『七つの大罪』ぼちぼち感想

漫画『七つの大罪』(著:鈴木央)の感想と考察。だいたい的外れ。ネタバレ基本。

【感想】『七つの大罪』第200話 聖戦の記憶

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週刊少年マガジン 2016年52号[2016年11月22日発売] [雑誌]

第200話 聖戦の記憶

  • 霊槍バスキアス 第七形態月の華ムーン・ローズ
    生命いのちの雫”
    グロキシニアの操作のもと、変形した霊槍バスキアスに咲いた大華の蕊柱カラムから、透き通った雫が二滴、滴り落ちる。
    地に下ろされていたキングとディアンヌに一滴ずつかかるや、光の風で吹き払ったかのように傷は一瞬で塞がり、夥しい流血すら消え失せた。
    ◆前回、瀕死の怪我を負わされたキングとディアンヌ
    カラーで見たら思ってた以上に酷くて、うぐっとなりました。
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    こ…これは確かに、キングさんが諦めて死を覚悟しても無理からぬ…。
  • 「う…そ……?」
    死にかかっていたはずのディアンヌは身を起こし、常と変わらぬ己の体を確認している。
    キングも、苦痛に うずくまっていた床から浮き上がって、裂かれたはずの己の背を確かめていた。
    「ボクたちの傷を治して……くれたの?」
    流石に、破れた服までもとはいかないが。それ以外はすっかり元通りだ。
  • グロキシニアとドロールは静かな表情で見つめている。
    「せっかく溜めた雫も これでまたパアっス」
    やがて落ちたグロキシニアの声に我に返って、
    「くっ…」
    キングとディアンヌは、大きくバックステップして距離を取った。
    ディアンヌ戦鎚ギデオンを構え、キングは巨人の手に合うほど大きくした常態版大槍シャスティフォルの穂先を始祖たちに向ける。
    ◆前回、「生命いのちの雫」の最後の一滴をメラスキュラに使ったのが一ヶ月前。
    今回、キングとディアンヌに一滴ずつ使っていますから、一滴溜まるのにおよそ半月かかるんですね。
    …そう考えると、回復に多少の時間はかかるけど、予めの貯蓄を必要とせず、一度に大勢に使えるキングの「花粒園パレン・ガーデン」の方が、実は使い勝手が いい面があるのかなあ。

    戦闘中、前線の戦闘要員の瞬間的な回復に使うなら「月の華ムーン・ローズ」、戦闘に参加しない大勢を後ろに庇い守るためなら「花粒園パレン・ガーデン」が適してそう。
    同じ「神樹の力」を具現化させての この性能差は、使用者の気質の差なんでしょうか。グロキシニアは「皆で戦う・前に出て強攻」、キングは「皆を守って戦う・後方の防御を重視」とゆー。
  • 「オイラたちを コケにしてるのか…」「一体 なんのつもりだ!!?」
    毛を逆立てた獣のような少年少女と向き合い、淡々と
    「「これからアタシらが キミたち二人を鍛え直してやる」」「そう言ったんス」と、グロキシニアが重ねて告げた。
  • 「オ… オイラたちを鍛えるだと!?」「どういう意味だ!!」
  • 「言葉の通りだ」「今のままの お前たちは あまりに脆弱」
    二対の腕とも腕組みしたドロールが、いかめつらしくキングに返す。
  • すると、グロキシニアが両手で己の頭を くしゃくしゃ掻き回してピンピンに毛を跳ねさせ、
    メリオダス風に言うなら~~
     “まだまだまーだ”ってとこっスねぇ!」
    力の抜けた表情で肩をすくめて、器用に声色まで真似てみせた。
  • 「ブフッ」
    盛大に吹き出すドロール。
    「ドロール君が久しぶりに吹いたっス!!」
    「くっ…不覚 今のは かなり似ていました」
    ◆グロキシニアの物真似芸
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    お茶目だなーグロキシニアさん。頭カチカチの現・妖精王さんとは違いますね。

    …と思ったけど、よくよく考えてみたらキングも、TVスペシャル『聖戦の予兆』(原作者さんの絵コンテのアニメ化)で、店のおっちゃんやらディアンヌやらの物真似を、オスロー相手に披露してましたっけ(笑)。
    変身のできる妖精族は、元々 物真似を得意とするんだろーけど。
  •  「「……」」
    唐突に始まった身内コントに、汗タラして気勢を削がれるキングとディアンヌだった――が。

