【感想】『七つの大罪』第138話 闇との戦い
週刊少年マガジン 2015年40号[2015年9月2日発売] [雑誌]
第138話 闇との戦い
- フラウドリンが訪れた辺境の町の名はフェルゼンといった。鉱山を擁し、
冶金 が盛んで、特に甲冑の質の高さで知られている。 - 「覚えてるだろう? ここへは三年前に来たことがある…」町を歩きながらフラウドリンは独り言のように喋っていた。「私とお前と息子の三人で 叙勲式用の鎧を買いに な」「もう三年か… グリアモールが随分はしゃいでいた」「俺も父さんのように立派な聖騎士になると 私たちに言ってくれたっけ」「…なぁ ドレファス」
◆声を潜めず堂々と喋ってるので、傍から見たら相当ヤバいおっさんですね(苦笑)。 - 『父さんのように立派な聖騎士に』。かつて望んでいたままの言葉を聞いたからか、フラウドリンの内のドレファスは俄かに「理想の聖騎士足りたかった己」を思い出したようだった。
「無辜 の民を傷つけてはならない?」フラウドリンは失笑を返す。「くはは… 笑止な お前の手は すでに血まみれなのだぞ」
そこで頭を貫いた痛みに顔を歪め、足を止める。「往生際の悪い男だ…」しかし、すぐに余裕の笑みを戻した。「 いい加減に慣れろ! お前の妻よりも長い付き合いだろう?」
その顔面から魔神の紋章が消え、瞳も魔神の漆黒からドレファス本来の虹彩に戻る。すっかり人間の姿を繕った魔神は、素知らぬ顔で街を闊歩し始めた。
◆「お前の妻より長い付き合い」って言い回しが、なんかやらしいよ(笑)。
っていうか、アンナさんとの結婚生活は10年に満たなかったんですね…(しんみり)。じゃあ、結婚してすぐにグリアモールを授かったのかな。確か14年前に亡くなったと思うんで、その時グリアモールは7歳か。
スピンオフ漫画の『七つの大罪学園』の方ではアンナさん御存命なのがちょっと嬉しかったりします。料理かなり下手らしいですけど。(ホークが残飯と勘違いするレベル・苦笑)
本編漫画の方では、アンナさんが亡くなってからは親戚の女性(アンナさんの妹でしたっけ? うろおぼえ)が家の世話をしに来てくれてた設定だそうですが、ザラトラスが殺されて以降はギルサンダーも叔父であるドレファス家で育てられて、一緒にご飯を食べてたのでしょうか。 - 通りの奥から、華やかにさざめく年頃の娘の集団が歩いてきた。
「おお ちょうどいい… 手頃な魂で喉の渇きを癒すとしようか」と、フラウドリンは歩を進めていく。すれ違いながら物色していると、娘の一人がピタッと立ち止まった。 - フード付きのケープを被った、なかなか美しい娘だ。フラウドリンに向かってウインクし、ちゅっと投げキッスまでして見せる。
- 「…!」一瞬目を丸くして、フラウドリンもニコッと笑みを返した。
(モテるなドレファス)(どうやら この娘 お前に気があるようだぞ) - 娘が話しかけてくる。「旅のお方ですか?」
「えぇ… まぁ 昔 この町に来たことがありまして 立ち寄ったのです」とフラウドリン。嘘は言っていない。
「でも 旅人にしては 随分 軽装なのね」「フフ…」「山賊にでも襲われたのかしら…?」娘はフラウドリンを覗き込みながら、獲物を品定めする獣のようにぐるぐる歩き周る。持っているハート型の大杖にぶら下げた花かごが揺れた。「それに なんだか旅人には見えない高貴な雰囲気…」「そう! まるで聖騎士様のような――…」 - 遠ざかっていく他の娘たちが、ふと振り向いて「ところで あのコ誰?」「さあ」と首をかしげている。
- 「……」「失礼だが どこかで会ったことが…」と訊きかけたフラウドリンの前で、娘は爪先立つと、ちゅっと頬にキスを落とした。
「お忘れですか?」「元・二大聖騎士長ドレファス様……♥」
流石にぎょっとしたフラウドリンに、照れちゃって案外ウブねと笑いつつ、ロングスカートに見せて巻いていた布とフードを脱ぎ捨てる。簡易甲冑で身を覆った女騎士が現れた。
「デンゼル様率いる<蒼天の六連星>の一人」「デルドレー」 - 「デンゼル…」「奴が動き出したか……!!」
真顔になったフラウドリンの顔に魔神の文様が浮かび、瞳が漆黒に染まる。 - 「残念だわ ドレファス様 わりと
私 の好み だったのに」とデルドレーは大杖を構え、「フ… 好みの男に魂を喰われるなら 満更でもあるまい」とフラウドリンは全身から闇を滲み出させる。
恐れる様子なく、デルドレーはあだっぽく笑った。「あら… デンゼル様が何を計画してるか聞かずに私 を殺しちゃっていいの?」
「魂を喰らえばわかることだ… 安心して死ね」無造作に、フラウドリンは重い拳を振り下ろす。 - が。その拳は彼自身の顔面に炸裂した!
