【感想】『七つの大罪』第237話 おしゃぶりの鬼
週刊少年マガジン 2017年44号[2017年10月4日発売] [雑誌]
第237話 おしゃぶりの鬼
- 灰色や橙色の魔神が警備するキャメロット城内を、ゼルドリスと、彼に従うキューザックが歩いている。
- <七つの大罪>とやらと手合わせしてみたかったと残念がる男に、チャンドラーと一緒に行けば良かっただろうと返せば、歯切れよい否定が返った。
- 「いいえ! 俺の最重要任務はゼルドリス王子の警護ですから」
「相変わらず暑苦しいなキューザック」
「お褒めにあずかり光栄です」
「褒めてないぞ…」 - ゼルドリスは溜息をつくと、強い声音で言った。
「<七つの大罪>を甘く見るな…」「…奴らは ただの烏合の衆ではないぞ……?」 - キューザックは薄く笑う。
「ご安心を…… 鬼が如く 敵の骨の髄液までしゃぶりつくす その冷酷執拗な戦いぶりは 今も変わりません」「<おしゃぶりの鬼>は健在ですよ…」 - <豚の帽子>亭、一階店舗。
<おしゃぶりの鬼>は歯を剥いた顔を“完璧なる立方体 ”の透明な壁に めた~ と押し付け、メリオダスを抱きしめるエリザベスを睨みつけていた。 - 「罪深き女神エリザベス…」
- 一歩も引かぬ気迫でチャンドラーを睨み返すエリザベスの両瞳に
女神の紋様 が浮かぶ。 - 「儂のかわいいメリオダス坊ちゃんを奪い去った雌猫… 絶対に絶対に絶対に…」「許さん」
- 木の大杖の先を何度か軽く振ってから、老魔導士は結界の壁をコーーンと叩いた。本来なら、叩いた分の力が反射されるはずだ。しかし。
パンッと軽い音を立てて、“完璧なる立方体 ”が丸々消滅していた。 - 「マ… マーリンのバリアを まるで しゃぼん玉でも割るみてえに!!」
プゴッと泡を食うホーク。 - 「“
絶対強制解除 ”を使えるとは…」「侮れん相手のようだな」
マーリンは指を立てて刀印を結んだ。神器 と彼女を揺らめく魔力の光が繋ぐ。
「伏せろ姉々 !!!」
警告するなり、老魔導士の背めがけ、差し伸ばした右手から魔力を放った。 - ハッとしたエリザベスが反応するよりも早く。
- 振り向きざまにチャンドラーが左手で杖を振るや、キンッと弾くような音が響いて、魔力の光はマーリンに跳ね返っていた。
- 「マーリン!?」
血相を変えてエリザベスが叫ぶ。 - 放ったはずの己の魔力に包まれて、愕然と目を見開いているマーリン。
「!! この技はメリオダスの」「…なぜ?」
据わった目でチャンドラーは言った。
「当然じゃろ」「“全反撃 ”は儂が坊ちゃんに教えた技じゃ!!」
◆あれ? 「全反撃 」って、メリオダスの使う「技」じゃなくて「魔力」じゃなかったっけ。伝授されれば使える「技術」ではない、はずですよね??
