『七つの大罪』ぼちぼち感想

漫画『七つの大罪』(著:鈴木央)の感想と考察。だいたい的外れ。ネタバレ基本。

【感想】『七つの大罪』第130話 やさしく貫くその痛み

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週刊少年マガジン 2015年31号[2015年7月1日発売] [雑誌]

第130話 やさしく貫くその痛み

  • 時間を少し遡らせ、ドルイドの聖地でメリオダスの力を取り戻すとマーリンが宣言した、第128話ラスト直後の場面からスタート。

  • マーリンは10年前の<大罪>離散時にメリオダスの力を奪った。何故そんなことをと戸惑うエリザベスやスレイダーらに、彼女は詳細を明かした。
    「…私が団長殿から”力”を奪った理由?」「あまりに強大かつ危険すぎたからだ」「それゆえ団長殿は常に感情を操作コントロールし ”力”の暴走を抑えていた」
    再集結後に何度か起きた、半身が闇に覆われての暴走は、マーリン曰く「本来の”力”からすれば 残りカスのようなものだ」という。
    メリオダスが感情を操作コントロールして暴走を抑えていたと聞いたキングが「オイラが変身するのに気を張っていたようなものかい?」と口を挟んで、ホークに「規模スケールが違うだろ」と一蹴され、恥ずかしさで真っ赤になって俯いてたのが可愛かったです(笑)。
    まあ、規模スケールは違うけど「常に気を張っていてリラックスできてなかった」って点は似ているのかな?
    ちなみにメリオダスは、マーリンに力を奪われて以降は「大分だいぶすっきり」だそうで、今は昔ほど気を張ってないってことでしょうか。
  • 「10年前の王国追放劇の中 <七つの大罪われら>を助けようとしたある少女が大ケガを負ったことで 団長殿が暴走しかけた」「その一瞬の隙をつき 団長殿から”力”を分離させると――」「私はドルイドおさに封印の協力を求めた」
    その時”力”を奪っていなければ、リオネス王国はダナフォール同様に消滅していただろうと、マーリンは話を結んだ。
    そんなことがあったなんて知らなかったと驚くキング。メリオダスは、感情操作コントロールのたまものか「いや~~ オレもすっぽり記憶が抜けてましたわ」と他人事めいた顔。エリザベスはと言えば、一連の話をきょとんとして聞いていた。
    ◆文字では説明されていませんが、「<大罪>を助けようとして大ケガを負った少女」ってエリザベスですね、絵で服装や髪形を見る限り。
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    しかし今のエリザベスはそれを全く覚えていないようです。回想絵を見るに髪が血で汚れているようですし、頭を強打して忘れてしまったのかも?
    これまでエリザベスが4歳の頃にメリオダスと知り合っていたのを覚えていなかったのは幼過ぎたからだと思っていましたが、本当は4歳から6歳までの二年間、メリオダスと仲良くしていて、だから助けようとして、この大怪我で忘れてしまっていたのかな?

    マーリンはどうしてそれをぼかしているのでしょうか。エリザベスが「私のせいで10年前にメリオダス様が暴走を」みたいな罪悪感に囚われないよう気を遣った? まさか、彼女がエリザベスの記憶の一部を消していたとかじゃないですよね。

    前回の感想で、マーリンに勝手に力を奪われ勝手に試練を与えられたのに、どうしてメリオダスは少しも怒らないんだろうと書きましたが、なるほど、聖地到着前に予めこういう説明がされていたからか。これじゃ怒れませんな、自業自得だもの。

  • そして話は現在へ。
    ドルイドの聖地の尖塔の中で、メリオダスは突っ立ったまま目を閉じて固まっていた。
    エリザベスは彼の周囲を不安そうにウロつき、これが試練なのですか、メリオダス様は一体どうしてしまわれたのですかと、オロオロしてザネリに問う。
    ザネリは「…黙れ!」と叱りつけ、メリオダスの顔を覗き込む彼女に「しっ しっ」と追い払う仕草をしながら、ここは試練の塔で「今 メリオダスの精神は 己の”力”を容れるに値するか否か試されているぞ」と答えた。
  • そしてエリザベスには、どこからともなく取り出した、土の入った高杯たかつきを手渡した。その土に埋められた、このままでは芽吹けない病んだ花の種を魔力で癒し、咲かせるのがお前に与える試練だと。ドルイドの血を引く者ならそれくらいできて当然、できなければこの先の戦いにはついてはいけんと言われ、高杯を両手で受け取り、気負った表情のエリザベス。
    ドルイドの聖地に行くと決まった時、ドルイド出身で巫女で王女な彼女が、どんな扱いを受けるのかが気になっていました。
    巫女様と大歓迎され崇められるのか、罪人のように冷たくされるのか、やっと帰って来たねと親しく懐かしまれるか。

    …どれでもなかった。超スルーでした!
    エリザベス自身も、自分の出生について気にするかなと思ったのに、そぶりすら無し!

