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『七つの大罪』ぼちぼち感想

漫画『七つの大罪』(著:鈴木央)の感想と考察。だいたい的外れ。ネタバレ基本。

【感想】『七つの大罪』第180話 さまよえる騎士

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週刊少年マガジン 2016年30号[2016年6月22日発売] [雑誌]

第180話 さまよえる騎士

  • 霧の中に佇む、とんがり帽子の酒場<豚の帽子>亭。
    賑わう店内では、酔っ払いたちが噂話に余念がない。
    「そういや聞いたか? “さまよう銀の騎士”の噂………!!」
    「ギンギラの鎧を着こんだ… 最近 出没するっていうユーレイ騎士だろ?」
  • テーブルを回って空のジョッキを回収しているのは看板豚のホーク。新しい料理や酒を運ぶのはエリザベスの仕事である。
    「三番テーブルのお客様!!」「「アップルっぽいパイ」お待たせしました!!」
    小走りに料理を運ぶ少女の姿に、豚は感嘆の鼻息を落とす。
    「エリザベスちゃん…」「すっかり たくましくなったな…」
    一年弱ほど前、ウェイトレスを始めたばかりの頃は、注文を取れば間違え、料理を運べば落とすか転ぶ有様だったのに。
  • 「キャーーッ!!」
    と思ったら派手に転んだ。パンツは見え、料理は皿から飛んで客の顔面にジャストミート! である。
  • 「俺たちなら大丈夫!」
    「そうそう 気にせず がんばれ!!」
    酔っ払いたちは自分で顔を拭いて機嫌よく許してくれた。
    ((かわいいから許す))
  • 「ハイッ!! 頑張ります!!」
    微妙に引きつりながらも、明るく笑ってガッツポーズを返すエリザべス。以前なら半泣きで平謝りして自分の至らなさに落ち込むまでがセットだったろうに。
    「本当にたくましくなった……」
    少し違う意味でも感心するホークであった。
  • そこでプゴッと鼻を動かす。流れてきた匂いの方に顔を向けて呼びかけた。
    「よお! 目が覚めたか?」
  • 「!」
    階段から見ていたゴルギウスは大いに焦る。
    (こ…)(こいつらは)(エリザベス王女!!!)(…と お喋り豚さん)
  • 「すっかり良くなったみたいね」
    微笑んだ王女に「だな」と返す豚を見ながら、ゴルギウスは思考を巡らせていた。
    (ということは あの男も…!!)
  • 数ヶ月前、<不気味な牙ウイアード・ファング>の管理下にあったバステ監獄を<七つの大罪>が襲撃した際、ゴルギウスは彼女らと戦っている。襲撃は予想されたもので、それに先立って<大罪>を潰し刃折れの剣とやらを奪うため、娘を誘拐してダルマリーの医師を脅すなど、幾つかの謀略を仕掛けたものだ。全て、あの男の異常な力の前に無為に終わってしまったが。
  • そう、<七つの大罪>団長メリオダス。エリザベス王女とお喋り豚がいるなら、あの男も近くにいるはずではないか。
    恐怖で湧いたつばを、ゴクリとゴルギウスは呑み込んだ。
  • が。豚は別の意味に捉えたらしい。物欲しさで つばを呑んだのだと。
    プゴッと鼻を鳴らして王女を庇うように前に出、禁止! と言わんばかりに両手ならぬ両耳をビチッと打ち合わせた。
    「コラ!! やらしい目でエリザベスちゃんを見てんじゃねぇ!」「この新衣装はなァ メリオダスのメリオダスによるメリオダスの(満足の)ために作ったもんなんだぜ!!!」
    王女は困り顔で微笑んでいる。
    ◆エリザベスの新ウェイトレス衣装。「メリオダスの(略)ために作ったもの」だそうですが。
    f:id:ikanimo:20160625211643p:plain彼の死後に、好みを予想してエリザベスらが作ったんでしょうか?
    いやいや。単行本21巻お便りコーナーのコメントで、メリオダスが「次のコスチュームは また俺が考えるから楽しみにしてろよ?」と言っていたので、生前に彼が用意していた、またはデザインを完成させていたのかもしれません。

