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『七つの大罪』ぼちぼち感想

漫画『七つの大罪』(著:鈴木央)の感想と考察。だいたい的外れ。ネタバレ基本。

【感想】『七つの大罪』第173話 闇は降り立つ

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週刊少年マガジン 2016年24号[2016年5月11日発売] [雑誌]

第173話 闇は降り立つ

  • 燃える岩塊と共に落下しながら、ドロールの肩から胸までを袈裟斬りにしたメリオダス。落ちて鎮火した岩塊の一つに降り立つや、それが砕け散る強さで蹴って跳ね戻った。
    ロストヴェインの刃に獄炎をまとわせエンチャント・ヘルブレイズ、巨魔神の背に襲い掛かる。
    神千斬かみちぎり”
  • 「…!」
    ドロールの手に握られたグロキシニアがハッとした直後。噴き出した莫大な黒炎が彼らを包み込んだ。
  • 大抵のものなら消し炭だっただろう。だが。
    重金属ヘビーメタル
    ドロールは金剛石ダイヤモンドの硬度に身を固めて受け流し、かざした手でグロキシニアをも庇っていた。
    ◆同じ「重金属」でも、ディアンヌやドロレスが使うのは「ヘビメタ」読み。
    ドロールの「ヘビーメタル」がオリジナルで、「ヘビメタ」は3000年後の若者言葉ってこと? う~ん、ジェネレーションギャップ(笑)。
  • 「ナイス…っス!」
    金属化した手に掴まれたまま、グロキシニアは霊槍に白花を咲かせた。
    霊槍バスキアス 第七形態「月の華ムーンローズ
    生命いのちの雫”!!
    「く… ふぅ!」
    蜜の滴りを受けるや、腹に血溜りを作っていた拳の跡も綺麗に消えうせる。
  • 一方ドロールは、硬化を解いた途端に膝をついて激しく咳き込んだ。
    「ごほぁっ… …はあっ!!」
    袈裟懸けの傷は肺にまで達していたのかもしれない。
  • 開かれた掌からヒュッと舞い上がったグロキシニアが、ドロールの上に もう一度 白花を咲かせた。
    生命いのちの雫”!!
  • が、そこに弾丸のごとく跳び迫るメリオダス。
  • 「おっと!!」
    グロキシニアは遠大なバックステップで1kmは間を取ってのける。しかし一瞬後には、背にメリオダスが回り込んでいた。
    「ちっ」
    舌打ちしつつも くるりとトンボを切って、刹那に走ったロストヴェインの縦横無尽の剣筋を避ける。同時に反撃の手を伸ばした時には、メリオダスは またも恐るべき速さで背後に回り込んでいた。
    後頭部にゴズンッと打ち込まれるエルボー。顔面から叩き落される。
  • 地に半ばめり込んで ぐったりしたグロキシニアに、すかさずメリオダスの剣が振り上げられた、が。
  • 大地の鎚頭ギガ・ピック”!!!
    振り下ろすより早く、ドロールが大地から生え出させた小山ほどもある尖岩が、メリオダスを下から強かに打撃した。
  • とは言え、例によってメリオダスには全く効いていないのだ。
    なんらダメージのない動きで尖岩の頂点に逆立ちして跳ね上がり、高速旋回させた両脚の勢いのまま、ドロールの顔面を連撃強蹴したのである。
  • たまらず、頭から吹っ飛んで大地に倒れるドロール。
  • メリオダスの方は、身軽に大地に降り立った。
    一対二の戦闘。天変地異のごとき激烈な応酬を繰り返したにも拘らず、悠然と立つ体には かすり傷一つない。息が切れてもいない。回復を繰り返しても満身創痍のドロールたちとは違い過ぎる。
    驚異を超えて、もはや異様とも言える光景だった。

