『七つの大罪』ぼちぼち感想

漫画『七つの大罪』(著:鈴木央)の感想と考察。だいたい的外れ。ネタバレ基本。

【感想】『七つの大罪』第141話 父親と息子

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週刊少年マガジン 2015年43号[2015年9月23日発売] [雑誌]

第141話 父親と息子

  • 椅子代わりの背負い袋ナップザックからベッド端に腰かけ直し、バンは老父との再会を喜んでいた。
    「……なんで獣人だったこと…黙ってたんだよ?」とバンに問われて「…恐れていたんだ… お前が 俺を見る目が変わるんじゃないかと」と返し、変わらない息子の表情を確かめて「………………すまなかった」と表情を緩ませる。
  • 「なんだか よく わからねぇけどさ よかったな 二人共!」ジェリコは涙どころか鼻水まで出して感動していた。
  • 「よくわからねぇで なんで泣いてんだ」と呆れ顔のバンに、「まさか その娘は お前の恋人か?」とジバゴ。
    「違ぇよ」と即答されて、ジェリコはムキになって声を張り上げた。
    じゃあ バンにとって 俺は 一体 なんだ!?
    「…「財布」もしくは「妹分」?」何故か疑問形で返すバンである。
  • 息の合った(?)二人のコントを、ジバゴは無言で見つめている。
  • バン曰く、彼には本当に妹がいて、毎日のように自分の後を追い回していたのだという。そう、今のジェリコのように。たったの四歳よっつで死んでしまったが。
    ジェリコは気勢を殺がれて黙りこくる。
    ◆19歳のジェリコを妹扱いするバンさん43歳。ホントは親子の年齢差。
  • 年をとっていないことを不思議がるジバゴに、バンは、生命いのちの泉を飲んだこと、そのため歳をとることも死ぬこともできなくなったこと、泉を守る聖女と恋仲になったが彼女は死に、生き返らせる方法を探していることを語った。また、<七つの大罪>の団員であることも。
  • 噂に名高い<大罪>の団員であるうえ、おとぎ話だと思っていた聖女を恋人にするとは「たいした野郎だ…」と感嘆するジバゴ。「茶化すなよ♪」とバン。
  • 一方ジェリコは、バンの恋人の話が出ると元気をなくし、自分を蚊帳の外に進む会話に頬を膨らませて、バンの背負い袋ナップザックを枕に「ふて寝してやる!!」と床に寝転がった。

  • その頃、妖精王の森。
    急に、森の鳥や獣たちが けたたましく警戒の声で鳴き、駆け出し飛び出して、右往左往の大騒ぎを始めていた。つられて妖精たちもキョドキョドしている。
    ◆騒いでいる獣たちの中に肉食獣が見当たりません。たまたま描かれてないだけ? それとも本当に、妖精王の森には草食の獣しかいないんでしょうか。
    なお、イギリスにはいないはずのテナガザル(っぽい獣)がいたり、森だけど牛っぽい獣もいますね。
    牛がいるってことは牛乳が採れるのかな。伝承上の妖精はミルクを人間からお供えとして貰うものですが、『七つの~』世界では妖精たち自身がミルクも絞ってチーズやクリームを作ってるのかしらん。

    盗賊都市レイブンズの場面では夜半だったはずですが、この場面の妖精王の森、どう見ても昼です。実は同時進行ではなくて過去か未来の場面なのか? それとも、森の結界の内部は常に昼なのか?
  • 獣たちの様子を枝に立って見下ろしながら、ゲラードが呟いた。
    いにしえの魔神族が復活したことの影響なのか…」「言いようのない不吉な気配が この周辺に及びはじめている」「……」何かに思い当たったように冷や汗を流した。「まさか 世界のことわりを根底から覆すほどの――――…」「あってはならぬ事態が起ころうとしているのでは…」
    見上げる先、鳥たちが騒がしく群れ飛ぶ森の上空には、おどろおどろしい暗雲が渦巻いている…。