…うーん。チャンドラーの魔力も「全反撃 」なのだ、ってことなのでしょうか。エスタロッサもそうだし。
グロキシニアとキングの魔力が どちらも「災厄 」、マトローナとディアンヌとドロレスの魔力が 三人とも「創造 」であるみたいに、先任者と後任者や、師匠と弟子で、同じ魔力を持つ存在って結構いるのかな。 - マーリンを包む魔力の光が消えた、次の瞬間。
彼女の姿も消え、中身の失せた服が、バサッと床に重なり落ちていた。
同時に、神器・明星アルダンが輝きを失い、ただの金属球となってゴトッと床に落ちて転がる。 - 「マママ… マーリンが消された!?」
冷や汗しきりに喚いたホークの言葉は正確ではなかった。
すぐに、重なり落ちていた服が もそっ と動き、中から這い出して来る姿があったからである。 - 「“
魔力封じ ”ーーーか」「残念じゃが 封じられたのは お主の方…… どうやら 己にかけていた魔力も解けてしまったようじゃの?」
その姿を見て、老魔導士は詰まらなさそうに片眉を上げた。杖の先を軽く左右に振って、まだまだじゃなと言わんばかりに、ちっちっと舌打ちしてみせる。
「それが本来の姿か… なかなか可愛 いではないか!! フォッフォッ」 - 「く…!!」
服の中から抜け出して悔しげに歯を食いしばったのは、せいぜい12歳がいいところの幼い少女だった。だぶだぶのインナー一枚をまとい、ボサボサの黒髪は背まで伸びている。
◆第229話のエリザベスの台詞からして、このマーリンの「真の姿」の年齢は、最低でも12、3歳には なっているはずなのですが(3000年前のエリザベスの記憶では、最後に会った時 マーリンはそのくらいの年齢だったらしい)、もっと幼く、8~10歳くらいに見えますね。
それはそうと、マーリンさんのインナーのシンブルさは少し意外でした。もっと大人っぽいのを着てるかと思ってた。見えないところには あまりこだわらない派なのかな。 - 「私としたことが…」
悔しさと焦りが半ばした顔で、己の小さな手を見るマーリン。 - 「おやおや~~? 見覚えがあるぞ その顔… んん?」
チャンドラーが不思議そうな顔になって、半歩 身を乗り出した。マーリンは立ち上がって、半歩身を退く。
「お主! もしや ベリアルインの娘じゃな?」
その肩書を知るなり恐慌に陥ったフラウドリンやグレイロードとは違う。平然と老魔導士が指摘した、次の瞬間。 - バァン
「!!?」 - 勢いよく酒場の扉が開き、巨大な手が侵入するや、ごそごそと室内を探り始めたのだった。
- 「どこだ どこだ~~…」
その手はディアンヌのものである。巨人の少女は走り続けるホークママの鼻先に正座して、酒場の扉に片手を突っ込んでまさぐると、
「捕まえたっ1!」
掴み出したのはエリザベスとメリオダスであった。 - 「もう大丈夫!! 怪我はないエリザベス!?」
「私なら平気! でもマーリンが大変なことに…」
「ええ? マ… マーリンが どうしたの!?」
◆あれ? マーリンに異変が起きたことは気付いてなかったのに、“完璧なる立方体 ”が解除されてることは知ってたんですね。(エリザベスとメリオダスを掴み出す目的で手を突っ込んだようですが、二人が“完璧なる立方体 ”内に入ったままだと思ってたら、そんなことしようとは思わないでしょうし、手触りで違和感を感じるでしょうから。) - ディアンヌの足元にはゴウセルが立っている。ずっとディアンヌの傍に浮かんで見守っていたキングが
「エリザベス様 侵入したのは何者ですか!?」
と鋭く尋ねた。 - 「闘級8000の巨人の娘に」
響いた聞き慣れぬ声に、目を見開くディアンヌ。
「闘級4万の妖精……!!」「ほう すごい!」
キングは警戒の色を濃くした顔を向けた。
「闘級3万5400のニンゲ――…ん?」
ゴウセルは声の主を見上げ、「奴は……」と呟く。 - 空間転移術を使ったのか、いつの間にかホークママの斜め上に静止していたチャンドラーが、
上着 の裾をバサバサとはためかせながら、両腕を広げて大仰に声を高めた。
「お主… ゴウセル? いや ゴウセルの人形ではないか!!」「<十戒>から足抜けしたお主が なぜに この連中と!?」 - ディアンヌは、エリザベスとメリオダスを さっと両手で胸に抱き込んで隠し、老魔導士を睨みつける。
「こ… このおじいちゃんが侵入者…なの?」 - 「ゴウセル!! 知ってるのか!?」
キングが見下ろして尋ねれば、淀みない応えが返った。