    この場面で「ドルイドの血をひく者なら…」と話題に出ても、ザネリもエリザベスも、思考凍結したかのようにそれ以上に踏み込みません。

    なんか不思議。

    全然関係ないけど、「ザネリ」という名前を見るたびに条件反射的に「ラッコの上着が来るよ」という台詞が脳内リフレインしてしまいます(苦笑)。


  • 一方、メリオダスの精神世界。
    当初は切なさに顔を歪ませたものの、彼はすぐに平静を取り戻していた。…少なくとも表面上は。
    街は大勢の人々でにぎわっている。そんな中をリズと家路につきながら、「ザネリの奴… こんなもんを見せてどういうつもりだ?」と独りごちれば、幻のリズはご丁寧にも「ザネリ…って誰だ? なぁ お前 さっきから様子が変だぞ?」と、至ってまっとうな反応を返してきた。
    「幻覚のくせに よくできてやがる…」
    メリオダスは素早く両の籠手ガントレットを脱ぎ捨て、素手でリズの胸を揉みまくった。愕然と「柔らかい!!」
    赤面したリズの肘鉄がメリオダスの顔面にめり込んだ。「外でやるな!!
    「痛い!!」と、ポーカーフェイスのまま頬を押さえるメリオダス
    ◆夢か現実かを見極めるべく自分の頬をつねって痛いか確かめるのは定石ですが、「往来でカノジョの胸を揉みまくる」→「殴られて痛いかどうか確かめる」とゆー、エロパターン一択なメリオダスさん(笑)。
    そんで、リズがここで怒ったのは、人目がある往来で揉まれたから。以前の回想の出会ったばかりの頃だと、揉まれること自体に怒ってましたけど、この頃はもう、男女関係が出来上がってたんですね。
  • 「バカダナ オメーハ」と人語を喋りながら、一羽のオウムがメリオダスの頭に舞い降りた。「ワンドル!」と、メリオダスはかつての相棒の名を呼ぶ。
    ワンドルは大きな宝石の付いたペンダントをくちばしからぶら下げており「ヒカリモンハ ネーカ?」ときょろきょろ辺りを見回している。
    ◆え…。ワンドルがくわえてるペンダント、かなり値打ちものに見えるんですけど……。まさか、盗み……!??
    ……い、いや、高価そうに見えるけど、道に落ちてた子供のおもちゃとかなんでしょう、きっと、うん!
  • 「ったく… バカやってないで帰るぞ!!」と、呆れたようにリズが言う。「…ああ」と微笑って、メリオダスはもはや逆らわなかった。
    幸せだったあの頃そのままの日常に身を委ねたのだ。試練を半ば忘れて。
    (こんな幻覚を見せる必要があるのか?)(まるで 本当に あの頃にいるような……)
    (いや…… それとも 今まで俺が見ていたものが幻覚なのか?)(リオネスでの出来事も<十戒>の復活も 全部――)
    メリオダスは現実を忘れ、甘い夢に溺れていた。
    二人と一匹で暮らした小さな家に一緒に帰り、リズが夕飯を作ってくれる。家族の賑やかな食卓でたらふく食べて、夜も更ければ、満腹になったワンドルは止まり木でこっくりこっくりと船を漕ぎ始める。恋人たちの秘めやかな時間が訪れ、二人は幸せな気持ちで抱きしめ合う……。
    メリオダスとリズは、正式な結婚の宣誓こそしてなかったようですが、実質、夫婦の生活してたのかー…。すごく仲が良くて幸せそう。
  • 不意に、メリオダスの鼻先に冷たい滴が落ちた。
    「雨…?」
    そこは家ではなく、荒れ果てた瓦礫の中で。冷たい雨の中、抱きしめていたリズは血にまみれ、とうに息絶えていた。
    「あ…」
    街は竜やワームに襲われ半ば壊滅しており、部下であった騎士たちは物言わぬ肉塊と化している。
    「あ…」「あぁ
    ワンドルも石の床に転がって、冷たい剥製のように動かない。リズは目を開かない。
    あ…」「あ…
    断続的な悲鳴を上げ続けるメリオダスの肌や瞳の中にドロッと闇が溢れ、水に落ちた墨汁のように全身から噴出していく。
    「ああ…ああぁあ」「
    それは爆発し、街全体を覆って巨大な闇の柱が立ち昇った。中の全てを粉々に破壊し尽くして。
  • 「うわぁああああああーーーー~~~~!!!」
    悲鳴をあげて、メリオダスは「我に返った」。
    そこは在りし日のダナフォールの街角。リズが「顔が真っ青だぞ…!?」と心配して覗き込んでくる。在りし日の元気な姿で。
    「…!!」「そういうことか…」「これが試練なんだな…」「恨むぜ…… …ザネリ!!」
    冷や汗をダラダラ流し、怒りに顔を歪めてメリオダスは吐き捨てた。