「…?」「何ィ!?」
勝手な動きをした腕をどうにか引き剥がしたが、別の意思があるかのように思うままにならない。それどころか、口までもが勝手に動いた。
「私はっデルドレーに なんということを…」「この手で彼女を傷つけようとしたなんて…!!」
そう叫んで、自分でぎょっとする。
「?」「私は何を言って………いる?」 - デルドレーが蠱惑的に囁いた。
「疑問に思わないで…
私 の魅力に取り憑かれた者は 誰も逆らえやしないわ
ほんの好意は 熱烈な愛情に やがて盲信的な忠誠心になる
それが私 の魔力――」「衝動 」
◆キスしたり「好み 」だと言ったりしたのは、魔力発動のきっかけとなり得る「ほんの好意」を作り出す下準備だったんですね。 - フラウドリンの口元が歪む。「この私に そんなくだらぬ魔力が通じるとでも?」抵抗を続ける己の腕を動かし、ガシィッと女の両肩に掴みかかった。「デルドレー…!!」
- 「……!」デルドレーの顔に驚愕と緊張が走る。
- 「愛してる!!!!!」
フラウドリンの絶叫! デルドレーは心地よさげに身悶え「キャ~~ッ!! もっと言え!!」と勝利の声をあげた。
◆なんだこのコント(笑)。 - 「アハハ… 念のため」「もう一段 深度を上げておこうかしら」
愛を叫び続けるフラウドリンを満足げに見上げながら、デルドレーは独りごちている。 - フラウドリンは葛藤していた。
(深度… なんのことだ? 体と思考の自由が…… まずい… デルドレー)(愛しい…デル…ド… この状況を早く打破しな…ければ…)(抗え…!!)(今すぐ 女を殺………) - 掴まれたままの肩に力を込められ、「ちょっと 痛い!!」とデルドレーが小さく悲鳴をあげる。
- その時、彼方遠くの尖塔から六本の矢が撃ち放たれた。…デルドレーめがけて。
二人は刹那で気付いたが、フラウドリンの目には迷いが浮かび、デルドレーの両肩を掴んだまま、縫い止められたかのように固まっている。
ついにそれがデルドレーに突き刺さろうとした瞬間、彼は彼女に覆いかぶさって、己の背に五本の矢を受けていた。 - ただ一本の矢だけは間に合わず、デルドレーの二の腕を掠めて血を滴らせる。
- 「ふざけんな!!! 一本かすったじゃねーか!!!」「このクソドレファス!!!!」フラウドリンの足を蹴ってデルドレーが罵った。「てめぇ
私 を守る時 一瞬 躊躇しやがっただろぉーーーーーっ!!!!」装甲で覆った足で、背に五本の矢を刺さらせたままの男の脛を何度も蹴りつける。
「すっ… すまない!! デルドレー」と、フラウドリンは平謝りだ。
◆ここでデルドレーに矢が一本当たってたことが、後に何か効いてくるのかな? - 「やっぱ 深度が足りなかったか」と、デルドレーはフラウドリンの胸ぐらを掴んで引き寄せ、深く唇を奪った。
- その時、今度は近くの建物の屋根辺りから、忍者のように身軽な何者かが、デルドレーめがけ無数の「くない」を投げ放った。
片手の一払いで全てを叩き落としたフラウドリンは「何者かは知らんが 私のデルドレーを傷つけようとした罪は重いぞ?」と、欠片の迷いもなく言い切っていた。 - 「…完璧!」と、満足げに舌なめずりするデルドレー。
- 「出てこぬと言うのなら 町ごと消し去るまで!!」フラウドリンは くないの一本を握ると、魔力を用いて攻撃を返そうとした。愛しいデルドレーを狙う何者か目がけて。
『”天漢破獄刃 ”!!!!』
ところが、何も起こらないではないか。 - 「ひっひっひ やるだけ無駄無駄」と、嗤い声がした。フラウドリンが攻撃しようとした方角とは全く別、背後の建物の上からだ。矢筒を背負った軽装の若い騎士、アーデンである。
- 「何もったいつけて出てきてんのさ」と呆れるデルドレーに「女の子をナンパしてたら 遅れちまったんだよ!」とうそぶく。互いに子供のように「ガキが」「ブスが」とアカンベーの応酬をし合った。
◆すごく仲がいいんですね、この二人。ホントの姉弟みたい。 - 「<蒼天の六連星>の小僧か…」「私に何をした…?」フラウドリンは尋ねる。
- 「おっさん… 俺の矢を一体 何本受けた?」と、アーデンは愉快そうに答えた。「1 2 3… 全部で5本か」「「
無駄 」」「俺の魔力がこもった武器に傷つけられると 魔力の消耗がハンパなく でかくなっちまうのさ」
