【感想】『七つの大罪』第220話 英雄たちの宴
週刊少年マガジン 2017年27号[2017年6月7日発売] [雑誌]
第220話 英雄たちの
- 夜。篝火を焚いた<豚の帽子>亭・食材の木の庭で、
宴会 は開かれていた。 - 立てた酒樽一つをステージにして、朗々と自作の
詩 を詠いあげているのはエスカノールだ。
「風に舞う民の叫びは魂を滾 らせ
涙に混じる血の赤は正義を奮い立たせる…」 - メリオダスが片手で軽々と酒樽を傾け、直接口をつけて喉を鳴らした。
甲斐甲斐しく料理を運びながら「メリオダスったら」と笑うエリザベス。キングは「のみすぎだよ~~」と顔をしかめ、ディアンヌは キャハハハッ と楽しそうだ。(巨人の彼女は、立って庭の外から覗き込む形で参加している。彼女にとって、この庭の高さはカウンターテーブルくらいだ。) - 「我らは正義と愛と絆の
下 に集いし剣 」 - バンとエレインは人目もはばからず席で抱き合って はしゃいでいる。
ホークは「う゛め゛ぇぇぇ」と唸りながら残飯を貪り食らい、「残飯長の闘級が上昇中!! 40…60…」とゴウセルが数えていた。 - エスカノールの
詩 はクライマックスに至る。
「我らこそは<七つの大罪>」
片腕を差し上げて高らかに詠いあげた。 - 「エスカノールの話を聞きましょうよ」
「プゴオオ」「残飯もっとくれ~~」
「うそだろ~」
「ギャハハハッ♫」 - 誰も聞いていない。
厳密には、エレインは聞こうと促してくれていたが。
「……」 - 「一気♪ 一気♬ 一気♪ 一気♬」
「ザル」
ディアンヌとゴウセルの笑顔の手拍子に合わせて、酒樽から直接 グビッ グビッ グビッ と呑み続けるメリオダス。
エリザベスは心配そうに見つめ、キングは「見てるだけで …う゛っ」と青ざめて吐き気をこらえていた。昼間の酒が残っているのかもしれない。 - 「オラオラ♬ 師匠も酒 飲め~~♪」
赤ら顔のバンは強引にホークの口に酒瓶を突っ込んで、呆れ顔のエレインに「バン いじめちゃダメ!」と叱られている。 - 「フ…」と自嘲して、エスカノールは涙を浮かべて項垂れた。
「そうですよね……」「どうせ僕の詩 なんて誰も…」 - 「イエ~~~♡ サイコ~~♡ 傲慢で素敵な
詩 だねぇ!!」
うしゃしゃしゃ、と異様なハイテンションで笑いながら、真っ赤になったホークが話しかけてくる。
「ほ… 本当!? ホークくん」
「プゴ~ッ」「とくによーー「風に舞う残飯」の言葉 がグー!!!」
「・・・」
そんな詩句 、詠んでない。
◆エスカノールの<七つの大罪>を詠った詩、「正義」と繰り返されていて印象的でした。彼にとっての<大罪>は、正義によって民を救う存在なんですね。 - 「そうだ」
気を取り直して、エスカノールはキョロキョロと会場を見回した。
用意された席の一つは空いたままである。
「団長… マーリンさんの姿が見えないんですけど …まだでしょうか?」
「大方 怪しげな実験に没頭して遅れてるんじゃねえのか?」
「だと いいんですが…」「ちょっと気になるので 僕 見てきていいでしょうか…?」 - 気遣わしげに もう一度目をやった空席に、一瞬で待ち人の姿が現れた。
「遅れてすまない」
「!!」
ビクッとするエスカノール。
「大方 私が怪しげな実験に没頭しているとでも思っていたか? …まあ 大当たりだ」
昼まで着ていた服を着替えて、マーリンが足を組んで椅子に座っていた。
◆メリオダスが推測した通りの理由をマーリンが言う。この二人、何気に阿吽の呼吸というか、感性ピッタリですね。 - 「マーリン様! いらしたのですか」「今すぐ お酒を おつぎしますね」
「すまないな エリザベス王女」
グラスにワインを受けるマーリンの様子をメリオダスが見ている。いつにない凝視だったが、エスカノールは気付かず、機嫌よく酒瓶を手に取った。
