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『七つの大罪』ぼちぼち感想

漫画『七つの大罪』(著:鈴木央)の感想と考察。だいたい的外れ。ネタバレ基本。

【感想】『七つの大罪』第182話 たしかな ぬくもり

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週刊少年マガジン 2016年32号[2016年7月6日発売] [雑誌]

第182話 たしかな ぬくもり

  • 「なぜ幼い日の私とメリオダス様が ……滅亡したダナフォールから?」
    戸惑うエリザベスに、ザラトラスは返した。
    「…わかりません 彼は そのことについて一切を語ろうとしませんでした」

  • 『過去』のザラトラスが、マントを翻して血まみれのメリオダスに駆け寄っていく。『今』のザラトラスが呟いた。
    「ああ… この時の彼の反応は鮮明に覚えています」
  • 「キミ!! ひどい怪我じゃないか すこし横になるといい!! その赤子は私が預かろう!!」
    純粋な心配に顔を曇らせて、ザラトラスは少年から赤ん坊を抱きとろうとした。
  • その手が激しく跳ね除けられる。
    「…触るな」少年が口を開いた。
    「え」
    ぽかんとしたザラトラスに向かい、少年は、まるで剣のように竜頭の祭器を突きつける。
    「俺の女に気安く触るな!!!」
    瞳は怒りと拒絶に燃えている。血で汚れた頬を涙が伝い落ちた。
  • 気圧されながら、ザラトラスは呆気に取られている。
    「お…」「女?」
    ほんの赤ん坊じゃないか。それを女性として愛していると言うのか。
  • 異様な有様だが、それを見る『今』のエリザベスの頬が仄かに染まった。
    「メリオダス様……?」

  • 急に周囲の景色が水のように流れ落ちた。
    「プゴッ」と鼻を鳴らして驚くホーク。

  • 「国王陛下は未来を見通す千里眼ビジョンという魔力をお持ちだ」
    場面はリオネスの王城内に変わっていた。恐らく、先の場面から一、二ヵ月ほど後なのだろう。
    「その陛下が 先日 滅亡するダナフォールで出会った赤子が自分の三人目の娘になる――――――――という予兆を見られてね」
    騎士の詰め所で、鎧は着ず剣だけを帯び、砕けた様子で話しているザラトラス。
  • 「…つまりエリザベスを養女にしたいってことか?」
    腕組みして答えたメリオダスも小ざっぱりした服装で、もはや血に汚れた痛々しさは伺えない。エリザベスの見慣れた、考えの読めない飄々顔になっている。
    ズボンの後ろのベルト通しに、例の竜頭の祭器をねじ込んで持ち歩いていた。未だ刃は付いていない。
  • 「王妃が いたく あの子を気に入られてね…」と、ザラトラスはエリザベスを抱く王妃の姿を思い浮かべる。今現在も、赤ん坊は彼女のもとだ。
    ◆顔は見えませんが、リオネス王妃キャロラインが漫画本編に初登場。マーガレットみたいな お淑やかで芯の強い理想的な王妃だったのでしょうか。ベロニカみたいな勝気な人だったのでしょうか。
    彼女自身がエリザベスを気に入って自ら養女に望んでたと判って安心しました。夫の千里眼に一方的に付き合わされてたのかも? と心配してたので。
    この二年後に魔物に殺されてしまった王妃様。生きていてくれたらよかったのにね。

    ここの場面で、王妃の抱く赤ん坊エリザベスの髪が肩まで伸びているので、前場面から、それなりの日数が経っていると推測できます。(もう首が座ってるし…。)

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    しかし、一切の経歴・実力を伏せ、何の仕事もないまま、メリオダスが王城に長期間 居候できたとは思い難い。
    となると、どのくらい時間が経過しているのか?

