【感想】『七つの大罪』第260話 キミに伝えたいこと
週刊少年マガジン 2018年 17号[2018年3月28日発売] [雑誌]
第260話 キミに伝えたいこと
- 人間の村に、近くを行く魔神の進軍の轟きが低く響く。
- 「ゼルドリスに戒禁を返す? …本気なのかデリエリ…」
納屋の中でモンスピートとデリエリの話し合いは続いていた。 - 「ああ… もう<十戒>でいる自分に自信が失くなった…」
闇の力を解いたデリエリは語る。
◆デリエリさん、魔神の力(闇)をOFFにしていても、欠損した左腕は闇で補ったままです。器用。 - 「…生まれた頃から女神族と それに与する他種族を忌むべき敵と そう認識してきた」「当然 否定する気はねえ …実際 大勢の仲間たちが女神共率いる<
光の聖痕 >にブッ殺されてきたんだ… …………姉貴もな」
「でも…」
「インデュラ化した私たち二人をエリザベスは命をかけて救った……」「ブッ倒れた私たちを救ったのも人間だ…」
「うまく言えねえけど… だから―― ……くそっ」
◆流石に第189話のメリオダスを数に加えるのは、もう止めたんですね(笑)。「死んじまえ!」でぶっ飛ばしたアレを「優しい心で見逃してくれた」と解説するのは無理があり過ぎたもんなあ。
なお、デリエリが「インデュラ化した私たち二人をエリザベスは命をかけて救った」と言ってて、うーんと思いました。「私たちを殺さなかった、身を挺して戦いを止めた」系でなく「救った」。エリザベスを上に置く表現。
キミはあの時、自国と仲間のために覚悟を決めて、誰に強要されたのでなく自分の意志でインデュラ化したんじゃなかったのかい。
覚悟が功を奏して勝てるところだったのを妨害されて敗北、最終的に(非戦闘員も含めて)魔神族すべてが3000年も封印される最悪の結末になったけど、魔神の将の立場で、それでも「救われた」と思えちゃうのか…。
敗北(自国の不利益)を「(死なずに済んで)救われた」と思うようになった(個人的な幸せを重視するようになった)からこそ、(一族を背負う将である)<十戒>でいる自信がなくなったってことでしょうか。
はたまた、恨みや怒りでケンカ的に戦ってただけだった私は優しくされて愛に目覚めました的な個人論なのでしょうか。 - 並んで藁のベッドに腰かけ、黙って見ていたモンスピートが「フ…」と笑った。
「…嬉しいよ私は 久々に お喋りな お前が見られて」 - 「あ!?」
声を荒げたデリエリを意に介さず続ける。
「三千年前の――彼女が死んだ あの日を境に スッカリ無口になってしまった」 - デリエリは勢いよく立ち上がり、視線を逸らして両腕を組んだ。
「姉貴は もうアンタと話せないんだ…… 怒られちまうだろ」「モンスピート… アンタのことが好きだったんだ」「姉貴は ずっと…」
◆モンスピートを好きだった姉に悪いから あまり喋らないようにしていたと言いつつ、モンスピートに始終くっついて甘やかされて全裸で彼の膝枕で眠るのは構わないデリエリちゃん。キミの線引きは不思議だな(笑)。
「純潔 」過ぎて逆に肉体の触れ合いに恋愛の要素を感じていないのでしょうか。 - モンスピートも目線を逸らして俯く。
「私は…」 - ノックもなく納屋の扉が開かれた。
「二人共 急いで ここを出て!!」
三つ編みの女だ。 - 「「!!」」
驚く二人。話に気を取られて気配に気づかなかった。 - 「外が大変なことになってるわ!! だから…」
坂道を駆けてきたのだろう、青い顔で息を荒げて続ける。
「皆デ」
その全身を黒い炎が包んで爆発的に噴き上がった。 - 目を見開くモンスピート、デリエリ。