「じゃあ 団長 あらためて乾杯しましょうよ!!」
◆さっきから、エリザベスは全然席につかないで一人で給仕し続けてる…。 - 「よ~~~やく 七人そろったか♪」
赤ら顔のバンは、エレインを膝に乗せて上機嫌である。飲食できないゴウセルは相変わらず素面 のままニコニコ笑って、珍しく話を回した。
「まるで十年前に戻った気持ちだ ねえキング?」 - 「そう…? オイラは少し違うと思うけど…」
返ったのは素気ない否定。しかし言葉は続けられる。
「…今度は 本当のゴウセルが仲間になったんだから」 - ゴウセルの顔が明るく輝いた。
◆キングさん、頑張って歩み寄っております。
結果、ゴウセルの輝く笑顔ゲット。キングに好きになってもらいたいと言いつつ、ゴウセルがキングを好きになってきてる感じがする。 - 「そうそう それから~~~~」
くふふと笑ってディアンヌも話に加わる。それぞれの恋人と語り合うエリザベスとエレインを見下ろしたかと思うと、
「新しい仲間も増えたしね♡」
器用にも、二人を一息で柔らかく一掴みにした。
◆<七つの大罪>ならぬ、「九つの大罪」?(笑) いやいや「<七つの大罪> with Lovers」かしら。
(…あ。ナチュラルにホークを忘れてた。亡霊ヘルブラムも入れていいのかなあ。だったら「<七つの大罪> with Lovers & Friends」ですかね。11人パーティか…。) - 「「キャッ」」
突然に巨大な手に摑まれた二人は、流石に驚いて悲鳴をあげる。
「コラ ディアンヌ返しやがれ♬」とバンが怒鳴った。 - 「さてさてさーて…」
そんな中、ゴウセルの拍手をBGMにして、おもむろにメリオダスが立ち上がった。木製ジョッキを持つ手を差し伸ばす。
「そんじゃ あらためて」「<七つの大罪>の再会に――」
悪人面で笑うバン。嬉しそうに微笑んでいるゴウセルとディアンヌ。静かに微笑むエスカノール、キング、マーリン。そして飄々とした笑みのメリオダス。
「「「「「「乾杯!!!」」」」」」
声を上げ、彼らは酒杯を掲げた。酒を呑めないゴウセルも、勿論、エリザベスとエレインも。酒杯のないホークは高くジャンプする。
「カンパーーイ♡ ヒュー♡」
一拍 遅れたデイアンヌの歓声が続き、バンの陽気な号令が響き渡った。
「オラァッ 全員呑め~~~♬」
◆と言いつつ、恐らくエレインは飲んでない。少なくとも酔ってないですね。 - より賑わいを増す宴。ふと訊ねたのはディアンヌだ。
「ねえねえゴウセル!! ボク ずっと気になってたんだ」「キミの作り主のゴウセルは 三千年前 どうやって聖戦を終わらせたの?」
「あ オイラも」と、キングも追随する。 - 「…!」
ゴウセルの表情が翳った。 - 「「!?」」と、揃って反応したのはメリオダスとマーリンである。
「「ゴウセルが聖戦を… 終わらせた」」
声を揃えて復唱し、マーリンは「それは初耳だな…」と呟いた。 - 「…」
その傍らでエリザベスが動きを止めている。 - エスカノールが確かめた。
「よく話が見えませんが 聖戦は… 女神族が自分たちの身を犠牲に魔神族を封印したことで終わったんですよね?」「言い伝えでは…」 - 両腕を組んでメリオダスがマーリンに顔を向ける。
「まさか 常闇の棺を作ったのが あいつ?」
「それはない… あれは巨人の名工ダブズの手による品だ」
◆常闇の棺、巨人族の作ったものだったんですね。女神族やマーリンが作ったものでもなかったんだ。 - 静かに席を立つエリザベス。
- 一方、ゴウセルは悲しそうに俯いていた。
「ごめんなさい…」「今は まだ話せない」「話していいのか わからない」「話しても納得してくれるか わからない…」
ディアンヌがオロオロと慌てる。
