『七つの大罪』ぼちぼち感想

漫画『七つの大罪』(著:鈴木央)の感想と考察。だいたい的外れ。ネタバレ基本。

【感想】『七つの大罪』第159話 言葉はいらない

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週刊少年マガジン 2016年10号[2016年2月3日発売] [雑誌]

第159話 言葉はいらない

  • メリオダスによるアースクローラーの黒焦げ焼き。一口齧っただけで、彼らはそれを廃棄した。
    ◆※後でスタッフが美味しく頂きました
  • 「げほっ… おえっ…」苦しそうに咳き込んで、アーサーは喉を押さえて えずいている。引きつった笑いがこぼれた。
    「は… はは… 噂には聞いていましたが これほど破壊力のある味だとは…!!」
  • 「……噂?」
    ギクッと背筋を強張らせたアーサーに、メリオダスが背後から ジトりとした視線を向ける。両腕を組んで。
    「それは怪物アースクローラーの味かね? オレの料理の味かね?」
  • 「い… いやいやいや滅相もありません!!!」冷や汗をダラダラ流して、全身で向き直るや少年はブンブンと首を横に振った。「ももも… もちろん怪物アースクローラーの味です…よ!?」上手い言い訳を掴もうとするかのごとく、拳指が わきわきと動いている。何も出てきやしなかったが。
    ◆アーサーの頭に乗ってる猫っぽい謎生物、激しく頭を振っても微動だにしません。表情も変わらないし。

  • 「お前 ウソつくの下手だな~~~~~」
    やや過ぎて。迷路を歩きながらメリオダスが呑気に笑った。
    「どうせマーリンにオレのことは 聞いてんだろ?」
    どんな技を使い、何が得意で、料理の腕はどうだったか。いいことも、恐らく悪いことも。構いやしないのだから取り繕わずともいいのに。なんとも可愛い世渡りぶりだ。
  • 不意に、並んで歩いていたアーサーが足を止めた。
    「…どうしたアーサー?」
    暗い顔の少年に訊ねる。彼は語り始めた。
    「マーリンは 路頭に迷いかけていた私に 道を示し導いてくれました」「彼女には 言葉では尽くせぬほど感謝しているんです」
    まだ10歳前後の子供だった頃から、彼女は師として腹心の友として、時には母や姉のようにも支えてくれた。そのお膳立てで聖剣を抜き証を立てて王と認められたのが1年ほど前の話だが。
    「なのに 私はその百分の一も恩返しができていません」
    期待に添えたのは そこまでだ。あると言われる魔力も使えず、キャメロットも守れず、魔神ガランが襲来すれば ただ守られて、石になる彼女を見ていることしかできなかった。
    まるで応えられていない。きっと失望されている。
  • メリオダスは呆れたように口を開いた。「あいつは そんなこと気にしちゃ…」途中で言葉が途切れる。ピクッと震えて、傍らの壁に目を向けた。
    「いる…」
    厚い苔に覆われた土壁を、じっと見つめている。
  • 「ま… まさか新手の怪物モンスターですか?」たちまちアーサーは緊張したが。
  • 「…よかった」穏やかにそう言い、メリオダスは ス… と伸ばした利き手を土壁に当てていた。愛しいものに触れるように。