  • 場面は再び盗賊都市レイブンズ、ジバゴの枕元へ。
    バンの話を聞いて、先程「死人を生き返らせたって話は本当か」と訊かれたのは恋人蘇生のためだったのかと思い至ったジバゴは、親身に思考を巡らせ始めていた。
    「死者が蘇る……か…」「たしかに ここ ニ 三日の間に聞いた噂だ」「隣家の死んだ奥方が 夜中に家に入っていくのを目撃し 尋ねてみると その家の主人が首をしめられ死んでたとか」「戦死したはずの騎士団が どこかを目指して森の中をさまよい歩いていたとか…」「本当かどうかは定かじゃねぇがな」
  • バンはわずかに顔を曇らせた。「どうも俺が考えていたような話とは違うらしい」「無茶を言ったな 他をあたってみる ……ありがとよ」
  • ジバゴは息子の顔をじっと見つめた。
    「………つらいな」
    「ん?」
    「死者を蘇らせる方法など そうあるものではない…」「だからといって恋人の跡を追おうにも お前は死ねないんだからな…」
    「ああ…つれぇよ」
    かつてバン自身、ホークやメリオダスに血を吐くような本音を吐露したことがある。

    『エレインが死んだ後――――――……団ちょや 他の連中に出会って たしかに少しは気が紛れた』『…それでも ふと我に返るんだよ』『俺は やっぱり永遠に独りで この世でも あの世でも アイツと会うことはできねえんだ…って』『…アイツのいないこの世は まるで地獄だ』

    その時と同じように、バンは心と裏腹に薄く笑った。
    「…だが つれぇつれぇ泣き喚いたところで あいつが生き返るわけじゃねぇ…」
  • ジバゴは言った。「俺はうれしい」
    俯いてバンは笑う。「ハッ♪ 何がだよ」
    「お前に自分より大切なものが出来たことがさ」
  • お前は俺以外の人間に決して心を開こうとしなかった、と述懐するジバゴに、バンは、それは今でも同じさ…と笑う。「人間とは うまくやれる気がしねぇ♪」
    ◆ここでジバゴが言う「人間」とは「他人全般」を指しているのですが、バンは「種族としての人間」のことと捉えて返事しており、ズレが生じています。

    確かに、バンが今まで親交を持った相手は、妖精族のエレイン、人間かと思っていたけど実は魔神族だったメリオダス、豚のホーク、そして、やはり人間かと思っていたけど獣人だったジバゴです。エレインと出逢った時も「どーも 俺は人間と気が合わなくてよ♪」と言ってましたし、自分は人間社会に馴染めない、人間に好かれないと思ってるんですかね。

    …ただし、異種族ならば好いてくれるのかと言えば、決してそうではないことを、ゲラードの一件で痛感したはずです。結局、人間も異種族も変わらないんですよね。ウマの合う合わないもあるし、互いに心を開いて接しないと始まらないだけとゆー。一般論。
  • しかし、バンはそこで「ん…?」と、何かに思い至った素振りを見せた。
    床でフテ寝していたジェリコに顔を巡らせ「おい! ジョリコ」と声をかける。もはや間違い呼びに慣れ切った彼女は、膨れながらも「なンだよ?」と返したが。
    その枕元を指さしてバンが言った。「ゴキブリ♪」
    「ギャアッ!!?」悲鳴をあげて飛び起きたジェリコに「うそ」と告げる。
    ◆考えてみたら、今 作中で4月の頭くらいなのに、なんでゴキブリいるんだろ。妖精王の森近くってことは相当北のはずなのに、暖かいんでしょうかレイブンズ。この宿、実は贅沢に蒸気暖房でもしてる?
    ちなみに現代のイギリスではゴキブリは珍しがられるそうですが、いないわけではなく、古くは魔女の使いと忌まれたり、逆に裕福さの象徴とみなして引っ越しの際は連れていく風習があったり、食糧にしてた地域もあるそうな。
  • 「っざけんな!! バン!! てめ~」怒る彼女を見て、愉快そうに、声をあげてバンは笑った。人間とはうまくやれないと、ずっと思ってきたが。
    「お前が初めてかもな~~♪」
    「何がだ!?」
    「一緒にいても嫌な気がしねぇ人間は」
  • この言葉はジェリコの胸を高鳴らせた。
    「お… 俺が初めて? 嫌な気がしない?」真っ赤になった頬に手を添え、乙女の脳は結論を下す。「つまり… …好き?」
    「殺すぞ♪」たちまち げんなり顔で凄むバンだった。やれやれ、と首を振って再びベッド端に腰を下ろす。
    ◆持ち上げて叩き落とす。バンさん残酷(苦笑)。けど、その自覚もない模様。今まで人とまともに付き合ってこなかったから、まだまだ対人スキルが低いのか。
    でも、心を開ける相手が増えてよかったです。人間とはうまくやれないとか、友達はメリオダスだけとか言って作ってた壁が壊れて、そんな相手が増えていくんでしょうか、これからは。