  • その様子を、ギルフロストの水晶玉を通して観ているエリザベス達。心配など不要と言わんばかりの状況に、唖然とするよりなかった。
  • 「団長… すごいです!!」ゴウセルの背で目を覚ましたエスカノールが尊敬と感嘆の声を落とす。
    「伝説の<十戒>二人を相手に」「…たった一人で互角以上に渡りあってる!!」
    ◆はい、皆さんご一緒に。「お前が言うな!」
  • ゴウセルが解説した。
    「正確には 絶えず一方どちらかを戦闘不能に追い込み 一対一の状況を保ち続けているようだ」「もちろん団長の力量があって初めて可能な芸当ではあるがな」
  • 「……」
    キングは、浮いて人垣の上から水晶玉を覗いている。
    「そうだね… 彼本来の力が戻っただけでも十分に戦えるうえに 例の魔神の力を纏っているんだ… 圧倒的だよ!」
    誰の手も必要としないほどに。
    苛立ちに似た感情を滲ませると、「オイラには 正直 手を抜いているようにさえ見えるな」と続けた。見上げる人々から視線をそらし、当てこする。
    「どうやらメリオダスは<十戒>と顔見知りのようだしね」
    その詳細も目的も、決して話してはくれないが。
  • 「その<十戒>が言ってたぜ♪」「団ちょは魔神族の裏切り者だってな」
    バンは落ち着いていた。先程までは歯噛みしていたが、それが無意味に思えるほど次元の違いすぎるメリオダスの勇姿を見たからだろうか。
    「いや… 魔神だろうと なかろうと」「団ちょは団ちょだ」
    続いた言葉は、キングに向けてというより、己自身に言い聞かせているようでもある。
    キングの疑念は、ほんの数日前まで自分自身のものでもあった。惑い続けた末に決めたのだ。彼が何者であろうと関係ない。何があろうと親友だと笑って、こんな自分を受け容れてくれた。メリオダスを信じると。
  • 「話が よく見えないんだけど」
    戸惑った様子でディアンヌが口を挟む。
    「メリオダスは優しいコだよ 裏表なんてないと思うな」
  • 「!!」
    目を丸くしたキングは、続いた「ハーレクインと同じように」という言葉にドキッと胸を鳴らした。
    「ディアンヌ……………」
    彼女は にっこりと微笑んでいる。
    ◆メリオダスと喧嘩したとき、キングは「ディアンヌとバンは心の底からキミのことを信頼している その気持ちを踏みにじったら オイラは絶対に許さない!!」と言っていました。
    バンやディアンヌがメリオダスを大好きだなんてコト、キングは元より承知しています。(バンがメリオダスから離れようとしたときは、わざわざ旅に付いて行って、戻るよう説得したくらいですもんね。)
    だからこそ、彼がメリオダスを疑い・警戒する一因は、メリオダスを信じるバンやディアンヌら…キングの「大切」な人たちを傷つけられたくないからでもある、と思う。
    メリオダスは「お前が エリザベスや<七つの大罪オレの仲間>に牙をむくっていうなら オレは お前の敵だぜ?」とキングに言いましたが、キングも同じようなことを思ってるのだと思います。

    (しかしメリオダスの この台詞、何気にキングを<七つの大罪>(自分の仲間)から除外した言い方してますな。結構キツイ人だ(苦笑)。
    ケイン、ベロニカ、バンに疑われた時(全て受け容れて耐え、大人の態度で許す)と比べると、キングの時は あからさまに態度違う(子供じみて埒もなく煽る、お前だって隠し事あるだろ的に口撃し返す)のは、たまたまなのかもですが、気になるところではあります。)