- 熱が筋肉を収縮させる暇も与えられず、立っていた形のまま炭になった女は、棒のように戸口に倒れた。提げていた小籠と中身も炭になった中、たった一つ焼け残ったリンゴが、ゴロゴロゴロッとデリエリたちの足元まで転がってくる。
- 「お前………っ」
燻る戸口に現れた男の姿を見て立ち上がるモンスピート。 - 「よっ」「ままごとは楽しかったか?」
薄ら笑いを浮かべてエスタロッサが歩み入ってきた。 - しばし呆然としていたデリエリが、瞳を闇に染め、怒りに毛髪を逆立たせた。
「て…めぇ……!!!」
頬に戒禁の紋様を浮かばせるや床を蹴り、闇の腕を振り上げて襲いかかる。 - 「デリエリやめろ!!!」
モンスピートの制止も聞く耳持たない。 - 突っ立ったまま、エスタロッサは闇の腕の動きと対称に手刀で宙を凪いだ。
「全反撃 」!!! - 倍加反射された攻撃で、内側から爆発して半壊する納屋。
- 「オイ」「いきなり仲間に襲いかかるとは どういう了見だ」
薄ら笑いを浮かべてエスタロッサは問い質した。折角の服が破れて哀れな半裸になったデリエリを見下ろして。 - 「くっ…」
納屋の壁に開いた大穴の前で、デリエリは尻もちをついた状態でモンスピートに抱き止められている。うずくまった彼の腕に蛇のように闇が這っていた。咄嗟に闇を展開させてダメージを軽減したのだろう。 - エスタロッサが小さく呪文を呟いた。焼死体の口から ニュルン と出てきた白い魂に スッ と手を伸ばす。
「お前らを捜し回ってたら 喉が渇いちまったよ」
生前の人柄のまま愚かで善良な魂は、キョトンとして魔神の手の中だ。 - 「その魂だけは見逃してくれ」「お前が
殺 めた人間は我々の恩人なんだ!」
最期の差し入れとなった足元のリンゴに触れながら、モンスピートは強張った顔で乞い願う。 - 「知るかよ んなこと」
意に介さず、エスタロッサは掴んだ魂を口元に近づけると、くあっ と大口を開けた。 - 悲壮な顔で叫びかけるデリエリ。
「やめ…」 - 「だろうと思ったよ」
モンスピートは底冷えた顔で口を歪めた。 - しゃぐっ と響いた咀嚼の音。
「!?」
予想と異なる味と触感に目を見開くエスタロッサ。
「林檎?」
一瞬前とは異なるモノを掴んでいる己の手を見つめた。 - これはモンスピートの仕業か。
「一体どうやった…?」
リンゴを ポイと捨ててキョトンと男を見やる。 - 男の手には、さっきまでエスタロッサが握っていたはずの魂があった。
「…さあ デリエリ」「今のうちに逃がすんだ」
エスタロッサを目で牽制しながら手を開く。 - 狐につままれたような顔をしていたデリエリは、漂う魂を そっと手に とまらせた。
「……………………ごめんな」
食品でしかなかった他種族の魂を哀れむなど、初めてのことだっただろう。
「さ…」「おいき」
壊れた壁から一歩外に出て、名前も知らないままだった人間の魂を空に放した。 - 白い魂は真っ直ぐに空に昇っていく。
- 一連の成り行きを見届けてから、薄ら笑いを戻したエスタロッサがモンスピートに襲いかかってきた。
「面白え手品だな」「今のは てめえの「遊撃星 」の技か!?」 - 魔力で手刀を覆った即席の短剣。その目にも止まらぬ連撃をモンスピートは紙一重で避け続けた。だが完全ではない。細かく舞い散るのは、短剣に掠られ千切れ飛んでいく
短套 の破片だ。 - 「てめえ いい加減に…」
駆け寄ろうとした少女を、短套 を全て千切り取られた男が一瞥して言った。
「下がれデリエリ!! お前の魔力は奴の「全反撃 」と相性が悪すぎる!!」 - キッと床を鳴らして急停止するデリエリ。
- ぎりぎりの攻防のなか、それは十分な隙を生んだだろう。
- エスタロッサがモンスピートの間合いに踏み込む。
「前から思ってたが てめえの過保護は度が過ぎんだよ…」 - 「ぐっ!!!」