    それはそうと。嫌な気がしない人間はジェリコが初めて? じゃ、エスカノールやエリザベス、ヘンドリクセンやドレファスやわんぱく三人組とは、一緒にいて嫌な気分だったのか…。まあ、彼らの多くは育ちがよくて、貧民出身のバンとは価値観も全く違うでしょうから、ウマが合わないのは仕方ないのかな。(表面上は当たり障りなく付き合ってましたから、問題ないし。)ジェリコも育ちはいいけど、ハングリー気質で口が悪いところは気が合うんでしょうね。
  • ジバゴはじっと見つめ、「まだ何かあるみてぇだな」と、バンの鬱屈を見通した。とぼける彼の腕を軽く握り、息子が悩んでいることぐらい判ると重ねる。
  • バンは重い口を開いた。代わって両手が握り合わされ固く強く閉じられていく。
    「あれから 俺には大事な恋人と…」「…親友ダチができた」「なのに 俺は………………」「救いようのねえクソッタレだよ」「俺は恋人と親友ダチを天秤にかけて」「親友ダチを殺すことを選んじまった…!!」
  • ジバゴは半身を起こし、尋ねた。「…」「殺したのか?」
    バンは首を横に振る。
    「そいつは… バカみてぇにいい奴でよ」「俺が どんな悪ふざけをしても笑って許してくれる」「だから 俺はいつも甘えちまうんだ…」
  • ジバゴは、お前とセリオンを天秤に掛けてお前を見捨てた俺を、お前は許してくれただろうと言ったが、バンは納得しなかった。
    「俺は殺そうとしたんだ!」と、己の膝を拳で打つ。
  • 「…なのに あいつは怒るどころか笑って俺を許そうとする」「殺そうとした俺を否定しようとすらしねぇ ありえねえ お人好しだ!!」
    「なるほど…」ジバゴは、バンが何に憤っているのか腑に落ちたらしかった。「それに甘えようとする自分にヘドが出るか」
    「…ああ」懺悔を吐いたバンは、苦く、忌々しげに歯を食いしばる。
  • ところが、ジバゴは明るく笑ってのけたのだ。
    「いい親友ダチじゃねぇか」
    バンは毒気を抜かれたように目を上げる。
  • 「…よく聞け バン 自分てめえの中で いくら後悔したところで 相手に伝わらねぇなら意味はねぇ」「この俺みてぇによ」優しく押すように息子の背を叩く。「…溜め込むな 全部吐き出せ」「そして 心から許しを乞え…」
  • その言葉はバンの胸に響いた。
    ◆これで、エレイン復活法を探す旅に一区切りつけて、メリオダスに合流する流れになるのかな?
  • ジバゴの言葉は続いている。「それが親父として 最後に…」「息子に残してやれる…言葉だ………」声が途切れた。バンの背に添えられていた手が、力無くベッドに落ちる。
    しばらく、バンは次の言葉を待っていた。それから、ようやく気付く。
    「ジバゴ…」
    老いた男は、バンの隣に腰かけたまま、項垂れて息絶えていた。