  • 流されている場合ではないのだ。
    「い…いや 全く理解できない!!」
    キングは、振り払うように右腕を振って声を張り上げた。
    「たしかに オイラたちは あなたたちに及ばない
     …でも それ以前に あなたたちは<十戒>…
     オイラたちのだ!!」
    3000年ぶりに蘇ったブリタニアで、彼らは既に、あまりにも多くを殺した。紛れもなく魔神の仲間なのだ。
    それが今更、何の目論見で鍛えるなどと言い出すのか。
  • 「ま… 気持ちはわかるっスよ」
    現・妖精王に「敵」と呼ばれて、グロキシニアは僅かに表情を歪ませる。
  • 「だが 我らは魔神族にあらず……」
    漆黒の魔神の瞳で、断固とドロールは言い切った。
    「かつて 我々は 巨人の王 妖精の王として共闘した…」「<十戒>を… 魔神の王を いつの日にか打ち滅ぼさんと夢見て」
    「しかし我らは戦いの最中さなか それぞれに ある選択を迫られ」「選んだ末 に行きついた…」
    「我らは悩んだあげく 正しい選択をした…」「先日 メリオダスと再び拳を交わした あの時まで そう固く信じていた…」
  • 「一体 三千年前の大戦で何があったんですか…!?」
    戸惑って、キングは改めて問い直す。
    「あなた方は 伝説にもうたわれるほどの英雄王だというのに!!」
    大喧嘩祭りで初めてグロキシニアと遭った時にも問うた。初代妖精王ともあろう者が、どうして魔神に与し<十戒>を名乗っているのかと。その時は、優勝したら教えてやると はぐらかされただけだったが。
  • 「キング… それからディアンヌだったっスね」
    初めて二人を名で呼んで。グロキシニアは、やっと提示したのだ。
    「君たちに ぜひ証明してほしい…」「アタシらの選択が正しかったか否かを――」
    彼らが求める真の目的。その核心へ至る道を。
  • キングがシャスティフォルの穂先を下げた。
  • 「そして約束するっス この試練は 必ずキミたちに大きな成長をもたらすと」
    グロキシニアの提案は続く。目的達成の報酬と、リスクに至るまで。
    「でも当然その分 代償は大きい 一歩間違えれば確実に死ぬっス…」
  • 死ぬと聞いて、ビクッと少年少女は身を震わせた。
    無理もない。たった今、死に至る苦しみと絶望を味わったばかりなのだから。
  • 「…強制はしない ゆっくり二人で考えるといいっス」
    不安そうに髪の毛先で口元を隠したディアンヌと、顔を強張らせて考え込んだキングを見て、グロキシニアは猶予を与えようとする。
  • 「「やる!!!!」」
    だが。間髪入れず返った答えは、男女二人の声が綺麗に揃っていた。
  • 一拍置いて、キングとディアンヌは唖然と互いの顔を見合わせる。
  • ディアンヌ!? キ… キミは危険だよ!!」
    強い口調で言ったキングの足元では、シャスティフォルがクッション状態に戻っていた。戦意は完全に収められたものらしい。
  • 「キングの方こそ やめた方がいいんじゃない!?」
    能力を否定されたと感じたか、ムッとした様子でディアンヌが言い返す。たちまち、キングは おろおろと声を震わせた。
    「オ… オイラは キミのことが ただ心配で…」
    「それだったら ボクの方がキングより よっぽど頑丈だと思う」
  • 場を選ばぬ痴話ゲンカ(に見えるもの)に、グロキシニアは片眉を上げて呆れ、ドロールに至っては首を左右に振って溜め息を落とす始末だ。
    ◆キングとディアンヌの力関係がよく判る、犬も食わないケンカです(笑)。きっと、結婚しても こんな感じなんでしょうね。
  • 「なんだか頼りない後輩たちっスけど」「その意気込みは評価するっスよ!!」
    気を取り直したグロキシニアが両腕を広げて大きく印を切り始める。ドロールも二対の腕を素早く動かして、指先で幾つもの印を結んだ。
    その動きによるものか、キングとディアンヌの足元の床に亀裂が走り、古の文字らしき紋様が幾つも刻まれていく。そして、文字が揃うと共に、辺りの床一面が輝き始めたのだ。
  • 「…この光は…」
    痴話(?)ゲンカをやめて、輝く床を見るディアンヌ
    「な… 何が始まるんだ」
    その隣に浮かんで弁解していたキングも、戸惑った様子で下を見た。
    ◆この場面、何気にディアンヌの乳が揺れております。
    うむ。
    アニメ版で再現されるのが待ち遠しいですね。
  • 光は強さを増し、視界が白く塗り潰されていく中で、グロキシニアの呪文だけが聞こえてくる。
    「ドルキモト ヘカトコベ」「ノクタセン キエト…!!」
  • 彼らは知らないだろう。
    呪文の一部こそ違うが、これは、エリザベスとホークにザラトラスが、そしてメリオダスにザネリが掛けた術と同じもの。
    ドルイド族の秘術。そう思われていたが……。
  • 「これは アタシたちの もう一人の友人から教わった術っス…」
    グロキシニアの言葉を最後に。
    抗う術もなく、キングたちの意識は白光に呑み込まれた。