    ところでディアンヌちゃん…。なんという小悪魔ぶり。思わせぶりな態度でキングをコロンコロン手の中で転がしております(笑)。
    ディアンヌがメリオダスを「優しいコ」と小さな子供のように言ってるのは目を引きました。今の彼女の認識では、メリオダスは自分より ずーっと年下の、可愛い男の子なんでしょうね。
  • 「敵の敵は俺たちの味方だ!!」
    ダメ押しのようにゴウセルが言ったが、これは些か空気を読めていなかった。
    「言っとくけど オイラはまだ キミのこと許してないからね」
    たちまちキングの態度は硬化して、ジロ…と、人形めいた仲間の顔を睨んだのである。
  • <大罪>たちの やり取りの外で、エリザベスもまた、先程までの不安に満ちた狼狽から脱していた。
    メリオダスの桁違いの力を見たから…それだけではないだろう。誰が何を言おうと、彼の全てを信じ切る。その想いを新たにしたからだ。
    「メリオダス様 必ず無事で帰ってきて…!!」
    水晶玉に映る彼に、強い瞳で呼びかけた。

  • そして、バィゼル近くの魔神の戦場では。
    満身創痍の<十戒>二人の前に、無傷のメリオダスが鬼神のごとく立っていた。
  • 「メリオ…ダス あいかわらずの…強さと甘さっスね」「なぜ…キミは…あんな救いようのない人間共の味方をするんスか?」
    肘打ちで右顔面から地に叩き付けられたグロキシニアは、右顔面と右腕のダメージがおびただしく、羽も部分的に破れている。どうにか立ってはいたものの、肩で大きく息をしていた。
  • 「その気になりさえすれば…魔神王の座すら手にできる器でありながら」「私には視えますよ 非情になりきれぬ あなたが迎える…惨めな敗北の姿が」
    顔面を蹴られたドロールは、地に座り込んで、口と鼻から溢れる血を拭っていた。
    ◆ふむふむ。メリオダスは魔神王ではない、と。
  • 黙って立ち尽くすメリオダス。
    やがて、ジャキッと魔剣を構えた。覚悟を決めたように。
    「苦しみが お前らを そこまで変えちまったのか……」「なら その苦しみを」「終わらせてやる……!!」
  • その時だ。
    夜空に幾筋もの流星が走った。それは間近に次々と流れ落ち、地響きを轟かせて、爆発のごとき土煙を舞い上がらせる。

  • 「メリオダス様… メリオダス様!?」
    水晶玉の中の情景も土煙に隠された。急激な異変に、険しい顔で何度も呼びかけるエリザベス。
    傍らでアーサーも顔色を変える。
    「何が起こった!? 急に四方の空から何かが――――…」
    彼の頭に載ったキャスが「キャスッ」と くしゃみした。
  • 顔色を変えたのは、他の面々も同様だ。
    何が起きたのか。瞬時に悟ってピクッと震えるキング。
    「こ… この魔力は!?」ディアンヌは、その大きさに ただ驚いている。
    冷や汗に濡れて言葉も出ないエスカノールを背負ったまま、ゴウセルは淡々と解説した。
    「今の戦いで殺気を まきすぎたな…」
  • 「さ…」「最悪の展開だ!!」
    ヘンドリクセンは愕然とした顔で幼いグリアモールを抱き寄せた。

  • 晴れていく土煙の向こうを見て、メリオダスの鉄の表情にも、ごく僅かながら驚きが滲む。

  • 「団ちょ…」「逃げろーーーっ!!!!!」
    先程までの落ち着きをかなぐり捨てて、血相を変えてバンが叫んだ。

  • そこに居並んでいたのは、九人の魔神。
    ドロールとグロキシニアは勿論、新たな鎧に身を固めたフラウドリン、グレイロード、モンスピート、デリエリ、ゼルドリス、エスタロッサ。全身黒焦げの焼死体じみたメラスキュラもいる。
    石化したガランを除く<十戒>が、並みならぬ闘気をみなぎらせ、メリオダスを ぐるりと取り囲んでいた。
  • メリオダスへ向かい、大股に歩み寄るゼルドリス。
    鉄の表情を保ったメリオダスも一歩踏み出し、怒りと憎しみに燃える弟の視線を、負けない強さで間近に受け止めた。
  • 次回「メリオダスVS.<十戒>」

