【感想】『七つの大罪』第191話 満たされぬ女
週刊少年マガジン 2016年42号[2016年9月14日発売] [雑誌]
第191話 満たされぬ女
- 天空からゆっくりと降りてくる美女の後ろ姿を、ギーラたち聖騎士たちは驚きの目で見上げている。
「ブリタニア一の魔術師…!!」「<七つの大罪><暴食の罪 >…」
「マーリン殿…!!」やはり唖然としながらその名を呼んだヘンドリクセンの隣で、バンだけは薄く笑っていた。
「ったく 遅ぇぞ♪」 - 彼女は人々の前に身軽に舞い降りる。
- フラウドリンは忌々しげに歯噛みした。
- 無機質な声音でグレイロードが呟く。
「この人間は……」「とても危険だ」
無数の灰色の顔が頬寄せ合った中心の空気が ブゥー…ン と震え、凝った光球が撃ち出された。 - マーリンがそれに目を向けた刹那。
「危ねえ!!」
彼女を ドンッ と押しのけてハウザーが割り込んだ。光球をまともに受ける。
“五識是空 ”
「ぐが…」
呻いて、受け身も取らず、勢いよく仰向けにひっくり返った。 - 「ハウザーーーーーー!!!」
駆け寄ってヘンドリクセンが覗き込めば、意識はあるが動く様子がない。うつろな目を開けて、独り言のように喋り始める。
「どうしちまったんだ… 俺…?」「何も見えねえ…何も聞こえねえ 真っ暗だ……」
ヘンドリクセンに抱き起こされても、それに対する反応はなかった。
「指も足も なんの感覚もねえ… 死ぬんだな 俺」 - 「マーリン殿 これは…!?」
焦ったヘンドリクセンが救いを求めれば。
「どうやら五感を遮断されたようだ …おもしろい」
庇われたはずのマーリンは、愉快そうにニヤニヤと笑っていた。
「……」汗タラするヘンドリクセン。 - そんな様子など、まさに『目に入っていない』ハウザーは、彼女が感謝の涙を流している様を想像しているのだろう。
「いいんだ マーリン殿 謝らないでくれ…… 今の俺にはアンタの盾になることしか へへ… できねえ」 - 毛一筋の感謝も悲しみも見せないマーリンは、薄く笑って若い騎士を覗き込む。
「全く 余計な真似を 私にかけてくれた魔法を勝手に横取りするからだ」 - 残酷なのか、滑稽なのか。
(((わ~~~…)))
白けた目で見守る、ギーラ、ベロニカ、バルトラ王。 - マーリンは口元に指先を当て、何事か小さく唱え始める。
「頼む… 親父とお袋に 伝言を………」と喋り続けるハウザーの額に、その指でトンと軽く触れた。 - 「ぶあっ!!?」「な…なんだぁっ? ビックリした!!!」
途端に、勢いよく身を起こすハウザー。
「へ? なんで? 目も見えるし耳も…手足の感覚もある! 何が どうして どうなった!?」
手のひらを握り開きし、何故か頭をペタペタと触って確かめている。
その背後には、何かを耐え忍ぶように目を閉じているヘンドリクセン。ハウザーが跳ね起きたとき、その頭が彼の顎に激突していたのである。 - 「まあ いい… 実験台になってくれた礼だ」
一連の様を、マーリンは薄く笑って見ていた。 - グレイロードは呟く。
「一瞬で… 我が魔力を消し去った」「やはり危険だ」
その顔の一つが、口から黒煙のようなものを吐き出した。
“五分の魂群 ” - 「
蟲 …?」
呟くマーリン。
黒煙のように群れ来るそれは、甲虫や蜂など、様々な種類の昆虫である。大きさも姿もありきたりで、数こそ多いが『か弱い 』ように見える。
スッと、彼女は片手を差し出した。魔法で消し飛ばすつもりだ…それを察したバンが叫ぶ。
「マーリン やめろ!!」
グレイロードの戒禁<不殺>発動条件は、彼の前で殺生を行うこと。一寸の 蟲とはいえ、五分の魂 がある。一匹でも殺せば戒禁が発動してしまうではないか。