  • 一方、アースクローラーを倒したばかりのディアンヌ一行。
    エリザベスが身を屈め、サンドクローラーの歯形が刻まれたハウザーの左脛に両手をかざしていた。眩い光が生じ、見る間に傷が消えていく。
  • 「「おお…」」
    その奇跡の有り様に、目を丸くして声を重ねるディアンヌとホーク。
    ◆エリザベス、自分の意思で癒しの力を使えるようになってたんですね。大活躍の予感。
  • ギルサンダーだけは、例の長髪の魔術師の方を気にしている。
    行動を共にするつもりか、男は無言で留まっていた。けれど皆の輪から離れて半ば身を背けており、打ち解ける様子はない。
    ◆前回は「男の子」っぽく見えた長髪イケメン魔術師さん、今回は再び、20代半ば以上の「お兄さん」に見えました(苦笑)。どっちなの~。
  • 「………はあっ」息を吐くと、エリザベスは額の汗を拭った。「どうかしら?」
    「マ… マジかよ キズがキレイに消えちまった!!」己の足を確かめ感服した様子のハウザー。
    「すげえっ やるなぁエリザベスちゃん!!」ホークの手放しの褒めように、彼女は嬉しそうに はにかんだ。ドルイドの聖地での修練では成果を出せなかったが、少しは成長できただろうか。
  • ディアンヌは驚きの目で見つめている。
    「こ… これってドルイドの魔力?」
    治癒の魔力はドルイドという人間の一族が操る奇跡の力。噂には聞いていたが。
    脳裏に浮かんだのは、今しも深い傷に苦しんでいるはずの子供たちだ。
    (……この魔力があれば ゾルとデラを…!!)
    「ねぇ 王女さん キミの その力…」
    皆まで言う前に、エリザベスがピクッと震えた。勢いよく傍らの壁に顔を向ける。
    「メリオダス様が すぐ側にいる…」「この壁の向こうに!!」
  • 「「メリオダスが!?」」
    ディアンヌとホークは、またも声を重ねた。
    「土壁の魔力が邪魔をして 何も感じないけど?」と眉根を寄せるディアンヌ。「俺様の鼻をもってしても無理だぜ?」と汗を垂らして鼻息を吹くホーク。
  • 「エリザベス… 本当なのか?」と尋ねたギルに「ええ…」と返しながら、彼女は吸い込まれるように片手を伸ばしていた。籠手ガントレットを着けていない左の方を。
    苔に覆われた土壁に触れる。肌で直に確かめるように。
    「感じるの…」「あの人を強く………強く!!」

  • 隔たりは魔神の魔力だけが作るものではない。物理的にも、壁は数十mもの厚みがあった。声も届かず、まして、触れて判ろうはずはないのに。
    けれども、二人は壁を挟んで向かい合っていた。あたかも、手のひら同士が触れ合っているかのように。
  • 「メリオダス様 私… 待ってます」王女は希望に満ちて微笑んだ。
    「エリザベス… オレを待ってろよ」騎士は力強く意を告げた。