おお…。お話が迷走しておる……。
ぐるぐると展開を彷徨わせて、38話前の「挑発」時の状況に戻っちゃいましたね。

 

 

前回ラストで「メリオダスの勝利です」とギルフロストが断言したうえ「崩れ堕ちた<十戒>!! 大喧嘩祭り、終演――!!」と後引きされていたのに、戦闘はそのまま続いてたとは。

いやな騙し方するなぁ、もー。

戦闘は終わったと思ってたせいで、今回のメリオダス無双が「まだ続いてたんかい」と、冗長に感じられてしまいました。

 

 

メリオダスの勇気が世界を救うと信じて… ご愛読ありがとうございました!!

とゆー後引きが付いてても違和感ない、壊れ展開です(笑)。

三回くらい前から そればっかですが、どうしちゃったんでしょうか。「読者をビックリさせたい」キャンペーン期間中?

 

 

物語には二つの面があると思います。

一つは、状況やキャラの心情を積み重ねて生まれる「線」。

もう一つは、場面場面の面白さ(意外性・迫力)で魅せる「点」。

 

二部に入って しばらくしてから、この漫画は「点」が強い印象です。

読者の予想通りには運ばせないぞとばかりに、度々「線」を ぶった切る超展開が起こっています。

(なので、そろそろ、読んでる方も構える癖がついてくる…。どーせ超展開になって、それまでの流れを蹴飛ばすんでしょ、流れから期待される展開には ならないんでしょ的な 苦笑)

 

驚きや迫力を重視して漫画を読む「点」派と、ストーリーの辻褄やキャラの心情を重視して読む「線」派の読者とで、このところの展開への評価は、結構 分かれてるんじゃないかなと思っています。

 

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超展開が続くので、読者側からも今後の展開を好き勝手に予想してみるコ~ナ~。

大量に予想を並べてみたら、どれか一つくらい近いのがあるかも。(んなわきゃーない)

 