    もしメリオダスのデザインなのだとしたら、へそ出しは諦めても、首元の大きなリボン・ミニスカ・片足ニーソは譲れないんですね(笑)。

    個人的には、両脇のハミ肉が見えてるのがイイです。(いつもの変態発言)
  • やはり、いるのだ。あの男は。
    (正体が割れる前に退散せねば)
    ゴルギウスは階段を降りていった。逃げ道は確保せねばならない。
    (まずは話をそらして…)
    人の好さげな笑顔を作って、へこへこと頭を下げる。
    「いえ… その… 助けていただき感謝してます」「と… ところで こんな森で何を…?」
  • 「商売に決まってんだろが!」
    馬鹿なことを聞くなとばかりに豚が怒鳴った。王女の方は穏やかに説明する。
    「この<豚の帽子>亭は移動酒場なんです」
  • 「酒場…」
    それは見れば解ったが。慣れない笑顔がひきつる。
    「こんな状況下で よくできますね」
  • 「どんな状況だろうと ハラは減るし 酒も飲みてえだろ?」と豚。
    「そーだそーだ豚さんの言う通りだ!!」と酔っ払いたちが笑った。
    「魔神族の顔色を うかがって生きるなんて御免だぜ!」
    「…と言って 何ができるわけじゃあねえけどよ」
    「俺たちにとって酒場ここは まさに天国なわけさ」
    「な?」
  • 「・・・」
    ゴルギウスは何も言わなかったが、束の間 作り笑いは消え、目には冷えた色が沈んでいた。
    ◆深刻な現実に何ができるわけでもない、けれど酒場は天国だと。
    それは 明日への活力を与える救いなのか。愚かな現実逃避か。


  • 「今度はオラたちの村にも来てくれよなーーーーーー!」
    やがて客らは帰っていき、エリザベスとホークは店の外まで出て見送った。
    「それまで死ぬなよ 豚野郎どもーー!!」
    手を振る客らに応えてエリザベスも手を振り、ホークは掲げた片耳を振っている。
  • その傍らから、作り笑いのゴルギウスは「じゃ… じゃあ 私もこのへんで おいとまさせていただ―――…」と、逃げ出そうとした。
    るん
    彼の腹から鳴り響いた、大きすぎる虫の声が台無しにしてしまったが。