    …うーん。「エリザベスの髪が伸びる速度は すっごく 速い」もしくは「おくるみで隠れてたけど最初から肩まで伸びてた、首は最初から座ってた」と思うことにして、ダナフォール滅亡の、せいぜい一、二ヵ月後ってところでしょうか。
  • 「わかった」
    屈託なく笑ってメリオダスはうべなった。
    「ただし俺を雇うことが条件だぜ?」
  • 微妙な顔になるザラトラス。
    「あ… いや」「申し訳ないが子守りは別に…」
  • 「勘違いすんな 聖騎士としてだ」
  • 「…」「ブ」
    一瞬 目を丸くしたザラトラスが、勢い良く噴いて笑い出した。
    「ハーーーーーッハッハッハッ!!!!」

  • 「まあ… 笑うよな」
    ホークが真顔で呟く。『今』のザラトラスは気恥ずかしそうに額を押さえて苦笑いを浮かべた。
    「くうう… これは私の人生の恥ベスト3に入る出来事でした」
  • 「?」そんなザラトラスを、不思議そうに見上げる『今』のエリザベス。

  • 『過去』のメリオダスは、嘲笑に構わず部屋の一角へ歩いていき、壁に立てかけてあった無数の剣から一本を手に取った。
    「これでいーや 一つ手合わせしてみるか?」
  • この時、少年に見える彼が、長剣を片手で軽々と掲げていたのだが、当時のザラトラスは その違和感に気付かなかった。
    外見からの侮りや聖騎士としての誇りが、目を晦ませていたのだろう。子供が身の程知らずなことを、と。
  • 「…子供とはいえ 聖騎士の前で 剣を抜いたからには」「多少の痛い目は覚悟してもらうぞ」
    それまでの柔和な態度は消え、剣呑な様子で腰の剣を抜く。
  • が。
    「ま…… 参った!!!」
    間を置かず、床に転がされ剣を突き付けられていたのは、ザラトラスの方だった。見下ろすメリオダスの目は、ガラスのように鋭利だ。

  • 『今』のザラトラスは語った。
    「彼から感じた殺気は まさに魔性そのもの」「だが その瞳からは一滴の悪意も感じられなかった」
  • 「ちびったろ ザラちん」と、真顔のホーク。
    「まあ… 多少な」ザラトラスも真顔で目を伏せた。
    赤面して汗を垂らすエリザベス。

  • メリオダスが差し伸べた手を、『過去』のザラトラスは、もはや躊躇わず握り返していた。
    ◆メリオダス、ダナフォールの聖騎士団長だったこと、明かしてなかったんですね。つか、出会った時のメリオダス、ダナフォールの聖騎士団服着てたのに。(この一件で明かして、リオネスでの強い立場を確保したってことかな?)

    結構意外でした。
    聖騎士団長くらい上の役職で、あれだけ強くて容姿も特徴的だと、他国にも名と顔が知られてそうなものですが。
    (なので今までは、メリオダスとバルトラはダナフォール健在時から顔見知りだったのかもなと想像してました。)

    ふーむ。
    …つまり、ダナフォールとリオネスは、全く国交のない、戦争すらしたことのない国だった?

  • 「彼は私の推薦もあり 王室付き… 正確にはエリザベス様付きの聖騎士となったのです」
    情景は王城の庭に変わり、幼いエリザベスとメリオダスが楽しそうに遊んでいる。
    「覚えていないでしょうが あなたは幼いころ メリオダス殿に よく懐いていらした」
  • 「私が……」
    呆然と呟く『今』のエリザベスの眼前で、よちよち歩きのエリザベスを抱き止めたメリオダスの頬に、子供は無邪気なキスを落とした。
    それを見る『今』のエリザベスの頬に朱が差す。