  • よく晴れた空が見える。無数の小穴が開いた団子状の大岩が一面に重なる、見たことのない景色も。
    激変した環境に付いて行けず、めまいを起こしたように地に両手をついた。
    「ハアッ」「ハッ」「ハアッ」
    悪夢で目覚めた時のようだ。波打つ心臓と荒い呼吸を整えながら、キングは呆然と空を見上げた。
    「こ… ここは?」「一体 オイラたちは何をされたんだ?」
    そこで重要なことを思い出す。
    「は… そうだディアンヌ…」「ディアンヌはどこだ…!?」
    つま先を浮かせて立ち上がると、長い髪が ファサ… と流れ落ちて視界の端に掛かった。
    「ん?」「あ…赤い髪?」
    その毛束を掴むと、頭皮が引かれる感覚がある。
    「え? これオイラの?」
    さっと頭に手を伸ばして長い髪の感触を確かめているうち、背中にあるべからざる何かがあるのに気が付いた。
    「!?」「これって…」
    さわさわと触れていけば、薄くしなやかで、先に手が届かないほど大きい。間違いなく背中から生えている。首を捻って肩越しに見やると、アゲハチョウに似た虹色の……。
  • 「ななななななな…」
    辺りを見回し見つけた小さな水場に、飛ぶのすら忘れて、てってってっと駆け寄った。
    身を屈めて覗いた水鏡に映っていたのは自分の顔――ではなく。
    赤い髪、尖った耳の、少女めいた顔立ちの少年。
    どこからどう見ても、初代妖精王グロキシニアではないか。
    「ま…まさか」
    水鏡の中のグロキシニアが、キングのしている動きの通り、両手で頬を押さえて真ん丸にした目で泡を食っている。
  • どういうことだ。今、キングはグロキシニアになっている!
  • 道理を考える暇は与えられなかった。
    「ニ゛ャーーーーーーーーーーーーーッ!!!!」
    団子状の大岩の向こうから響き渡る、愛らしい悲鳴。
    「この声… ディアンヌ!?」
    素早く身を起こすや、キングは地を蹴って飛んでいた。
    「待ってて 今すぐ行く!!!」
    キンッと空気が鳴って耳朶を打つ。あまりの高速のため風を打ち抜いたのだ。
    「わ… わ 速い!!!」
    予想外の早さに戸惑ううちに、探し求める者を見つけて――
    「!!!」
    見つけた、のか? キングは口を歪めて目を剥いた。
  • 「ど… どうなってるのぉ ボクの体!!?」「いや~~ん」
    パニックを起こして半泣きになっている、愛しい声の巨人…の、男。
    「腕が四本もついてるよぉ~~~~~!!!」
    筋骨隆々たる巨躯に青黒い肌・隻眼・四臂よんひのドロールが、一対の腕で両頬を押さえ、もう一対は拳を握って駄々をこねるように振りながら、内股で腰を なよなよと捩じっていた。
  • 「う…うそ」
    思わず、宙で だらんと脱力してしまった(グロキシニアの姿の)キングである。
  • …いや。どんな姿であろうと、大切な あの子が怯えて泣いているのではないか。呆けている場合ではない。
    「落ち着いてディアンヌ!!!」
    大声で呼びかけた、ものの。ちょっと自信がなくなって確かめた。
    「………だよね?」
  • 「その声…キング?」
    ドロール…もといディアンヌは、「ぐすん」と鼻をすすって、涙目の顔を上げる。小首をかしげ、口元に持ってきた髪の端をフニフニと弄る癖は、間違いなく彼女のものだ。…今の姿だと、別の意味での破壊力が半端ないが。
    ◆姿は換わっても、声は変化なしなんですね。
    アニメ版ではキングとディアンヌの声優さんがそのまま演じるってことかー。
    ドロール役の声優さん(十中八九、低音の男性声優さんのはず)がディアンヌを演じるのも見(聴き)たかった気もするので、ちょっと残念(笑)。
  • 「ボクたち どうしちゃったの?」「こんな姿 他のみんなに見つかったら誤解されちゃう~」
    不安がるディアンヌの前に浮かんで、キングは慎重に辺りを見回している。
    「それに ここは全く見覚えのない景色だ… さっきまでオイラたちは建物の中に…」
  • その瞬間。
    二人の背筋を、ゾクッと戦慄が駆け抜けた。
    「何か…来る!!!」
    同時に空を見上げる。
    「この禍々しい魔力… 魔神族に違いない!!」「それも<十戒>レベルの――」
    炎のように燃える闇の塊が落下してくるのを見て、キングが声に緊張をはらませた。