  • メリオダスの背を見ながら、アーサーは困惑している。
    「本当に この壁の向こうにエリサベス王女が…?」「しかし 私には なんの気配も」
  • ス…と、メリオダスが壁に触れていた手を下ろした。
    「わかるさ」振り向いた顔は確信に輝いている。「あいつのことなら なんだってな」
    ◆そうかな? どんなに愛し合う者同士でも「なんだって」解るはずはないし、逆に、解ってはいけないんじゃないのかな。
  • 「……っ」アーサーは言葉を失った。
    姿は見えず、言葉もなく、魔力さえ感じられなくとも、通じ合える絆があるのだろうか。
    ◆バンとエレインも同じことができるんでしょうか? キングとディアンヌは…今の状態じゃ できないのかな。
  • メリオダスがもう一度土壁を見やった。
    「さてさてさーて… 問題はどうやって向こうに行くかだ」
    「そ… そうですね 下手に動き回ると かえって離れてしまいかねません」
  • その時だ。
    「ん?」アーサーが、そして彼の頭上の謎生物が、くん…と鼻を鳴らした。メリオダスも くんくん嗅いで周囲を見回す。「このニオイ…」
  • 誘われるように歩けば焚き火の跡を見つけた。今し方まで誰かがいたようで、薄い煙が上がっている。その傍の切り株の上に、湯気の立つ料理が置かれていた。大振りの葉を皿に見立て、綺麗に盛られているのはソテーして一口大にカットした肉。ご丁寧にも、フォークに見立てた三又の小枝まで並べてある。
  • 「これって… 怪物アースクローラーの肉……………ですよね?」アーサーが確かめた。メリオダスの焼き肉とは様子が違いすぎるが、特徴的な皮の模様には見覚えがある。
    「オレたちの他にも 激マズの犠牲者がいたってことかね」とメリオダス。
    「で… でも すごく いい香りですよ?」
    皿ごと持ち上げて顔に近づけ、アーサーは鼻を動かした。色々不穏な臭いがしたアレとは違って、香ばしく魅惑的な香りが食欲をそそる。彼と、その頭上の謎生物の口から、揃って たらリとよだれが垂れた。
  • メリオダスは肉の一片をつまみあげて断面をじっと見ている。
    「ムム? 火の通し具合から下処理まで 完璧な仕事だな」
    ◆メリオダスさん…下処理や焼き加減の知識があるのに、どうしてあんな焼き肉を作ったんですか(苦笑)。もー。見切り発車の突撃主義で雑に調理したりするから。
  • アーサーは小枝のフォークを使って肉の一片を口に運んだ。
    「あ… 塩と香草ハーブで肉の臭みを消し 旨味を引き出していますね…!!」
    食通グルメめいた講評をしながら咀嚼が止まらない。
    メリオダスはつまんでいた肉をパクッと口に放り込んだ。
    「焼き加減も抜群にいい!!」
    こちらも講評しながら、つまむ手が止まらない。
  • 切り株のテーブルを挟んで座り、二人は夢中になって 料理をパクついた。
    「おおおっ 美味しい!! 宮廷料理人も舌を巻く腕前です!! 是非キャメロットに来てほしいなぁっ!!」
    興奮してアーサーが立ち上がる。
    「何をほざくかね アーサー君!! 雇わせてもらうのは<豚の帽子>亭だよ!!」
    こちらも立ったメリオダスが、挑戦するように指を突き付けた。
    「ズ… ズルいですよ~~」
  • 「しゃあねぇな… どうしても雇いたいってんなら」「戻ってやるか♫」
    誰かが言った。聞き覚えのある声、そして歌うような独特の調子。
    「バン…!!」
    振り向いて、メリオダスはその男の名を呼んだ。
    「…団ちょ」バンも呼び返す。
  • 数日見ない間に、彼の様子は少々変わっていた。
    近ごろ好んで着ていた真紅の革服ではなく、白シャツに赤い蝶ネクタイと濃色ベスト、揃いのズボンのウェイター服。ただしサイズは長身に合っておらず、袖もズボンも七分丈のよう、腰はヘソ下まで丸出しの つんつるてんだ。小さな布靴の踵を履き潰している。
  • 「<七つの大罪><強欲の罪フォックス・シン>のバン殿…!!」少し緊張した面持ちになったアーサーは、彼とはこれが初対面だった。王都決戦の際はタイミングがすれ違って、顔を合わさずに終わっていたのだ。
  • なんにせよ、<大罪>の仲間が加わったのは心強い……はずだが。
    そこで、男たちの間に渦巻く不穏な空気に気付いて困惑する。
    「え… あれ? なんだろう…この雰囲気」
    あたかも、宿敵同士が出遭って一触即発、のような。
  • 次の瞬間、彼らが動いた。
    「団ちょーーーー!!!」
    「バーーーーン!!!」
    両手を掲げて満面の笑顔で呼び合うや、一跳びで間を詰め、「ほっ ほっ ほっ ほっ」と息を揃えて楽しげに手を合わせ始める。子供の手合わせ遊びに似ているも、速度が尋常ではない。速さは どんどん増していき――果てに、バンがメリオダスの頭に容赦ない拳の一発をお見舞いした。
    「ほっ!!」
    常人なら大ダメージを負いかねない強烈さだ。
  • アーサーは知らぬことだが、数ヶ月前、二人がバステ監獄で10年ぶりに再会した際にも同じことが起きていた。
    同じように名を呼び合い、同じように高速手合わせを高め、バンからの殴打。
    その時のメリオダスは吹っ飛んで壁に激突、幾重も突き破って大穴を空けたものだ。すぐケロリと起き上がって次はメリオダスのターン。バンに頭突きして同じだけ壁を突き破らせ、過激なじゃれ合いを楽しんだものである。
  • だが。今回は違っていた。
    殴られてもメリオダスは吹っ飛ばなかった。「にしし」とその場で笑う彼にバンが目を丸くした、次の瞬間。
    「ほっ!!」
    メリオダスが殴り返した。
  • 「ごばぁっ!!!」
    吹っ飛んで背中から土壁に激突したバンが血を吐く。肉と骨が裂け砕け、壁は深く抉れてクレーターとなった。
  • とは言え、すぐさま元に戻る。
    壁はドロールの魔力で。バンは生命いのちの泉の力で。