  • 時は移る。夜から昼へ。
    ブリタニアのどこかの農家。家の前の草地で、三又農具ピッチフォークで干し草をかき集めていた老母が悲鳴をあげた。「どうしただ お袋~~!!」と、近くで同じ作業をしていた中年の息子が駆けつけてくる。母の視線の先を見て、同じように震えて身をすくませた。
    亡くなって墓地に埋葬したはずの父親が、歩いて帰ってきたのだ。
    しかしその目は閉じられ、まるで夢遊病のようにおぼつかない足取りで、全身からぽろぽろと土くれを落としている。
    「し… 死人が甦った~~!!」

  • そして、ブリタニアのどこか。針葉樹の森と岩山しか見えない人里離れた辺境に<十戒>のメラスキュラとガランの姿がある。
    空高く浮かぶメラスキュラは、普段はストールのように巻いている闇を、大きく薄く、螺旋状に立ち昇らせ、朗々と呪文を唱えている。
    「煉獄を彷徨う魂たちよ」「この世に未練を残す魂たちよ」「私が再び生を与えましょう」「汝らを忘れ 生を謳歌する者に復讐する機会を与えましょう」
    上空にはおどろおどろしい暗雲が渦巻き、渦の中心から光の柱が降り注いでいた。それは、異界から漏れ落ちた光だ。メラスキュラの召喚に応じ、天に丸く開いた空間の口から、光と共に無数の魂が泳ぎ降りてきている。それは彼女の周囲に群れ集い、魚の群れのように渦巻いていた。
    いかれ」「いかれ」「その怒りこそが 汝らの新しき力の源となろう」
    ◆そーいや、前は赤や灰の下級魔神を召喚してましたっけ。メラスキュラは召喚師だったんですね。
  • 傍観していたガランが、目の前を泳ぐ魂の一匹をわし掴んで かぶりつく。
    「ダメよ 食べちゃ?」メラスキュラが釘をさした。「この子たちには 沢山働いてもらうんだから」
    「フン…」ガランは素知らぬ顔でそっぽを向いて、それをゴクンと呑み込んだ。
    ◆ガランおじいちゃん、子供みた~い。
    これで、少なくとも魂一匹分は魔力回復か。

    考えてみたら、魂を素手で掴めるのってすごいですよね。きっと幽霊もグーで殴れるわ。メリオダスも出来るのかな? だとしたらドルイドの<浄化パージ>に頼らずとも、フラウドリンの霊体を直接凹れそう。


  • 場面はもう一度、妖精王の森へ。
    妖精王の大樹の上空に魂が一つ現れた。フワフワと漂っていたそれは、目標を見つけたかのように、一気にヒュッと流れ落ちる。
  • その瞬間、ゲラードはゾワァッと全身を粟立てさせていた。
    「なんだ 今の悪寒は…!?」「この森に 何が起きようとしている…?」
    側にいた妖精プオーラは、何も感じておらず不思議そうにしている。
  • 妖精王の大樹のうろ。その最奥で異変は起きていた。
    敷き詰められた花々の上に安置されたエレインの遺体。パチ…と、その両目が開かれる。
    待ち望まれていたはずの目覚めが、暗雲の下で訪れていた。
  • 次回「愛の在り処」

亡くなったジバゴの場面を見て『あしたのジョー』のラストシーンを思い出した読者は全国90万人はいるに違いない。

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燃え尽きたぜ…
真っ白によ…

考えてみたら同じ『週マガ』連載作やん(笑)。

 

理想の死に方の一つかもしれないと思いました。立派に成長した息子の傍で、父親として励まし、座ったまま、苦しまず眠るように。

晴れやかな気持ちで死者の都へ逝けたんじゃないでしょうか。

 

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バンに4歳で死んだ妹がいたと判明。

びっくり。バンも「兄キャラ」だったとは!