「え… あ… こっちこそ ごめんね!?」「キミを困らせるつもりはなかったの …話したくなった時でいいから! ね!?」
「うん」 - 「んじゃゴウセル てめぇの女装癖はどこでついたんだ~~?」
酒瓶に口をつけながら、バンが適当に質問を変えれば「それなら答えてもいいよ!」とゴウセルは顔を明るくした。
「昔国王 に女装を無理矢理させられたのが初体験!!」
ニカッと笑うと、証拠とばかりに空中を指さして、記録を基に再構成した心象映像を映し出した。
“心象鏡 ”
四角い画面の中で、メイド服一式を抱えた少年時代のバルトラが、有無を言わさぬ迫力でゴウセルに迫っている。
『さあ! これに着替えて!!』 - 「
本当 か…」
どよ…っと どよめく会場。
ホークも、エスカノールも、先程までゴウセルを痛ましそうに見ていたキングさえも。一様に冷や汗を流して顔色を変えている。
まさか、バルトラ王に そんな性癖があったなんて…。
バンは『まずいこと訊いちまったな…』という顔で「あーー…」と引きつった笑みを浮かべていた。その膝から四角い画面を見上げるエレインが、「?」と、ピンと来ていない様子なのが、せめてもの救いか。
◆ゴウセルさんの「気遣いなく事実だけを伝え、悪意なく人を傷つけてしまう」性格が、またも発揮されました(苦笑)。
んもー、前後の説明なく ここだけ伝えたら、バルトラ王が変態みたいじゃないですか~。少なくとも この場の人々にはそう思われたぞ。(^^;) - 「ぶぇっくしょぉい」
その頃のリオネス王城。
盛大なくしゃみをしたバルトラ王に、第二王女ベロニカが「大丈夫~~?」と声を掛けている。 - 「エリザベスちゃん 今の話は聞かなかったことに…」
父親の変態的な性癖など知りたくなかっただろう。酔いも一時 醒めたホークが気遣ったが。
「ん? エリザベスちゃん?」
返事がない。見れば、呆然とした様子で立ちすくんでいる。そんなにショックだったのか? - いや。
エリザベスの耳に、父の話は最初から入っていなかった。
彼女は ずっと考えていたのだ。ディアンヌが3000年前の話題を出した、その時から。
(なんだろう… ディアンヌの話が頭から離れない)
思い出していた。今日の昼、エレインの家で彼女が言ったことを。
(三千年前… 私にそっくりのエリザベスが メリオダスと一緒だった) - また思い出す。王国を聖騎士の陰謀から救う旅の途中、オーダン滞在時に尋ねてきた老騎士ケインが語ったことを。
『リズは愛称でな 名前は 王女様と同じエリザベス』『メリオダスの恋人じゃった』
16年前にダナフォールで亡くなった彼女は、名前だけでなく、エリザベスに顔も声もそっくりだったのだと。 - (そうだ…)(たしか ケインさんが言ってた)
(こんな偶然…あるのかしら)(リズさんの他にエリザベスという名前の… 私に瓜二つの女性?) - 「ぼんやりしちゃって どうした~~~~?」
「はわっ…」
突然メリオダスに背後から しがみつかれて、エリザベスは悲鳴をあげた。彼は両足をエリザベスの腰に絡ませ、豊かな胸を下から ぽよよんと激しく弄んでくる。
「あっ あっ」「いや… ダメ…」 - その様子を、キングがドキドキしながら凝視していた。ジョッキに口を付けたまま固まって、赤くなった頬は酒のせいだけではなさそうだ。
「キング」
ゴウセルが声を掛けたが、気付かない。
「危険が迫ってる」
笑顔でゴウセルが警告した時にはもう、上から降りてきた巨大な嫉妬の指先が、ギュウゥッ とキングの耳たぶをつまみ上げていた。
「いだだだ」
◆あれ…!? キングがディアンヌ以外に性的反応を見せたのは初めてです。今までメリオダスがエリザベスに どんなにセクハラしても、呆れるか、せいぜい照れてる? くらいの淡泊さだったのに。
…生えたからか!?