「最上位魔神チャンドラー」「メリオダスに戦いを教えた 事実上の師だ」 - 「!!!」「だっ…団長の」
げっ、と言わんばかりに口を歪めるディアンヌ。
「師匠!!!?」
キングは愕然として叫んだ。 - 「団長…? まさかとは思うがメリオダス坊ちゃんのことではあるまいな…」
チャンドラーの言葉に、「坊っちゃん…」と思わずジト目で呟くディアンヌ。
「ということは 貴様らか 魔神王の言っとった<七つの大罪>とやらは! ほほ~~ なるほどのう」 - その間もホークママは どんどこどんっと足を止めず、開きっ放しの酒場の扉からは、ホークがトントコトーンと走り出ていた。
- 「魔神王は お主らを どうにか処分してしまいたいと思うているようじゃが」
続いた言葉に顔を険しくするゴウセル。しかし、
「…正直 儂は興味がない」
老魔導士は素気無く言い切った。優先すべきはメリオダスであり、今、他に関心はないと。
「…つまり お主らは非常にツイておる」「メリオダス坊ちゃんと罪人エリザベスを おとなしく渡せば 見逃してやらんこともない… どうじゃな?」 - 「断る」
即座に返る、語気強い少女の声。
「団長もエリザベスも かけがえのない大切な仲間だ!!」「絶対に渡すもんか…!!」
エリザベスとメリオダスを胸に庇って言い切った巨人の少女を、チャンドラーの底冷えする目が見下ろした。
「“極微 ”」
右手で流れるように複数の印を結んで、パチッと指を弾く。 - 途端に、ディアンヌの身体に異変が起こった。
「!!?」「か… 体が縮んで…」
髪は解け、服もだぶだぶになってしまう。 - だが、サイズ縮小は慣れたものだ。
「フンだ!! 人間サイズになっても十分戦えるん…」
と、啖呵をきりかけたディアンヌだったが。 - 「にゃ~~~~~~~~っ!?」
側にいるエリザベスが山のように大きいではないか。 - 「ディディ…ディアンヌ!!!」
ブッと鼻血を噴いて狼狽えるキング。
人間サイズどころか、小鳥サイズに縮んだディアンヌは、着るものもなく全裸をさらしていたのだった。 - その頃、<豚の帽子>亭店舗では、幼い姿のマーリンが簡易ベッドに駆け寄り、横たわるエスカノールに呼びかけていた。
- 「頼む エスカノール 目を覚ましてくれ!!」「エスカ…」
ハッと口ごもる。眠る姿が、貧弱な中年男に戻っていたからである。本来なら、まだ日の落ちる時間ではないというのに。 - 腫れぼったい痩せ男の顔を覗き込みながら、マーリンは、小さな両手でシーツを握りしめた。
「姿が完全に戻っている…」「まさか本物の夜を連れてくるとは!!!」 - 屋外では、いよいよ戦いが始まろうとしていた。
「…お主ら 夜は好きか?」
大きな満月を背負って浮かび、チャンドラーが眼下に問う。
「夜はな… 儂ら 魔神族の魔力を さらに高めるんじゃ」 - 警戒の顔で見上げるゴウセル、地上に降りたキング(頬が赤い。止まらない鼻血が一筋、顎まで伝って落ちている)、キングの肩に乗った小さなディアンヌ(全裸だが、何一つ隠さず堂々としている)。
◆ディアンヌちゃんにこんなに堂々とされると、キングも彼女の生まれたままの姿に慣れざるを得ない。
(キングもゴウセルも小人ディアンヌに着せてあげられるサイズの布を持ってない…。なら、エリザベスが自分のスカーフを取って着せてあげても? と思いましたが、そんな余裕もなかった・ディアンヌ自身が求めなかった、ってことかしら。バィゼル喧嘩祭りの件を併せて考えるに、ディアンヌは羞恥心より戦闘を優先するらしい? 戦闘中でなければ恥じらうけど、戦闘中ならモロ出しになってても戦う。) - エリザベスの腕の中のメリオダスは苦しげに呻いた。闇の魔力が高まろうとしているのだろう。
◆今更「魔神族の魔力のピークは夜」設定が。
じゃあ魔神族は夜に侵攻すればいいのに。人間は夜目が効かないし昼行性だから、より簡単に殺せるよ? 人間に合わせて昼に行動してあげてたとは、優しいですね魔神族。
(そういえば、魔神族の眷属だった吸血鬼族は、日光下では魔力が半減するという設定でしたっけ。純正魔神族は、夜に どのくらい魔力が上がるんでしょう?)
この設定は、メリオダスはエスカノールに負けたけど、本当は夜の方が強いんだ。二人は それぞれが本当に強い時間帯には戦えないんだ。だからどっちが強いかは永遠に判らないよ、と言いたいがためのものなんでしょうか。
魔神族が本来は夜行性なのだとしたら(魔界はずっと夜だったり?)、メリオダスが深夜3時まで起きてて朝10時まで寝てる生活してるのも、そのせい?