  • ドンッと轟音を立て、それは眼前の団子状の大岩の上に降り立つ。それだけで大岩が半壊しそうなほどの亀裂が走った。
    四本の腕でバッと身構えるディアンヌ。彼女を背に庇うように片手を水平に伸ばすキング。
  • しかし。晴れた土煙の向こうから現れた小柄な姿を目の当たりにすると、二人は別の意味で慄然として血の気を引かせたのである。
    「そ…んな ま…さか」
    キングは喘ぐように呟く。そして二人は同時に、その男の名を呼んでいた。
    「「メリオダス!!!!?」」
  • 「いよう! 早かったな」
    ピンピンと毛の跳ねた金色の頭。緑の瞳。いつもと変わらぬ飄々とした表情の、見慣れた少年。
    ただし、軽々と担いでいる幅広の大剣は見慣れない。彼自身の身の丈と変わらぬほどの大きさだ。
    ◆この大剣、<十戒>時代のメリオダスが使っていたのと同じもの(もしくは同タイプ)ですね。いつから短剣派に変わったんでしょう。
  • 二人は硬直して開いた口が塞がらなかった。
    「うそ… だってキミは たしかに一か月前に死んだはずじゃ…!?」
    やっとのことでディアンヌは言ったが。
    「ドロールさんや 相変わらず下手な冗談だの~~~」
    メリオダスはアッサリ流し、笑ってキングに目を向ける。
    「グロキシニアも言ってやれよ」
  • 「「……え?」」
    キングとディアンヌは目を見合わせる。変わり果てた互いの姿を思い出し、タラリと冷や汗を流すや。
    「あ… いや誤解だよ! オイラはキングでこっちはディアンヌ!!」
    大慌てで弁解した。誤解されたままでは、<十戒>と見なされて彼に殺されてもおかしくない。
    「こんな姿に なってるのには事情があって…」
  • ところが、メリオダスは苦笑して ため息をついたのだ。
    「こんな姿って… いつもの お前らじゃねーか」「それに誰だよ ディアンヌとキングって?」
  • 「「……は?」」
    またも顔を見合わせる二人。
    「大丈夫か お前ら?」と、メリオダスが軽く笑った。
  • そこで、彼は ふと空を見上げる。
    「お」
  • ほぼ同時に。ヒュッと、何かが蒼穹から背後に降りてきた。
    禍々しい気配や轟音を派手に示したメリオダスとは正反対だ。慎ましく、それでいて鮮烈な。
    直前まで感じなかった、これも強大な気配に戦慄して振り向いたキングとディアンヌの前で、美しい足を揃えて、彼女は バッと風を鳴らし宙に静止する。
  • 「さてさてさーーて! これで四人そろったな」「そんじゃ作戦開始といくか」
    飄々としたメリオダスの声も耳に入らずに、デイアンヌは混乱して目を見開いていた。
    「え? え?」「キミが どうしてここへ?」
    長い銀色の髪、暖かな青い瞳。いつもと変わらぬ優しい笑顔の。
    「エ…エリザベス!?」
  • 「どうして… って 四人で落ち合う約束でしょう?」
    透き通った微笑みを浮かべた彼女は、けれど、長く伸ばしているはずの右の前髪が他と同じ長さに切り揃えられており、右目を普通に出している。左目と同じ、変哲のない青い瞳だ。
  • しかし、それが些細に思えるほどの決定的な違いが、今の彼女にはあった。
    「!!」「そ… その姿は?」
    キングは びっしりと冷や汗を浮かべて顔を歪める。
  • 「?」「私の顔に何か ついてる?」
    きょとんとするエリザベス。
  • 「じゃなくて…………」
    ディアンヌが、おそるおそると指をさして指摘した。
    「その背中についてる…ものって…」
    両拳を口元に当てて、少し恐れをなしたようにドキドキと胸を鳴らす。
    「ありえない 妖精族の羽とも違う…」
    キングは怪訝な色で顔を強張らせていた。これでは まるで……。
  • ここまで言われても、エリザベスは「?」と きょとん顔だ。何を不思議がられているのか解らない、というように。
  • 「お前ら~ 今更 何言ってんだ」
    呆れた口調で言ったメリオダスに、キングとディアンヌは目を向ける。何の不思議も感じていない顔で、彼はハッキリと言ったのだ。
    「当たり前だろ?」「女神族なんだからよ」
    宙に静止したエリザベスの背に、輝くような四枚の翼が広がっている。人間族なら有り得ぬ姿の、その理由わけを。
  • 次回「共闘する者たち」