 

 

メタ的に見れば、ジェリコを「恋人ではないが、バンの大事な人」ポジションに落ちつかせるため新たに作った設定なのでしょう。元からあった設定なら、過去の外伝や小説版で触れられなかったのは不自然なので。

 

とは言え、これを踏まえて単行本を読み返せば、イメージが変わってくるところがあって面白い。

 例えば、宿場タラ(死者の都の入口の廃村)で、バンが幼い兄妹に会うエピソード。

 

これ、描かれた当時は、この兄妹をキング&エレイン兄妹に重ねてあったと思うんですよ。

弱っていた妹・エレンをバンが介抱するが、遅れて現れた兄・ルイジは、妹に危害を加えられたと勘違いして、バンをピッチフォーク(長柄の大爪農具)で突き刺す。

その直後に、妹・エレインを殺害されたと勘違いした兄・キングが現れて、バンを大槍で突き刺す、と。状況・行動が相似の繰り返しになっています。

 

なので、バンがルイジに言った「てめえ兄貴なら~~ 妹に メシちゃんと食わせてんのか~?」という台詞は、兄なら妹の面倒を見ろというキングへの諫言と受け取ることも可能で、死者の都での一件が終わった後の「他人に気をつかう暇があんなら―― もっと気をつかうべき相手がいたんじゃねぇのか」という言葉にも繋がっている…と解釈することができます。

バンがルイジ&エレン兄妹に親切だったのは、エレンとエレインを重ねていたからだ、という結論になるわけです。

 

しかし、バンに妹がいたという設定を踏まえるなら、また違った解釈ができるようになります。 

バンがルイジ&エレン兄妹に親切にしたのは、幼い日の自分と妹に重ねたから。

妹を(恐らく、親の暴力や飢えから)守りきれず、たった4歳で死なせてしまった後悔と罪悪感が「てめえ兄貴なら~~ 妹に メシちゃんと食わせてんのか~?」と彼に言わせ、たらふく食事させてやるという行動になった、と。

 

このラインで考えれば、死者の都でキングがエレインの兄だと知って、あえて挑発し槍を受けたのは、「妹を守りきれなかった兄の無念」に、いたく共感・同情したからだ、と解釈できるようになる…かも。

 

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エレインが復活(?)。

こんなに早いとは思っていませんでした。これまたびっくり。

ただ、どうも喜ばしい復活ではないようで……。

 

ヘンドリクセンはドルイドの里に住んでいた幼い頃、

「自然ならざる魂を得て死体が蘇らないよう
 完全に骨になるまで 毎晩 見張りを」

する仕事をしていたと、第124話で語っておりました。そっちの感想で懸念してたように、エレインの死体に「自然ならざる魂」が入っちゃったみたいですね。

 

果たして、入ったのはエレイン本人の魂なのか?

或いは恨み持つ別人の死霊なのか。

エレインの魂は死者の都にいた(成仏してた)ので、煉獄を彷徨ってた(成仏できずウロウロしてた)とは思い難いんだけどなー。…どうなんだろう。

 

「エレインが敵になって暴れ、最終的に正気を取り戻す」だけだとヘルブラムの話と同じになっちゃいますから、想像の斜め上を行くようなビックリ展開になるのかしらん。

エレインの遺体か魂が消滅してしまうとか。二度と蘇生させられないと読者やバンを絶望させてからの、奇跡のハッピー結末ですよ。「エリザベス」だって生まれ変わってるわけだから、可能性はなくはないかも。とゆー斜め上妄想。

あるいは、エレインの中に入ったのは、事態を解決するため降臨したいにしえ妖精王の魂でしたとゆー、ゲラードがゾワッとしたのは何だったのよ的展開(笑)。

 

色々盛りだくさんで楽しいです。その分、放置されてる展開も多くて、時々しょんぼりもしますけど。複数のルートがまとまっていくカタルシスを味わわせて欲しいなあ。

 