◆一寸の虫にも五分の魂。
ということで、わざと「か弱い虫」を放って殺させ、戒禁を発動させる技の名前が「五分の魂群 」。
好きです、このセンス(笑)。 - が。彼女に聞く耳などあろうはずがない。
“殲滅の光 ”
咄嗟に身をよじって避けたバンを掠めて走った極太の光線は、全ての虫を消し飛ばしたばかりか、半壊した王城の壁を突き破って彼方へ消えて行った。 - 「バカが!!」
バンは罵る。美しい仲間が醜く老いさらばえて死ぬ様を思い浮かべて。 - 一方。「
殲滅の光 」は、王城の壁の前にグレイロードの顔の一つを貫いていた。
「おのれ… よくも…」
顔の一つを失いながらも、グレイロードが弱った様子はない。残った無数の顔が告げた。
「これで貴様は終わりだ」「我が「不殺」の戒禁に逆らう者は――」「全て等しく時間を奪われ滅びゆく…!!」 - 「マーリン……!!」
焦り顔でバンが仲間を呼ぶ。
佇む彼女を見た顔が、唖然とした驚きに支配されていった。
「そ…んな…」 - 「バン」「誰がバカだと…?」
変わらない。
マーリンは若く美しいまま、笑み含んで立ち続けていた。
「時を全て奪う… つまり その者の余命を文字通り奪うわけか…」「おもしろい戒禁だ …… が すまんな 私には効かんのだ」
◆あ、不殺の戒禁は「余命を奪う」ものだったんですね。
つまりドゲッドさんは、本来はヨボヨボになるまで長生きできるはずだったのか…。
となると、キングなら若い姿のまま寿命が尽きて死ぬ。
バンは…再生能力が高い系の不死者で時間が止まってる系ではなく、遠い未来に神樹の力が尽きたら死ぬかなという気はするので、何千年か何万年か、全ての時間を奪われたら、やはり死んだのかもしれませんね。
メリオダスは「不老の呪い」が掛かってるっぽいので、マーリンと同じ理屈で効かなかったかも。 - 未だ唖然としてバンが尋ねた。
「マーリン…! てめぇ 人間じゃねぇのか?」
彼女は悠然と微笑む。
「フ… お前と一緒にするな」 - バンは『人間』だ。しかし『ただの人間ではない』不老不死者でもある。それと一緒にするなとは、どういう意味なのか。
自分は普通の人間だという意味か?
反対に、人間ではないという意味なのか。
それとも、種族は別にして、バンのような不死者ではないという意味だろうか。 - 「ならば なぜ 何も変化が起きぬ…!?」
『普通の人間』の意味に捉えたらしいグレイロードが尋ねる。 - マーリンは語った。
「実験とは時間がかかるものだ 材料の調達…試行錯誤の工程 成功もあれば 当然失敗もある いくらあっても時間は足りない」「そうしてる間にも 世界には新たな興味・事象が生まれ 私の知識への探求欲は満たされるどころか ますます飢えていく―――」「だが人の命は有限… 世界の全てを知ることは不可能だ これほど不条理かつ もどかしいことが他にあると思うか? 断言しよう… ない!!」 - 「「「………………」」」
呆れ顔で聞いている、アーデン、デルドレー、ワイーヨ。 - 「そこで私は思いついた」「ならば 己の
刻 を止めればいいと」
フワ…と、マーリンが宙に浮かんだ。 - 「!!!」「時間を止める……!?」
目を剥くハウザー、ヘンドリクセン。 - マーリンは滑るように上昇していく。
己と向かい合う高さまで昇ってきた女に、グレイロードは否定をぶつけた。
「時間停止だと…? 世の理 を歪めるには莫大な魔力を要する それを さらに持続しつづけるなど…」「不可能だ…!!」 - 魔神を見据えて、マーリンは告げる。