  • 再び店内に誘われたゴルギウスの前に、なみなみと熱いスープが注がれた皿が置かれた。
    「どうぞ!! 私が作った自慢の特製スープです」
    「い… いただきます…」
    なんとも きまり悪げにスープを口に運ぶゴルギウス。傍らに立ったエリザベスは慈愛の笑みで見守っている。
  • 「げろばっ!!」
    次の瞬間、ゴルギウスは奇声をあげてスープを吐き出していた。
  • 「エリザベスちゃんは メリオダスとは また違った意味で ベタな まずさを作る天性の持ち主なんだぜ!!」「塩と砂糖をまちがえる的な」
    真顔で解説する豚。こうなることは判っていたようである。
  • 対してエリザベスは、本気でショックを受けていた。自覚がなかったらしい。
    「あの… 無理せず残してください」
    青ざめた微笑みで訴える。
  • 「い… いえ 大丈夫 まずいとわかれば食べられないことはないまずさです」
    複雑な顔をしながらも、ゴルギウスは残りのスープを平らげ始めた。
  • 「失礼だな てめえ」
    自ら「まずい」と太鼓判を押したくせに軽く非難して、豚はテーブルに吐かれたスープをペロペロと舐め取っている。あのメリオダスの料理すら食べてきた残飯処理のプロだ。この程度の不味さなど屁でもない。
    そして、何気ない様子で話しかけてきた。
    「ところでよ ゴルギウス」
    彼の口から再びスープが噴射され、豚の顔をびちょびちょに濡らした。
  • 「人の顔面に何すんじゃーー!!!」
    怒りながらも、舌をシビビビビッと回して自らの顔面の汚れを高速で舐め取る豚である。
  • ゴルギウスは椅子を蹴って立ち上がり、バックステップで距離を取った。
    「私に気付いていたのですか!?」
    「一度嗅いだ奴のニオイは忘れねえ」「フ…」とドヤる豚。
    「知ってたら なぜ助けた!?」「私は<不気味な牙ウィアード・ファング>として あなたたちと戦った敵ですよ!?」
    王女を睨み、腰の大剣の柄に手を添える。どこからメリオダスが出てくるともしれない。何のつもりで未だ姿を見せないのかは分からないが、油断は禁物だ。
  • 豚が慌てて割り込んで王女を背に庇ったが、構わず冷たく皮肉を言った。
    「よもや敵でも苦しむ人間は見過ごせないなどと甘い戯れ言は申しますまいな?」
  • エリザベスは無言だ。眉一つ動かさずゴルギウスを見返してくる。
  • (一体 目的は なんだ…)
    眉をひそめてうかがうゴルギウス。
  • 僅かな沈黙の後、王女の顔を見上げた豚が男に告げた。
    「図星みたい」
    お盆トレイで顔を隠して もじもじと し始めるエリザベス。ゴルギウスはずっこけた。
  • 恥ずかしそうにはしても、「甘い戯れ言」と言われたことは、彼女には いささか不本意だったらしい。
    「メリオダス様だって きっと同じことをしたと思います…」
    そう訴えてくる。
  • 「?」
    まるで あの男が ここにいないかのような物言いだ。違和感を覚えはしたが、追及するのも馬鹿らしくなって「フン…」とゴルギウスは鼻を鳴らした。
    こんな世の中である。何が起きていたって不思議ではないではないか。
  • それよりも、だ。
    敵でも放っておけない?  あの男が同じことをする?
    多かれ少なかれ聖騎士は血に汚れている。騎士の訓辞はあくまで理想だ。戦場に、そもそも人生に道理などないのだから。そんなことも知らぬげな お綺麗な主張に苛立たされ、今にも抜いてやろうかと、剣を握る手に力がこもる。
  • どうにか この場をしのいで穏便に逃げ出そうと、先程までは考えていた。だが、考えてみれば逃げたところで どうなるというのか。
    愛されていなければ強くあれず、強くなければ優しくなどできない。そして、優しさを享受できる者は元より限られている。まして、今のこの荒みきった世界では。
    「どうせ生きていたところで待っているのは別の結末バッドエンド…」「もはや我々にできることは何もない…!!」
    誇りも居場所も仲間も失われた。愛してくれる者はなく、魔神に敵う力もない。行くべき地も守るべきものも、一つも持っていないというのに。
  • 王女は微笑みを浮かべた。
    「生きてさえいれば 誰かのために戦い守ることも」「苦しみや悲しみを共に分かちあうこともできるわ…」
    そう、生きてさえいれば。
    日の射す泉に陰影が揺らめいているように、その瞳は澄んだ哀しみに翳っている。
  • 「…フ」
    ニコリともせず、ゴルギウスは冷たく鼻を鳴らした。暗い茂みの下にわだかまる毒蛇のように。
    「まるで話に なりません」「私とあなた方では考えが全く違う…」
    それでも、剣の柄から手を離す。
    「…食事は まずかったが感謝します」
    背を向けると、外へ向かう扉を開けた。
    「では さようなら あなた方とは二度と会うことはないでしょうね」
  • 振り向かず立ち去る男を、エリザベスとホークも黙って見送っている。

  • いっそう濃さを増した霧の中を、ゴルギウスは独り さまよい歩いて行った。
    「やれやれ」
    白くかすむ空を見上げて落とした ぼやきは、やりきれなさを含んでいる。
    「暗闇で生きてきた私には眩しすぎますよ」
    生きられる場所が違う者がいるということを、きっと、あの善良な王女は理解しないに違いない。