一瞬で背後に回り込んだ男の両腕でモンスピートの首は裸絞めされていた。左手で後頭部を押しながら右腕で気管も頸動脈も押し潰していく。 - 「…俺は お前らの戒禁をいただきに来た」
エスタロッサの言葉に、「「!!!」」と二人は息を呑んだ。 - 「我々の…戒禁を…!? なんの… ため…に…… ゼルドリスの命令か? 大体… どう… やって?」
絞め上げられながらもモンスピートは問うたが、エスタロッサは薄ら笑って にべもない。
「どうでもいいだろ てめぇらは ここで死に 俺に戒禁を奪われる運命なんだからよ~」
◆戒禁をいただきに来たと言われて「どうやって」と尋ねるモンスピート。彼は戒禁を取り出す術を知らないんですね。そりゃそうか。誰でも簡単に外せたり人のを取ったりできたら裏切りの芽を作りますし。
逆に言えばゼルドリスとメリオダスだけが(恐らく魔神王に)教えられていた。<十戒>統率者・後継者候補として、魔神王代理の権限を与えられていたからなんでしょうね。 - 「やめろ!!」
「全反撃 」を使うには手を振るわなければならない。攻撃すれば、奴はモンスピートから手を離すだろうか。いや、もし彼を盾にされたら…?
近寄れず、ジリジリしながらデリエリは訴える。
「やめてくれ… 戒禁は どうせゼルドリスに返すつもりだ」 - 「何?」と、エスタロッサ。
- 「私も… だ デリエリ」
苦しげな声でモンスピートが追随した。
「「沈黙」から… 解放されれば…」「ずっと… 心に隠し続けた…言葉を…」「お前に伝える…こと…が できるから」 - 真情の籠る男の視線を、呆然とデリエリは受け止める。
- だが、甘やかな解決をエスタロッサは許さない。
「う… ごあ」
顔がへしゃげるほど絞められてモンスピートは呻吟した。 - 「シラけさせんなよ …戦いを放棄した魔神に 一体なんの意味がある?」
「が…」「ぐ…」
「魔神王の精鋭ともあろう者なら 潔く戦って死ねよ」 - 「モンスピート………!!」
苦しむ相棒を前にデリエリの顔が凶悪に歪むが、やはり手出しできずにいる。 - そしてエスタロッサは明かした。
「それに」「ゼルに戒禁を渡してもらっちゃ困るんだよ…」
「戒禁は すべて俺が いただく」「兄弟 にやるくらいならな」
◆「メリオダス」にやるくらいならではなく「兄弟 」にやるくらいならなんですね。いつの間にか「裏切ったメリオダスに愛憎を抱いている(メリオダスが裏切ったことが事実であるため解決が厄介な問題)」設定から、「漠然とした兄弟へのコンプレックス(より解決しやすい単純な問題)」にグレードダウンしてる。 - 「やはり… 正気ではないな… …お前は… 歪んでいる…」
真っ青な顔でモンスピートは言った。ここまで絞められて、なお意識を保つどころか喋ることさえ出来るとは、魔神のタフさは恐ろしいものである。 - 「俺が? 歪んでる?」
薄ら笑いを消さない男に、抵抗を続けていた腕も力を失い、もはや息も絶え絶えになったモンスピートは語りかけた。
「最期に教えて…やる… 哀れな…エスタロッサ…」「お前以外の… <十戒>…全員が知る事実…を」 - ハラハラとした様子で見ているデリエリ。
- 何が琴線に触れたか、エスタロッサが笑みを消して促した。
「言ってみろ…」「てめえの遺言とやらを」 - 「聞かせてやる」「お前への手向けとして」
だが、気付けば顔がへしゃげるほど強く裸絞めされているのはエスタロッサになっていたのである。
「!!?」 - 「“
手品師の悪戯 ”」「私の手の内にある物体 もしくは私自身と ほぼ同等の大きさか質量の物の位置を交換する」
今まで絞められていた首を軽く振ってコキコキと鳴らしながら、淡々とモンスピートは明かした。 - 目に見えてホッとしたのはデリエリだ。