「無限 」「それが 私の持つ魔力だ」
「たとえ どれほど強力な魔法であろうと 一度発動させればよい」「炎は燃えつづけ… 氷は凍りつづけ… 時は止まりつづける」「自分自身で再び解除しない限りは……な」
そこまで言って、マーリンは騎士たちを返り見る。
「どうした みんな? 何か 言いたそうな顔だが」 - 騎士たちも、魔神たちも。『唖然』か『愕然』か、あるいは『困ったような半笑い』を浮かべて無言だった。
心の声は一つ。
(反則だ) - 「?」
さしもの大魔女も心は読めないらしい。誰も何も言わずに固まっているので、不思議そうに目を瞬かせている。 - いち早く立ち直ったのは魔神フラウドリンだ。
「だが!! いかに貴様の魔力が反則級だろうと ガランの石化を解除できた説明にはならん」 - 「なかなか どうして 元に戻るまで時間がかかった さすがは戒禁だ」
さらりとマーリンは返す。 - 今度はグレイロードが否定した。
「戒禁は ただの魔力に非ず… 魔神王より<十戒 >が授けられし呪詛だ!」「いかな魔術士が どれほどの時間をかけようと 決して解けるものではない!!」
◆あ、戒禁は「呪詛」だと言い切っちゃいましたね。
他種族には(身を害する)呪いでも<十戒>自身には(身を守ってくれる)祝福なのかな少なくとも建前的には、と思っていましたが。
<十戒>も、自分は魔神王に呪詛を掛けられてると思ってたんだ。
ガランがメリオダスのこと「呪われた魔神」と呼んでいたけど、<十戒>は元々全員呪われてたってことになるのかなー(笑)。
どんだけ呪うのが好きなのよ魔神王。呪いのエキスパートだったのかしらん。 - マーリンは言葉を続ける。
「私も一時 あせった …が我に返り ふと思い出したのだ」「そもそも 私には戒禁への耐性が備わっていたことを」 - 「「!?」」
怪訝そうに見やるグレイロードとフラウドリン。 - 「まぬけな話 あまりに昔のことゆえ」「己の正体を すっかり忘れていてな…」
笑みを消して、マーリンは魔神たちを見つめた。
「ベリアルインの娘――――」「<十戒>ならば その名に多少の聞き覚えはあろう」 - 魔神たちの反応は劇的であった。
「ベッ…」目を剥いて顔を歪めるフラウドリン。
「ベリアルインの娘ぇっ…!!?」グレイロードに至っては慄くように絶叫した。 - マーリンを指さし、殆ど必死の形相でフラウドリンが喚く。
「まさか お前が あの生き残りだと!?」「く…口から出まかせを!!」 - 「なんだ… あの<十戒>の慌てようは…!?」
驚くハウザー。意識のないグスタフを背負ったスレイダーは怪訝そうに呟く。
「ベリア…ルイン? 聞き覚えのない名だが……」 - 笑みを消したまま、マーリンは告白した。
「我が真 の名は…」「▓▓▓」 - 「!!!」フラウドリンは言葉を呑む。
グレイロードは怯えた様子でキュッと縮まった。
「ま…ま…間違いない…!!」 - 「今… なんて?」
尋ねたハウザーを見下ろす口元に再び笑みを戻して、マーリンは答える。
「すまんな 人間には発音できんのだ…」 - その視線がグレイロードへ向かった。
「さて お喋りは もう やめにして 続きを始めるとしよう」
神器を片手に、宙を蹴って一息に近づこうとする。 - 「!!!!!」
ぞわっと、グレイロードが全身の闇を逆立てた。彼女に毛はないが、『身の毛もよだつ』とは、まさに このことなのだろう。
「ヒッ…」「マズイ…」
無数の顔が口々に悲鳴を上げ、てんでの方向へ首を伸ばす。
「そっちじゃない…!!」
それぞれの顔が別々の方向へ逃げようとするので、本体が動けないでいる。メキメキと軋む音が顔を繋ぐ闇部分から聞こえてきた。 - 「グレイロードの様子がおかしい」と、デスピアス。