妖精族は時間帯に魔力が左右されるんでしょうか。伝承上の妖精は多く夜に活動するものだから、ふと気になりました。
でも、この漫画の妖精族は植物とのつながりが強いので、光合成できる昼の方が活発な感じがします。妖精界も明るかったし。 - 「あのジジイ 何する気だ!?」
スッと両腕を掲げたチャンドラーを見て、ホークが訝しんだ。 - 「星の子の かけら共」「愚か者共に降りそそげ そして砕け」
両腕を広げて天空を見上げ、老魔導士は朗々と詠唱を始める。
「暗き大地に大輪の花と咲き乱れよ」 - ゴ ゴ ゴ… と大気に震えが走った。
「ねえ… まさか この振動……」「キング… ゴウセル… どうしよう」
キングの肩に立ち上がって、ディアンヌが不安げな声をあげる。 - キングはゴウセルと顔を見合わせ、言葉なく互いに頷き合った。
- 次いで「残飯長」と、ゴウセルがホークに鋭く声を掛ける。
「な… 何?」 - その間に詠唱は完成だ。
「どどどどどどどどどどどどどどどど」「ど~~~~~ん!!!」
チャンドラーが恐るべき滑舌で吠えた、そこから間を置かぬタイミングで。
天空の彼方、暗黒の果てから引き寄せられた無数の隕石が、巨大な流星の雨となって降りそそいだ。
“隕星 ” - 「ブゴォーーーッ!!!」
流石のホークママも歩みを阻まれ、命中こそしなかったが、陥没した大地に前のめりに突っ伏して動かなくなる。
◆おっ母 ぁあ~~!!
ところで、ここ、作画ミス?
ディアンヌは小人化しているはずなのに、巨人ディアンヌがホークママの鼻先に座っているように見える。 - 「坊っちゃん奪還を祝しての 特大打ち下ろし花火じゃ~~~っ♡」
尾を引く閃光、飛び散る火花と舞い飛ぶ瓦礫。
轟音の中、テンション高く大笑いしていたチャンドラーがピクッと表情を変え、ギロッと斜め後ろ上空を睨んだ。 - 「まさか キミと力を合わせることになるなんてね…!!」
そこに居並ぶは、肩にディアンヌを乗せたキングと、モンスターブロックを食べて空飛ぶエイ に変身 したホークに騎乗したゴウセル。 - 互いに薄く笑みを浮かべてチャンドラーを見据え、ゴウセルが両腕を広げて作り出した巨大な
光の弓 に、キングの真・大槍 を矢として つがえている。 - 合技 “
天空の光弓 ” - 夜空に浮かぶ光り輝く超大弓。
タイミングを計るようにキングが大きく右腕を振り上げ、その狙いは、ピタリとチャンドラーに定められていた。 - 次回「生まれた隙」
「おしゃぶりの鬼」という言葉に、なんとなくエッチで倒錯的な響きを感じてしまいましたが、全然そんなことはなかったぜ!
第189話、ホークママがデリエリに「
しかし今回は無謀特攻はせず。気持ちを抑えて、キング、ゴウセルをサポートしてチャンドラーと戦う方に集中したようです。頑張った!
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魔導士の指輪
チャンドラーは、メリオダスと同じ左利きです。
そして、左手の人さし指・中指・薬指に、それぞれ一つずつ、大ぶりの指輪をはめています。
人さし指の指輪は「光」っぽい飾り、✧
中指の指輪は「三日月」っぽい飾り、☽
薬指の指輪は「花」っぽい飾りですね。❁
魔導士らしく、魔力増幅の呪具なんでしょうか。
だとしたら、光・闇・大地(植物)、全ての力を使える、的な意味があるのかなあ。
いやいや。
そうではなく防御の意味合いかな? 全ての属性の魔力から身を守る、という。
そして どーでもいい話。
チャンドラーは右手には指輪は はめていないのですが、今回の13P目でだけ、右手に飾りのないシンプルな指輪が描かれていたコマが二つありました。(これ以前も、これ以降も、右手に指輪はない)
その2コマで、指輪をはめている指にも微妙な差異があって、↑最初のコマでは右手の中指・薬指・小指。次のコマでは人さし指・中指・薬指でした。
チャンドラーは「メリオダスに戦いを教えた事実上の師」だと、ゴウセルが語りました。
色々、不思議に思える点がありますよね。
一つは、メリオダスは剣士なのに、どうして魔術師のチャンドラーから戦い方を教わったのか?