 

 

死体が起き上がり、家族や知人に害をなしに来るという<死への恐怖>の概念、いわゆる屍鬼伝承は、世界中にあります。

以前も書きましたが、日本でも、死体の枕元や布団の上に短刀や鎌などの魔除けの刃物を置いたり、死体に猫を始めとした四つ足の獣を寄らせない(死体をまたがせない)ようにしたり、一晩中ろうそくの灯を絶やさず死体を見守ったり、今でも広く行われていますよね。

さもなければ、死体に死霊が入り込んで起き上がると恐れられていたから。

(私は他にも、屋根の上にカラスが、塀の上に猫が来て鳴いたら、死人が起き上がるとも親に聞いたことがあります。)

 

で。最近『七つの~』で展開している「バンの物語」は、吸血鬼や狼男に繋がる西欧(特に東欧)の屍鬼伝承がモチーフなのかなと思って読んでいます。

血に宿る生命の霊力(血液信仰)、狐男(狼男)と死者復活の結びつけ、墓から帰ってきて家族や知人を害する死人、と。

そのイメージがあるので、今回のエレインの復活も「蘇生した」とは思えませんでした。「死体が起き上がった」んだろと。

 

ドルイドの死者使役も、死者を無理に死体に縛った(代償として魂が磨滅する)だけで、生き返ってたわけではないと認識しています。妖精の死体は腐らないから、生きてた時と変わらないみたいに錯覚できてただけ。

 

けど、今回は実際、どうなんだろう?

禍々しく見えたのはミスリードで、普通に生き返ったのかな?

 

 

 

魔神メラスキュラは、魂を召喚する際に「煉獄を彷徨う魂たちよ」と唱えていました。

かつてエレインが、妖精王の森を焼く赤き魔神を見て、この森の木は煉獄の炎(自然ならざる炎)でしか燃やせない、つまりあれは魔神族だと言っておりました。

素直に解釈すれば、「煉獄の力=魔神族の力」で、煉獄とは魔神の管理する領域かと思えます。

 

一般概念としての「煉獄」とは、キリスト教上の「天国と地獄の中間」を指します。

天国に行くほど善良でもなく、地獄に落ちるほど悪でもなかった人間の魂が留め置かれる中有ちゅうう的な場所で、浄めの炎が燃え盛っており、それに焼き直される苦行を経て魂が浄化されると、天国へ行けるようになるのだそうです。

日本的な感覚で言うと、この世~三途の川の河原の間をウロウロしてる感じなんですかねぇ。川を渡れない的な。そして河原で鬼にどつかれる。

 

それを踏まえると、メラスキュラの言う「煉獄を彷徨う魂」とは、まだ成仏できてない(死者の都に行けてない)、この世への未練たらたらの未浄化の魂、って意味?

 

じゃあ、魔神族が煉獄の炎を操るのはどういうことなんでしょう。

彼らは、本来は不浄な魂を浄化して死者の都へ送る役目を負っていたんでしょうか。今は魂食ってるけど。

 

 

 

話がずれますが、色々考えていて妄想したこと。 

なんとなく、そんなに沢山の魂が迷ってるなら、キングが「導苔ルミナシティ」の光で死者の都に送ってやればいいのにな、なんて考えました。

というのも、ギリシア神話ヘルメス神(兜をかぶった空駆ける若神が死者の霊魂をあの世に導く)とか、『ピーターパン』(初期作品のピーターパンは、死んだ子供が迷わぬようあの世の楽園へ導く永遠の少年)とかのイメージが、ちょっとキングに似てるかなと思ったから(苦笑)。

 

導苔ルミナシティ」って、鬼火みたいでもあるけれど、ただ照明なだけなのかな、他に使い道ないのかなと常々思ってたってのもあります。

目潰しの閃光弾としても使えるかもですが、「導」と名前に付いてるからには、人を先導・案内する時に使うものなのかなぁとか。

 