  • 「…その直後です」「国王陛下が彼らの出現を予言されたのは」

  • ザラトラスの言葉に合わせるように、場面は王城内の謁見室に変わった。
    『過去』のザラトラスは騎士の装いに身を固め、メリオダスも軽装ながら騎士然とした姿になっている。
    その背には、長剣に仕立てた竜頭の祭器が装備されていた。鞘に隠された刃は長いままか。それとも、既に折れているのだろうか?
  • 「七人の大罪人がリオネス王国の守護者となる!!?」「まさか… そんなバカな話がありえますか!?」
    顔色を変えた第一の騎士ザラトラスの剣幕に怯んだように、玉座のバルトラ王は「見たもんは見たんじゃから 仕方なかろう!!」と言い返している。
    ◆王と相対して話を聞いている家臣は、ザラトラスとメリオダスだけです。警備の騎士は数人いるものの、ドレファスやヘンドリクセン、デンゼルらはいません。
    メリオダスがリオネスの聖騎士になって一年も経っていないはずですが、えらく急激に信頼されたものですね。
  • その時である。カツンとハイヒールの踵を鳴らして、女が歩み寄ってきたのは。
    「…ご安心召されよ バルトラ国王陛下 聖騎士長殿」「その予兆についての調査と選定ならば もうすでに済ませた」
  • 冷や汗を流すバルトラ王とザラトラス。
    「「だ… 誰?」」
    戦慄するよりない。王城内の謁見の間に慣れた様子で現れた妙齢の女。それが、全く見知らぬ者だったのだから。
  • 「王の予兆とやらは たいしたものだぞメリオダス?」「予兆なくして五人を見つけることは不可能に近かった」
    まるでバルトラの思考を予め読み・時間を超越して行動したかのごとき、異常な発言をする女。呼びかけられた少年は、当たり前のように言葉を返した。
    「つまり」「残る二人は」
  • 「無論 私とお前だ」
    どこか異種族風なシンプルで露出の高い服。大ぶりの木の杖。美しき魔女・マーリンが、まるで何十年も前から ここを支配しているかのごとき落ち着きぶりで、王や聖騎士長を無視し、『メリオダスと己だけに解る会話』を続けている。
  • 「…何者だ? どこから侵入した!?」「なんという底知れぬ魔力だ…!!」
    警備の騎士たちが、色々な意味で、手出しを躊躇って うろたえた。
  • 「で その五人は どんな奴らなんだ マーリン?」
    真顔になったメリオダスの周囲に、ズ…と湧き出た闇が蠢いた。表情は抑えていたが、昂ぶりは誤魔化しきれなかったというように。
    マーリンは答える。
    「種族 性格こそ五者五様だが 資質において 全員 遜色ない」
  • 「わかった… なら 今すぐに集めようぜ」
    打てば響くように返したメリオダスの顔が歪み、にしっと笑みがこぼれる。
    「大罪が戒めを討つ時だ…!!」

  • 『今』のエリザベスが呟く。
    「大罪が戒めを討つ…」「まさか……!!」
  • 「その通りです エリザベス様」ザラトラスが言った。
    「このときは 二人が何を言ってるのか まったく理解できなかったが 今こそわかりました」「<七つの大罪>とは――…」「魔神族<十戒>を討つために選ばれた者たちだったのです!!!」

  • またも周囲の情景がパッと消えうせる。
    何度経験しても慣れないのだろう。プゴッと鼻を鳴らして「今度はどこだ?」と焦ったようにホークが周囲を注視した。

  • 現れた情景は、賑やかな酒場。<豚の帽子>亭より、ずっと大規模だ。
    私服のメリオダスとザラトラスがテーブルに向かい合い、大ジョッキでエールを飲んでいる。
    「メリオダス殿ぉぉ キミは不思議な少年ですよね~!! いや~少年のようで少年ではない……」
    ザラトラスの顔は真っ赤で、目は殆ど開いていない。ベロベロに酔っていた。
    ただし、呑んだのは一杯だけ。息子以上に酒に弱い様子である。
    ペースを落とさず グピ グピ と呑み続けるメリオダスの方は、五つ以上の酒樽・無数の酒瓶を空にして、背後に山と積み上げている。

  • 「どんだけ呑んだの」
    見つめるホークが突っ込み、エリザベスも汗を垂らした。

  • 半分眠りながらも、ザラトラスはメリオダスの顔を覗き込んで、テンション高く まくしたてる。
    「お? 顔が赤い!! 呑んでも酔わないキミが珍し~~く酔ってるなんて!!!」
    ◆前回ザラトラスが「こう見えて 酒癖が悪いらしくてね」と言ってましたが。「酒に弱くて絡み酒」ってこと?
    しかし正直「酒癖が悪い」ってほどじゃないなと思いました。だってこの人、素面しらふの時も こんなもんじゃん(苦笑)。
  • ゴト…とジョッキを置くと、ほろ酔い加減のメリオダスは心地よさそうに微笑った。
    「三千年だぜ…?」「嬉しくて酔いもするさ…」「三千年の間 呪いを解くため待ち続けたんだ」

  • 「呪い…?」
    思いがけない文言に、戸惑う『今』のエリザベスとホーク。

  • テーブルに突っ伏して眠りかけていたザラトラスが、赤ら顔をがばっと上げて喚き散らした。
    「三千年!!?」「そんな人間いるかね!? いや 妖精族や巨人族でも いーや伝説の女神族や魔神族でも 三千年は生きられまいよ!? ね!?」