二つは、「事実上の師」ということは、正式な師ではなかったということか?
…想像するに、チャンドラーは本来は師の立場ではなかったけれど、ある時、何かのきっかけでメリオダスに「
それ以降、メリオダスが戦士として一目置かれるようになったり、チャンドラーがメリオダスを猫可愛がりするようになったりした、とか。
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闘級と神樹の話
チャンドラーの見立てによる、ディアンヌ、ゴウセル、キングの闘級が判明。
ディアンヌ…闘級8000
修行前は闘級3250でした。(人間サイズだと闘級2330)
修行後の第218話では人間サイズで闘級1万5100、第228話では巨人サイズで闘級4万8000でしたが、ドロールの舞をしないデフォルト状態だと、1万台に到達していなかったんですね。
マトローナの闘級が7600ですから、大体同じくらいの強さです。マトローナもドロールの舞を習得していますから、戦闘時には闘級を上げられるのかもしれません。ガラン(闘級27000)とモンスピート(闘級53000)からディアンヌを救い出せたのは、踊って闘級を数万台に上げていたから?
ゴウセル…闘級3万5400
第215話の感想で「(ネロバスタの態度から、メラスキュラ(闘級3万4000)と同レベルと思われるので)闘級25000~35000前後くらい?」と予想したのが概ね外れていなかったので、嬉しかったです。
ゴウセルが使うのは状態変化・精神支配系の技。人形なので痛覚もなく破壊されても短期間で自己修復して、ほぼ不死。
ですから、この闘級でも十二分でしょう。なにせ闘級が3100だった頃すら、闘級2万台のガランや、それ以上のエスカノールに難なく精神介入して、戦局を左右する戦力足り得てましたからね。
キング…闘級4万
第218話のゴウセルの見立てでは「闘級4万1600」だったのに、ちょっと下がった?(苦笑)
目を引いたのは、チャンドラーが「ほう すごい」と感心していた点です。
エスカノールやメリオダスが闘級11万以上、ゼルドリスやエスタロッサは6万以上、グロキシニアたちやモンスピートたちは5万以上。<四大天使>も恐らく6万以上レベル。そんな連中が うじゃうじゃしている中では、正直、闘級4万程度では見劣りしてしまい、正面から戦うタイプの戦士としては、あまり強くない・役に立たないように感じていました。
でも、歴戦であろうチャンドラーが「すごい」と感心するレベルなんですね、闘級4万台って。闘級4万台以上の戦士は、3000年前でも、実は そんなに数が多くなかったのかな?
…いや。
或いは、闘級4万台の「妖精は」すごい、という意味だったんでしょうか。
妖精族は王だけが突出して強いようですし、恐らくチャンドラーは、キングを妖精王だとは認識していませんから。ザコ妖精のくせに闘級が4万あるのは凄い、という意味だったりして…。
小説『セプンデイズ』での説明によれば、神樹は妖精王が死なない限り新たな王を選ぶことはないそうです。
しかし現在、グロキシニアとキングと、神樹に選ばれた妖精王が双立しています。
前々回、キューザックが
「巨人の王と妖精の王を始末する役目… ぜひ この俺に…!!」
と言っていたのを聞いて、あれっと思いませんでしたか。私は思いました(笑)。
今の妖精王はキングなのに、魔神族は あくまでグロキシニアを妖精王だと認識しているんだなあと。
さて。
本来なら有り得ないはずの、「神樹に選ばれた妖精王が二人」存在する状況。
これは、グロキシニアが常闇の棺に封印された時点で、神樹が彼を「死んだ」と判断したためなのだろうと思っています。
王都決戦の際、ヘルブラムはリオネス王都に巨大な「木の根の根毛」を召喚しました。ファンブックによれば、これは神樹の根毛だそうです。
神樹は妖精界の中心に生えた木ですが、その根は、次元を超え、異世界たる人間界にまで伸び広がっているということになります。
神樹のモデルと思われる北欧神話の世界樹ユグドラシル(または、ゲルマン系の民話に現れる「天まで届く木」)は、複数の世界を またぎ貫く存在です。
木そのものが、層状に重なる幾つもの異世界を貫いて繋ぐ