フラウドリンの今の魔力消費量は五倍だという。普段なら簡単に使える技でも かなりの魔力消費になるし、大量の魔力を必要とする大技ともなれば、魔力が足りず発動させることすらできないと嗤う。 - 「貴様如きを殺すのに魔力が要ると思うか?」冷たく言ったフラウドリンは既に宙に跳び、屋根に立つ若者に手刀を叩き込もうとしていた。
アーデンは反応できていない。「アーデ…」と、デルドレーが悲鳴をあげかける。 - 直後、まるで瞬間移動のように割り込んだ背の低い
強面 男が、片手でアーデンを突き飛ばし、もう片手でフラウドリンの手刀を受け止めていた。眉一つ動かさず簡単に止めたように見えたが、実際は、それだけで屋根や周囲が崩壊したほどの衝撃である。落ちたアーデンはデルドレーが抱きとめた。 - 男は<蒼天の六連星>の一人、ワイーヨ。かつてメリオダスが倒した聖騎士見習い・ツイーゴの兄でもある。
- 「ああんっ♥」「ナイスタイミング!!」と、ホッとした顔のデルドレー。彼女の腕の中でアーデンが「ケッ」と吐き捨てている。
- ワイーヨは、バチバチバチーンと三度デルドレーにウインクした。「それではデルドレーさん」「私との結婚を前提とした お付き合いの件… 前向きに検討していただけるでしょうか?」
- 「え゛…… あ」デルドレーの顔が嫌そうにひきつった。それでも、どうにかOKサインらしき形を右手で作ってはみせる。「ほ… ほんのちょっとは… ね… うん…」
- たちまち冷静さを失ったのはフラウドリンである。「デルドレーは誰にも渡さ…」叫び、魔力のないままワイーヨに挑みかかろうとする。
ワイーヨは冷静に、背負った鞘からスッと剣を抜いていた。
「結婚!!!!!」
剣撃がまともに入ったフラウドリンは仰け反り吹っ飛んで、轟音と共に瓦礫の中に叩きつけられる。そのまま気を失ってピクリとも動かなくなった。
チンッと、ワイーヨは剣を鞘に収める。 - なんだなんだ雷か山崩れかと、町の人々が騒ぎ始める。
- 周囲に築かれ始めた人垣を見やって、「騒ぎになる前に とっとと戻ろうぜ」とアーデン。「わかってるわよ」と返すデルドレーの隣で、フラウドリンを担いだワイーヨが「結婚」と釘を刺すように要求する。「…しつこい」と呟いて、デルドレーは腰の収納から呪言の玉を取りだした。
「任務完了」
玉に込められた転送魔法で、彼らはその場から消え去った。フラウドリンを生かしたまま連れ去ったのである。 - 「……」
一連の出来事を、やや離れた高みから、モヤモヤした体に無数の顔面を貼り付けた<十戒>(「灰色の魔神」亜種?)が、無言で見つめていた。 - 場面変わり、港町アイバンローク。
漁業の盛んな小さな町の片隅にある、怪しげな魔術雑貨店GOBLIN SACK。その戸口に立って、いかにも苛立たしげに爪先や指先をトントン鳴らしているのはジェリコだ。彼女は待っていた。中で店主と話し込んでいる男が用事を終えて出てくるのを。 - 「お客さん からかっちゃ困るよ~~」「そんなものが この店にあると思うのかい?」「死人を生き返らせる霊薬だって?」「どこで聞いたか知らんが 本当にあるなら大富豪か どこかの国の王様にでも 金貨100万枚で売りつけて とっとと隠居するさね」
でっぷり肥った店主は、カウンターで薬の調合をしながら呆れた顔を見せる。 - 「ち…」「や~~っぱガセか…」舌打ちし、「邪魔して悪かったな♪」と歌うように言って出て行こうとした男を、店主が呼び止めた。
- 「あ… ちょっとニイちゃん」「その… 最近 妙な噂話なら聞いたよ」「近くの町で死人が生き返ったとか…」「まぁ 真偽のほどはわからんが――――…」
- 「その町の名を教えろ」疑いも迷いも見せず、その男、バンは言った。
- 「盗賊都市レイブンズ」「…行くのはオススメしない場所だがね」と聞いて、店を出て大股に歩きだす。外で待っていたジェリコに声だけは掛けた。「ジョリコ いくぞ♫」
「うん …って 次はどこだよ!?」今やすっかり旅の相棒となった彼女が、小走りに追いながら尋ねてくる。
「最低最悪のゴミ溜めだ♫」そう言って、バンは嫌そうに顔を歪めた。 - 次回「昔の話を聞かせて」
久々に面白かったです(笑)。
でも、フラウドリンのやられ方があまりに間抜け・簡単で、前回までコメディ度30%だったのが急に70%になったというか、木に竹を接いだみたいというか、戸惑わされたのも確かでした。(^v^;)
まさか、闘級1710しかないワイーヨの一撃でノックアウトされてしまうなんて!