今回で連載200回。(おめでとうございます。)

それを記念して巻頭カラーでした。

 

見開きのカラー扉絵には、今まで登場した ほぼ全ての名有りキャラが描かれていました。見るのが楽しかったです。 

ローザ、ライザー、デール、ジールとかは見つけられなかったなー。文字とかの後ろに隠れてたのかもですが。

デルドレー、アーデン、オスローは、多分、下側にかなり大きく描かれてるんだけど、24巻特装版のカルタ見本や食事会の募集要項の後ろに完全に隠れてたので残念でした。

このイラスト、文字無しの大判で見たいです。

 

この中で、キングとグロキシニア、ディアンヌとドロールが、それぞれ全く同じポーズを取っていたのは面白かったです。

今回の内容を踏まえた遊びなんでしょうね。

ディアンヌとドロールは表情までシンクロしてて、キングとグロキシニアは動と静的に表情が違っていたのは、意味があるのか たまたまなのか。

 

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霊槍バスキアス 第七形態「月の華ムーン・ローズ」のこと

 

 

カラーページで初めて「月の華ムーン・ローズ」を見ました。

えらいカラフルとゆーか、普通の花には ありえない ド派手な色でビックリです。

花弁に、原色に近い赤・黄・緑(!)がまだらに入り混じってる。

紅葉的な色味というか…。グラデーションなのかしらコレ。

 

「月」という名前と、モノクロページだと単に白い花として描かれていたせいで、月下美人的な白い花だと思い込んでました。

こんなカラフルだったとは。

 

 

そして思いました。

この色、なんか、ゲラードの服の色味に似てません?

ラードの服も、モノクロページだと黒一色のベタ塗りなのに、カラーでは そこから想像できるのと全く違う、赤・黄・緑のド派手なグラデーションだったんで驚いていたのです。

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(…モノクロページでは「真っ白」なものと「真っ黒」なものが、カラーになると ほぼ同じ色味になる…。この漫画はいつも驚かせてくれます。)

 

ところで、ゲラードのスカートって、形が「蜂の腹」か「花のつぼみ」に似てるなあと思ってました。

…は!? もしや「月の華ムーン・ローズ」のつぼみのイメージだったのか!? 花のドレス?