  • 九対一などものともせず、メリオダスが<十戒>を一方的にボコる
  • 「この瞬間を待っていた…!」とメリオダスが言って、隠してたけどオリジナルと同じ強さの分身も作れると言い出し、超・神器開放して十人に分身する
  • マーリンやギルフロストなどが瞬間移動でメリオダスを逃がす
  • ドルイドの長達が何とかしてくれる
  • ザネリが身を犠牲にしてメリオダスを逃がす
  • タイズーが口八丁でメリオダスの助命を懇願する
  • <十戒>にボコられるメリオダスを見ていられなくなった仲間が割り込んで、どうにか逃がす
  • <十戒>にボコられるメリオダスを見ていられなくなった仲間が割り込んで、覚醒して<十戒>を退ける
  • <十戒>にボコられるメリオダスを見ていられなくなったエリザベスが割り込んで、ピカーッと光りながら<十戒>を真顔で説得する
  • エリザベスがピカーッと光って瀕死のメリオダスを癒し、遠くにいたゾルとデラまで回復し、果ては今まで魔神に殺された人々も生き返る
  • その時、夜が明けた…! 昼エスカノールが乱入して<十戒>を一方的にボコる
  • ゴウセルが割り込んで、何事かを悟った<十戒>が退く
  • デンゼルらが乱入して、メリオダスごと<十戒>を封印しようとする
  • 魔神に殺された人々の魂が、メリオダスに「俺たちを食ってパワーアップしてくれ!」
  • 魔神に殺された人々の魂が、その起因を作った(魔神を散開させた)メリオダスを恨んで取り憑き、体が重くて動けなくなる
  • 今まで影も形もなかった新キャラが乱入し、<十戒>を倒して、以降はレギュラーになる
  • 未来から来たメリオダスの息子・トリスタンが一撃で<十戒>を倒し、もっと強い敵が現れると警告する
  • ホークママが乱入してメリオダスを連れ去る
  • ホークママが乱入して<十戒>を呑み込む
  • ホークママが乱入してメリオダスを呑み込む
  • キャスが覚醒してアーサーを乗っ取る
  • 大喧嘩祭りの新キャラがビックリな正体を現して事態をひっくり返す
  • メリオダスが逃げ、追走される
  • 死んだはずのザラトラスが現れて「浄化パージ」を使う
  • ドロールとグロキシニアが突如 改心し、メリオダスを庇う
  • 女神族などの第三勢力が出現し、メリオダスは<十戒>と共闘する
  • <十戒>が「九対一ではつまらぬ、仲間を連れて七日後にエジンバラに来い」と猶予をくれる。行ってみると、そこには謎の塔が…!
  • エスタロッサが突如「うっ頭が…」と苦しみだし、<十戒>が退く
  • エスタロッサが「フフフ 我が分身よ…」と言い出してメリオダスと融合する
  • 魔神王が現れて仕切り直しを命じる
  • 「真の名を当てられたら許してやろう」と魔神が言うので「お前の名は鬼六だ!」と叫ぶ
  • メリオダスが覚醒して<十戒>より恐ろしい化け物になって暴走する
  • メリオダスが<十戒>の仲間に戻りたいと言い出す
  • メリオダスが封印されるか生死不明になり、しばらく仲間たちが頑張る展開に
  • メリオダスが封印されるか生死不明になり、新主人公・オシシ仮面が登場。<十戒>にボコられてグエーッと叫んだところで次回へ続く。更に次回では新主人公・オカメ仮面が登場し、またも<十戒>に取り囲まれてピンチのところで次回へ続く
  • メリオダス死す!? 彼を蘇らせるためのエリザベスの旅が始まる
  • メリオダス死す!? 彼を救うためエリザベスが己の命を引き換えにする伝説の力に覚醒する
  • メリオダス死す!? 七年の歳月が流れ…。エリザベスの胎に宿っていたメリオダスの息子・トリスタンを主人公にした次世代編開始!
  • ちょっとメリオダス対<十戒>を見せてから、ゴウセル討伐作戦に話が移り、メリオダスがどうなったかは当面 放置される
  • 空からパンチラしがちな美少女が降ってきて<十戒>を圧倒的強さでボコり、エリザベスとメリオダスの間に割り込んでラブコメ開始
  • 魂の料理勝負になってバンが勝つ
  • ハッと目覚めるメリオダス。全てはガラン大敗後に見た夢だった
  • ハッと目覚めるメリオダス。彼は平凡な中学生。全ては本、またはゲームの中の出来事だった。ここから、もう一度 本の世界に入る冒険が始まる

 

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作中時間で三日前。

その時<十戒>と戦える戦力はメリオダス一人だけで、エスカノールも行方不明。そもそも今はディアンヌ捜索中の寄り道だったはず。

そんな状況下で、メリオダスは独断で<十戒>を挑発・散開させ、ドヤ顔で言いました。

「今やブリタニアには たくさんの国や町がひしめいている」「侵略するにはバラバラに散った方が効率的―――奴らは必ず そう考える」

「<十戒>が一つに固まってる限り 正直 勝機はねえ …今のオレにもな」「だから 奴らを分離させ 一人もしくは二人ずつ潰していく!!」

 

分散させたところで、戦えるのがメリオダス一人しかいない状況では、どうにもなりません。

一人ができることには限界がある。

対応が後手後手になるだけで、大勢の人間が殺されるのは確実なうえ、手詰まりになるのも目に見えています。

そもそも、急いて分散させずとも、時間が経てば自主的に分散して侵略開始していたでしょう。彼らがじっとしていた僅かな時間は、準備を整える幸運なチャンスだったはず。それを、誰にも相談せず独断で潰す意義はあったのか?