  • 現実世界。
    試練の塔の中、立ったまま眠るメリオダスは、冷や汗でぐっしょり濡れて悲鳴を上げ続けている。
    これまで見たこともない様子に心配でたまらないエリザベスだが、近づこうとする彼女をザネリは片手で押し留め、「他人のことより お前は自分の試練に集中しろ」と戒める。
  • そうしながらザネリ自身も、心配でたまらぬ苦しげな顔になっていた。
    (”力”を戻すだけなら 容易だが)(戻したところで 再び暴走したのでは 全く意味がない)
    (力を使いこなすには怒りのたかぶりを抑える必要がある)(それを会得するまでは悪夢試練は永遠に繰り返されるぞ!!)

  • メリオダスは悪夢を見続けた。
    これが試練の夢だと解っていても、生きたリズやワンドルに会えば現実を忘れ、幸せに身を浸してしまう。そこからの喪失、失我の暴走と滅亡。幾度も幾度も繰り返し続け、変えることができない。

  • ついにザネリが術を解いた。目覚めたメリオダスは「なんでオレを…引き戻した!?」と怒りを見せたが、ザネリは苦しげに引導を渡してきた。
    「もうやめておけ」「これ以上続ければ お前の精神こころが死ぬ」
  • 冷や汗に濡れて荒い息をつくメリオダスは、反論できず、よろめいて膝を崩した。苛立ちのままに、「くそっ!!!!」と床を殴って、悔しげに拳を握り込む。
    ◆これだけ感情をあらわにしたメリオダスは珍しいですね。普段は感情を抑えて飄然としたフリをしているだけで、本来は怒りも喜びも、情動の幅の大きな人なのかな。
  • ザネリは苦しむメリオダスを目の当たりにして自分も苦しそうにするが、かける言葉がなく、何もできない。
  • だがエリザベスは彼の肩にそっと手を添え、優しく語りかけていた。
    「いいんですよ」「誰も責めたりなんてしてません」「メリオダス様は いつだって 私たちのために命がけで戦ってくれたじゃないですか」「ね…?」
    メリオダスが目を上げた先には、彼の悔しさを慮って涙を浮かべ、それでも微笑むエリザベスの、顔立ちはリズと同じ、けれど彼女とはまた違う、優しい表情があった。
    「エリザベス…」
  • 「お前は自分の試練に集中するんだぞ!!」と、ザネリがまなじりを吊り上げてエリザベスを怒鳴る。
    ◆ザネリさん、嫉妬がいちいち判りやすい。姑みたい。
  • メリオダスは、もう一度 試練の術をかけてくれとザネリに頼んだ。「む…無茶だ いくら お前でも これ以上の負荷には耐えられんぞ」と彼女は躊躇うが、「問題ねえ」と言い切る。憔悴しきった体に鞭打って立ち上がり、両の拳は決意を示すように強く握りしめられていた。
    (オレは強くなる)(今 守るべきもののために)
    まだやれる
  • 次回「愛する者との約束」

 

今週の見どころは、メリオダスの無限「イヤボーン」でしたね。

イヤボーン……超常能力で戦う系の漫画によくある、追いつめられたキャラが「イヤーッ」などと悲鳴をあげると、謎の超力が発露してボーンと周囲や敵が爆発する展開のこと。『サルでも描けるまんが教室』出典。

 

 

メリオダスの「気力値 2010」とは何だったのか。

 

メリオダスは主人公で、

3000年も生きてる過去の聖戦の英雄?で、

常にポーカーフェイスの、真意や実力を隠した「底知れない男」で、

戦闘時の冷静さと忍耐を示す「気力」が2010という異常な数値で。

 

なので、肉体的にも精神的にも、誰よりも強いのだと、ずっと思っていました。

 

しかるに、今週分を読んで、最初に思ったのは。

あれ。

もしかしてメリオダスって、精神的には結構 脆い……?