- その間にもマーリンは近づいてくる。
「分離しろ」と、ついに灰色の顔の一つが叫ぶや、グレイロードは無数の小さな灰色魔神に分離、八方に逃散した。 - 「バ…」「パラけた!!」
叫ぶハウザー、サイモン。 - 「まてまて どこへ行くつもりだ?」「大事な
実験台 に逃げられては困る」
薄く笑みを浮かべながら、マーリンはスッと両手を差し上げる。
“終わりなき渦 ”
彼女を中心に、巨大な竜巻が巻き起こった。 - 彼女のほぼ真下にいた聖騎士たちは、かろうじて暴風圏から外れていたが、壁も手すりも、周囲のあらゆるものが風に砕かれ吹き飛んでいく。
「キャアアアアア!!!」長い髪を激しくたなびかせて悲鳴をあげるギーラ。
スレイダーは背負ったグスタフを片手で押さえ、もう片手で、座らせたバルトラ王の肩を押さえて庇っている。
「無茶苦茶すんな この人!!」
竜巻が十八番 のハウザーも形無しで、マーガレットとベロニカ、幼馴染の二王女を抱きかかえて庇うのが精一杯だ。 - 「グレイロード!!!」
身を守るので精いっぱいなのは、フラウドリンも変わらない。氷の柱にしがみついて、必死に仲間の名を呼ぶ。 - 「脱出…不可」
分散したグレイロードたちは全て風に巻き込まれ、ぐるぐると渦に翻弄されていた。
「中心に吸い寄せら…れ」「オオ…」「ア…」 - 捕えた魔神ごと竜巻は縮んでいく。小さく、小さく…。手の中の試験管に収まってしまうほどに。
- 永劫に回り続ける渦に囚われた魔神を収めた試験管に、呪を記したコルクで栓をして。
「フム いい実験台 が手に入った」
手の中のそれを、満足げにマーリンは眺めた。 - 「フフフ…」
台風一過と言っていいものか。
青空に浮いて試験管を手に含み笑うマーリンの下に残るのは、卵を封じた巨大な氷の結晶、そして、殆どを彼方に吹きさらわれた、城だったものの残骸だ。
「し… 城が…」
愕然とするバルトラ王の背に、ベロニカが励ますように手を置いている。
「父さん!!」 - 流石のバンが、ばつが悪そうに「あーあ~~…」と嘆息した。
- 次回「友を救う その剣 その魂」
マーリンの闘級:4710(魔力3540)
グレイロードの闘級:39000(魔力26500)
↓
闘級がケタ違いのはず? 無限に魔法を持続できるので勝てますが何か?
そもそも「ベリアルインの娘」なので。(ベリアルインが何かは説明せず)
ガラン(当時の闘級26000)との対決時(第121話)、現時点で作中唯一マーリンの心理描写があり、戦闘で敵わないガランを どうにか口八丁で誤魔化そうと、本気で焦っていた。
↓
本気を出してもガランに敵わなかったし、しっかり戒禁に掛かってたはず? 自分に戒禁の耐性があることを忘れていただけですが何か?
そもそも「ベリアルインの娘」なので。(ベリアルインが何かは説明せず)
小学生のごっこ遊びか、中学生がノートに書き留めた創作物みたい。
作者の独りよがり著しい展開ですね。
戒禁に掛かったとき、マーリンは「<十戒>の“戒禁”は私の魔力をもってしても解けぬようなのだ…」「対抗できるとすれば女神由来の力だろうな…」と言い、思わせぶりにエリザベスの姿が描写されていました。
また第160話では、悩み続けたアーサーが「私は 必ず君(マーリン)を助けてみせる!!」と吹っ切る場面もありました。
多くの読者が、これらを布石と考え、期待したことでしょう。きっとマーリンはエリザベスやアーサーの成長と助力で復活するんだと。
でも実際はマーリンが自分で頑張って復活………で・すらなく!