 

 

月の華ムーン・ローズ」のカラー、いっそ「虹色」だと解釈しても いいですかねえ。…いや、青や紫の色味がないからダメか。

アニメ版ではどんな色になるんでしょうか。

 

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色の解釈と言えば。

 

 

今回、グロキシニアの髪が「赤い髪」だと、台詞ではっきり記されていて、ちょっと嬉しかったです。

 

グロキシニアの髪、初カラーの扉絵(第128話)では赤に塗られてたのに、その後 二回あったカラーページだと(第161、171話)、どちらも薄茶色っぽい色…淡い栗毛もしくは亜麻色に塗られていました。

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でも私は赤い方が好きだったので、ここの文章では頑なに「赤い髪」と書き続けてきたのです。『本当は亜麻色と書くべきなのかなあ』と内心で迷いながら(苦笑)。

 

赤色で公式に決定したんですね。

これで今後は大手を振って「赤い髪」と書けます。

\(^o^)/ホッとした。

 

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過去へ跳ぶ秘術のこと。

 

 

今回、グロキシニアとドロールが使った、精神のみが過去(を忠実に再現した仮想現実)へ飛ぶ魔法。

ドルイドの聖地でメリオダスの修行としてザネリが、エリザベスにメリオダスの過去を見せるためにザラトラスが、それぞれ使ったものと ほぼ同じでした。

 

ただ、その二つと今回では、呪文の後半部分が違います。

 

ザネリ、ザラトラスが使った呪文

「ドルキモト・ヘカトコベ・オムノレア・キエト…」

 ↓

 「時戻る・過去へ跳べ・己と向き合え…」

 

今回、グロキシニアとドロールが使った呪文

 「ドルキモト ヘカトコベ」「ノクタセン キエト…!!」

 ↓

「時戻る・過去へ跳べ・選択の時へ…!!」

 

この差は何なのでしょうか?

 

…ザネリとザラトラスが掛けた術は、術をかけられた本人(メリオダス、エリザベス)の過去を見るためのもの。

でも今回のだと、3000年前にキングとディアンヌはいないので「己と向き合う」ことにならない。だから呪文も変わったのでしょうか。

 

 

この術、「もう一人の友人」から教わったものだとグロキシニアは言います。

十中八九、3000年前の「エリザベス」ですよね。

 

現在はドルイド族が行使している術が、元はエリザベス(女神族)の術だった?

これはどういうことなんでしょう。

ドルイド族とは「エリザベス」が特に目をかけていた人間たちの子孫なのでしょうか。術を教え、己の血(女神の力)を分け与えたとか。 

 

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3000年前のメリオダスとエリザベスの容姿のこと。

 

 

一部読者の間で不評らしい(?)、3000年前のメリオダスの服。

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実は、第173話の扉絵で、既に披露されていました。

若かりし頃のメリオダスさんは、ヘソ出し服が好きだったんですね。

そうしてみるに、3000歳を超えた今は、だいぶ大人しい趣味に変わってきてたんだなあ。(反面、半ズボンを好んで穿くようになってたり、あえて子供っぽく見える服を着てる気もしますね。)

 

ところで、この時点(恐らく聖戦も終盤近い)の彼が今と同じ少年の姿なのは、どういうことなのでしょう。

彼は3000年前からずーっとこの姿で、一度も成長したことがない?

それとも、既に呪われ済みで、大人から子供の姿に戻った状態なのでしょうか。

 

 

 

そして女神エリザベス。

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翼四枚かぁー…。

 

彼女の目が、両目とも普通の瞳で、例の「三脚巴紋トリスケル」が出ていないのは目を引きました。

メリオダスの額の紋様と同じで、女神の力を発揮する時にしか出ないのかな?

 

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オイラが あのひとで そのひとが キミで 

 

 

キングがグロキシニアに、ディアンヌがドロールになった展開は、意表を突かれて すごく面白かったです!(笑)

前回、鉱樹オルドーラは20層・グロキシニアたちの許可を得るか倒さないと出られないとか書いてあったんで、塔を強制的に上って一層ずつ試練をクリアさせられるとかの、車田系の実戦修行でも受けさせられるのかと思ってた(苦笑)。

まさか、こんな形の修業とは。

 

グロキシニアになったキングは、元々、性別や体格が同じなんで殆ど違和感ありませんが、ドロールになったディアンヌの破壊力は、ハンパなかった…!!(大笑)