  • 客足は途絶え、<豚の帽子>亭は静まり返っている。
    二階の主寝室に上がると、エリザベスはドアに背を預けて口を開いた。
    「さっきまで お店にゴルギウスさんがいたんですよ!」「ひとりぼっちで辛そうでした…」「他のお客さんも みんな不安で …けど 必死に耐えてるんです」
    話し相手はベッドに横たわっている。
    「…だから お願い 目を開けて」「みんなが待ってるの」
    応えはない。
    エリザベスは、ベッドに歩み寄って彼を覗き込んだ。
    「メリオダス様 あなたのことを――――…」
    そこには少年が眠っている。
    一ヵ月前から変わらず穏やかに目をつむる彼の胸や腹には七つの傷跡。その頭を抱きしめると、エリザベスは頬を擦り付けて涙をこぼした。
    「誰よりこの私が……」「あなたがいない世界で生きていくのは… 耐えられない」
    ◆一ヵ月ずっと、この状態のメリオダスと一緒に寝てたんでしょうか。
    リオネス王都で研究されていた赤・灰の魔神らの死体は、20~3000年を経ても腐らず、血も固まっていませんでした。つまり、妖精族と同様に魔神族の死体も腐らない?
    (そもそもメリオダスは死んでなくて、仮死状態なのかもですが。)

    作者さんって、もしかして死体愛好者ネクロフィリアの嗜好がおありか。いや、腐らず硬直せず永遠に美しい死体なのだから人形性愛者ペディオフィリアと解すべきか。
    バンも、腐らないエレインの死体を抱いて愛を語っていましたっけ。死亡時の傷が何故か塞がった「綺麗な死体」で、しかも「裸」ってのも同じ。意図があって似せてるのかしらん。
    綺麗な死体を抱いてエロティックに愛を囁くのは萌えますか? 

    それにしたって、バンはエレインの死体を遠くに安置して数年に一度逢いに行くのでガマンしてたから、まだ健康的でしたが、エリザベスは自分の寝室に置いて、毎日 同じベッドに寝てた? んですね。

    ごめんなさい、正直、ロマンチックを通り越して気持ち悪い。とゆーのが初読時の感想でした。美しい愛と捉えなきゃなんだけど、『雨月物語』の青頭巾ばりに病的な依存・妄執に見えてしまう。

    おお…。どうか「実は死んでなくて仮死状態」とか「魔神族の目から仮死状態のメリオダスを守ってました」みたいなオチでありますよーに。
    ギリシアのエンディミオン神話みたいな、「限りなく死に近いけれど仮死の眠り」ってことなら、同じベッドに寝てても気持ち悪くないから。

    どうか、葬る踏ん切りをつけられずメソメソ死体と暮らして、メリオダスさえ生き返れば全部解決してくれるからと、平和な頃の酒場経営をなぞりながら現実逃避してました、みたいな情けない状況じゃありませんように。

    (この時代は、遺体を地下墓地に安置する形式がアリなんで、火葬や土葬をしない・復活の目を残した葬儀エピソードだって出来たはずなのになあ。)


    つーか。
    色々なことが解決して将来二人が結ばれたとしても、いつかは死に別れる時が必ず来るはずです。その時も、エリザベスはメリオダスを葬ってやらず、ずっと手元に抱え込んでるのでしょうか?

  • 階下の酒場では、ホークが床に飛び散った残飯を舐め尽くし、ピカピカに磨き上げていた。
    「…よし」「舐め残しなーし!! 完璧な仕上がり!!」
    なんと、石畳に顔が映るほどピカピカだ。
    フフフ…と笑って「俺スゲェ」と己を讃える。
  • 「ん?」その鼻が、嗅ぎ慣れぬ臭いを捉えた。
    「なんだ この鉄くせぇニオイは?」「!!」
    続いて響いた、ガシャ、という重い音に、ぴょこんと片耳を跳ね上げる。
    「よ… 鎧の足音…?」
  • 深い霧の中、迷う様子もなく<豚の帽子>亭に近づいてくる鉄の足音。騎士だろうか。だが、ゴルギウスの臭いではない。
    「ま… まさか これは客の連中が話をしていた―――…」
    ぞぞぞと総毛立ったホークの脳裏に、今日の客たちの噂話がよぎった。