 

とは言え、「誰よりも優しく甘い男」という設定の「カリスマ主人公」が、これほど自信満々に独行したからには、被害を出さず倒せる策があるか、被害が出る前に解決する展開が用意されているのかも? そう思って、それから一年近く、物語を見続けてきました。

 

今回、最終結果が出ちゃいましたね。

失敗でした。

 

二人組にしようとも、一人では倒すのは非常に困難。

そもそも、分散させたところで、<十戒>は一瞬で集結できる。

 

メリオダスがドヤ顔で語った目論見は全て外れました。

彼の独断でゲームのコマのように切り捨てられ、何が起きたかも知らぬまま魔神たちに殺された大勢の人々は、ただの犬死に。

酷すぎる話ですね。

 

 

 

物語は、挑発事件以降も「メリオダスは誰より優しくて仲間想い」だと繰り返しています。

今回、敵であるグロキシニアやドロールさえもが言ってました。

「メリオ…ダス あいかわらずの…強さと甘さっスね」「なぜ…キミは…あんな救いようのない人間共の味方をするんスか?」

「甘い」? 「人間の味方」?

大勢の人間を意図的に魔神のエサにしたのに?

「エリザベスと、少しのお気に入りの仲間の味方」の間違いでしょ? その他の人間は どうでもいいんですよね。でなけりゃ、あんな恐ろしいことドヤ顔で言えるはずがない。

 

…こんな風に引っかかってしまうので、なんか「禊ぎ」のエピソードがあるといいのになあと思っています。

このままだと、彼が優しいと語られるたび、世界を守るヒーローだと王道に煽られるたびに、「あんなことをしておいて?」と わだかまってしまうから。

 

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常にどちらか一方を戦闘不能にして一対一の状況で戦い続ける。

<十戒>二人に対し、まるでゲームのような芸当を余裕綽々に行うメリオダスの戦いぶりを見て、キングは言いました。

 「オイラには 正直 手を抜いているようにさえ見えるな」

パッと読めば、この台詞は愚かな嫌味でしかありません。

 

ただ、その後のグロキシニアとドロールの台詞を読み返していて「ん?」と思いました。

グロキシニア
「メリオ…ダス あいかわらずの…強さと甘さっスね」「なぜ…キミは…あんな救いようのない人間共の味方をするんスか?」

 

ドロール
「私には視えますよ 非情になりきれぬ あなたが迎える…惨めな敗北の姿が」

 

グロキシニアとドロールが、口々にメリオダスを「甘い」と言っています。

これ、「人間に味方する」=「甘い。非情になりきれない」ってこと?

でもそれだと、どこか文脈的におかしいよーな……。

 

…………。

あれっ。

 

もしかして、「手を抜いている」というキングの見立て、間違ってなかったのでは?

旧友を殺す踏ん切りがつかず、とどめを刺せずに戦いを長引かせてしまったのでは。

実際、ボロボロになった二人が動けなくなっても、しばらく何もせず立ってました。

グロキシニアとドロールにはそれが解っていたので「相変わらず甘い」「非情になりきれない」と言った、のではないでしょうか。

 

 

 

魔神族と戦わねばならない状況下では矛盾することですが、キングは一族・身内を何より「大切」にしているので、メリオダスが かつての仲間・身内を裏切ったのを、どこか信じられないし、敵対しているのが事実でも、それはそれで わだかまりを感じるのかもしれません。

一族は「大切」なものなのに、どうして敵対したのか? 本当に彼らを倒す気があるのか? ならば、その理由と目的は何なのか? それを知りたいのかも。

 

メリオダスが魔神関係の事情を一切語らないのは、何か事情もあるんでしょうし、今の仲間を真には頼っていないってコトでもあるんでしょう。

けど。もう一つ、「これはオレと「エリザベスアイツ」、二人の戦いだから」と頑なに抱え込んでいる部分もあるのでは。

 