だって、それが試練の幻だと認識しているのに何度試しても同じ失敗をしちゃうなんて、さすがに、そうとしか言えないですよ。

 

とゆーか。

メリオダスほどではないにしても力を持つキャラは他に何人もいますが、ショックを受けたからって、魔力を暴発させたり自我を失って周囲を破壊したりする人は、他にいないですよね。

まあ、マーリンが<十戒>の復活を知った時に軽く魔力を暴走させた(部屋の中に突風が渦巻いた)のと、ディアンヌがバイゼルで瀕死のメリオダスを見て、怒り任せに街ごと周囲をふっ飛ばしたのくらいか。けれど、どちらも自我を失ってはいません。

バンも目の前で愛する女性を失い、怒りを爆発させましたが、自我を失って暴れたわけじゃない。

キングは親友を殺さなければならなくなったり、愛する女性を瀕死にされましたが、泣いたり激怒したりはしても、戦闘ではむしろ冷静になって、暴走はしていません。

 

似たような状況に陥ったバンやキングはそうならなかったのに、メリオダスは「愛する女性」が死んだり瀕死になったりすると暴走してしまう。何故か?

メリオダスの力が「特別」大きいからだ、バンやキングは力がないから暴走しないんだ、と言われるかもしれません。

ならば、メリオダスの「器」が、力を容れるには脆く小さい、と判断せざるを得なくなります。

他の人はどんなに動揺してもそうならないのに、メリオダスは動揺だけで暴発する。

大きい力があるなら、それに見合った器があればそうはならないでしょう?

コップ(器)になみなみと水(力)が溜まってて少しでも揺れれば溢れだしちゃう。容量に対して中身が多すぎる、不相応な状態ってことではないですか。アンバランスですよ。

 

メリオダスは暴走を防ぐために普段から精神コントロールしてポーカーフェイスを保っていたと、今回説明されました。

なんと、日常から感情を揺らさぬよう心掛けていなければ危険だった!?

つまり、「よほど気を張ってコントロールしていないと、ちょっとしたことで力が暴発して自我喪失して暴れかねない」と彼自身思ってたってこと?

スカした顔をしているけれど、本当はメリオダスは人並外れて動揺しやすい質なのだ、と解釈してよろしいのでしょうか。

 

ゴウセルの技とは違って、親切にも、これは試練だとハッキリ自覚できる幻覚だったのに、生きているリズに会えば「リオネスでの日々の方が幻だったのかな」なんて揺らいじゃって、現実を忘れて幻の幸せに取りこまれ、リズの死にぶつかると「イヤボーン」ってのを、飽きず延々と何度も何度も何度も何度も繰り返してたのを見て、この人むっちゃ精神的に弱いな、流されやすいんだな、と感じたのです。皆さんはどう思いました?)

 

メリオダスの気力値2010ってのは結局、心の強さと言うより、根性の強さを示してたのかなと思いました。誰よりも根性あるのは間違いないと思いますし。

本当は動揺しやすいのに、根性でそれをカバーしてた、と。

それはそれで、とても凄い。

鋼の精神力は努力のたまもので、本当の彼は違うのかもしれない。

 

もし本当に、メリオダスが本来は並外れて情動が大きいのだとしたら、3000年前の彼は今よりももっと感情豊かで、大きく驚いたり泣いたり怒ったりしてたのかなあ。

 

 

メリオダスが精神的には脆いのだとしたら、小中学生の男性読者辺りからは評判が悪いのかもしれません。この年頃は無敵の主人公を好みそうだし。

でも、女性や年長の読者にはかえって人気が出るのかもなぁと思います。

少なくとも私は好きです、鋼の強さの中に弱さを内包した英雄は。

 

 

今週のお話を読んだら、アニメ第一期の第一OP(『熱情のスペクトラムいきものがかり/作詞:水野良樹)のメロディと歌詞が脳内リフレインして仕方がなかったです。特にこの辺り。

悲しみに負けたくないんだよ 怒りに打ち克ちたいんだよ
揺らぐ脆さも向き合って越えたいんだ
だから僕は君に言うんだ たとえ誰かが笑おうとも
ともに生きるその声を守り続ける

鳴りやまぬ 愛をさけぶよ すべてを抱いてここにいるんだ
ひかりはそこにあるよ
ゆずれない想いを架けて 希望の果てを僕は生きるよ
夢をつないだ 君と 君と

次週、この歌詞のように、「(リズの託してくれた)夢をつないだ君(エリザベス)」と「ともに生きる」ために、試練を「越え」てくれることを期待しています。 

 

ちなみに、第一部王都決戦、バンに殺されかけたメリオダスが、エリザベスを助けるため死ぬわけにはいかないと「お前に譲れねぇもんがあるように オレにも絶対譲れねぇもんがある」と対決を宣言した場面(第88話)を読んだ時も、この『熱情のスペクトラム』の「ゆずれない想いを架けて」辺りの歌詞がぐるぐるリフレインしてました。

 

 

 

歌詞と言えば。

アニメ版のメリオダスのテーマ『Perfect Time』(作詞:mpi)の歌詞に

Elizabeth Your tears and my fears are almost disappear.