木の幹を登っていけば、枝の先々には様々な不思議で明るい世界があり、反対に下っていけば、根の先には様々な不気味で暗い世界があるのです。世界樹は世界の まさに根幹であり、枯れれば全ての世界が滅ぶと考えられていました。
『七つの大罪』世界の神樹が どういう存在なのかは判りませんが、その根がリオネス王都にまで張っているということは、妖精界だけでなく、少なくとも人間界に力を及ぼしていることは確かなのでしょう。
もしユグドラシルのように複数の世界を繋ぐ存在ならば、神樹を中心に生やした妖精界は、人間界・魔界・天界など様々な異世界へと繋がる道と扉を持つ、ハブ世界と言えるのかもしれません。
キングが人間界に出て700年帰らなくても、神樹はキングを死んだとは見なさず、新たな王を選ぶことはありませんでした。
しかしグロキシニアが封印されると新たな王を選んでいます。
即ち、常闇の棺の封印の中は、神樹の力の及ばない・神樹の根や枝の通じていない世界だったということでしょう。
現在、妖精王が二人という状況ですが、二人とも問題なく神樹の力を使えているようです。
結果的に、妖精族の戦力が上がっています。
ならば、妖精王を封印に閉じ込め、神樹が新たな王を選んだら封印を解くという作業を繰り返せば、妖精王を無限に増やすことが可能なのではないでしょうか?
最強の妖精王軍団を作り出すことも夢じゃない!?
…いや。
神樹が妖精王を常に一人しか選ばないというのにも、きっと、自然の摂理的な意味があると思うのですよね。
妖精王が沢山いて、みんなが神樹の力を引き出したら、神樹は疲弊して、最悪、枯れてしまうのではないでしょうか?
そう思うと、今の「妖精王の双璧」状態は、やはり、異例の事態なんだろうなと思います。
ずっとこのままでいられるんでしょうか。
それとも、いずれキングの羽が完全に生えたら、グロキシニアの方は神樹の選択から外されて、エレイン程度の闘級まで落ちるんでしょうか。
ところで。
チャンドラーは、どうやって闘級を量っているのでしょう。
ホークが装備している
つまり、3000年前に「
類似の
はたまた、ドロールと同じような、天然の「魔眼」の持ち主なのでしょうか。
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ロリっ娘マーリン
マーリンの真の姿が、少女であったことが判明しました。
えええええ?(;´Д`)
魔法で一時的に子供にされたのではなく、「真の姿が」子供で、今までの熟女姿は魔法で変身した偽りだったと…!?
邪推なんだけど、後付け設定であるように感じました。
だって、読者からの質問コーナーで「マーリンは30歳で肉体年齢を止めた」と回答してたんですよ。この少女の姿、どう見ても30歳じゃないです(苦笑)。
エリザベスの可愛い妹分、という要素を強調するために、熟女からロリータにキャラ替えすることにしたんですかね。
この設定変更? により、マーリンへの評価が多少 変異した読者も多いのではないかと思います。
私は、えっ、マーリンって実はキングと同じ? と思いました。
キングは、中年男性に変身して、真の少年姿を隠していました。それは彼が見栄っ張りな性格だから…という設定でしたよね。
その伝に従うなら、マーリンも見栄っ張りだということになります。
能力・容姿に恵まれた天才美熟女として、常に余裕な顔をしていたのに、実は見栄を張って豊満ボディの美女に変身していた、痩せっぽちの ちびロリっ娘だったとは。
それにしても。
キングが変身して姿を偽っていたのは、種族体質的に、子供の姿のまま成長できないからです。
でもマーリンはそういうわけではないんですよね? だって第191話で言っていました。永遠の命を得るために、自ら魔法で己の
自分で成長を止めたのに、どうして更に大人の姿に変身しなければならなかったのでしょうか。好きな見かけになった年齢で時間を止めればよかったのに。
また、そんなことが出来る・することを肯定しているのなら、子供の姿のまま3000年人間社会を放浪して苦労していたメリオダスにも、大人の姿になる変身魔法をかけてあげてもよかったのに、とも思いました(笑)。
何か理由とか こだわりがあったんですかね。
3000年前にエリザベスとメリオダスと過ごした時代が宝物だから、その時代の姿を留めておきたかったとか?