  • 「うっわ酒癖悪」
    真顔で突っ込むホーク。
    「ははは」
    ザラトラスは誤魔化すように背を向けて、空々しく笑った。
    ◆うん、あなた素面の時もそんなに変わらないですって(苦笑)。

  • 酔っ払いの進撃は続く。ザラトラスはメリオダスの隣に座り直し、彼の髪の毛を両手で しゃも しゃも しゃも しゃも と掻き回し続けた。幼い息子ギルサンダーの洗髪でもシミュレーションしているのだろうか。
    「それが本当にゃら メリオダス殿は しゅごいれす…」「だって私なら と~~~ても耐えられそうに ありましぇん!!」「自分で死ぬか 誰かに殺してもらっちゃう!!」
    酔いはいよいよ進んだらしく、呂律も怪しくなっている。
    ◆不老長生と聞いて、即座に「私なら生き続けるのは耐えられない、自殺する」と言ってしまうザラトラスは、まあ、想像力豊かで賢い人なんでしょうね。知識階級層的な ものの考え方というか。ネガティブとも取れるけど。

    ふわっとした希望だけで永遠の命を求めて生命いのちの泉を探しに来たバンは、こう考えてみると、とてもポジティブな若者だったのだなあ。
  • すると、メリオダスは こう答えたのである。微かに苦笑を漏らしながら。
    「全部試した」

  • 泥酔に近くなっていた『当時』のザラトラスは、その言葉の意味を理解できなかった。
    しかし『今』のエリザベスは胸を突かれたように顔色を変えた。「自分で死ぬか、誰かに殺してもらう」。いつも飄然と笑っていた彼が、そんなことを実行していたというのか。それも己の意思で。

  • 「でもな」
    メリオダスの言葉は続いている。
    「呪いが それを許さねえんだ」
    伏せた顔をキッと険しくした。何かに怒りを燃やすように。

  • 「どゆ意味?」
    困惑して見上げたホークの視線の先で、ザラトラスは「うーん」と顎に手を当てる。
    「死ぬことを許されないということ …なのか」
    ◆今、メリオダスは一ヵ月も「死んでる」のにね。
    彼が異常に永く生きて、もはや自殺を望むほど死にたかったのならば、このまま死なせてやるのも愛なのでは?
    …と思えちゃうので、「死んだメリオダスを蘇らせる方法を模索」という展開のただ中に、この「メリオダスは自殺を試したことがあるんです、永く生き過ぎて死に救いを求めてるんです、どうです可哀想でしょう」なエピソード入れる必要あったんかなと思いました。

    まあきっと、自殺を試してたのは「エリザベス」と死に別れてた時期で、彼女の生まれ変わりを見つけて共にいるようになったら、死にたくなくなったんですよね?

  • 酔い潰れて眠ってしまったザラトラスを置いて、メリオダスはテラスから夜空を見上げる。雲一つない星の海に巨大な満月が低く輝いているのを見やり、誰知らず呟いた。
    「…嵐が来るぞ」
    ◆また満月ですね。しかも いやにデカい。

  • その情景が流れ消えて、豪華な装飾の室内に変わる。
    キョロキョロと辺りを見回すホークとエリザベス。
    「!」「また…お城?」
  • 「よう エリザベス」
    「!!」
    名を呼ばれ、彼女はハッとして振り向いた。
  • 「メリオダス様……!?」
    騎士の軽装のメリオダスが、微笑んで、こちらに歩み寄ってくる。
    「眠れねえのか?」
  • エリザベスの目から喜びの涙が溢れ落ちた。
    「メリオダス様…」「私のことが見えるんですか…?」
  • メリオダスは歩を進める。スッと、エリザベスの脇をすり抜けた。
    「よしよしよーし!!」
    彼が見つめ、しゃがんで頭を撫でたのは『過去』のエリザベス。更に一年ほど経過したのだろうか、二歳ほどになっている彼女は、ネグリジェを着て真っ直ぐ立ち、頭でっかちなクマのぬいぐるみを抱いている。

  • ホークとザラトラスが痛ましげに見つめる先で、『今』のエリザベスは言葉もなく硬直していた。
    所詮は、過去なのだ。
    その背に、過去の自分とメリオダスの会話が聞こえてくる。