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何気に愛を試されてるかもしんない。

 

こうやってドロールになったディアンヌを見ると、彼女は、勇ましい女戦士ではあっても、表情や仕草が すごく女の子っぽかったんだなーと、改めて気づかされました。

可愛いよディアンヌ

 

でも、腕が一対増えるのってどんな感じなんだろー。

なんだかんだ、しっかり使いこなしててスゴイです。

 

 


ファンブック『罪約聖書』に、「エリザベスとホークの精神が入れ替わる」お題でのスピンオフ漫画競作の企画があって、原作者さんが「機会あらば私も入れ替わりネタを本編かおまけで描いてみます。誰と誰が入れ替わるかは、その時のお楽しみで!!」とコメントしてましたが。

まさか、本編のシリアスな流れに突っ込んできて、このメンバーの入れ替わりとはな~(笑)。

 

 

一応、定番の「男女入れ替わり」も成立してるけど。

ディアンヌちゃん、この状態でトイレに行きたくなったらどうするのだろう…。キングに泣きついて手伝ってもら……げふん!

 

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グロキシニアとドロールの目的のこと

 

 

前回、グロキシニアたちが「鍛えてやる、自分たちを超えてもらう」と言い出した時は、「キングとディアンヌを強くすること」が彼らの目的なのかと思えました。

でも、どうして そんなことをするのか理由が解らなかったし、色々と釈然としませんでした。

 

今回、グロキシニアたちは言いました。「自分たちが3000年前に魔神族に与した、その決断が正しかったかどうか、キングたちに判定してほしい」と。

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おお…。

なるほど~~、それが本当の目的だったんですね!

スッキリ納得しました。

キングたちを鍛える・強くするというのは、結果的にそうなるだろうっていう、オマケみたいなものだったんだ。

 

 

仮想過去へ精神を跳ばす修行を、ドルイドの聖地でメリオダスが受けたとき、ザネリは「苦痛を受けすぎると精神が崩壊して死ぬ」的なことを言ってました。

今回のキングたちの試練も、恐らく、仮想過去の中で戦闘に敗北して死ねば、現実でも本当に死ぬ可能性が高い…という類のものなんでしょう。

その代わり、限りなく現実に近い仮想世界で、大きな力を振るって実戦ができるのだから、勝って戻ってこれれば大きな経験になる(強くなる)、と。

 

 

それにしたって、ある種、すごく趣味の悪い方法だなあと思います。

グロキシニアとドロールは、3000年前に何かしら絶望的な状況に陥って(恐らく、そこで起きるだろう戦闘も、当時の彼ら本人すら瀕死になるようなハードさであるはず)、魔神族に与することを選択した。

 

キングとディアンヌに、当時の自分たちと同じ力・同じ環境を与えて、同じ状況を経験させるんですね。

かつての自分たちと同じ絶望に追い込まれたとき、キングとディアンヌはどう「選択」するか。

かつての自分たちと同じ道を選ぶか。全く違う道を選ぶか。

それを見物して、確かめようとしている。

 

うわー、なんて意地が悪い。

 

 

こんな方法をとるってことは、グロキシニアとドロールは、未だ大半は「自分たちの選択は間違っていなかった」と思っているのかと。

でも、残り半分の気持ちは、間違っていたかもしれないと迷いが生じている。

 

もしキングたちが同じ選択をしたら「やっぱりアタシらの選択は正しかったっス」と安心して、これまで通り魔神側に与し続けるのでしょう。

 

けど、キングたちが違う選択をしたら。

「我らは間違っていたようだ」と魔神側からは離れるんでしょうけど、それでどうするんでしょう?

既に魔神化している彼らは、それぞれの一族のもとへ戻れるんでしょうか。

 

 

キングは、グロキシニアに比べると闘級1/10以下のへっぽこ妖精王ですけど、森の中に巨人族と、ほんの数人だけど人間族も入れて守って、仲良く過ごしてました。

グロキシニアが3000年前に捨てたものを、キングは体現していた。

 

キングとディアンヌは、現時点で闘級は低いけど、こう見えてそれぞれ、絶望を越えて生きてきています。

きっと、これから訪れるだろう、仮想過去の中での「選択の時」が来ても、グロキシニアたちとは違う道を選んでくれると期待しています。

 

 

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