これやっぱ、肉体が人間(ドレファス)だからなのかなあ。そのうえで、アーデンの力で魔力を削がれてしまったから?
個人的な考えですが、魔力は武力や防御力に上乗せされ得るものじゃないかなと思っています。
たとえば、キングはハウザーの鎧を殴っただけで手の皮が破れるほど「柔い」のに、いざ戦闘となると、神樹にバシバシ叩きつけられても、ちょっと血が出たくらいでピンピンしてました。普通、あんなにされたらどんな屈強な戦士でもミンチです。妖精王の森でアルビオンと戦った時も、他の妖精たちはアルビオンの一撃で容易く粉々になってたのに、キングは血が出ただけで耐えていました。
これは魔力で防御力を補っているからなのだと思うのです。
聖騎士の最低条件の一つは「魔力を持つこと」だと言われています。つまり、聖騎士の超人的な身体能力は、少なからず、魔力によってもたらされるのだと思うのです。
(ちなみに、気力は魔力を補うものではないかと思ってます。魔力が尽きても気力で補えることがあり、それにより武力・防御力も補われる、みたいな。)
そんな次第で、魔力を失ったフラウドリン・ドレファスは、防御力も激烈ダウンしちゃって、遥か格下のはずのワイーヨの一撃で気絶しちゃったんじゃないかな、と。
で。<蒼天の六連星>のみなさんは、そういったことを熟知していて、「
団長の個性でしょうか。基本・力押ししかしない<七つの大罪>とは対照的ですね(笑)。
デンゼルさんの作戦とやらが何なのかは、未だ不明です。
フラウドリンがデンゼルの名を聞くや「奴が動き出したか……!!」と真顔の臨戦態勢になってたので、かなり厄介な人物なのは間違いないらしい。
そしてフラウドリンがこの町を訪れたのは、やっぱ、ここにデンゼルがいたからっぽいですね。
ただ、それにしては、すぐに彼のところへ行こうとしてなかった辺りが、ちょっと変なのではありますが。
デンゼルさん、フラウドリンを生きたまま連れて来させたところを見ると、単純な魔神族殲滅を考えてるわけではなさそう。
(つーか、ここでフラウドリンを殺したとしても、死ぬのはドレファスだけで、フラウドリン自体は、またその辺の誰かに取り憑くだけなんでしょうけどね。殺せる可能性があるのはドルイドの「
デンゼルさんは、フラウドリンを何かに利用するんでしょうか。
かつてヘンドリクセンがやってたみたいに、魔神の力を人間に移植する?
それとも、かつて魔神族の戦士だったメリオダスが「エリザベス」を愛して人間側に付いたように、フラウドリンをデルドレーへの愛で縛って人間側の戦士として戦わせる?
そんなことではなく、昔話の悪魔のお話みたいに、魂でも担保にして魔神族と取引する?
そして、それによって何を成そうとしているのでしょうか。
清く正しい騎士として、王国の平和のために魔神を倒したいだけ?
それとも、魔神で力を得て自分自身がブリタニアの王になりたい、なんて可能性も……?