  • 「げほっ… カッカッ 何つー力だ♫」
    ふらつきながら半身を起こしたバンに、メリオダスが悪びれず笑いかける。
    「ワリィワリィ つい張りきっちまった」
    蒸発するように消え失せていく己の顔の血をぺろっと舐めて、バンはフッと笑った。
    「少し会わねーうちに 随分 差をつけられちまったか~~~~?」「いや… 10年前以前の本来の団ちょに戻ったみてぇだなァ♫」
  • 起こしたばかりの半身をどさりと倒して腹ばいになり、右肘を着く。
    「なら次はコレだ♫」
    いわゆる「腕相撲アームレスリン」の姿勢だ。ここまでが毎度セットの勝負なのである。メリオダスも腹ばいになると肘を着いてバンの手を握った。
    「にっしっしっ いーのか?」
    「忘れたのかよ♫ 10年前の戦績は五分五分だったってことをよ~」
    二人は不敵な笑みで睨み合う。
    「合図頼むぞアーサー!」
    腹ばいで足をぶらぶら揺らすメリオダスに頼まれ、「この展開は い…一体?」と戸惑いながらも「は… はい!」とアーサーは応諾した。握りあわされた二人の手を中天に固定し、合図の声を掛け始める。
    「レ… レディ…」「ゴ…」
    固定の手を離したかどうか、合図が終わりきる前に。
    恐ろしいほど真剣な目のバンが動き、笑っていたメリオダスの腕を地に倒していた。勢いでメリオダスの小柄な体は回転、地面は砕け亀裂が走る。「わわっ!!」とアーサーが身をすくめた。
    ◆バンとメリオダスの腕相撲。右手使用。メリオダスの利き手は左、バンは右なので、そもそもバン有利です。バステ監獄での腕相撲もそうでした。ハンデ付き?
    いや、王国騎士時代に720戦やった中では、メリオダスの利き手で勝負したことも、きっと あったのでしょうが。
  • 「ちぇ~~~~~~っ 負けちまったか…」
    飄然としつつも舌打ちを長~~く伸ばしてメリオダスは ぼやく。負けず嫌いなのだ。立ち上がってパンパンと服の埃をはたき落とす前で、バンは得意げに己の二の腕を叩いてみせた。
    「これに関しちゃ スピードと瞬発力がモノを言うんだぜ♫」
    彼らの腕相撲は、堅牢で知られたバステ監獄を粉砕し、暴龍タイラント ドラゴン十匹でも壊せぬ隔離魔法障壁すら消滅させてしまったほどのもの。それからすれば大人しいが、十二分に人知を超えた遊びを見せられて、アーサーは青ざめるばかりだ。
  • 「カッカッカッ♫」
    バンは機嫌よく笑う。子供のような笑顔を見上げて、メリオダスも顔を明るくした。
    「やけにスッキリした表情カオしてんじゃねーか」
    そう。一週間ほど前に別れた時は、<大罪>を抜けるの一点張りで、思いつめた顔をしていたのに。
  • 笑みを消したバンに、メリオダスも真顔を見せた。
    「バン」「お前は願いを叶えるためにだい喧嘩祭りに来たのか…?」
    死んだ恋人・エレインの蘇生を望み、彼はメリオダスを殺そうとした。その方法は諦めたようだが、何でも願いを叶えるというこの祭りに、今度は望みをかけているというのか。
  • 「違う…」
    しかし、バンは否定した。
    「つまんねぇ手伝いの最中さいちゅうに巻き込まれてな♫」
    「手伝い?」
    「エスカノールの頼みで バイゼルに酒を届けに来たとこだったのさ♫」
    「!? …お前 エスカノールと一緒だったのか!!」
    「それと――」バンは一旦 言葉を切った。「エレインも一緒にいる」
  • 「!!!?」
    瞠目し、流石のメリオダスが絶句する。
    「…驚くのも当然だ 俺も正直 状況についていけてねぇ…」と、表情を翳らせるバン。
  • アーサーは困惑していた。事情を知らない彼には何の話かすら判らないが、口を挟んでいいことではない、とだけは解る。
  • じっと親友を見上げるメリオダス。量るような目の色とは裏腹に、言葉は一つも発されない。
  • 「……」「…何も聞かねぇのかよ」
    苛立ちでバンの顔が歪んだ。死者が生き返ったのだ。あんな裏切りに手を染めてでも望んだこととはいえ、まともな状況ではない。もっと、何か言葉があっても。
  • メリオダスの右手が挙がり、拳が握られる。
    「好きな女に また逢えたんだろ?」
    ドンと、それはバンの胸をノックしていた。元気づけるように。
    「それでいいじゃねぇか!!」
    浮かぶのは屈託のない笑顔。
  • そのまま、彼の横をすり抜けてスタスタと歩き出す。
  • 「よくねぇ」
    バンの苛立ちは消えず、食いしばられた歯の隙間から小さな声が落ちた。
    「俺は アンタを殺そうとしたんだ」
    もっと罵ってくれていい、呆れてくれてもいいのに。
  • 聞こえなかったはずはないが、メリオダスは明るさを崩さない。
    「そんでエレインとエスカノールは?」「ハッハ~~ン さては見事にはぐれたか!!」「こうなったら 全員捜して迷路を脱出するっきゃねーな!!」
    ◆「ハッハ~~ン さては見事にはぐれたか!!」…メリオダスさんもね(笑)。
    バンさん、キング(とジェリコ)も同行してること、まだ話さないですね。メリオダスの反応見たいです。「ふーん、そうか」程度かもしんないけど(笑)。
  • もう一度、バンは声を落とした。
    「団ちょ」「…ごめんな」
    彼の方を向けないまま。けれど、今度は大きな声で。
    メリオダスは何も言わない。ただ、受け止めている。
  • その姿を少年アーサーは見つめた。憧れるべき男の背中を。
  • 時刻はそろそろ日没に近い。
    夕映えに染まりつつある空を飛ぶ鳥。いやに大きく見えるそれは、獲物でも狙っているのだろうか、二羽で弧を描いて旋回し続けている。
    ◆ただのカラス? まさか青い魔神?
  • 「行こうぜ親友しんゆう」「互いに 守るモンのために」
    「…ああ♫」
    屈託ない親友ダチの声に、バンは面映ゆそうに頷いた。
  • 次回「ゴー!! ブレイクスルー」