ってあるじゃないですか。
あれ、ちょっと疑問だったんです。

「エリザベス、お前の涙(ティアーズ)とオレの恐れ(フィアーズ)はもう消える」って。

メリオダスは、逃亡生活をやめて再び<大罪>として活動することを「恐れて」いたのか!? って。

彼はすごく強くて、飄々としていて、恐れなんてものと無縁なように見えるのに。

 

アニメの挿入歌だから原作にはさほど関わらないでしょとか、ティアーズとフィアーズで単語の音韻を踏んだだけで深い意味はないでしょとか呆れられそうですけども。

それでも、考えてみたら、エリザベスに見つけてもらうまで沈黙して、<大罪>として何も行動してなかったのは確かなんですよね。10年も!

 

戦うのが怖かった? 仲間の誰かが裏切ったかもしれない真相を知るのが嫌だった?

いやいやまさか、あの鋼のメリオダスが…。

 

とか思ってたんですが。

今週のお話を読んで、「恐れていた」ってのもアリかもしれないなあと思うようになりました。

記憶がすっぽり抜けていても、自分を助けようとしたエリザベスが大ケガを負ったことが無意識のトラウマになっていた、なんてこともあるのではと。思っていたよりも精神的に脆い面もあるみたいだし。

王都に行ったら戦いになって、またエリザベスが瀕死になるかもしれない。

心の底にそんな恐れがあったから、10年も、濡れ衣を晴らすことも仲間を探すことも聖騎士たちの横暴を積極的に諫めることもせず、ぼんやり酒場のマスターをやっていたのかもしれないな、とか。

はい、妄想です。(^_^;)

 

あと。

ダナフォール消滅跡の大穴の底にフラウドリンが生き残っていて、ドレファスが取り憑かれてしまったって話を読んだ時、メリオダスは詰めが甘い、どうしてとどめを刺さなかったんだ、穴を開けてからドレファス達が調査に行くまで6年もあったのに、一度も自分で確認に行かなかったのかと、かなり疑問に感じていました。

これも、メリオダスが本当は精神的に脆い面があって「恐れて」いたのなら、アリなのかなと思うようになりました。

リズや仲間が死んだ忌まわしい場所に近づくこと、敵対しているとは言え同族のフラウドリンの生死を確認して、もし生きていたらとどめを刺すことが、怖かったのかなあと。

 

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閑話休題

今週のお話には関係ない上に、かなり今更な話です。

いや単に、今までネタにするのを忘れていたのです。(^_^;)

 

2015年5月14日に行われた、スマホゲーム『七つの大罪 ポケットの中の騎士団』のイベントに、原作者さんが読者の質問に答えるコーナーの出張版がありました。

そこで明かされた幾つかの情報の中に、第二部の妖精王の森にモブとして出てくる、作者の過去作『ライジング インパクト』の主人公・ガウェインそっくりな妖精キャラについてのものがあって。

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このキャラは「プオーラ」という名前で、ガウェインではない。そして、『七つの大罪』には別のガウェインというキャラが登場する予定だと。

 

ガウェインは、アーサー王物語群ではメインキャラ(円卓の騎士)ですが、『七つの大罪』ではどんなキャラとして出てくるのか。

元ネタではアーサー王の甥っ子の優秀な騎士です。ならば『七つ~』では、少年王になってるアーサーに合わせて、彼と同輩か少し年下の友人キャラとして出てきそうかな?

或いは、エスカノールの関係者として登場するのかも。というのも、元ネタのエスカノールは、ガウェイン主人公のお話の序盤の中ボスだからです。

で、そのお話ではエスカノールは朝から正午にかけて力が強くなり、以降は衰える特殊能力持ちなんですけど、同じ能力が、別の、エスカノールの出てこないお話ではガウェインの特殊能力ってことになっています。

なので、『七つの~』のガウェインはエスカノールの弟分とか、あるいはエスカノール自身の偽名、なんて可能性もあるのかもしれない。

 

つーか、そろそろ待ちくたびれてきましたよエスカノールさん…。

いつ出るの……。 

 

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