「驚かすなよ モンスピート!!」 - 「怒らない怒らない 種は誰にも見せない これ 手品の基本ね」
軽くいなす男の腕の中で、「か…」「ぐ…」と呻くエスタロッサは抜け出せずにいる。まさに手品のような形勢逆転だ。 - 「くそ… か…は」
「暴れても無駄よ お前が 私の首を完全に極 めるのを待ってから入れ替えたからね」
気軽な調子で言うが、一歩間違えれば自分が落ちて敗北していただろう。捨て身の戦法である。 - 「さて… 話の続きだが」
「くっ」
エスタロッサは左手でモンスピートの腕を殴って抵抗したが、無理な体勢からでは殆ど力も入らない。
「覚えているか? お前は魔神王の息子でありながら闇の力を有せず生まれ――――」「あまつさえ虫を殺すことすら ためらうほどの小心者だった」
◆小心者と表現されていますが、虫を殺すことも恐れるような心優しい少年だったんですね。しかし魔神の社会では異端で、見下される惰弱でしかなかったと。 - エスタロッサの血管が怒張した。
「だ」「ま」「れ」
言うや、全身から炎を噴き上げさせる。
“獄炎 ” - 納屋が燃え上がった。
- 「燃え… …尽き」「やがれ……!!」
黒炎の渦の中で、未だ絞められながらエスタロッサは声を振り絞ったが。 - 「パーカ」
闇の腕で炎から身を庇いながらも逃げ出さないデリエリが言った。
「モンスピートは魔界でも指折りの獄炎 の使い手だぜ」「てめぇのチャチな炎が効くかよ…!!」 - 事実、炎が消えればモンスピートは火傷一つなく立っていたのである。
「天才肌の長男と三男に挟まれたことを哀れんだ父親は 二男に戒禁を与えた」「しかし それが間違いだった」「戒禁は お前に闇の力を もたらしはしたが …同時に精神を蝕み不安定にしてしまった」
彼は平然と話を続けた。
◆魔神の血を与えられた人間の性格が残虐で好戦的に変質し、優しさが薄れていたのと同様の現象でしょうか。となれば、これ以上の闇の力を注入すれば、新世代聖騎士のように怪物化する? - 「つまらぬ邪念を抱くのはよせ… メリオダスやゼルドリスならともかく―――」
ギリリと力を込める。
「ち… く」「しょ…」
「お前が自身の戒禁以外を取り込めば 破滅は免れんぞ?」
青ざめたエスタロッサの目玉が裏返り、だらんっと腕が垂れた。 - 「!! ……………………………」
薄く白目を開けて沈黙した男を凝視するデリエリ。
「落ちやがった…………」 - 安堵と共に怒りが沸く。
「このバカ どうする?」
スタスタと無造作に近づくと、モンスピートが顔色を変えた。
「ダメだ!! まだ近寄るな!!」 - 先程のモンスピートと同じ、油断と慢心を誘う手。そう、エスタロッサは未だ落ちてはいなかったのだ。
- カッと目を開けたエスタロッサの左手がデリエリの首を掴んだ。
「かあっっ!!!」
そして右の手刀に闇をまとわせて振り上げる。掴まれた少女は逃げられない。 - 刹那、視線を見交したデリエリとモンスピートの間に通じたもの。
(ずっと お前に)(伝えたい)(言葉があった)
それはどちらの。
あるいは、同じくする想いだったのか。 - 一瞬の後。
エスタロッサの首を絞めているのはデリエリであり、エスタロッサに首を掴まれているのはモンスピートであった。
ド ズ
手品師の悪戯など構わない。エスタロッサの手刀がモンスピートの胸を貫き、最後 の心臓を掴み出していた。 - 次回「迷子の猫」
モンスピートとデリエリのカップル回でした。
登場以来、
モンスピートっていつもデリエリの世話を焼いてる。恋人同士なのね♡
↓
いやいや、よく見たら顔立ちがそっくりだし魔力も対みたいな名前だし、父娘や兄妹の可能性も?