  • 「メリオダスは明日からお仕事に行っちゃうの?」
    「ああ」
    「すぐ エリーのところに戻ってくる?」
    「なんだ そんなこと心配してたのか?」
    可笑しそうに笑うメリオダス。

  • 幸せな会話を背に、振り向かないまま『今』のエリザベスは口を開く。
    「私は… 信じてます」「あなたが きっと私の前に戻ってきてくれるって」
  • 『過去』のメリオダスが答えた。
    「約束するぜ 俺はどんな場所からだって」「必ず生きて お前のもとに戻る」
    『過去』のエリザベスを見つめながら、まるで『今』のエリザベスに向けたかのように。
  • 「…っ」
    たまらず、涙を振りこぼして振り向いたエリザベスの前で、彼の後ろ姿は水のように流れて消えていく…。

  • 次に見えたのは、見慣れた<豚の帽子>亭の寝室の風景。
    ベッドの脇に寝かせたメリオダスを囲み、三人は手を繋いだまま座り込んでいた。
  • 「も…戻ってきたみてえだな」
    おろおろと辺りを見回す豚。
  • 「フウッ」
    ザラトラスは深い息を吐き、うなだれて動かない王女を気遣った。
    「エリザベス様 大丈夫ですか?」
  • 「大丈夫…」
    応えはすぐに返る。雨粒のように落ち続ける涙と共に。
    「…メリオダスは必ず戻ってくるわ」「私に約束してくれたもの!!」
    あの約束は『過去』の自分になされたもの。だが、今も続くものだと信じたい。
    『様』を付けず、あの幼き日のように彼を呼ぶと、彼女は動かない少年の顔を覗き込んだ。

  • そして。
    どこにあるのか知れぬ、夢とも現とも判らぬ異様な地。
    そこに、彼はいた。
  • 現実のメリオダスと同じ服装…サルエルパンツのみで上半身を露わにした、その体には傷一つない。エスタロッサが胸に刻んだはずの刺し傷も。
    ◆今回分の絵では、左腕の「憤怒ドラゴン」の紋様もないんですが、次回のを見たら、紋様はちゃんとありました。
  • 彼が立つのは、まるで巨大ミミズが地を食べて通った跡のような、あるいは巨大生物の腸内のような異様な洞窟だ。どこに光源があるのか暗くはなく、地や壁や天井に一律に突き出た岩は、全体を見ると螺旋の線上に並んで、筒状の洞窟の遥か奥まで渦巻いている。
  • 何者かの声が、不気味に響いた。
    「煉獄に来た感想はどうだ?」「たっぷり時間はある ゆるりと語ろうぞ メリオダスよ……」
  • 「やーなこった」
    取りつく島もなくメリオダスは返した。
  • 次回「デンジャーゾーン」

七つの大罪>結成の経緯が判明した、興味深い回でした。

しかし。

メリオダスとマーリンへの評価が変わりました。

 

 

七つの大罪>結成は、魔神族復活(新たなる聖戦)を睨んだバルトラ王の予言に依ってなされた。

それ自体は、作者さんの発言などから、以前から判っていたことです。

 

が。

実際は、バルトラ王が曖昧な予知をしただけの時点で、唐突に しゃしゃり出た正体不明のマーリンが相談なく話を進め、メンバーも既に選んでおり、目の前の王やザラトラスは無視して、メリオダスと二人だけ自分たちだけに解る会話をして、一方的に結成や目的を決めていたのでした。

なんだこれ!?(大汗)

 

メリオダスが<十戒>討伐の期待を<大罪>に寄せていたのは、前々から語られていました。

また、<大罪>の仲間を自分の目的のため利用していることも(これはリオネス王国も同罪)、実際はリオネス王国をはじめとした人間の王国の平和になんて さして関心がないらしいことも、今までのエピソードから感じていましたよ、確かに。

 

それでも。

表向きであろうと、バルトラ王に友人・仲間として敬意は払っている、強い信頼関係を結んでるんだと思ってたのに…。(『エジンバラ~』で、バルトラ王のこと「友だち」だとエリザベスに言ってたし。)

 