今回は面白かったです!

メリオダスとエリザベスのロマンチックな絆、アーサーのマーリンへの思い、メリオダスとバンの友情と、古参キャラ達の心情描写が深まったのが、「キャラ萌え」を満たされて楽しかった、ってのもありますが。

それ含みつつ、それ以上に。

 

10巻頃から ずーっと続いてた「バンとメリオダスの葛藤」に、ついに、完全な決着がついたから、です。

 ちゃんと、いい形で。

よかったね、バンさん。(ºωº)

 

 

しかしメリオダスは、包容力あり過ぎて、友達っつーより「お父さん」みたいかも。

ラストのコマで「…ああ♫」と頷いてるバンの表情は、はにかむ少年か乙女のようでした(笑)。

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メリオダスとバンの「せっせっせ~のヨイヨイヨイ♪」から始まっての殴り愛~腕相撲のケンカ勝負。

バステ監獄でのディアンヌらの発言からして、王国騎士時代はしょっちゅう(それこそ、720回も)やってたらしい。

けど、これほど周囲を破壊しまくるんでは、さぞや ご近所迷惑だったでしょうね。

七つの大罪>の悪評の方を、コレで、より広めてたに違いない(笑)。

 

 

で。

バステ監獄のエピソードを読み返してて、一つ思い出したことがありました。

聖騎士ゴルギウスが呪言の玉で張った「永劫封印術」(第15話)。

呪言の玉を割ると、中からブオンと紋様みたいなのが飛び出て、監獄を包む結界となった風に描かれてます。

この紋様、魔神化メリオダスの額に現れる渦文様と、ちょっと似てませんか?