↓
デリエリの姉とモンスピートが恋仲で、彼女亡き今 モンスピートの気持ちがデリエリに向きつつある三角関係?
などと もだもだ妄想してきましたが。
正解は、「亡きデリエリの姉に遠慮した、両片想い」。
『タッチ』の南と達也と和也みたいな?
デッちゃん、モンスピートを甲子園に連れていって!
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愛は勝手なもの
モンスピートとデリエリを保護してくれていた村娘さんが殺されてしまいました…。
しかも、すんごいショッキングで残酷な殺され方(汗)。
その死をもたらしたエスタロッサにデリエリたちは怒り、食おうとしたエスタを妨害して村娘の魂を逃がしました。
(女悪魔が魂を高く天に逃がす様子、なんとなく、手塚治虫の『百物語』や椎名高志の『GS美神 極楽大作戦!!』を思い出しました。ゲーテの『ファウスト』パロ。)
実に共感しやすいエピソードです。
恩人を殺された怒り。せめて魂だけでも救おうとする優しさ。
モン&デリへの好感度アップ待ったなし?
しかし。
視点を引いて考えてみれば、身勝手な面も あるよなあとも思いました。
だってデリエリたちは、これまで散々 人間の魂を食べているからです。
殺して食べて、人間たちに哀れみを見せたことは一度もありませんでした。
でも、自分たちを救ってくれた人間の魂は救いたいのね。食べようとするエスタロッサに怒るのね。
勿論、その気持ちはよく解ります。
普段 美味しく肉を食べていても、名前を付けたりして可愛がってる家畜の肉は食べづらいものですもの。
ただ、殺された村娘さんが どんな暮らしをしていたのか、どうして見も知らぬ二人を助けて養ったのかはおろか、名前すら語られていませんでした。
亡くなった彼女にデリエリたちが呼びかけることもない。
あの人は「デリエリとモンスピートを発奮させ、戦いから離脱させる(敵キャラから味方系キャラに転換させる)」ための、「優しい人間」という記号でしかなかった。
(過去修行編のロウの村の話に出てきた「いい奴だった魔神族」と同じ。)
それがあからさますぎて、ちょっと哀しい気もしました。(^^;)
せめて殺されずに逃げのびてくれたらなあ。
これから先、デリエリは他種族の魂を食べなくなるのかしら?
人間を自分たちと同等の存在と見るようになるか、今回のは刹那的な感傷だっただけで・あくまで格下の食料となり得る生き物と見続けるか、で異なるのでしょうが。
名前すら知らない(知ろうとしない)段階では、まだまだかな。
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あられもない?
今回のデリエリ、股開きのパンツ丸出しに下乳見せで、大変あられもない恰好でしたけれども、不思議とエッチな感じがしなかったですね。
あまりに堂々と見せているからだろーか…。
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「沈黙」の戒禁のこと
詳細は不明のままですが、
心に秘めた「秘密」を口に出すと、何らかの罰を受ける
というものなのかな?