メリオダスが本当に「過去の仲間」と決別して、かつ、三千年前とは違う決着を迎えたいと思うのなら、「今の仲間」に事情を打ち明けて、「みんなの戦い」に広げた方がいいんじゃないか、と思ったりします。 

過去は消えないし捨てられない大事なものだけど、昔の仲間より「今」の仲間が、三千年前のエリザベスではなく「今」のエリザベスが、より大事になったんだと、いつか思ってくれたらいいのになあ。

 

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今週の作者さんへの読者質問コーナー、ドレファスの長髪はフラウドリンの趣味、という話でした。 

そうだったんだ(笑)。確かに、魔神に憑かれる前は短髪でしたもんね。

そういやグリアモールも、子供の頃に比べて長髪ですけど、あれが父親リスペクトなのだとしたら、知らずに魔神フラウドリンをリスペクトしてたコトになっちゃうんでしょうか。

 

 

そーいや、前回の質問コーナーは

Q.マーリンは団長のことが好きなんですか?

A.実は団長とマーリンは<七つの大罪>で一番古い付き合いです。

 というものでした。

これ読んで「ふむふむ、<大罪>に一番最初に入団したのはマーリンなのね」と思ったんですが。

よくよく考えてみたら、<大罪>に入るより前、それこそ数百年・数千年来の付き合い、という解釈も可能…なのか。

どっちなんでしょう?(*_*;

 

まあ、自分はとりあえず前者の意味に とらえておきます。

(ちなみに、キングは200年前にメリオダスと邂逅はしていますが、その時は彼を特に認識してなかったようなので、「付き合い」が始まったのは16年前、<大罪>入団からだと思います。)

 

 

14巻おたよりコーナーにて、マーリンは「私も この二人(メリオダスとエリザベス)の関係について興味があるのだ…」とコメントして、キングに「え? まさかキミも団長のことを?」と言われてました。

普通に解釈すれば、マーリンはメリオダスとエリザベスの関係が三千年前から続いているのを知っていて、研究対象にしているってことなんでしょうが。

いつ、どうして知ったのか?

<十戒>の具体的な強さや戒禁を知らなかった点から見て、三千年前から生きてたとは思い難いんで。

 

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メモ1

 

エスタロッサ→悪魔アスタロト

ゼルドリス→悪魔ベルゼブブ(バアル・ゼブル)?

ガラン→名前元ネタ不明、キャラ自体は『ガウェインと緑の騎士』の緑の騎士?

メラスキュラ→? 蛇女

フラウドリン→?

グレイロード→灰の王。灰色の魔神の最上位個体だから

モンスピート→? 不毛と熱、不死鳥

デリエリ→英語や仏語で「尻」

グロキシニア→実在の花の名。花言葉は「華やかな日々、艶やかな美、欲望」

ドロール(バロール)→ケルト神話の魔神バロール

 

 

メモ2

 

アーサー王物語群に「キャス・パリーグ」という怪物が登場します。

ライオンか豹のような巨大な人食い猫で、一説に、メス豚・ヘンウェン(大地に豊穣をもたらすが、その産み落とす様々な獣たちは災厄をもたらす)が産み捨てたとか。

フランスの伝承では、アーサー王がこの怪物を退治したとされますが、同じくフランスの別の物語では、アーサーはこの猫に沼に突き落とされ、沼の中で死闘したものの殺されてしまったそうです。怪物はイギリスに攻め入ると、その王になってしまったとか。フランスの猫がイギリスの統一王アーサーに成り代わっちゃったんですね。

 

今、『七つの大罪』のアーサーの頭には「キャス」なる名前の猫っぽい怪生物が載っています。

キャス Cath はウェールズ語で「猫」という意味です。

なお、フランス語で帽子の一種を指す「キャスケット casquette」は、「兜」を意味するカスク casque を元にする言葉です。

 

キャスはいつか、アーサーの兜だか使役獣だかになるんでしょうか?

それとも、アーサーを殺して成り代わってしまうのでしょうか(笑)。

 

 

 

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