色々、想像が膨らみますね。
------------------------------
<蒼天の六連星>(昼)、<暁闇の咆哮>(朝)ときたら、「黄昏」(夕方)系の名を冠した強力騎士団も存在してそうですね、リオネス王国。
今週分を見てて、アーデンが<蒼天の六連星>で末っ子扱いで、なんだかんだ仲間に庇われている感じだったのが胸温まってよかったです。
ただ、アーデンは19歳にしては服装も髪形も子供っぽいと思う(笑)。いや、1000歳を超えて半ズボンの騎士さん方も若干二名ほどいるんですけど(笑)、アーデンは体つき自体は そんなに小さくないからなあ。ちょっち痛く見えるぞ~。
体つきと言えば。
ワイーヨ、カイーデ、ツイーゴの三兄弟。
ワイーヨはむしろ普通の人より背が低いですが、ファンブックによれば、カイーデ(王都決戦の時「決行!」と叫びながらゴウセルを襲ってきた鎧騎士)は身長4m、ツイーゴも3mあるそうです。
うぇえ!? 身長4mに3m!!??
これ、明らかに普通じゃない。そんな人間(昔の『ジャンプ』の漫画とか以外には)いねーよ!
もしかして、この三兄弟って純血の人間ではないんじゃ? 何かしら異種族の血が混じっているんじゃないでしょうか。
巨人族……にしては逆に小さ過ぎるから、トロルとかオークとか、そういう亜人系の血が先祖に薄く。どうでしょうね。
------------------------------
三年前、ドレファス(&フラウドリン)はグリアモールを連れて、叙勲式用の鎧を買いに辺境の町を訪れたそうです。
誰の叙勲式だったんでしょう?
優れた鍛冶屋だっている王都に住んでるのに、わざわざ辺境に、それも息子まで連れて買いに行った。よほど気合が入ってたと見えます。
なので、最初パッと読んだ時、グリアモール(息子)のために奮発して、特別いい鎧を買いに来たのかな、親心で。なんて思いました。
三年前と言えば、グリアモールはまだ18歳。ペーペーのヒヨッ子のはずです。んじゃ、ついに見習いから正式な聖騎士に昇格して、そのための鎧を新調したのかしら、とか。
…いやいや。そうなら叙勲式ではなくて「叙任式」のはずですよね。
(そもそも、考えてみたらグリアモールって、まともな鎧着けてなかったです。「
となると、ドレファス自身の叙勲式だったという選択肢しか残りません。ヒヨっ子のグリアモールが叙勲されるとは思えませんもの。
こんな気合入れて鎧を新調したなんて、三年前、何をしてどんなすごい勲章をもらってたのでしょうか。
それにしても。
フラウドリンの「私とお前と息子の三人で」「もう三年か… グリアモールが随分はしゃいでいた」「俺も父さんのように立派な聖騎士になると 私たちに言ってくれたっけ」という言い回しが。
恐らくドレファスへの嫌がらせでもあるんでしょうが、まるで自身も家族の一員であるかのような表現で、「おやっ」と思わされました。
もしかしてフラウドリンさん、ほんのりではありましょうが、グリアモールに父親の情みたいなのが湧いてきてませんか?
もしそうなら、王都決戦の時「ヘンドリクセンに立ち向かい、善戦したが殺される」という無駄な小芝居をやったのは、グリアモールに「カッコいい父親」と思われたまま人間社会から退場したかったから、なのかなあ。
------------------------------
ちょー久しぶりに、バン登場。
次回からは彼の過去編に入るみたいです。ついにジバゴが本編に顔出しするのかー。
意外だったのが、バンの旅の仲間として、ジェリコがしっかり認められていた点でした。わざと名前を間違えて呼ぶのは相変わらずですけど、出発する時はちゃんとバンから声をかけてる。
へえ……!
バン、変わったんですね。こうして、多少なりとも信頼できる人間を増やしていくのかな。
ただ、ジェリコにとってはちょっと残酷かも。(^_^;)
バンのつれなさが多少薄れたことで、変に期待持っちゃいそうです。
エレインが甦って決定的な失恋をするまで、旅の相棒として頑張るのかな。
グスタフお兄ちゃんは、今頃胃痛で苦しんでそうですね。妹が家出して行方不明! なんと男と二人旅!
彼女の家は それなりの名門らしいですが、世間の風評は、かなり悪いことになりそうです。…騎士としての任務だったってことにすれば、多少は誤魔化せるかなぁ。
------------------------------
今回の扉絵は、「ギーラの指導で剣の特訓をしているベロニカ王女」でした。
魔神族と戦えるほどの劇的なパワーアップとはいかないでしょうが、グリアモールと離れたからってメソメソしたりはせずに、己を高めようと堅実に頑張ってるんですね。ギーラも、ゴウセルにえらい目に遭わされましたけど、大役をもらって頑張ってるんだなあ。
(そして、かつて自分と妹を殺しかけたギーラを赦して、その指導まで受けるベロニカは、とんでもなく懐が広いと思いました。)
話は変わりますが、ベロニカの前に幼児化グリアモールを置いて、何が起きるかを見物したいです。