人がいない山野に燃え飛ぶ怪火は世界中で見られ、「彷徨う死者の魂」「魔物の灯り」など、世界中で似たように解釈されてきました。

日本では、人魂、鬼火、狐火といった呼称が一般的。

で。西欧では、悪魔(魔神)の灯、妖精の灯などと言われる一方で、やはり「彷徨う死者の魂」とも考えられており、その死者はいかにして迷ったかという物語も、様々なバリエーションで伝えられています。

例えば、ハロウィンのかぼちゃランタンで知られる「ジャック・オ・ランタン」。同じくらいよく知られた名は「ウィロー・ザ・ウィスプ(ウィル・オー・ザ・ウィスプ)」でしょうか。

 

その男は、生前はゴロツキ(賭博師)だったとか、天才的な鍛冶屋(冥王的存在)だったとか、戦場帰りの退役兵だったとか、色々言われます。共通するのは「神も悪魔もモノともしない、恐れ知らず」だったということです。

バリエーションが多いので大雑把にまとめますと、彼は悪魔(死神)と契約して利益を得、代償に地獄に連れて行かれるはずでしたが、恐れ知らずの知略で悪魔を痛めつけて死から逃れてしまいます。

(バリエーションによっては、ここで彼は不死の存在になり、長い時を過ごします。)

年月が過ぎて、彼はこの世を去りたいと思いました。しかし悪人である彼は天国に入れてもらえず、仕方なく地獄へ行けば、なんと、こちらにも入れてもらえませんでした。悪魔に嫌われてしまっていたのです。

天国、地獄。どちらの死者の都にも入れなかった男は、仕方なく、小さな灯を持って、この世とあの世の境…煉獄を彷徨い続けています。死ぬことができず永遠に…。その哀れな灯が、たまに人の目に映るというのでした。

 

あの世に入れてもらえず彷徨う死にたがりの不死の男。迷子を導き、時に死へいざなうという妖精の灯。

こうしたキーワードから、なんとなく、前述した「キングが「導苔ルミナシティ」で彷徨う魂を死者の都に送ってやればいいのにな」という連想に至ったという次第です。 

はは。支離滅裂で済みません。

 

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盗賊都市に広まっていた死者復活の噂の元凶は、魔神メラスキュラでした。

ジバゴ曰く、二、三日前から聞くようになった噂だそうで、バンが港町で噂を聞いて駆けつけた(遠くの町まで噂が伝播していた)点を併せて考えるに、メリオダスの<十戒>挑発から、最短でも四、五日。まあ一週間前後は経っていると思われます。

 

そんなに日数が過ぎてたら、バイゼル闘技場が壊滅したとか、黒の歓楽街に人々が痴呆になる奇病が蔓延しているとか、そんな噂が流れて来ててもおかしくないはずなのに、それは無い模様。

どーなってんでしょ?

実はこの一週間の間に、メリオダス組やその他の強者たちが、各地の魔神を速やかに撃退してたんでしょうか?

 

 

今回の死者復活は、散開後のメラスキュラの仕業。

つまり、マトローナが復活した死者だとして、今回とは無関係なんですね。

死者を復活させる方法・手段は、ジバゴ曰く「そう あるものではない」けれど、実は色々あるっぽい?

ドルイドの死者使役。魔神族の死者召喚。そして、女神族の死者復活?

ただ、どれも禍々しい影がちらついているような感じですね、今のところ。

 

命は失われれば戻らない。どんなに悲しかろうと、それが世の自然なことわり

なのに、それが崩れ始めたようです。

生きる者、死した者、その境界が曖昧となり、世界は、正も偽も光も闇も定まらぬ原初の混沌に落ちて行くのかも。

 

けど。

そうなったら死者の都を管理するいにしえ妖精王(冥王)たちも、現世に干渉しやすくなるってものかもしれません。見過ごせないでしょうし。

そうなったらいいな。見たいから。

 

 

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