    『そういや聞いたか? “さまよう銀の騎士”の噂………!!』
    『ギンギラの鎧を着こんだ… 最近 出没するっていうユーレイ騎士だろ?』

    そこで、ふと我に返る。
    「あり? なんだろう このデジャブは…」「前にも似たよーなことが あったよーな…」
  • 酒場の扉が開き、カランカランと豚の形のドアベルが鳴った。コフー、コフーと、くぐもった呼吸音を落としつつ大柄なフルアーマーの騎士が入ってくる。一年弱ほど前、『さまよう錆の騎士エリザベス』が現れた時のように。
  • 「ここが…」「<豚の帽子>亭……?」
    発された声も兜の中でくぐもり、静かな店内に不気味に響いた。
    二本の大角が立った兜。腰に大剣を装備し、背にはリオネス王国の紋章が描かれた盾を負っている。
  • 鼻水垂らして硬直していたホークが叫んだ。
    「で… でたぁぁあぁ~~~~っ!!!」「ユーレイ騎士だーーーーーーーーーーっ!!!」
  • 豚のアタマには記憶されていなかったらしい。彼は、一ヵ月前にバイゼルから共に脱出した、大喧嘩祭り参加者の一人だったのだが。
    聖騎士シルバー。その際は、そう名乗っていた。
  • 「ホークちゃん!? 大声を出して何かあったの!?」
    エリザベスが階段を降りてきた。銀の甲冑の騎士を見て「お客さん?」と尋ねる。
  • 「!」「…おお」
    感嘆の声をあげるや、シルバーは親しげに話し始めた。
    「エリザベス様 … 立派に成長されましたね」「バイゼルで お見かけしたときは まさか あなたとは思わず声をかけられなかった」
  • ホークは恐怖で失禁していた。折角ピカピカにした床が台無しだ。
    ◆今度は舐めて掃除しないでね…。
  • 戸惑うエリザベスの前で、シルバーは大角兜を脱ぐ。
    「最後にお会いしたのは もう10年以上前になりますからね…」
    兜の中から、長く豊かな銀髪がバサッと落ちた。
  • 「そ… そんな あなたは…」
    その銀髪、優しいまなざしには見覚えがある。
    「聖騎士長ザラトラス様!!!」
    10年前に謀殺された前聖騎士長が、当時の若さのままで微笑っていた。
  • 次回「聖騎士長ザラトラス」

一挙二話掲載の二話目です。

 

 

久々の<豚の帽子>亭。

………って。長くない!?

すんげー尖ってる! 長細い! 気がするんですが。

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改築……? ――ハッ。成長!?(おいおい)

この<豚の帽子>亭なら、ホークママの武器になりそう。頭突きして魔神を刺すッ! でも酒場が壊れるから最終最後の武器なのだ。

 

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言わずもがなですが。

前回・今回の<豚の帽子>亭でのエピソードは、連載第一回目の内容の踏襲が満載でしたね。懐かしくて面白かったです。

 

まずは、大ジョッキ五つを どかっ と客に出すところから始まって

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客が「ユーレイ騎士」の噂をし

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後は、

・追われて迷い込んできた珍客に料理をふるまうが、あまりの不味さに吹く(でも感謝して食べる)

・噂の「ユーレイ騎士」が来店して、「で… でたぁぁあぁ~~~~っ!!!」と悲鳴

などなど。

 

この仕掛け、まさに「初心にかえる」?

 

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聖騎士シルバーがザラトラスだった件

 

前々からの予想が当たっていたので、ちょっと嬉しかったです。

 

 

でも、なんで生き返ったんでしょうか?

前にも書きましたが「元々死んでいなかった」というセンはないと思います。当時<大罪>も死体を確認してるので。

 

考えられる可能性としては

A.デンゼルに「死者使役」的な魔力がある

B.ドルイド族か女神族の秘術

C.メラスキュラの「怨反魂おんはんごんの法」で蘇っていた

あたりでしょうか。

 

Aだと、魂だけの復活ならまだしも、今回のように肉体を伴っては難しそうです。ザラトラスは人間で、10年も前にズタズタにされて死んだ肉体は残ってなさそう(腐って消えているはず)ですから。

 