「元々耐性があったのをド忘れしていた」ですってよ。
マーリンが己の正体を失念していたなら、それはそれで、彼女が「私は何者か」と自問自答するとか、「何かを忘れている気がする」と漏らすとか、そういう布石を入れておくのが定石…というか、読者への配慮だと思うんです。
しかし、そういうのを一切してくれてませんでした。
ただイキナリ、これまで語ってきたことを全部 蹴飛ばして無効化して
「元々最強! 何でもアリ! どうです凄いでしょう」と言っただけ。
それを「反則だ―」で押し切れると思ってるようで。
不親切にもほどがある。
自分だけキモチよくなるって、イケナイと思うんです。
ちゃんと読者を導いてほしいですね。
もう一つ。
事実上、戒禁は意味を失いました。
「戒禁」という設定、出てきた当初は、これから この設定を使って どんなに面白い知恵と異能のバトルが繰り広げられるんだろうとワクワクしたものでし たが。
結局、何一つ生かされなかったですね。
とっても残念でした。
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マーリンは人間か、人外か?
バン
「マーリン…! てめぇ 人間じゃねぇのか?」マーリン
「フ… お前と一緒にするな」グレイロード
「ならば なぜ 何も変化が起きぬ…!?」
この会話の流れ、特にグレイロードの台詞を見ると、マーリンは「人間である」かのように読み取れます。
ところがです。
この後でマーリンは、己の真名を聞き取れない発音で明かし、
「すまんな 人間には発音できんのだ」
と言ったではないですか。
人間の発音できない名前を発音したのですから、マーリンは人外(異種族)ということになります。
では、どうしてバンに「人間じゃねぇのか」と問われて「お前と一緒にするな」と答えたのでしょう。
「不老不死のお前と一緒にするな、私は不老なだけで怪我をすれば死ぬぞ」という意味だったんでしょうか?
それとも、「私を人間だと思っていたのか? 人間のお前と一緒にするな」という意味だったんでしょうか。
どちらであっても、この意味だと、グレイロードが「ならば なぜ 何も変化が起きぬ…!?」と言ったのが繋がらなくなりますが……。
…うーん。
グレイロードが元よりバンを人間と思っておらず、「<不殺>の戒禁が効かない不死者」だと認識していたのであれば、まあ、辻褄は合いますかね。
第二部が始まって暫くした頃、マーリンの種族が何か、考えてみたことがあります。
魔界由来の魔術を好んで使うので、魔神族かも?
いやいや、TVアニメのマーリンのテーマ曲がパイプオルガンを使っていて教会を連想させるし、マーリン作の魔導具「バロールの魔眼」が
いやいやいや、封印したメリオダスの力を預けるほどドルイドの長と信頼関係があるので、ドルイド族か、それに近い出自の人間族?
今回、人間族ではないと確定しました。
また、己の出自を語る場面でも、女神族の身体的特徴「
むむむ。
ベタに混血と考えてみてもいいですが、人間・魔神・女神・妖精・巨人のどれでもない、今はもう滅んだ幻の種族、なんて想像もアリかもですね。
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ベリアルインについて
今回、マーリンが「ベリアルインの娘」だと明かされました。
ファンブック『罪約聖書』によれば、ベリアルインとはマーリンの出身地です。
人名ではなく、地名なのですね。
そういえば、マーリンの元ネタであるアーサー王伝説群上のマーリン(ミルディン)には、「その名は本名ではなく、『マリドゥノン(現在のウェールズの都市カーマーゼンのこと)の者』という意味の、呼び名である」という説がありましたっけ。
「ベリアルイン」という言葉に元ネタはあるのか、という点に、多くの読者が興味津々っぽいですが、寡聞にして、私には判りません。
悪魔ベリアル?
インペリアル(帝国)をアナグラムにして もじった造語?
何かマイナーな元ネタがある?
特に意味はない?