この戒禁のためにモンスピートは秘めた想いをデリエリに伝えられませんでした、と。
でも、あれれれ~? おかしいぞ。(名探偵コナン風)
だって、戒禁は<十戒>同士だと効かないって設定だったじゃないですか(苦笑)。
<十戒>同士ですから、モンスピートはデリエリに問題なく秘めた想いを打ち明けられたハズですよ。
作者さん、自分で作った設定 忘れまくりですね。
ところで。
「沈黙」の戒禁が「秘密を明かすと罰を受ける」モノだったのなら、第二部序盤の「メリオダスが目的を頑なに打ち明けない」エピソードと組み合わせてたら、無理なく綺麗に話が運んだんじゃなかろーかと思いました。
今更ですけども。
なんか勿体ない。
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エスタロッサの正体
エスタロッサの正体が明かされました。
魔神族としては異端の、闇を持たない心優しい少年だったのが、お父さんが気遣って闇の力を分けてあげたのが仇となり、精神が歪んでしまったと。
うむ…『ガンダム』シリーズとかの強化人間みたいな…。
…えーと。
つまり、「兄弟である」ということ以外に、エスタロッサとメリオダスの間に特別な繋がりは な~~んもない、というオチですか。
んんんん~~。(;^ω^)
何だったんだ、これまでの思わせぶりなアレソレは(苦笑)。
(大なり小なり、設定変更はありそう?)
王子なのに後見人が付いてなかったり・一人だけ後継者候補扱いされてなかったり・<十戒>の間でも あまり話しかけられる様子なく微妙にハブられてる感じだったのは、弱くて頭のおかしい厄介者だと思われてたから…だったのか。
残酷な真実!(;^ω^)
となると、
エスタロッサは無垢な少年時代、草原で女神エリザベスと仲良く会話していた。
今のエリザベスがエスタロッサを知らないのは、当時は可愛い少年だった彼が、戒禁を与えられて歪んだ今は、無精髭のムサい青年に変貌しているからである。
って感じなんでしょうか?
ただ、もし そういうことであるなら、3000年前のエリザベスは 彼がメリオダスの弟だとも・エスタロッサという名前だとも 知らないまま交流していた、ということでなければなりません。
それらを知っていたら、たとえ外見や性格が変貌していても、第246話の時点で気付かないはずがないからです。
あと、もう一つ齟齬がありそうなのは、第236話のキューザックの独白です。
「…気になるのは 奴から漂う説明のつかない違和感と異物感」「その正体が何かは わからんが とにかく不気味な男よ…」
エスタロッサが「闇を持たずに生まれ、魔神王に戒禁を与えられて歪んだ存在」でしかなかったのなら、古くから魔神王族に仕えているらしい老兵のキューザックが、それを知らないのは奇妙じゃないですか。
キューザックは、実はエスタロッサが歪んで以降に臣下に加わった新参者?
キューザックは、誰もが知っていることにも疎い情報弱者?
はたまた、実はエスタロッサには更に別の「違和感・異物感」をもたらす秘密がある?
そしてまた。
エスタロッサ自身のことなのに、モンスピートは「お前以外の<十戒>全員が知る事実」「覚えているか?」と言っていました。
エスタロッサは「精神を蝕み不安定」であると同時に記憶も曖昧になっている、という設定になったようですね。
既に「エスタロッサがマエルを殺したなら、どうして同じ力を持つエスカノールと戦ったとき、初めてその力を目にしたように狼狽えたのか?」という疑問が読者間で膾炙していますが、記憶が曖昧で忘れてたんですよ~ってことになりそう。
「自分が何者か うっかり忘れていた」マーリンさんと並んで
「エスタロッサは うっかり忘れていた」のオンパレードになりそうです。
この漫画、軽度・重度の差はあれど、ホントに記憶障害者だらけだのう。(^^;)
なんにせよ、エスタロッサが「強化人間」枠で、少年時代に「優しいおねえさん」なエリザベスと交流があったとするならば、
エスタロッサ暴走→エリザベスが「救ってあげる」
展開が鉄板ですかね。救われて生きのびるかどうかは半々ですけども。
戒禁を失ったエスタロッサが少年の姿に戻ってエリザベスに懐いたりしたら、新たな おねショタの地平が拓かれるかも。