マーリンと二人だけの時に、「戒めを倒す」云々と秘密の会話で盛り上がるのはいいんですよ。

けど、目の前にバルトラ王らがいる、謁見の間です。

そこに呼ばれもせず勝手に入って、二人だけに解る会話で盛り上がって、勝手に話を決めて、一切の説明をしない。

 

つまり、メリオダスもマーリンも、バルトラ王を(とゆーか、彼ら以外の存在全てを?)、対等の存在とは見なしていない。

気を遣わなきゃいけないと思ってない。情報を共有しようとも思ってない、相談する価値なんてない。信頼を結ぶ必要も感じてない。

悪意は持っていないんでしょう。でも、それだけです。

事実上、路傍の石くらいに軽んじてる。

 

非常にショックでした。

彼らが、ここまで「心無い」存在だったとは。

自称「心が無い」ゴウセルと変わらない。いや、一見して感情豊かに見える分、いっそうタチが悪いです。

魔神(或いは女神?)だから、なのでしょうか。

 

作者さんは、この傍若無人をカッコイイと定義してる?

私はカッコ悪いと思いました。

 

 

そしてまた、大いに疑問を感じました。

王やザラトラスは、目の前でこうも堂々と思わせぶりな会話を交わす、この正体不明の連中に、どうして唯々諾々と従ったんですか?

千里眼ビジョンの力で彼らに従うべきだと思ったから、みたいなご都合ですか?

 

それとも、ザラトラスは知らなかったけど、この後で王にだけは、核心に近い事情を説明していたのでしょうか。だったらいいなあ。

 

もしも、「メリオダスやマーリンは怪しいけれど、人外の力を持っていてスゴイから」事情を問い質すことなく従ったというのならば、<十戒>に従って聖騎士狩りをしている人々と、どう違うというのでしょうか。

いや。聖騎士狩りをしている人々の方が、まだしも、現実を理解して もの を考えている気さえします。

 

第二部に入ってから、仲間キャラたちが、説明をせず明らかに失敗のスタンドプレイを繰り返すメリオダスに何ら疑問を持たず、妙に崇め、金魚の糞みたいに付いて回るだけになっていたのが、気持ち悪かった。

その状態がやっと解除されたと思ったら、今度は「過去からそうでした」と。

 

 

この印象の悪さをもたらしたのは、描き方の、ほんの匙加減だと思う。

バルトラ王が<七つの大罪>結成を決断してメリオダスにスカウトを任せた「後」でマーリンが出てきて色々語る、「王のいない場所で」二人で秘密の会話をしてるのをザラトラスが垣間見る、みたいな順番じゃいけなかったんでしょうか?

なんでこんな、インスタントに済ませて心を軽視した、気持ち悪い展開を選んだのか。 

話が早いのが この漫画の長所ですが、こういう早回しは宜しくないですよ。…という個人的感想でした。

 

 

 

あと、疑問が新たに湧きました。

<大罪>メンバーを選定したのがマーリンで、種族・性格・素養に至るまで「全て、最初から」把握できるくらい「調査してた」っていうんなら、居場所も当然判ってるはずですよね。

ならば、ディアンヌをスカウトした時のメリオダスは、どうして直接メガドーザに行かなかったのですか?

ディアンヌ捜索時の言動見るに、結局一度も行ってないし、場所すら知りませんでした。

 

メリオダスが「草原」という曖昧な場所で「人探し」してたのは、てっきり、バルトラ王の曖昧な予言に従って<大罪>メンバーを探していたからだと思ってたのに。

 

「最初から」メンバーの何もかも判ってたなら、なんでそんな非効率な行動してたのか。意味が解らなくなりました。

 

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もう一つ、ショックだったこと。

 

メリオダスが「大罪が戒めを討つ時だ…!!」と、実に嬉しそうに笑いました。

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その後で祝杯をあげた時も、うっとり・しみじみと嬉しそうでした。

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<十戒>はメリオダスの仲間で、友達で、兄弟です。

なのに、カケラも 悲しそうだったり辛そうだったりな表情は見せず、ただ嬉しげに笑うのですね。

 

ズシッときたくらいショックでした。

 

第一部で、メリオダスは優しすぎるから ちゃんとした剣を持たないだの、どんなクソみたいな奴でも殺さないだの言われていました。

赤の他人なら どんな悪人だろうと殺さないのに、血の繋がった兄弟や、付き合いの深い友人は、笑って殺すんですか?