ディアンヌとキスできましたし、その先のステップに進むことを考えるようになったのかも。で、自分がディアンヌにそうすることを想像して、メリエリの濡れ場…もとい、セクハラ現場を意識して見てしまったとか。
話が逸れますが、今回のメリオダスのセクハラ、スペシャルTVアニメ『七つの大罪 聖戦の予兆 』第三話でやってたヤツとそっくりですね。後ろからしがみついて足は腰から股間に絡めて両手で胸を揉みしだき耳に息を吹きかける、と。 - 「悩みがあるなら なんでも言ってみろ」
そう言って、メリオダスはエリザベスの耳に息を吹きかける。
いつもなら、真っ赤になって思考の吹き飛んだ顔が見られただろう。ところが、今日の反応は違っていた。
「後で二人きりで話したいことがあるの…」「いいかしら メリオダス?」
肩越しに向けられたのは真顔である。 - メリオダスは彼女に絡みつけていた手足を
解 いた。トンと床に降り立つ。
「ん… おお」
「お酒 追加で持ってくるね」
彼女はそのまま、メリオダスから離れていった。 - 「…とうとう エリザベスちゃんを怒らせたな」「ヒック」
酔いの戻ったホークが、ぽむっと耳でメリオダスの肩を叩く。
メリオダスは飄々とした顔ながら、所在なさげに ポリポリと後頭部を掻いた。 - 一方、エスカノールが幾分 気取ってマーリンに話しかけている。
「あ… あの~ マーリンさん よろしければ新しく作った詩 を ぜひ…」
普段なら微笑んで聞いただろう。だが、マーリンは素気なく席を立った。
「少し酔ったらしい… また今度にしてもらおう」 - バンが「カッ カッ♫」と笑った。
「団ちょと同じザルのお前が酒の一杯二杯で酔っただ~? うそつけ♪」
「バンさん 失礼ですよ!!」
夜の彼にしては珍しく、エスカノールがプンプン怒る。 - 「フ… 相変わらず絡み酒だな」
マーリンは鼻で嗤った。いつになく尖った態度だ。
「忘れてはいまいな」「我々は まだ全ての<十戒>を討ったわけではないのだぞ?」「残るは<十戒>「敬神」のゼルドリス」「キャメロット及び あの地方一帯が 奴の完全な支配下にあると言っていいだろう」 - 赤ら顔でホークが笑い返した。
「ふわっはっはー <七つの大罪 >が全員集まりゃ楽勝だろ!!」「ヒック」「何より 八匹目の大罪とも言うべき この「残飯」のホーク様が ついてんだからな!!!」 - 返ったのは、絶対零度の侮蔑の目。
「迂闊に手を出せば 確実に やられるぞ」「相手の力は未知数だ!!」 - 「ぴいっ」
一瞬で酔いと血の気を引かせて怯える子豚だった。 - デイアンヌも真顔で言葉を添える。
「魔神王の魔力を借り受け行使する者――――――自分は魔神王の代理だって そう言ってた…」「マーリンの言う通り あの<十戒>は やばいよ…」 - 「ま…」キングは唖然と言葉を詰まらせ、
「魔神王の代理~~?」エスカノールは恐ろしそうに声を震わせた。
「つまり…」バンは歯噛みする。「ほぼ最強の魔神ってことかよ♪」
その腕の中でエレインは顔を曇らせ、ゴウセルは何を思い出したか、唇を噛んで僅かに俯いていた。 - パン パン とメリオダスが手を叩く。
団員たちの視線を集めると、ぐっと右手を握りしめて宣言した。
「俺たちの当面の目標は 奴の戒禁 で虜 にされたリオネスの住人 及び聖騎士たちの救出!!」「そしてキャメロットの解放…!!」「戦うのは その後だ!!」
だから、いたずらに恐れるなと言いたいのだろう。その前に すべきことがあると。 - 「団長殿の言う通り 綿密な作戦を立て一致団結のうえ 事を進める必要がある」「私からは以上だ」
冷たく言い捨てて、マーリンは珍しく「歩いて」去っていった。 - 興が醒めた、という顔で酒を煽るバンの腕の中で、エレインが少し動揺した様子で魔女の後ろ姿を見送っている。