うーん、それだとマーリンが精神的に停滞してる・子供のままでいたいピーターパン症候群かアダルトチルドレンってことになっちゃいますね。
最近、エスカノール×マーリンもアリかなと思っていたのですが、マーリンが実は子供の肉体だったと判明したので、ナシってことなのかな、と思わされました。
いや、不可能ではないんだろうけど…。
肉体年齢12、3歳のマーリンと、40歳のエスカノールか…。
作者さんの過去作品でも歳の差カップルは成立してたけど、確か10歳くらいでしたよね、年齢差。
少女のマーリンにハアハアするのかしらエスカノール…。するんだろうけど…。
マーリンが肉体的に成長するまで待ってたら、エスカノールはアラフィフになっちゃうし、そもそも次世代編に子供の年齢が間に合わない。
つまり、マーリンとの間にガウェインを授かるセンは無い、ってことですかね。
うーんん(笑)。
じゃあ、子供時代にエスカノールを逃がしてくれた、ちょっぴりマーリン似のローザさんが実はベリアルイン出身で云々とかのセンかしら。考えすぎか。
これからも二人に注目していきたいと思います。
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「本物の夜を連れてきた」とは、どういうことか?
チャンドラーは夜を伴って現れ、眠るエスカノールは夜の姿に戻ってしまう。
それを見てマーリンは言うのでした。
「姿が完全に戻っている…」「まさか本物の夜を連れてくるとは!!!」
「本物の夜を連れて」きた?
それは一体、どういうこと???
番外編「エジンバラの吸血鬼」にて、吸血鬼王族がエジンバラの空間を歪め、昼夜関係なく闇に包まれた状態を作り出していました。
一見して「常夜」です。
しかしエスカノールは、夜明けの時間になると昼の姿に変身しました。時計も持っていなかったし、日の光も全く射していなかったのにです。
今回、昏睡しているエスカノールが夜の姿になりました。
チャンドラーの連れてきた「夜」は、吸血鬼王族が作った「常闇」とは、どうやら根本的に異なるもののようです。
つまり、結界や日蝕で日光を遮って作った疑似的な夜ではないし、幻覚でもないということ。
でも、「本物の夜」を どうやったら任意で連れてくることが出来るの??
説A
時空間を捻じ曲げ、ホークママの走る一帯を夜の時間帯に飛ばした。
エリザベスの三日殺しの呪いにどう影響するのかが気になるところです。
説B
地球の自転を速め、数時間早く夜にした。
隕石落としできるなら、これもできそう?
自転を速めたのが僅かな時間だけなら、自然への影響は殆どないとは思いますが、この方法だと、ブリタニアだけでなく地球規模で数時間が消失している(一日の時間が短くなった)ことになります。
うーん。他にどんな方法があるでしょう?
第169-170話、バイゼル大喧嘩祭りにて、完全な夜の時間帯だったのにも拘らず、エスカノールは昼の姿に変身しました。マーリンは自分の太陽だと心に思い浮かべただけでです。
なので今回も、本物の夜だろうが何だろうが、エスカノールが変身しようと思えばできるんでしょうね。
でも、それをやると、また体に負担がかかっちゃうのかな?
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チャンドラーがでマーリンの「
ファンブックには、
「自分に向けられたあらゆる攻撃魔力を、倍以上の威力にして相手に向けて跳ね返す。」
「自分に向けられたあらゆる攻撃的魔力を倍以上のものにして跳ね返す。技名ではなく、あくまで魔力名である。」
と書いてあります。
でも、待ってください。バイゼル喧嘩祭りの時(第36話)、キングが補足説明してたじゃないですか。
「団長の「
全反撃 」が はね返せるのは あくまで直接攻撃の「魔力」のみなんだ」「バンの「身体狩り 」のような間接的魔力には無効だし ましてや ただの「パンチ」には無力なんだよ」
バンの「
ところが、ドルイドの修練窟でのケンカ時に(第134話)、メリオダスはでキングの「
そして今回、チャンドラーがマーリンの「
「
これは第134話当時からの疑問なのですが、説明されないままです。
今回のチャンドラーの件も含め、いつか作中で説明があるといいのになあ。
また、「
上に書いた通り、技と言ってはいるけど、チャンドラー自身の魔力も「