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まあ、たまたまなのかなあとも思いますけど。

もし、この紋様とメリオダス、ゼルドリス、エスタロッサの額の紋様が同じものだとしたら。

彼らのアレは、魔神の力の発現であると同時に、何かの封印なのかもしれない。なんて。

 

ファンブックによれば、呪言の玉の技術は、元々マーリンが開発したものだそうです。

使える人が酷く少ないと思われる「完璧なる立方体パーフェクト・キューブ」や「絶対強制解除アブソリュート・キャンセル」すら、誰でも使える呪言の玉化してたところを見るに、あらゆる魔術を籠めて携帯できる器、ってことなんでしょうか。

となると「回復」や「超回復」の玉は、ドルイド族の魔術師に治癒術を籠めさせたもの、なんですかね。

エリザベスちゃんは、今のうちに玉に治癒術を籠めたのを量産して、保険に仲間に持たせるのもいいのでは。

 

そして「永劫封印術」は……本来、どの系統に属する魔術なんでしょう。「完璧なる立方体パーフェクト・キューブ」のような魔界(魔神)系? 「回復」のようなドルイド(女神)系?

 

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メリオダスとケンカ勝負したバンが

「少し会わねーうちに 随分 差をつけられちまったか~~~~?」「いや… 10年前以前の本来の団ちょに戻ったみてぇだなァ♫」

と言った件。

 

マーリンに奪われていた「力」をメリオダスが10年ぶりに取り戻した時、その強大さにキングが戦慄した風に描かれていて不思議でした。

だって、10年以上前の「力を奪われていないメリオダス」とずっと行動を共にしていたはずなのに。何で今さら驚くのか?

 

そのフォローが、今ここで。

バンはメリオダスが弱ってることに気付いてました、口に出してなかっただけですよ、と。

 

読み返せばバステ監獄での再会時、吹っ飛ばしたメリオダスに同等の反撃をされて「なんだよ すっかり なまってると思ったら」とバンが笑う場面は、当時からありました。

今回のフォローを踏まえれば、この時点で「力が10分の1に落ちてる(なまってる)」コトに気付いてたけど、それでも人間相手なら充分強かったので気にしなかった……って解釈できるようになるでしょうか。

バンが気づいてたなら、他メンバーも同様だったと思っていいですよね。

皆 気付いてたけど、口に出してなかっただけでした、と。

 

けど、そうやって考えていくと、10年ぶりの再会時にディアンヌやキングが「団長、むちゃくちゃ弱ってない?」と心配しなかったのは、ちょっと不自然かもしれません。

尋常じゃない弱り方ですもんね、力が10分の1に落ちてるって。なんか大病患ってるんじゃないかと不安になるレベル。

 

……いや、そうか。

メリオダスは再会直後から、各メンバーに「離散時の記憶が途切れている」と話していたようですし、「その時に起きた何かで団長は力を失っている?」と、メンバー全員が何となく認識してた、ってことなのかな?

 

 

とは言え。

「力」を取り戻したメリオダスを見てキングが戦慄した件は、このフォローでも説明できないですよね。

うーん。

アレは力の大きさにビビってたんじゃなくて、彼の持つのが「魔神の力」だってことに、魔神族と戦う経験を得たことで気付けて、本当に魔神族だと確信し今更ながらゾッとしてたんだ……とか解釈してみるのもアリなのかなあ。

 

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エスカノールの酒の配達地は「バイゼル」だったと確定しました。

 