「……」
「エレインちゃん 俺たちも がんばろうぜ!!」「ヒック」
豚に言われて「え…ええ」と曖昧に返事した。 - エスカノールは小走りにマーリンの後を追い、声を掛ける。
「あのっ マーリンさん!! おやすみなさい」
「…ああ」
振り向かず、彼女は屋内へ消えていった。 - 時は過ぎ、宴会は そろそろ終わりの様相を示している。
酔っぱらったホークは残飯に顔を突っ込んだまま豪快な いびきをかき、残ったバンとエスカノールは二人でカードゲームに興じていた。
「オウ コラァ エスカノ~~ル♬」「てめぇ さっきからイカサマしてんじゃね~~~ぞ♬」
「言いがかりですよ~~」
困り顔の中年男(年下)に「ウソつけ♬」と食ってかかる。 - エスカノールは賭け事が得意である。何故か負けない。ネガティブな性格が強くなる夜の姿の時でも、賭け事は得意だと自負するくらいだ。
- 絡むバンの顔を、エレインが両手で ムギッ と摑む。
「こら バン!!」「お酒は楽しく飲みなさい!!」「めっ」
「わ…悪ィ♪」
たちまち大人しくなると、赤ら顔の彼はチベットスナギツネのように目を細めて、エレインの小さな体に寄り掛かって眠ってしまった。 - 「す… すごいですね~~! エレインさん」
驚くエスカノールに聖女は微笑みかける。そして言った。
「エスカノール ちょっと見てきてほしいの… 私は まだ あまり親しくないし…」
「へ?」
「大分 具合が悪そうだったから…」
「だ… 誰がですか?」 - その頃、<豚の帽子>亭内のマーリンの私室。
扉を開けて一歩入るや否や、マーリンの体はぐらりと傾いた。倒れかけた腰を、がっと力強い手が摑み、腕を取って肩を支える。
「ゼルドリスにやられたのか」
メリオダスだった。
「!」
「捜し物に夢中で不意をつかれた… …ってとこだろ? お前らしくもねえ」 - 「…なんの話だ?」
薄く笑ってみせたマーリンの顔は、不自然なまでに冷や汗に濡れている。 - 「お前とは 一番 付き合いが古いんだ バレバレだっつーの」「ほら… 横になれ」
ベッドの端に座らせてやれば、彼女は「くっ」と呻きながら横になった。 - 「バレバレついでに もう一つ」「お前の目的は 王国の民を救うことでも キャメロットの解放でも ゼルドリスを倒すことでもねえ…」
- 部屋の扉は薄く開いたままだ。その向こう、廊下に人影が見える。小柄な中年男が、部屋に入ろうとした足を止めていた。
- 「「アーサーを守ること」」「…そうだろマーリン?」
- 図らずも、扉の隙間から二人の様子を覗き見てしまうエスカノール。
- 「メリオダス………… 頼む………」「失うわけにはいかない…ん…だ…」
もはや体調の悪さを取り繕うことも出来なくなったのだろう。横たわったまま、懇願するようにマーリンはメリオダスを見上げた。
「彼 は私の希望そのものなんだ」 - その言葉が、扉の向こうのエスカノールの心を刺していることにも気付かずに。
- 次回「ただ ひたすらに」
マーリンも、メリオダスと同じように<大罪>の仲間に あまり気を許してはいないのか。
独断専行して深刻なダメージを負い、けれどそれを隠す。
そういえばメリオダスも、第一部でギルサンダーに深手を負わされたとき、平気だと治療を拒んで扉を閉めて、独りで倒れて重体になってたことがありましたっけ。
彼女の不調に気づいたのは、読心能力を持つエレイン以外は、メリオダスだけ。彼女に想いを寄せるエスカノールすら気付かなかったのに。
メリオダスの「真の目的」を、恐らくマーリンだけが知っているように、マーリンの心の内もメリオダスだけが察している。
この二人、恋愛ではないけど、深く結びついた関係なんですね。似た者同士・同じ穴の狢・共犯者的な?
