『七つの大罪』ぼちぼち感想

漫画『七つの大罪』(著:鈴木央)の感想と考察。だいたい的外れ。ネタバレ基本。

【感想】番外編 呪いの婚約

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週刊少年マガジン 2017年6号[2017年1月11日発売] [雑誌]

番外編 呪いの婚約

週刊少年マガジン』本誌掲載の番外編・第4弾の1。

なんと、今回は6Pの二本立てでした。(二本めの感想は次の記事で。)

作者さんが退院された後で、番外編を もう一本描き下ろしたのだそうです。

退院おめでとうございます。

 

この番外編、発売こそ1月11日ですけど、入稿は12月末には済んでいたようなので、その頃には既に退院されてたんですね。

 

 

では、内容の感想を。 

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硬い床に ぐったりと昏倒しているビビアン。

その脳裏に浮かぶのは、七つの石をあしらった禍々しい意匠の指輪の映像。

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そして、一ヶ月半ほど前にそれを己の左手薬指に はめられた際に聞いた、師・マーリンの忌まわしき声。

呪いの婚約カース エンゲージ

「ビビアン… これはお前を支配する呪いの婚約指輪エンゲージリングだ」「その呪いは いかなる理由であれ お前がギルサンダー殿に魔力を行使するたびに発動し」「全身に貫くような苦痛とあざをもたらす」

「痣は呪いの発動ごとに広がり やがて全身を覆い尽くし お前を殺す」「これは 師から愚かな弟子への仕置きだ」

覚醒と急激な吐き気が同時に迫り上がって、ビビアンは跳ね起き、その場で嘔吐しました。

次いで、ボタンを引きちぎる勢いで己の服の胸元を開きます。

剥き出しになった豊満な乳房は、一面に赤黒く変色していました。

 

巨乳アラサーなのにノーブラ! 垂れませんか。

あと、何気に乳首丸出しやん! 痣に覆われてるので目立たないけど。

 

痣に覆い尽くされた無残な胸を見たビビアンは冷や汗と涙を浮かべ、「あの女…よくも!! ………よくも!!!」と師を罵りながら呪いの指輪を抜き取ろうとするのですが、どうあっても外れやしないのです。

 

その時、部屋にギルサンダーが入ってきました。

少女のように恥じらって両手で胸を隠すビビアン。

 

しかしギルは 胸なんかに構わず、彼女の両肩を掴むと詰め寄りました。

「出口どころか窓ひとつ見当たらない!!」「ここは一体どこなんだ!?」

 

リオネス王都防衛戦の最中、フラウドリンとグレイロードに追い詰められた絶望的な場面で、ビビアンはギルだけを連れて転移魔法で逃走しました。

転移した先で、彼女は「指輪の呪い」による激痛で昏倒したんでしょう。

これ幸いとギルは逃げようとしたけれど、出口がなかったため、彼女のもとに戻らざるを得なかった、って状況かな?

 

ビビアンがどのくらい昏倒していたかが判りませんが、数十分~数時間か、長くても半日程度かと思うので、恐らく、この お話の時間軸はリオネス防衛戦当日~翌日午前中くらい? ハウザーが新聖騎士長に任命されてた頃合いですかね。

 

出口のない、この場所はどこなのか。

見るに、岩窟をくりぬいて作られたような部屋です。床は石畳、窓はありません。

けれど煌々と明るく(燭台がある)、岩壁に作りつけられた棚には薬草や魔法具らしきものが整然と並べてあって、荒れた感じではない。

また、部屋ひとつだけではなく、廊下だか続き部屋だかがあって(ギルサンダーは そちらから戻って来た)、それなりの広さがあるようです。

ビビアン曰く「だ… 誰も知らない私の秘密の場所よ」。

 