まあ、どうでもいいことなんでしょうけども。
「ベリアルインの娘」だと聞くや即座に逃げたほど、グレイロードやフラウドリンが怯えたのは、何故なのでしょうか。
どうして「ベリアルインの娘」には戒禁の耐性が備わっているのでしょうか。(魔神王の息子であるメリオダスにすら戒禁は効くのに。)
「
また、マーリンが「(「ベリアルインの娘」という名を)<十戒>なら多少は聞き覚えがあるはずだ」と言ったのは何故なのでしょうか。
そういえば<十戒>の復活をメリオダスに報されたとき、マーリンは暴風を起こすほど興奮していました。彼女の出身地と<十戒>には因縁がある?
そしてフラウドリンが「お前があの「ベリアルインの娘」!? 生きていたのか」的な言い方はせず、「お前が あの生き残りだと!?」と、少し特殊な言い回しをしたのは何故なのでしょうか。
もしや「ベリアルインの娘」とは複数人いるものだった?
それとも、ベリアルインが あまりに ひどい形で滅亡したので、あの中で生きのびていたのか、的な意味で「あの生き残りだと!?」と言っただけ?
なお、マーリンは<十戒>と面識がなかったようです。古参のガランとも、新顔のフラウドリンやグレイロードとも。
<十戒>もまた、マーリンの容姿を見て「ベリアルインの娘」だと気付きませんでしたし(3000年前のマーリンが今とは違う容姿だったのでない限りは)、マーリンは<十戒>の闘級や戒禁の詳細も知りませんでした。(「忘れていたけど本当は知ってた」のでない限りは。)
マーリンはニヤニヤ笑っているのがデフォルトです。
なのに、ベリアルインのことと真名を語るときだけ、笑っていませんでした。
あまりいい過去ではないのでしょう。
- マーリンの出身地は「ベリアルイン」
- ベリアルインは3000年前に滅亡し、マーリンは唯一の生き残り?
(<十戒>は、その地と何らかの関わりがあった。) - マーリンは当時、幼い子供だった?
(だから<十戒>を知ってはいても知識がなく、<十戒>は彼女が大人になっているので判別できなかった?) - 或いは、マーリンは当時 閉じこめられていたか深窓の令嬢だったか何かで外界を殆ど知らなかった?
- 「ベリアルインの娘」は、その名を聞いただけで<十戒>も逃げ出すほど恐ろしい存在。
思えば、マーリンは率先して<大罪>メンバーを選定し、<十戒>を討つ気満々でした。
メリオダスが<十戒>を討ちたいのは、自分の呪いを解きたいから。
では、マーリンが<十戒>を討ちたい動機は何でしょうか?
今までは、単に<十戒>を研究して知識欲を満たしたいのかなと思っていましたが。
どうも彼女の出身地ベリアルインと<十戒>には因縁があるらしい。
となると、<十戒>復活を知ったマーリンが激しく興奮したのにも、何か別の意味があったのかも…?
まさかベリアルインを滅ぼしたのが、聖戦以前の(例えばゴウセルがいた時代の)<十戒>だったとか?
でも、それにしてはグレイロードやフラウドリンの怯えぶりが尋常ではないです。彼らに滅ぼせそうには ない感じ。
うーん。例えば、ベリアルインを滅ぼす任務中に<十戒>時代のゴウセルが失踪し、あのゴウセルを倒した(相打ちになった?)ベリアルインの娘おそるべし、みたいな認識がされたとか?
それとも、常闇の棺を作ったのが「ベリアルインの娘」だった?
妄想が過ぎますね(苦笑)。
<十戒>すらビビらす ベリアルインが、どうして滅んだのか?
そして、どうしてマーリンは、<十戒>を討ちたいメリオダスと組んだのか?
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次回サブタイトルは「友を救う その剣 その魂」。既に第188話で使われたのと全く同じです。
巻末予告まで打たれてたのに消滅していた、ヘンドリクセンとフラウドリンの戦いのエピソードが復活するんでしょうか。
そうなれば、単行本で、188話のサブタイトルの方が修正されそうですね。