Cの場合、遺体の欠片さえ残っていれば復活時に再生するようなので、昔に死んだ人間でも肉体を伴っての復活が可能ですね。

ただし、怨反魂の法で蘇った死者は、生前より戦闘力が高まる半面、怒りや未練が増幅されて狂暴になる・それが鎮まれば死体に戻る、というリスクがあるのが気になるところです。

今回のザラトラス見るに、穏やかなものですよね。

(ホラー映画だったら、死んだザラトラスが霧の中を訪ねてきてエリザベスちゃんを襲うトコロなのに 笑)

 

尤も、同じく怨反魂の法で蘇ったエレインが、適当な理屈で普通の精神状態に戻って死体に戻らなかったんですから、ザラトラスにも そんなご都合が発揮されないとは言えません。

 

あと、メラスキュラの怨反魂の法で蘇った死者は、盗賊都市~妖精王の森辺り、即ちブリタニア北部に遺体があった者のはずです。

もしザラトラスがメラスキュラの術で蘇った死者なら、彼はリオネス王都近辺ではなく、何故か王都から遠く離れたブリタニア北部に葬られていた、ということになってしまいます。

ちょっと不自然かもですね。

 

 

それはさておいて。

もしザラトラスがメラスキュラの術で蘇った死者なら、つまりメラスキュラは死んでないってことに。

そうなれば、エレインも死体に戻ってない、ということになるでしょう…か?

 

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いつにも増して、グダグダな話

 

 

第177話の感想に、以下のように書きました。

 

>ちょっと心配なのは「メリオダス復活の方法を探して旅や修行をする」みたいな、それだけにかまける、それを中心にした展開になりはしないか、ってこと。

>メリオダスさえ生き返れば、魔神に支配されたブリタニアも救われるはずだ、みたいな理屈で。


>もしそんなことになったら、いよいよダメダメですよね、仲間キャラ達。

>その前に自分で何とかしないと。(真に力なき人々とは違って、彼らには出来るはずだし、出来なければこの先はないとも思っているので、こう書きます。)

>だって、メリオダス一人に頼り過ぎた結果が、コレだったんじゃないですか。


>個人的に、エリザベスがどうなっているかに注目しています。

>三千年前の、非情の魔神メリオダスすらその心の強さで感服させた「エリザベス」ならまだしも、たった16歳の「エリザベス・リオネス」にそれを望むのは酷でしょう。けれど、メリオダスの死? に囚われすぎず、人々のために戦っていてほしいなーと。

 

 

皆さんはどう思いましたか?

今回のエリザベス、人々のために戦っていると思えました?

 

私は、かなり ぐるぐるしました。

 

魔神に支配された過酷な世界で酒場を開き、人々に癒やしを提供する。

それも意義のあることです。

また、店ではメリオダスの死?の悲しみを見せず、明るく笑って接客していたのも立派でした。

何より「エリザベス・リオネス」はたった16歳の女の子なんだから、これで十分じゃないか、これ以上望むのは酷じゃないか、とも。

 

それでも ぐるぐるしたのは、

酒場で人々に癒やしを提供するのは、エリザベスじゃなくてもできることだ、と思ったからです。

特別な力と立場を持つエリザベスにしかできないことが、他に色々あるはずなのにな、と。

 

また、メリオダスの死体? への彼女の言葉にも、強く引っかかってしまいました。

「他のお客さんも みんな不安で …けど 必死に耐えてるんです」「…だから お願い 目を開けて」「みんなが待ってるの」「メリオダス様 あなたのことを――――…」

これ、「メリオダスさえ生き返れば、魔神に支配されたブリタニアも救われる」って言ってますよね?

 

あーあ…。この期に及んでさえ依存。

最強主人公・メリオダスを頂点に掲げた漫画である以上、当然なのでしょうが。

案の定でした。残念です。

 

つーか。

メリオダスは魔神(兄弟)にリンチされて殺されたのに。

それでも「生き返って魔神と戦って世界を救ってください」って思えるんですね。

エリザベスはメリオダスの戦友でも信者でもなく、恋人の立場のはず。なのに、また殺されたらどうしようとか、彼に苦痛を強いたくないとか、そういうことは思わないの?