魔神に襲われる前、「タイズーの喧嘩コロシアム」建設中の場面で、タイズーが「差し入れの食い物と酒ならたっぷりある!!」と豪語していました。

また、エスカノール曰く<麗しき暴食>亭には「ごくたまに目ざとい行商か道に迷った旅人が立ち寄る」程度とのことでした。

ちなみに、タイズーは豪商です。

 

以上を鑑みれば。

行商中のタイズー、もしくは彼の部下が、道にでも迷って<麗しき暴食>亭に辿り着き、喧嘩コロシアム建設地への差し入れの酒を注文した、ってことだったのかなと。

 

 

で。

そんな風に想像すると、不思議に思えてくることがあります。

エスカノールは<大罪>の濡れ衣が晴れたことも、メンバー再集結すら知りませんでした。

けど。バイゼルを潰したのは<七つの大罪>なのです。

 

一つの町を、大罪人の一団が潰してしまった。それだけでも子々孫々語り継がれておかしくない超ニュースですよ。

まして、「バイゼル跡地に建設中の喧嘩コロシアムに酒を配達してくれ」という注文を受けたならば、注文主の口から必然的に耳に入るだろう話題のはず。

なのに、なんでエスカノールは<大罪>が再結集していたことを、全っ然知らなかったんでしょうか。

 

うーん。

奇跡的な偶然が重なって「たまたま」その話が耳に入らなかったのだ…なんて、もはやギャグのような状況を想像するしかないですかね(笑)。

 

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バンが、エレイン復活について

「…驚くのも当然だ 俺も正直 状況についていけてねぇ…」

と言った件。

 

かなり驚きました。

バンはエレインのことなら全て無条件に受け入れるんだろうと思っていたから。

何者にどんな力で蘇生させられようとも、理屈なんて気にしないんだろうと。

 

でも、違ってたのか。

「死んだ恋人を生き返らせる」なんて途方もない夢を抱いて、色々無茶な行動をしていたくせに、いざ蘇れば戸惑う部分があったんだ、彼にも。

 

なんだかんだ、死者が蘇るのは不自然なことだという認識は、彼の中にもあったってことなんでしょうか。

…それとも、エレイン蘇生のためなら恐ろしいことだろうと何でもするぞという覚悟だったのに、何もしないうちに棚ボタ的に蘇っちゃったので、このスピード展開に付いていけない、ってだけの幸せな戸惑いなんでしょうか(笑)。

 

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今回の扉絵は、キング&エレイン兄妹でした。

二人くっついて座って満月を眺めている様子。

キングが妹の肩を抱き寄せ、エレインは兄の肩に頭を預けて、まるで恋人のような睦まじさ。

二人の後ろにはオスロー。更に後ろにはジェリコがいて、それぞれ寝そべって休んでいます。兄妹を見守っているようでもある。

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バンとエスカノールは見当たりません。となると、これは大迷宮で彼らとはぐれた後の様子なんでしょうか。

これが前夜の情景なら、バンらは前日(ディアンヌ&マトローナと同日)から迷宮に入ってて、その日のうちにバンとエスカが はぐれたってことになりますね。

 

キンエレ兄妹の仲睦まじさが微笑ましくて、ほのぼのと嬉しくなりました。

きっと、離れていた700年のことを色々語り合ったんでしょうね。

そしてまた、かつて妖精界で暮らしていた頃の様子をも想像させてくれます。

キング自身は、10巻お絵かき騎士団のコメントで「(兄妹仲は)…悪くはなかったと思うんだけど…」と控えめに述べてましたが、実際はすご~く仲の良い兄妹だったんだなあ。

 

今、バンがエレインとはぐれちゃってるのは残念なことですけど、天の配剤って奴でもあるんでしょう。バンがいたらエレインを独占しちゃうんで、兄妹がこうしてじっくりと語り合うのは難しかったでしょうから。

 

でも、ちょっぴり残念な気持ちにもなりました。

700年ぶりに再会した兄妹がどんな表情でどんな会話をしたか、本編の漫画で見たかったんですが。扉絵に描かれたってことは、漫画ではカットってことなのかなと。

単行本のおまけページとかで描いてくれないかなぁ。 

 

 

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