頼むから王国に戻してくれと必死に迫るギルサンダーは、知らず、キスできそうなほど顔を近づけていました。

うっとり見つめるビビアンは、サッと顔を近づけてキス――しようとしましたが、ギルは危うく身をかわして「やめろ!!!」と床に叩き付けます。

「あ♥」

「もう手遅れよ ギル 城の連中は<十戒>に殺されているわ…」「もちろん… フフ マーガレットもね …だから ギル…」

媚びるような目で見上げるビビアン。

歯を食いしばったギルは、彼女の指に呪いの指輪が はめられた日、マーリンに言われた言葉を思い出していました。

ギルサンダー殿 不肖の弟子ビビアンが また面倒を起こした時は」「この言葉を呟くがよい」

マーリンに教えられていた通り、「レマーダ」と呪文を唱えるギルサンダー

 

たちまち、ビビアンは全身を貫かれるかのごとき激痛に襲われ、絶叫して悶絶、しまいに涙とよだれを垂れ流して、ビクッビクッと痙攣していました。

(これは… 呪いを発動させる言葉ワード!!)

我が意を得たりなギルサンダー

痙攣するビビアンは、痣に覆われた乳房を はだけさせ、長いスカートは めくれて太腿まで丸出しになっています。なんと哀れで、あられもないことか。

子供の頃の十年間、ギルは この女に支配されていました。しかし今、上位にあるのは自分の方です。

「よく覚えておけ…」「キミは俺に支配されていることを」

仄暗い喜びを含ませて、歪んだ笑みで見下ろします。

 

ところが。

ビビアンは笑ったのです。涙とよだれに汚れた顔で、恍惚と。 

「もっと… …もっと」「もっと私を支配して♥」

「そして…… ここにギルと私の王国を作りましょう…?」「あなたが王様で私が…… 奴隷… 素敵… ウフフ」

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予想外の反応に戦慄するギルサンダー

話が通じない。切り札のはずの呪いの言葉も意味がない。

ここから出る手段はビビアンしか持ちません。けれど、どう痛めつけようと糠に釘。殺せば脱出手段は永遠に失われるでしょう。

(マーガレット……!!!)

暗黒の絶望の中で、生きているかも判らない恋人の名を心で叫ぶしか、ギルに出来ることはないのでした。おしまい。

 

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読んで第一番目の感想は、「ビビアン、キモっ。」でした(大笑)。

閉ざされた部屋で、乳首剥き出し・ロングスカートめくれて股おっぴろげのアラサー嬢とSMプレイ、か…。ギルも若いのに濃い体験しまくってるなぁ~。(;^ω^)

 

呪いの婚約カース エンゲージ」をビビアンがマーリンに かけられたエピソードの詳細は、去年の初秋に放送されたスペシャルTVアニメ『聖戦の予兆しるし』で語られています。四ヶ月遅れて原作でも説明された、と。

ただ、アニメ版では痣は指輪をはめた指から広がっていましたが、漫画では指に痣はありません。胸(服で隠れている部分)から生じて広がっていく風に設定が変えられているようですね。

 

 

アニメを観た時も思いましたが、マーリンって悪趣味だよな~。(^^;)

「婚約」という皮肉な呪いでギルとビビアンを繋ぐなんて。どんだけ意地が悪いの。

これじゃ、逆に二人は縛られて離れられない。ドロドロが増すのは目に見えてました。別の「罰」じゃいけなかったのかしらん。

 

 

第一部ラストで終わってよかったはずの「ビビアンのギルへの執着」ネタを、ドロドロ具合を増して第二部まで引っ張ったのは、どうしてなんでしょうね。

誰得なのか…。

ビビアンは嫌いじゃなかったから出番があること自体は嬉しい。けれど、こんな救いようのないところにまで堕としてほしくなかったです。ギルを諦めて、新しい形で活躍してほしかった…。

 

もうコレ、ビビアンが死ぬくらいしか解決ルートないじゃん。(;^ω^)

もしくは、ギルがビビアンを愛人にするか。

 

 

ビビアンにかけられた呪いが、ギルに対して「いかなる理由であれ」魔力を行使すれば発動する設定になってるのがミソなんですかね。

つまり、ギルを助けるために善心から魔法を使っても、呪いは進行してしまう。

今、痣が彼女の胸一面に広がってしまっているのは、大喧嘩祭り会場からギル含む参加者全員を転送して救った、あの善行のせいでもあるんでしょう。

それを踏まえると、美談オチに持っていけなくもない?