 

しかも、その理由が「自分に掛けられた呪いを解くため」。

いや、別にいいんだけどね…。

 

今まで、メリオダスが<十戒>と戦うのは、エリザベスを守るためなんだと思い込んでいました。彼女への愛のために、苦しいけれど身内と戦うことを決断したのだとばかり。

でも、そうじゃなかった。

自分が楽になるために殺そうとしてたのか…。そうか…。

いやウン、普通の動機よね。

 

メリオダスに裏切られて、捨てられて、3000年も封印された挙句、彼の呪いを解くために殺されるなんて、<十戒>も散々ですね。

  

エジンバラ~』で「なぁゼルドリス お前は封印の眠りの中で恨んでいるんだろうな できそこないの兄貴オレを……」と哀しげな表情を浮かべていたように見えたのは何だったのか。

<十戒>復活後、ガランを殺せるチャンスがあったのにそうせず、警告で済ませていたのは何だったのか。

ドロールとグロキシニアと本当は戦いたくない、当たり前だろと言っていたのは何だったのか。

 

これまで描かれてきたことが、今回の笑顔で、ぶち壊されちゃいましたね。あらあら。

 

メリオダスは かつての仲間への情を捨てられない、優しくて人間味のある「当たり前の」男だと、好ましく思っていました。

しかし実際は、自分の都合で仲間や兄弟を殺す、そうできることを笑って喜ぶ、「心無い」男でした。

ああ…。

 

 

これはアレですか。

<十戒>全員殺して、魔神王も殺して、全ての戒禁の呪いを解いた後で<十戒>だけ生き返らせる、その準備があるッ! 戒禁の解けた<十戒>は、いい奴に変貌して味方になるぞ! みたいなウルトラCなオチでも用意されてるのかしらん。(ないわ~)

 

 

世の中色々あるけども。

肉親や友達を殺すのを、嬉しそうにニヤリ笑って喜ぶ人って、個人的には好きになれない。

せめて、心苦しそうな顔をしてほしかったです。

(穿って考えれば、祝杯あげて酔ってたのが複雑な心情の表れだった、と妄想できなくもないけど…。やっぱ、どう見ても「嬉しそう」なんですよねえ。悲しいです。)

 

 

つーか。

七つの大罪>がピンポイントに<十戒>を討つ目的で結成された団で、メリオダスがそれを祝杯あげるほど喜んでたっていうんなら。

第一部で、常闇の棺の欠片(刃折れの剣)を、それを取ろうとしたバンを傷つけるくらいガチで守って、何がなんでも絶対に封印は解かせない、「それが オレにできる唯一の償いなんだ!!!」とキメ顔で言ってたのは、何だったのよ(苦笑)。

封印解かなきゃ<十戒>は復活しないから、討てないですよ?

 

なんかもー、変な笑いが出るしかないくらい、話の辻褄が合ってない。

今後、どうフォローするのかにゃー。

 

 

 

疑問は どんどん湧いてきます。

 

<十戒>を討つ目的で作った団なら、どうして<大罪>の仲間に、戦い始めてすら<十戒>の情報を与えないの? 秘密にしなきゃならない理由あるのか?

 

ザラトラスには呑みの席で「死ねない呪い解くため討ちたい」と簡単に話したのに、キングには、差し迫った状況下で真面目に問い詰められてさえ「言っても信じない」と頑なに口を閉ざすのは何で? 何の利があるの??

 

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茶番の話。

 

 

メリオダスには死ぬことが許されない呪いがかかっている。

 

つまり、<十戒>に彼がリンチされて殺されたとき、あれだけ流されたギルサンダーやエリザベスの涙は、半分くらいは無意味。

エレインを犠牲にしてまでメリオダス救出に向かったバンの覚悟は、ぜんぶ無意味。

 

メリオダス自身は(場合によっては<十戒>たちも?)、最初から知っていたんですね。

自分は殺されても いずれ生き返る。無限コンティニュー出来ると。

 

ふーん。

だから、リベンジカウンターみたいな危険な技も使えたし、死地への突入も恐れなかったわけですか。死に対する重みが違うのね。そうかそうか。

 

 

メリオダスは不死の呪いをかけられてるんじゃないか、バンと同じく死ねない存在なんじゃないかとは、以前から考察してました。けど、外れたかなと思ってました。

だって「メリオダスが殺されてしまう! 助けることができず仲間たちは苦しむ!」「ああっ、ついに死んでしまった」という展開を、長々とドラマチックにやったから。

 

まさか、その全てを「茶番」にしてしまうとは。

 

 

いや。

多分エレインは死んでないし、死んでても生き返るだろーけどさ。(こちらも無限コンティニューしそう。)

これで永遠に彼女が失われてたりしたら、バンは怒っていいと思うよ?