 

もはや神を崇めるレベルで、メリオダスを絶対視してる。よーに見える。

メリオダスさえいれば。メリオダスさえ生き返れば。メリオダスさえ戦ってくれれば。

世界中の人がみーんな幸せになって、悪いことはみーんな解決するんだ、って。

彼は一人で抱え込んで、一人で戦って、挙句リンチされて殺されたのに?

 

 

 

第一部のメリオダスは言っていました。

人は死ぬが、その「想い」は守る者がいる限り死なない。だから自分は「想い」を守り続ける、どれほど血を流そうと涙が涸れようとも。

たとえエリザベスが死んでも、王国と人々を守りたいという、その「想い」を守るために、自分は戦い抜くと。

 

彼が守り抜こうと決めた「想い」とは、元々は、3000年前に死んだ「エリザベス」のものだったんじゃないかと思えます。

「エリザベス」は、魔神族や女神族らが和合した、平和な世界を作りたかったんじゃないでしょうか。

 

私は、メリオダス自身は「世界を平和にしたい、全ての人々を守りたい」みたいな博愛思想は持ってなかった、今も持っていないと思っています。

けれど「エリザベス」が望んでいたから。

彼女は死んでしまったけれど、せめて「想い」を死なせないために、「血を流しても」…魔神族(仲間や肉親)を傷つけてでも、平和の実現のために戦おうと決めた。

その戦いを、その後の3000年間、ずっと続けているのではないでしょうか。

 

今回エリザベスは、メリオダス様だって敵でも助けたと思います、と言っていましたが。

彼がそうした行動をとるとしたら「エリザベス」が望むからなのだと思う。

 

実際、10年前に王国を追われて以降、エリザベスが<豚の帽子>亭に現れて「民のため戦ってくれ」と頼むまで、メリオダスは何もしていませんでした。

もし彼が、エリザベスが考えているような「底抜けに優しい愛と正義の人」ならぱ、エリザベスが来なくても、聖騎士から民を救うため、とっくに自分で動いていたのではないでしょうか。それを成せるだけの力は持っていたのですから。

 

 

 

今回、エリザベスはメリオダスの死体にすがって「あなたがいない世界で生きていくのは… 耐えられない」と泣きました。

メリオダスがいなければ、生きることすらできませんか? 「人々を守りたい」というあなたの「想い」は、どうなるのでしょうか。

メリオダスが3000年も「エリザベス」を愛し続けたのは、彼女の「想い」の強さに心打たれたから、ではないのかな。

だとすれば、メリオダスがいないと生きられないと泣いて、死体にすがっている今のエリザベスは、メリオダスの愛してやまない「想いを貫くに値する女」とは言えない…のではないでしょうか。

  

…って感じに、もやもやぐるぐるしました、今回のエリザベスの有様を見て(苦笑)。

 

……いやいやいや。

まだ、第2.5部は始まったばかりですもんね。

きっと、今のエリザベスは「落ちている」状態で、これから奮起して、本当の活躍を始める展開なんですよね?

 

今回、ザラトラス登場のラストシーンに「運命の歯車が、逆向きに回り出す――。」と後引きが付けられていました。

歯車が逆向きに回る。過去話展開でしょうか。

 

ザラトラスがエリザベスに語れる過去なんて、彼女の出自くらいです。16年前、赤ん坊のエリザベスをメリオダスが連れてきた辺りの思い出話でもするのかも。

で、己の出自を知ったエリザベスが、今自分が本当にすべきことを考えて奮起する、とか。

 

……って。

そうでなくて、ザラトラスが「こうすればメリオダスは生き返りますよー」とか教えて、エリザベスがそれだけに没頭する展開になったりしたら厭だなあ。(^^;)

それだと、結果的に「今、殺されようとしている人々のために走るより、死んでいる恋人を生き返らせる方が大切だ」ってことになる。

 

メリオダスの復活は、エリザベスやバンが何か手助けするにしても、あくまで彼自身が もがいて目覚める系だといいのになと思いました。

(あ、でもそれだと、ドルイドの聖地での悪夢特訓と同じになっちゃうか。) 

 

 

 

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