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術士ゴウセルが聖戦を止めた方法
3000年前の聖戦の終結に立ち会っただろうメリオダスとマーリンが、「術士ゴウセルが聖戦を止めた」と聞いて怪訝な顔をしました。
つまり、彼は表舞台で何かをしたわけではなく、裏で何かやったんですかね。
「今は まだ話せない」「話していいのか わからない」「話しても納得してくれるか わからない…」
と言ってたのが、かつてメリオダスがキングに目的を問い質された際に言ってたことと すごく似ていて、ちょっと笑ってしまいました。
ゴウセルが「話せない、納得してくれるかわからない」と言うのは、恐らく、術士ゴウセルのしたことが「綺麗な方法」ではなかったということなのでしょう。
順当に考えるなら、自分の命だけでなく、誰かの大切なものを犠牲にしたとか?
3000年も昔のことなのに「話していいのかわからない」と言うからには、未だ現代に尾を引いていることのように思われます。
単純に考えるなら「エリザベス」か?
メリオダスが「話したところで信じてもらえるとも思えねぇ」と言ってるのも、きっとエリザベスが絡むことなんだろーしなー。
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「団長殿の言う通り 綿密な作戦を立て一致団結のうえ 事を進める必要がある」
マーリンがそう言ったけど。わはははは(笑)。
今までの<大罪>は、作戦なんて殆どなくて、臨機応変と言えば聞こえはいいけど、都度都度の行き当たりばったりばかり。
『エジンバラの吸血鬼』では作戦なくバラバラに敵地に乗り込むのが逆に作戦だと言い
「<
七つの大罪 >の最大の強みは」「チームワークのなさなんだぜ!!」
とまで言ってたじゃん!(大笑)
いやあ。キャメロット解放戦では緻密な作戦による一致団結な戦いが見られるんですかね。自由人だらけの彼らに可能なのか。楽しみです。
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今回の宴会。
空に出てた月はこんなのでした。
これは……
雲で翳った満月? 黒いとこは普通に月の陰で半月か? それとも三日月……??
くっ…判別できない。月から時間経過を読ませないつもりか。(考えすぎ)
新しい表現です(;^ω^)。
終盤の場面では、寝てるホーク、エレイン、カードしてるバンとエスカノールしか描写されてませんでした。
メリオダスはマーリンが抜けて すぐ彼女を追ったらしい。
エリザベスは先に休んだのかも? 『ペア罪』参照するに、元々、他メンバーより一時間早く上がって寝ているそうですし。
では、残りは どうしてたのか。
キングとディアンヌは酔い潰れて寝てただけ?
もしや、二人で抜け出して屋上とかでイチャイチャしてたり。だって今日 恋人同士になったばかりなんですもの。
けど、完全シラフで微妙に空気読まないゴウセルもいるので(彼も今日キングと和解したばかりで、好かれたい欲にあふれている)、普通に二人に付いて行って三人でお喋りしたのかもしれないな、なんてことを想像しました。