 

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マーリンのこと。

 

いかにも異種族風(もしくは、ドルイド風?)な服装で、メリオダスの過去の何もかも承知してますよ・昔からの腹心ですよ という態で現れたマーリンさん。

 

彼女はメリオダスと最も付き合いが長いという話でしたが、<十戒>時代のゴウセルより長いということだったんでしょうか。

となると、メリオダスが<十戒>入りする以前の、ほんの子供の頃からの知り合いってこと?

3000歳以上で聖戦も経験してるんですか?

 

そうなら、どうして<十戒>の闘級を把握できておらず、ガランの戒禁にかかってしまったんでしょう。

どうしてガランはマーリンの顔や名前に心当たりがない様子だったんでしょうか。

 

…もしも、マーリンが戒禁にかかったのも、その時メリオダスが「マーリン! だめだ… ガランには…」と叫んだのも、ぜーんぶ お芝居・茶番でした、みたいなことを言いだしたら。ヤですね。

 

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エリザベスの成長のこと

 

これまで発表されてきた設定を参照するなら、メリオダスが<大罪>のスカウトを始めたのは16年前。ダナフォール滅亡の同年です。

 

なのに、まだ<大罪>結成の話が出てなかった時点のエリザベスが、もう、メリオダスに駆け寄ってる風に描かれてます(汗)。(よちよち歩きで よろめいてるだけかもだけど。)

え、生後一年未満で走れるの?

上にも書きましたが、髪の伸びる速度もすごく早い。

 

いやいや。赤ちゃんの成長は かなり個人差がある。

<大罪>結成のため動き始めたのは、リオネスに保護されて一年近く経った頃だった。そしてエリザベスは成長が早い方だった。一年が終わるギリギリの一、二ヵ月で、ディアンヌやバンまでスカウトを済ませた。

…と思えば、なんとか辻褄は合うのか。

 

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エリザベスの記憶のこと

 

なんと、メリオダスは元々エリザベス付きの騎士で、幼い頃は いつも一緒にいて、エリザベスは彼によく懐いていたのだという。

今回、2歳くらいのエリザベスが「メリオダスは明日からお仕事に行っちゃうの? すぐ エリーのところに戻ってくる?」と流暢に彼に話しかける場面もありました。

 

ええ?

じゃあ『エジンバラの吸血鬼』で、4歳のエリザベスに、メリオダスが完全に「初対面」の応対で話しかけてたのは、何だったの??

 

エジンバラ~』を読んだ時は、てっきり、大罪人だからエリザベスの傍に大っぴらに近寄れず、赤ん坊の頃からずっと遠ざけられていて、彼女が物心ついて以来、ここで初めて会ったのかと思っていました。

 

けれど今回、メリオダスもマーリンも、リオネス王国(人間の国)の法で裁かれていなかったと判明しました。過去に後ろ暗いことがあったとしてもリオネス王国では無罪。なんちゃって大罪人だったわけです。

そして王も聖騎士長も、メリオダスに敬意を払っていて好意的。

更に、メリオダスは「エリザベス付きの騎士」という立場も持っていたと判明。

 

なんということでしょう。メリオダスがエリザベスから遠ざけられる理由が、一つもないじゃないですか。

なのにどうして、2歳ぐらいまではメリオダスに懐いていたエリザベスが、4歳には『初対面』に退化していたの??

 

<大罪>離散時、6歳のエリザベスはメリオダスを逃がそうとして大怪我を負ったらしく、そのせいで<大罪>との記憶を失ってるっぽいですが。

まさか、2歳から4歳の間にも、メリオダスとの記憶を失うような事件に遭ってたんでしょうか。(^^;)

 

つーか。

幾ら幼い時分だからって、記憶失い過ぎでしょー、エリザベスちゃん。

 

 

 

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