 

 

ビビアンの末路を想像してみる。

 

想像A
悪行の果てに魔神に殺される

想像B
ギルを助けるため魔法を使い、呪いで死ぬ。美しい自己犠牲扱い

想像C
ギルを助けるため魔法を使い、呪いで「死ぬ」が、何らかの救いはある(魔力を喪失するが命は助かる、記憶を失って新たな人生を歩むなど)

想像D
普通に改心する

 

どーなるんでしょうね。

 

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第197話を読んだとき、ギルが行方不明なのを聖騎士みんなが認識してるのに、誰一人として心配したり、救助・捜索しようとしていないのが気になっていました。

それこそ、叔父であるドレファスや親友のハウザーさえも。

 

ハウザーに至っては、ギルが過去十年間ビビアンやヘンドリクセンに脅されていたと知って「俺は自分が情けねえ お前の苦しみに少しも気づいてやれなかった ……ダチ失格だ…!!」と悔やみ、ファンブックの「後悔していること」の欄に「ギルの苦しみに気付いてやれなかった」と書かれてあるほどなのに。

何故か、ぜーんぜん、ビビアンに誘拐されたギルの心配をしない。のんびり朝寝坊して髪の毛のセットして。

 

…なんでなの?

 

誘拐者がビビアンならギルの命は奪わない、放っておいても自力で帰ってくる、とか思われてんのかなあ。

それとも、一部聖騎士が密かに捜索に出てたりするのかしら。

 

 

恋人を「悪い魔法使い」に目の前で連れ去られたマーガレットの精神的ケアも、どうなっているのか気になっています。

エリザベスはメリオダスに付きっ切りなので、特に何も してなさそう。ベロニカか侍女たちが、マーガレットのために心を砕いてあげてるのかなあ。

それとも、かつての十年間と同じように、マーガレット一人で誰にも頼れずに、表面は微笑んで心痛に耐えているのかしら。

 

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ビビアンの「秘密の場所」って、どこなんでしょうね。

なんとなく、リオネス王都から遠くない、洞穴を加工して作った場所、ってイメージです。

 

大喧嘩祭り会場から転移した際、彼女が選んだ「安全な場所」はリオネス王城でした。

彼女はリオネスから離れた場所に拠点を作らない感じがする。転移魔法も遠距離だと疲れるでしょうし、リオネス王都から頻繁に転移できるくらいの、ごく近い位置にあるんじゃないかな?

 

場合によっては、リオネス王都の地下だったりするのかもしれませんね。

旧マーリンの館(ヘンドリクセンの魔導研究所)の地下に広大な空間(洞窟っぽい遺跡?)があって、灰色の魔神の死骸が安置されていました。漫画では全く説明がなかったけれど、アニメ版で、その空間は元々存在していたもので、近年発見したのだとヘンドリクセンが解説していたと思います。灰色の魔神の死骸が元々そこにあったものならば、3000年前から存在していた空間、ということになる。

 

その空間の端っこを利用して、ビビアンが、自分の「秘密の場所」を作っていたのかも、とか想像したりしました。

窓も出入り口もないということですから、地上ではないと思うのです。岩の中か地面の下なんじゃないかなと思いました。

実際はどーだか解りませんが(苦笑)。

 

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閑話休題

衝撃的なニュースにビックリしました。

『進撃の~』ばかり取り沙汰されていますが、そちらには直接関わっていなくて、こちらを立ち上げた方ですよね。

ツイッターをたまに拝見してたので、エーッと思いました。

去年の上半期の段階(事件の二ヵ月くらい前でしたっけ)で異動されて『七つの~』の担当編集ではなくなっていたのは、(こちらの読者の立場から言えば)天の配剤だったのか…。

 

 

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