (エリザベス)(おまえに会いてえ)
    煉獄の底から、遠い天空に応えるかのように。
  • 次回「煉獄ライフ」

一挙二話掲載の2話目です。

男の全裸祭りな回であった。アニメ化されたら、色々隠すの大変そう。

 

 

メリオダス

(ああ…)(オレもさ)

(エリザベス)(おまえに会いてえ)

 という独白は、バンの

「団ちょ~~ 早く一緒に帰ろうぜ♫」

「それに俺は…」「大事な女に…早く会いてえん…だ」

という言葉への返答なのか。

それとも、遠い天空演舞場からの

メリオダス)(あなたに会いたい)

というエリザベスの想いに呼応したものか。

 

まあ、両方にかけてあるんでしょうけども。

 

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真っ黒ケモノ

 

 

マーリン曰く、煉獄の厳しい環境は生者の肉体を破壊し、死者の魂を蝕み侵し・砕くと。

なので てっきり、煉獄の死者は、知性を失ったゾンビみたいなのかしらと思ってたら。

子供のラクガキみたいな「真っ黒ケモノ」でしたとさ。

死者の魂それぞれが、バリエーション豊かに、真っ黒ケモノに変身しているらしい。

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ワクワクしない動物ランド! でも なんか可愛い♡

(ナメクジモドキも死者の成れの果てだと思われますが、元はどんな人だったんでしょうか。)

 

しかし。

バンは死者ではありません。肉体コミで煉獄に入っています。なのに、死者と全く同じに、絶望…精神が侵されると、真っ黒ケモノに変身するんですね。

なんで??

 

 

絶望した魂が、どんな姿のケモノになるかは、当人の無意識が影響するんでしょうか。

あくまで当人にとっての「印象深いモノ」になるだけで、隠されていた本性が現れる、というコトではなさそうだと思いました。

何故って、メリオダスの真っ黒ケモノ姿が、これまで二度ほど描かれた魔神メリオダスの本性とは全く違うものでしたから。

 

バンは「強欲の罪フォックス・シン」で、養父のジバゴが狐男ウェアフォックスだったから、狐男モドキの真っ黒ケモノになったっぽい。

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じゃあメリオダスが首長竜モドキになったのは、「憤怒の罪ドラゴン・シン」で、ここ16年持ち歩いていた「刃折れの剣(常闇の棺の欠片)」の竜つかのイメージに影響されたから?

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メリオダスが化していた首長竜モドキは、頭部が「刃折れの剣」に ちょっとだけ 似ている感じがします。

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楕円形っぽい丸さで、鼻先にサイの角みたいな突起が三つあるところ。(突起の長さが、刃折れの剣の方は鼻先ほど長太く、首長竜モドキは逆に鼻先ほど短細いという違いはありますが。)

 

しかし首長竜モドキの方は、加えて水牛のように角が生えていましたし、刃折れの剣は背中(?)にも三つの突起がありますが、首長竜モドキにはありません。

そもそも、刃折れの剣は「ウロボロスの蛇」的な、体の細長い、蛇に近いタイプの竜であるように見えます。首長竜とは体型も違いますね。

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そっくり同じ形ではなく、「ちょっと似ている」。

以上からも、真っ黒ケモノな首長竜モドキは、メリオダスの本性などを正確に写した姿ではなく、あくまで、メリオダスの日常体験でのイメージが、もやもや~んと適当に具現化した姿なのだと思いました。

 

 

<大罪>の他メンバーが煉獄に来て絶望したとしたら、どんな真っ黒ケモノになるんでしょうね。

単純に、それぞれのシンボル獣に似た姿になるか。

あるいは、全く違う姿になるか。 

 

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一挙二話掲載時の恒例、作者さんへの読者からの質問コーナー(教えて! ばっちょ)の大回答祭りが、今回も行われていました。

普段は一話で一つの質問だけですが、今回は二話で十一個の質問と回答が掲載。

 

 

そのうち、興味深かったもの。

Q.妖精族の他に下着の概念が無い種族はありますか?

A.巨人族もあまりないですね。19巻124Pのマトローナはノーパンです。

 

……ファッ!?

いや。私、巨人族も下着を穿かないと、ずっと思ってたんですよ。ところが外伝『少女は叶わぬ夢を見る』後編に、マトローナがパンツを穿いているように見える絵があって。

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 ↑ 一見して、パンツ穿いてるように見えますよね。

 

なので、巨人族にはパンツを穿く文化があったのか…考察間違ってた(*_*;)…と結論してました。

んが。

パンツ穿いてなかったんかーい!(汗)

 

作者さんが仰る「19巻124Pのマトローナ」とは、以下の場面だと思われますが。

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…な、なるほど…。確かに、これは穿いてないように見えます。

 

この場面と、上述のパンツを穿いているように見える場面は、作中で同日の出来事です。マトローナは着換えていません。

なので、上述のパンツを穿いているように見えるマトローナも実はノーパンで、思いっきり無垢な股間をさらしていたのだ、ってコトだったんですね…。

 

これを知った時、一瞬、えっじゃあマトローナは下の毛が生えてないか、欧米文化圏らしく剃って手入れしてる…? と思ったんですけど。

よくよく考えてみたら、そもそもこの漫画では、老若男女 誰の全裸を描こうと、股間は書き込みをせず真っ白に線を抜く方式なのでした。

パンツを穿いていないマトローナの股間が真っ白だったのは、線が省略されていただけ、ってことですかね。\(^o^)/

 

 

 

そういえば。

今更ですけど、第263話のQ&Aは、以下のようなものでした。

Q.今後、主要な五種族以外の種族が出てくる可能性はありますか?

A.五種族以外の怪物モンスターもいます。生んだのはすべて混沌の母です。

えっ、じゃあ、ファンブック2に思わせぶりに存在がほのめかされてあった「竜族」は、五種族と並ぶ、または超越した存在ではなく、あくまで「怪物モンスター」の一種なんですか…。 

 

さて。五種族以外の全ての怪物モンスターを生んだという「混沌の母」。

この名前の初出はファンブック2『シン約聖書』(2016年発行)で、「マーリンの好きな動物」として記載されています。

(漫画に名前が出たのは そのずっと後で、幽鬼アナオンや吸血鬼王族(オルロンディら)を生み出した存在として語られました。)

 

私は、ファンブックで最初に読んだ時点で、混沌の母とはホークママのことだろうなと、勝手に思っていました。

だって、他にマーリンが興味を抱きそうな「動物」かつ「母」っていないです。

同じ本で、キャスとホークが同じ年齢になっていたので、ホークママの元ネタの一つはケルト伝承(アーサー王物語群)に出てくる母豚ヘンウェンで、つまりキャスもホークママが生んだんじゃないかなと想像しました。(伝承上、ヘンウェンはキャス・パリーグら様々な獣の姿の怪物を生んだとされているから。)

以降ずっと、このブログでは、それを前提に考察しています、勝手に(苦笑)。

 

ファンブック2にて、ホークの出身地は「ホークママの中」と書かれていました。普通にホークママが産んだにしては奇妙な言い回しです。まるでママの中に別世界でもあるかのような…。

というわけで、ホークの目が煉獄と繋がっていると確定すると、第244話感想にも書いた通り、ホークママの中に煉獄か、それに近い異世界があるんだなと勝手に合点していました。

 

さて。

煉獄が舞台になって、そろそろ その辺に触れられるだろうかという具合になってきましたが。例によって的外れか。掠るくらいは当たるのか。どんな正解が語られるでしょうか。 

 

 

 

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